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2012年6月 アーカイブ

2012年6月29日

ちょっとトクベツなカッコのはなし

MARCや図書目録をみるとたまに〔 〕で囲まれている項目があるけど、あれは何?
実は〔 〕は補記のしるしです。

「日本目録規則」1987年版改訂2版に
2.0.3.2B 所定の情報源以外から得た書誌的事項は,補記の事実を示すため角がっこに入れて記録する(後略)
とあります。TRCMARCも補記をする際には角がっこ〔 〕を使用しています。

出版者や出版年が規定の情報源になかったため、情報源以外から採用する場合には


出版年月〔2012〕
出版者〔△△出版社〕

のような形で記述します。

また、TRCMARCでは2012年1月より、続き物であることを明記するために巻次・小説シリーズ名等の補記をしているものがありますが、その場合にも情報源以外からの情報は〔 〕に入れて記述しています。
                             

TRCMARCの検索結果一覧表示に



タイトル巻次出版者
AAAAA〔1〕BBBBB
AAAAA2BBBBB

と並んでいたときには、
1巻の巻次は〔 〕に入っている、ということは、最初の1巻目は巻次が情報源にはなかった。
巻次2は〔 〕に入っていないところをみると実際に図書の情報源に「2」とあったのか。
続巻で巻次がついたので最初の1巻目に巻次を補記したんだな・・・
というふうにご理解ください。

なお、混乱を避けるために、情報源の表記が〔 〕の場合には、〔 〕以外の形の情報源があればそちらを採用、情報源すべてが〔 〕表記であれば〔 〕を< >におきかえて記述をするということにしています。
例えば、実際の図書のタイトル表記は「〔図解〕よくわかる~」であってもTRCMARC上は「<図解>よくわかる~」となります。

ちょっと特別な、補記のしるし=角がっこ〔 〕のはなしでした。

2012年6月28日

思い出の図書館 ぞ~っとする部屋


子どもの頃によく行っていた近所の図書館でのこと。
いつもは子ども室に直行していたのですが、ある時、大人のコーナーを探検してみることにしました。
ぶらぶらと歩いていると、他とは違う雰囲気の部屋があり
入口からのぞくと、ガラスケースの中になにやら並んでいます。
誰もいない部屋におそるおそる入り
いかにも古そうな本や文房具を見つつ、ぐるりと一周
目をひいたのは、やけにリアルな人物のお面!?
それはデスマスクでした。

当時、デスマスクの意味を知らなかった私ですが
シーンとした薄暗い部屋と、やけにひんやりとした空気
そして不気味な謎のお面。
急に怖くなりなり、そそくさと部屋をあとにしました。
でも、しばらくはこの部屋とお面が気になってしかたがなく
そーっと入ってみては、ぞ~っとする、を何回か繰り返したのでした。

ここは、ある文豪の住居跡に建てられた図書館で
私がおそるおそる入った部屋は、遺品等を紹介する常設展示室でした。
暗めの照明も空調も、貴重な品々を保護するためで
このことに気づいたのは、ずいぶんと後になってのことです。

2012年6月27日

きょうのデータ部☆(6/27)

201206271548000.jpg

不思議なタイトル3連発。
「蘇州夜曲」? 穂村ワールド! どうせならゴッソリと! 

2012年6月26日

海藻アート

本日は「週刊新刊全点案内」1772号の発行日です。

掲載件数は1472件でした。

*こんな本がありました*

海藻 日本で見られる388種の生態写真+おしば標本
(ネイチャーウォッチングガイドブック)

阿部 秀樹(写真),野田 三千代(おしば),神谷 充伸(監修)
誠文堂新光社 (2012.6)

日本で一般的に見られる海藻類を生態写真等を使って解説。個人的にはまっている三陸地方特産の高級海草「マツモ」も掲載(美味なんです)。しかし、なんといってもこの本の見ものは海草おしば。作り方もばっちり掲載されていますので、子どもの自由研究にも良いかもしれません。巻末の海草おしば絵例も本当にアートな感じ!流行るかも?

また、こちらの本も意外と海で役立ちそうです。
鳥の足型・足跡ハンドブック 原寸大 318種

小宮 輝之(著),杉田 平三(著)
文一総合出版(2012.6)

日本で見られる野鳥318種の足型・足跡を原寸大で掲載。
海辺の鳥も収録されているので、砂浜の足跡さがしとか楽しそう。
日本の鳥では足のパターンが8つに分類されるとか、目からウロコです。

2012年6月25日

V.A.って...誰?

こんにちは。梅雨のこの時期、体調も乱れがちですが、先週、長年応援しているJ-POPバンド、スターダスト・レビューのニューシングルが発売され、気持ちだけは はなまる気分の AV(録音・映像資料)高田です。

ところで、CDで「V.A.」という表記を見たことはありませんか?
初めて見たときは、新たにデビューしたミュージシャンか、と思ってしまいました。
ですが、よくよく見ると、どうやらアーティスト名ではないらしい...。

実はこれ、various artists の頭文字。
つまり「V.A.」と記載されたCDは、いろいろなアーティストの楽曲が1枚に収録されている、ということを表しているのです。
「V.A.」は、アーティストそのものを表しているわけではないので、TRC AV MARCでは責任表示には採用しておりません。

POPS系のCDで、たま~に見かける表記です。
なんとなく忘れている頃に、ひょこっと出てくるのです。
稀に、ピリオド無しの「VA」なんて表記もあります。
これも、新しいミュージシャン!? と思ったことがあり、油断大敵です。

2012年6月22日

北欧のミステリーが読みたい 


~~ MARCで探そうQ&A 第14回 ~~

Q.「ミレニアム」は面白かったなー。作者はスティーグ・ラーソン...スウェーデンの人か。そういえば北欧っぽい名前の作者のミステリー、最近よく見かけるような。なんか、面白い北欧ミステリーはありませんか。


A.「なんか、面白い」にたどり着けるでしょうか? TRC MARCを使って探してみましょう。

まずは分類で検索してみます。

北欧文学の多くは、NDC 949(その他のゲルマン文学)に分類されます。
スウェーデン語の小説は 分類949.83
ノルウェー語は949.63
デンマーク語は949.73
アイスランド語は949.53 となります。
フィンランド語の小説はちょっと違って、ゲルマン語系ではないので 993.613に分類されます。 


個々に調べてもよいのですが、まずはざっくり949*(前方一致)で。フィンランド語が入りませんがご容赦。
出版年はここ10年、児童文学を除くために利用対象は「一般」にして...。
すると、250件あまりがヒットしました。

なかには「トーベ・ヤンソン短篇集」や、自然科学者リンネの生涯を扱った小説も混じっています。
1件ずつ内容をチェックしていくのも、タイトルであたりをつけるのもちょっと面倒...。


こんなときに力を発揮するのが、2012年6月からTRC MARC/Tタイプでご提供を開始した新ジャンルです。4階層の構造をもち、総数1084のジャンルで、図書の内容をより細かく表現できるようになりました。

新ジャンル「文学>小説>推理・ミステリー」をかけあわせてみると、50件程度に絞り込むことができました。拍手。


さて、それから。
「面白い」は人によってツボが違うので難しいところですが、一般的な評価が助けになるかもしれません。

「ミレニアム」のデータをみると、受賞情報に「ガラスの鍵」賞、とありました。

この賞は、国際推理作家協会北欧支部のスカンジナヴィア推理作家協会が北欧5カ国の最もすぐれた推理小説に贈る文学賞(出典:Wikipedia)とのこと。期待できそうです。

受賞情報をかけあわせたところ、こんな本が見つかりました。

続きを読む "北欧のミステリーが読みたい " »

2012年6月21日

マンガ図書室の思い出

こんにちは。データ部 分類/件名の豊田です。
先週に続き、図書館にまつわる思い出など。
といっても、図書館ではなくて図書室?
それも学校のではなく、児童館の図書室の思い出です。

普段は習い事があったり、友達と遊んだり、というごく普通の小学生ライフを送っていたんですが、ふいに一人っきりで放課後を過ごさないといけない、という日があると、よくこの児童館に出かけていました。
指導員の方が工作や手芸などを教えてくれたりすることもあったのですが、私の一番の目当ては図書室、それも図書室に置いてあるマンガ!でした。

なぜかはわかりませんが、ここの図書室はほぼマンガで占められていて、しかも子ども向けにしては、かなりマニアックな品揃えでした。
「マカロニほうれん荘」とか「750ライダー」とか「風と木の詩」とか...。
「風と木の詩」は、うっかりページを開いてしまい、「これは子どもが読んじゃいけないマンガだ!」と本能的に察知し、罪悪感に苛まれた記憶が。
あれはいったい、誰の趣味だったんだろう...?

一番お気に入りだったのは「ベルサイユのばら」と「サイボーグ009」。
あと、「由似へ」という、母親が病弱で子どもの由似がまだ小さいときに亡くなってしまい、誕生日ごとに読めるように手紙を残していく...というマンガが強烈に忘れられないのですが、その後出会う機会もなく。
そこの児童館は今も健在のはずなので、図書室に行ったらまだそのマンガが残っているかも...と時々思いを馳せてみるのでした。

2012年6月20日

きょうのデータ部☆(6/20)

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蒸し暑くなりましたねー。スッキリ!! できそうな本をセレクト。

2012年6月18日

和装本の巻冊次(1)~ASで作成するデータについて~

こんにちは。データ部AS・伊藤です。主に和装本を担当しています。

現代書では「巻次」は「冊次」と同じように使われますが、和漢古書では「巻」と「冊」が一致しないこともしばしば。そもそも書誌作成単位をどうするか、巻冊次を書誌に記録するのかという問題はあるのですが、それはひとまず措いておいて、和装本の題簽(題箋)(だいせん)や表紙に見られる冊次の表記について、ちょっと書いてみようと思います。

現代書と同じように、「一・二・三~」の序数になっているものや「前・後」「上・中・下」などはわかりやすいのですが、「乾・坤」「甲・乙」などはいかにも古めかしいですね。「麟・鳳・亀・龍」(霊獣)、「宮・商・角・徴(ち)・羽」(中国音階)、「仁・義・礼・智・信」(儒教の徳目)、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」(十二支)など、知識が求められるものも。「元・亨・利・貞」(『易経』)、「賦・比・興・風・雅・頌」(『詩経』)など、経書(けいしょ)(儒教の経典(けいてん))に由来するものもあります。

それが巻冊次であることに案外気づきにくいものとして「本・末」というのがあります。「唐物語(からものがたり) 本」とだけあって2冊目が欠けていたら、この「本」とは何のことか、一瞬わかりかねるかもしれませんね。
逆に「本」が巻冊次だとわかれば、手元の「唐物語」がもともと2冊セットだったことがわかります。同様に、「他山之石 宮」「他山之石 角」という2冊だけが手元にある場合、この「他山之石」はもともと5冊セットだったことがわかるわけです。

ただ注意が必要なのは、「上」がもと「上・下」の2冊セットである場合と「上・中・下」の3冊セットである場合とがあるように、残された冊から推測できるもとのセットの冊数が何パターンか考えられるケース。「元・亨」「麟・鳳」とあったら、これで完結している場合と上記4冊セットの場合と両方考えられます。「甲・乙」もこれで完結しているかもしれませんし、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」(十干)で10冊セットの一部かもしれません。

また同じ文字が違う一揃いの中で使われる場合もあります。たとえば、「礼」は「仁・義・礼・智・信」という5冊セットのほか、「礼・楽・射・御・書・数」(『周礼(しゅらい)』にある、君子の身につけるべき教養・「六芸(りくげい)」)の6冊セットの場合でも使われます。

「月」なども、「日・月」で2冊セット、「雪・月・花」で3冊セット、「花・鳥・風・月」で4冊セットという具合に使われます。ちなみに、「日・月・火・水・木・金・土」で7冊セット、などという古書はありません。
なお、「月」を使ったセットと言えば、「花・月・雪・星・宙(そら)」に決まっている!とおっしゃる方もいるかもしれませんが、残念ながらそういう古書もないと思います。宝塚ファンの皆様、申し訳ありません・・・。


ということで、では最後にクイズを二つ。
(1) 手元に3冊ずつ別々のセットものの一部と思われるものがあります。片方の巻冊次は「金・木・火」とあり、もう片方は「金・木・石」とあります。それぞれ何冊セットの一部でしょう。

(2) 手元にセットものの一部で、巻冊次に「天」とあるものがあります。もとは何冊セットの可能性があるでしょう。


続きを読む "和装本の巻冊次(1)~ASで作成するデータについて~" »

2012年6月19日

下落合-盛岡


本日は「週刊新刊全点案内」1771号の発行日です。

掲載件数は1053件でした。

*こんな本がありました*

松本竣介 線と言葉
(コロナ・ブックス)

コロナ・ブックス編集部(編)
平凡社 (2012.6)


いま自分の住んでいる地域が「池袋モンパルナス」に近いので、関係する展覧会はいくつか見に行ったことがあり、その中でたびたびふれられている松本竣介はちょっと気になっていた画家のひとりです。

詳しく紹介される機会になかなかめぐり会わなかったので、この本を見つけ「これだ!」...ネット書店で即買いしました。

表紙にも使われている独特の青い色と線画が印象的です。
(茶色の作品もいいです)

今年、生誕100年を記念する展覧会が5会場で開催されるとのこと。
ゆかりの地・岩手県盛岡市からはじまり、年末には都内にも来るというではありませんか。楽しみです(^^)


2012年6月14日

セピア色の学校図書館で


こんにちは。データ部 新刊目録 古参の女性社員・大谷です。
きょうは、図書館にまつわるちょっとした思い出話です。

私が小学生だった頃の学校図書館は「並んでいるのは古くて茶色くなった本ばかり、開館時間も限られていて子どもが気軽に立ち寄れない」場所でした。

雨の日の体育の時間や、何かの都合のあき時間が「図書室の時間」になっていました。
クラスメイトたちは思い思いの本を選び、席に座って読み始めます。
私は、並んでいる本を眺めることにいつまでも熱中。
「はやく読む本を決めなさい」と先生に注意されます。
(先生は日ごろの私の優柔不断なのを知っていますから無理もありません)

行動範囲の限られている小さな町の小さな小学生にとって、とにかくいろんな本が並んでいて手に取り放題な場所というのはほかにありません。
読みたい本は最後に借りて家で読めばいいのですから、図書室のこの貴重な時間はとにかく棚の端からはじまで、どんな本があるのか、とにかく見たいんです。(これはクセかもしれません 何のお店に行っても「店の中を一周してから決めたい」タイプです)

ついでに「何かおもしろい本なーい?」と寄ってきたクラスメイトにはテキトーに「おすすめ」もしていました(苦笑です)。覚えているのは、まどみちおさんの「てんぷらぴりぴり」。ポップなタイトルも装丁も目をひきました。

なお現在は、図書担当の先生やPTAの方々が整備をして、明るく楽しい図書室になっていると聞いております。


それから、「古くて茶色くなった本」の魅力も、もう少しオトナになってからわかって来ました。

20120614.jpg

2012年6月15日

朝の占いが最下位だったと気づく時~分類/件名のおはなし・33~

最近、仕事中に子ども向けの本をよく見かけるようになりました。
そういえば来月は学校が夏休み。
休み前は自由研究や工作、観察の本が増えるのを思い出しました。
なぜ子ども向けの本が多いなぁと気づくかというと、分類/件名チームでは学習件名を付与する作業があるからです。


学習件名は子ども向けのノンフィクションに付与しています。
詳しいことは、ブログ左にあるカテゴリーの「学習件名」にある記事をご覧下さい。
学習件名は、「1p以上の記述があれば採用」そして「最大99件まで付与できる」というのが大きな特長(<子どもたちの強い味方!学習件名をご紹介します~学習件名その1>の記事より)なので、該当する図書を手にしたら1pづつ本文を見て学習件名と掲載ページを入力しています。


学習件名を付与しつつですが
今はこんなこと習うんだとか、今でもやり方変わってないのねetc.
ちょっとした発見もあったりします。

本好きな人が見ると、楽しそうだなぁと思われるかもしれませんが
それが例えば38冊セットだったりしたら。


結構タイヘンです...(本音) 


来週発行の「週刊新刊全点案内」1771号にその38巻セットがあります。
ちょっと早いですがご紹介します。
その名も
せかい伝記図書館 改訂新版 1 シャカ 孔子 ソクラテス

子ども文化研究所(監修), 岩本 暁顕 (ほか著)
いずみ書房(2012.6)

1巻の巻タイトルは「シャカ 孔子 ソクラテス」ですが、実際は多くの人がとりあげられています。
したがって学習件名は「シャカ」から「張/騫」まで12件を付与しました。
そしてこれが38冊!(正確には36巻+別巻2ですが)
さらに内容細目ファイルもあります。

なんだか最後はTVショッピング風になってしまいましたが
詳細は明日以降にTOOLiでご覧下さい。

2012年6月13日

きょうのデータ部☆(6/13)

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旅に出たい...!

2012年6月12日

エルビス

本日は「週刊新刊全点案内」1770号の発行日です。
掲載件数は1202件でした。

今週号より誌面をリニューアルいたしました。
昨日のブログでもご紹介しております。是非ご覧ください。


*こんな本がありました*


LOVE♡サンドイッチ

ジョン・チョンコ(著),三角和代(訳)
グラフィック社 (2012.6)


写真がとても綺麗です。これらは全てスキャナーで撮影されたものとのこと。

おいしそうなサンドイッチが、たくさん紹介されています。

なかでも気になったのは、バナナ+ピーナッツバター+ベーコンのサンドイッチ。

恐ろしいカロリーになりそうですが、甘くてしょっぱくておいしそうです。

プレスリーが大好きだったレシピなのだそうですが・・・食べすぎはいけませんね。

ちなみに日本のサンドイッチとして、やきそばパンが紹介されています。

2012年6月11日

新刊案内リニューアルのお知らせ

こんにちは。「週刊新刊全点案内」の編集を担当しています、大槻です。
いつも「週刊新刊全点案内」(以下「新刊案内」)をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

さて、MARC改訂から始まった2012年も、半年が過ぎました。
改訂プロジェクトが進む中、「新刊案内」もよりパワーアップするべく着々と準備を重ねてきましたが、とうとうお披露目できる時がやってきました!
今週号1770号(6/12発行)より、MARC改訂を反映させたリニューアル版「新刊案内」をお届けいたします。

大きくリニューアルした点は、2つです。

新継続ページ掲載の文庫に内容紹介を表示します
新継続ページ掲載の文庫のレイアウトを一新し、内容紹介を掲載するスペースを設けました。

ジャンルの表記を変更・拡充します
従来のジャンルよりも詳細なジャンルを表記し、より図書の内容を判りやすく表示します。

例えば...
今まで「小説」としかジャンルを表記できなかったのですが、
これからは「推理・ミステリー」や「ホラー・怪談」、「歴史・時代小説」など、より内容を判りやすく表現したジャンルをお届けできることとなりました。

この詳細なジャンルは、"ジャンル名(図書詳細)"の名称で、今月からTRC MARC/Tタイプでご提供を開始しています。ジャンル総数は1084です。(一覧は、TOOL-iのお知らせからご覧いただけます)
「新刊案内」では、その中の約300のジャンルを駆使しています。

**********

みなさまの選書に少しでもお役に立てるように...との願いを込めてリニューアルいたしました。
ご覧になってのご感想など頂けると幸いです。

これからも、「新刊案内」をどうぞよろしくお願いいたします。

2012年6月 8日

名前じゃないもの ~典拠のはなし~

家で本棚を眺めていたら、オモシロそうな本が目にとまりました。
家のものが買ってきた本のようです。
その本の著者は アイルランドの作家「ロード・ダンセイニ(Lord Dunsany)」。

毎日 人名・団体名の典拠ファイルを作成している私、
本の内容もさることながら 著者の統一標目が気になってきました。
そこで さっそく典拠ファイルを検索。

「ダンセイニ」が姓、「ロード」が名前かな、と予想していたのですが、
検索の結果、統一標目は 意外なことに...

  Dunsany,Edward John Moreton Drax Plunkett

ダンセーニ,エドワード・ジョン・モアトン・ドラックス・プランケット

名前かな、と予想していた「ロード」がどこにも見当たりません。
確かに本には「ロード・ダンセイニ」と書いてあったのに...。 
 
そこで、文学事典を確認することに。
すると、「集英社世界文学大事典」に「ダンセイニ卿」という見出しでこの作家が載っていました。 

ん... 「卿」?

もしや、と思い 今度は「新英和中辞典(研究社)」にあたってみたところ、

 「Lord 〔敬称として〕卿(きょう)」

そうです、「ロード・ダンセイニ」とは「ダンセイニ卿」という意味。
「ロード」は名前だと思いこんでいましたが、これは敬称だったのです。

敬称は名前そのものではありませんから 統一標目からは除きます。
でも、本に書いてある形(今回の例でいうと敬称を含んだ形)でも検索出来たほうが便利です。
そこで本に書いてある形は、記述形として作成しておきます。


典拠ファイルでは こうなっています。

統一標目  12000008029-0000  
Dunsany,Edward John Moreton Drax Plunkett

ダンセーニ,エドワード・ジョン・モアトン・ドラックス・プランケット

記述形   12000008029-0001  ロード・ダンセイニ


「ロード」のように 名前の一部のようにみえて敬称や称号だった、ということ
実はよくあるのです。
 
 
先ほど「ロード」を調べた「新英和中辞典」には...

サー(Sir)         :~卿
コント(Count)      :伯爵
バロン(Baron)      :男爵
バロネス(Baroness)  :男爵夫人

ほかにも

ジェネラル(General)  :大将、将軍
  メイジャー(Major)    :少佐
  
宗教関係では

ラビ(Rabbi)     :主にユダヤ教指導者の敬称として使用
シスター(Sister)  :カトリック修道女の称号
  
などなど。


国が変われば、もちろん言葉も変わるわけで、
例えば「伯爵」をあらわす言葉も、ドイツなら「グラフ(Graf)」になります。
また、国によっては、その国特有の敬称や称号というものもあります。

典拠の部署のメンバーは「名前にみえるけど名前じゃないもの」を
経験を積みながら覚えていきます。
世界中の敬称・称号をまとめた参考書があったらなあ... 
典拠メンバーの切なる願いです。

2012年6月 7日

学級文庫 ~身近な本の貸し借り~

子どもの時に読んだ本を結構とってあります。その中に自分のクラスと名前を記入しているものがありました。
たぶんその本は学級文庫に持っていったものと思われます。小学校低学年の頃、教室の一角に面白かった本を置いておき貸し借りするコーナーがありました。貸借の記録はノートに手書き。
そんな小さな身近な本の貸し借りは大人の間でも行われていたかと。当時、集合住宅に住んでいましたがベストセラーと言われる本をお父さん、お母さんが回し読みしていたようです。確か五木寛之著『青春の門』だったような、時代が偲ばれます。
時代は変わり誰もがベストセラーに手を伸ばすとは限りませんが、それでも図書館で予約待ちになったりしますね。もし身近にその本を読んだ人がいたら待たなくすみますね。
今でも面白かった本があると友人に薦めたりしますが、皆さんもそんなやり取りをしていますか?

2012年6月 6日

きょうのデータ部☆(6/6)

201206061655000.jpg

終了棚に赤い本を集めてみました。
ゲバラ、本田宗一郎、スペイン代表...。
やはり熱い感じか!?

2012年6月 5日

絵物語

本日は「週刊新刊全点案内」1769号の発行日です。
掲載件数は1298件でした。
雨の季節ですね。九州では本日梅雨入りのようです。

p20120605.jpg

*こんな本がありました*

ボストン美術館 日本美術の至宝」展に足を運んで以来、関心が沸いた日本絵画。


絵巻の図像学 「絵そらごと」の表現と発想

山本 陽子(著)
勉誠出版 (2012.5)

一見するとちょっと硬い本なのかなと思ったのですが、
開いてみると現代の感覚での視点を基準としていて
漫画などに使われる表現と比較されていたりと
面白そうな内容です。

月岡芳年 幕末・明治を生きた奇才浮世絵師 没後120年

岩切 友里子(監修)
平凡社 (2012.5)

幕末~明治期の浮世絵師の作品集。こちらも見ごたえがありそうです。


ダース・ヴェイダーとルーク〈4才〉

ジェフリー・ブラウン(作),とみなが あきこ(訳)
辰巳出版 (2012.6)

ところでこちらはひとつ前の1768号掲載分の絵本ですが、一目見て
気になって仕方なくなってしまいました。
原版は英語ですが、今回の日本語訳のものもテンポがよく
親子間のやりとりが楽しいです。ふたりの今後の関係を考えると
ちょっと切なくなったりもするのですが、
それでもやっぱりなんだかにやりとしてしまうのでした。

2012年6月 4日

大切な青いファイル

こんにちは
図書館蔵書 渡辺です。

図書館蔵書の仕事には欠かせないアイテム
台帳をご紹介します。
図書館ごとに1冊、この青いファイルが台帳です。

DSC_0096.jpg

本を何冊お預かりしたのか、誰が入力・チェックしたのか、いつがMARC完成日だったのかなどの項目を、所定の用紙に記入し、荷物のやり取りに使用したFAX、覚書のメモなどの書類と一緒にまとめて綴じています。
年度ごとに新しい用紙を足していくのですが、ファイルがパンパンになっても捨てたりはしません。新しい青ファイルを作り、古いものはダンボールに入れて保存します。
たまに「あの時はどーしたっけ」ということがあり、ダンボールから復活?することもあります。

2012年6月 1日

思い出せないタイトルの話

昔読んだ本のタイトルが思い出せない、という経験をされた方は多いと思います。
私も先日、どうしても思い出せないものがありました。
思い出せたのは以下だけ。

 ・小学校低学年の頃に読んだ
 ・タイトルは「○○の□」(つまり助詞しか思い出せていない...)
 ・○○の部分はカタカナだった気がする
 ・□の部分は「目」っぽい単語だったような
 ・女の子が主人公の近未来SFっぽいお話

TRC MARCは、現在累積件数320万件を超えています。
絶対にこの本のデータがあるはず!と信じて検索開始。

小説の分類
自分の子ども時代の発行年
「*の涙」「*の目」「*の瞳」など、思いつく「目」的な単語を組み合わせて検索。そしてようやく辿り着きました。


シルリアのひとみ

奥山 和子作
原 ゆたかえ
理論社(1975)


作者の奥山和子さんは他にどんな物語を書いているんだろう?と典拠ファイルを見てみると、植物研究家・植物写真家だそうで、物語でヒットしたのはこの1冊のみでした。
また、絵作者はなんと原ゆたかさんでビックリ!
絵が非常に印象深かった思い出があるのですが、まさか「かいけつゾロリ」の作者だったとは...。

タイトルを思い出せただけでなく、新しい発見が出来て得をした気分になりました。

2012年6月 5日

食べ物が怖い~新設件名のお知らせ2012年5月分~

『週刊新刊全点案内』は毎月最初の号の巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

5月は7件の件名を新設しました。その中に個人的に嫌な思い出を喚起する件名が...
それは「昆虫食」という件名です。
昆虫を食べる食文化のことで、

昆虫食先進国ニッポン

野中/健一(著)
亜紀書房(2008.12)

この本によると日本は"虫食い先進国"らしいのですがさもありなん。
あれは忘れもしない小学校3年生のある日。担任の先生が家から"いなごの佃煮(姿煮)"を持って来ました。
先生が言うものだから他の生徒たちは嫌々ながらも食べるのですが、私は食べられませんでした。
子供は無邪気で残酷です。他の生徒たち(友人含む)は"いなごの佃煮(姿煮)"を手に持ち、私のことを追い回しました...
あの日以来、昆虫の形をしたものが食卓にあるとそれだけで食欲を失います。
「昆虫食」も立派な食文化なのは頭ではわかるのですが...異文化理解の難しさ・怖ろしさを本能的に思い知らされた体験でした。

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