子どもの頃によく行っていた近所の図書館でのこと。
いつもは子ども室に直行していたのですが、ある時、大人のコーナーを探検してみることにしました。
ぶらぶらと歩いていると、他とは違う雰囲気の部屋があり
入口からのぞくと、ガラスケースの中になにやら並んでいます。
誰もいない部屋におそるおそる入り
いかにも古そうな本や文房具を見つつ、ぐるりと一周
目をひいたのは、やけにリアルな人物のお面!?
それはデスマスクでした。
当時、デスマスクの意味を知らなかった私ですが
シーンとした薄暗い部屋と、やけにひんやりとした空気
そして不気味な謎のお面。
急に怖くなりなり、そそくさと部屋をあとにしました。
でも、しばらくはこの部屋とお面が気になってしかたがなく
そーっと入ってみては、ぞ~っとする、を何回か繰り返したのでした。
ここは、ある文豪の住居跡に建てられた図書館で
私がおそるおそる入った部屋は、遺品等を紹介する常設展示室でした。
暗めの照明も空調も、貴重な品々を保護するためで
このことに気づいたのは、ずいぶんと後になってのことです。