見本のおはなし
~TRC AV MARC概論 Vol.2~
出だしは、まず図書とAVの数のお話から。
先週、AVではCD・カセット・DVD・ビデオのMARCを作っているとお話しました。さらっと言いましたが、4種類です。図書は本1種類(厳密には紙芝居なんかもありますが)ですから、種類だけは4倍です(えっへん)。でもMARCの作成件数は大違い。新刊目録の部署で日に300件を超えると忙しい、と言っていましたが、AVではそれは週の件数。社員・パートさんを含めた人数比も、約9:1と大幅に違います。
だがしかし、「図書=大勢で大量生産」「AV=少人数でちょっとだけ」かというと、そう単純にも言えません。時間がかかったり、苦労するポイントがずいぶんと違うのです。(←詳しくは後日)
今日の本題、見本のお話。
新刊目録の部署では発売日前に取次に納められる見本を使ってMARCを作ります。書店にも並ぶ前、一般の人の目にはまだ触れていない段階の見本です。
AVでは違います。さらに録音資料と映像資料で違います。
まず、録音資料からご説明するとしましょう。
録音資料(カセットとCDです)のMARCは受注生産です。図書では、売れる売れないは関係ありません。せっかくMARCを作ってもその図書の買い手がなかった、ということも(哀しいけど)有り得なくはないのです。
録音資料は、どこかの図書館に「この商品を買います」と言われて初めてMARC作成の対象になります。注文を受けるとTRCは商品を集めます。その商品を使ってMARCを作成しているのです。
映像資料(ビデオとDVDです)はまた違います。映像資料を図書館に置く際のポイントは著作権。映像資料は商品によって利用できる範囲が違うのです。貸し出ししてよいか、上映会をしてよいか、一件一件メーカーに確認しなくてはなりません。この確認が済んだ商品のみ、メーカーから見本をもらい、それを使ってMARC作成をしているのです。
どうです? 図書とAV、見本の流れがずいぶん違うでしょう。