10月の雑記テーマは「気になる言葉」。
流行語や身の回りの言葉、故事成語やことわざなど、担当者が今気になっている言葉を語ります。
普段使っている言葉でも、ふと疑問が生じること、ありますよね。
例えば「背に腹は代えられぬ(ない)」。
万事OKではないけど、それでも最善と思われる道を選ぶ「大人の判断」感や、どっちがどっち?となる語順が面白く、もともとなんとなく好きな言葉なのですが、ある時急にひっかかりました。
背に腹を代える...どういう状況?と。
「酢に味噌は代えられぬ」ならわかります。酢飯を作りたいのに家に味噌しか無いような状況ですよね。
でも、腹を背に代えたいと思うこと...あるか?と。
そこで、今更ながら辞典類を見てみますと...
ジャパンナレッジのデジタル大辞泉に
「《五臓六腑のおさまる腹は、背と交換できないの意》さし迫った苦痛を回避するためには、ほかのことを犠牲にしてもしかたない。」とありました。
そうか。「腹」というのはただ「体の前側」ではなくて内臓を含めた「大事な部分」のことで、ここには明確に「背<腹」という優先順位があるんですね。腑に落ちました。
「大人の判断」程度ではなく、ましてや「味噌しかないから酢飯はあきらめて焼きおにぎりにするか」というレベルではもちろんなく、犠牲をはらってでも大事なものを守る覚悟を示す、思っていた以上に武士っぽい強い言葉でした。意味や成り立ちを調べてみることは大事ですね(当たり前)。
なお図書館の児童書コーナーでことわざの本を数冊手に取ってみたところ、上記のような説明がしっかり書かれているものがほとんどでした。こういう本をちゃんと読んでいたら今回無知をさらす文章を書かなくて済んだのに...。
「背に腹は代えられぬ」チャンスがあればそれとなく会話に織り込んでいこうと思っていたのですが、これだけの覚悟をもって言うことは日常ではなさそうです。