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2023年9月 アーカイブ

2023年9月28日

9月の雑記テーマは「天体」です。

パッと思い浮かぶ身近な天体といえば、月。(身「近」といって良いかどうか分かりませんが^^;)

昨年末、青山美智子さんの「月の立つ林で」を読んで以来、日々の月の満ち欠けが気になるようになりました。

月といえば満月に目が行きがちですが、「月の立つ林で」では新月(朔)に焦点が当てられていて、新月が持つ「はじまりの日」「新しい時間のスタートのタイミング」「新しいことにトライする絶好の日」といったポジティブなイメージが悩める人たちを励まし癒やしていく、そんな物語でした。
特に、新月は「新しい天体になるのではなく、再生の繰り返し」という描写が印象的で、まさに私たち人間もこの同じ体1つで人生を全うせねばならず、幸せな時期もあればつらい時期もあり、壁に当たってはなんとか乗り越え乗り越えしながら、いわば生のサイクルをぐるぐるぐるぐる回り続けているのだなぁ...なんてことをしみじみ感じたのでした。

気の持ちようとはよく言ったもので、再生=心機一転リセットのチャンスが毎月巡ってくるなんて素敵な考え方!と感銘を受け、長年愛用している歳時記カレンダー(月の満ち欠けも分かる)で「朔」の字を目にするたびポジティブパワーをもらっています。

また、これも「月の立つ林で」を読んだ影響なのですが、今年は自分の中で「月」が読書テーマの1つになっていて、小説中に月の描写が出てくるとつい書き留めてしまったり(気にしてみると実に頻繁に出てくるもので、月が人物の心情を表すモチーフとしていかによく使われているかが分かります!)「月」がタイトルに入っているとついチェックしてしまったりするようになりました。

「月」がタイトルに入っている本、今年読んだだけでもこれだけありました。
月まで三キロ
残月記
月人壮士
月と散文
満月珈琲店の星詠み
夜空に浮かぶ欠けた月たち
あと何冊読めるでしょうか。

明日は中秋の名月。
天気予報だとややくもり?のようですが...綺麗なお月さまが見られると良いですね!
私はお団子を食べながらゆっくり月の本でも読みたいと思います。

2023年9月27日

きょうのデータ部☆(9/27)

TRCの社窓から最終回。最上階、ではなく11階まで上がってきました。曇り空のためぼやっとしていますが、晴れの日はかなり遠くまで見渡せます。


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2023年9月25日

ADEAC2023夏の公開情報その2

先々週に続き、デジタルアーカイブシステムADEACで今年の5月以降に更新・リニューアルされた機関についてご紹介します。

◇『豊橋市/とよはしアーカイブ』(5月1日更新)
愛知県豊橋市の様々な文化施設の所蔵資料を公開しているデジタルアーカイブです。5月の更新で東海道の歴史を伝える二川宿本陣資料館の資料が追加公開されました。
東海道の名所を描いた浮世絵や双六、その他江戸時代の工芸品等をご覧いただけます。
現代の地図上に名所とそれを描いた浮世絵をプロットした「東海道中名所マップ」も新たに公開されています。

◇『浜松市立中央図書館/浜松市文化遺産デジタルアーカイブ』(8月1日更新)
8月1日の更新で、デジタルアーカイブの使い方やみどころをわかりやすくまとめた「こどものページ」が公開されました。
浜松市に関する魅力的なテーマやデジタルアーカイブ掲載資料の見どころをいくつも紹介していて、おとなでも楽しめる内容です。
浜松市についてもっと知りたい、調べ物がしたいという時にぜひご覧ください。

◇『八千代市/八千代市デジタルアーカイブ』(8月10日リニューアル公開)
千葉県八千代市のデジタルアーカイブがリニューアル公開されました。
江戸時代の八千代市を描いた絵図5点を追加しています。当時この地域は25の村から構成されていて、絵図も村単位で作られていたため、当時の村の範囲から地図を選んで閲覧できるような作りになっています。

今回ご紹介する機関は以上です。
徐々に秋らしい気候になってきたので、秋の夜長にデジタルアーカイブをぜひご覧ください。

2023年9月29日

手軽にアート ~MARCや検索のはなし~

美術館はいつもより遅い時間まで開館している金曜日、会社帰りに寄るのが気に入っています。人気の展覧会でも土日の日中よりは空いていますし、静かでゆったりとした空間で展示を眺めていると、いつのまにか一週間分の疲れも忘れてしまいます。

鑑賞後のお楽しみは勿論!ミュージアムショップ! 
図録はそれほど頻繁には見ずに本棚にしまい込んでしまうので(お高いですし)買うことは少ないのですが、その分、ポストカードは迷わずゲットすることにしています。展覧会を見ている最中から「この絵のポストカードが売ってるといいな」と思っています。帰宅後はよく目にするところ(主に冷蔵庫)に貼り付け、気分でラインナップや配置を変えるのもまた楽し。夏は涼しげに仏像でも北斎でもゴッホでも青系を集めたけど、そろそろ暖色系に変えようなどと好き勝手しています。


展覧会の図録はTRC MARCでは別置記号に「T:展覧会カタログ(図録)」、資料形式に「T11:展覧会カタログ」と入ります。それだけだとたくさんヒットするので、TOOLiでは掛け合わせ検索がお勧めです。

また注記にはいつどこで開催されたかの情報が入ります。いつからいつまで、どこで、どこが主催したものかを図録の表示のままに入力。2つまではそのまま、3つ以上は1つめに「ほか」を足して入力しています。
こんなかんじ↓
会期・会場:2019年10月11日(金)-2020年1月13日(月・祝) 上野の森美術館 2020年1月25日(土)-3月29日(日) 兵庫県立美術館 主催:産経新聞社ほか


興味のある展覧会も開催地が遠いと見るのが難しい場合もありますが、図書館蔵書に出会えればより楽しさへの可能性が広がりそうですね。
美術館と図書館、雰囲気も似たものがありますし。

2023年9月26日

ババンババンバンバン

本日は「週刊新刊全点案内」2325号の発行日です。
掲載件数は989件でした。

*こんな本がありました*

暑い日には汗を流すために、寒い日には温まるために、お風呂は日本人にとってなくてはならない存在です。
しかし、根っからのお風呂好きは日本人だけではないようです。

「テルマエ」

日経印刷(2012.5)


こちらは、「お風呂」をテーマに、古代ローマと日本の風俗を数々の図版で紹介する展覧会図録です。
古代ローマ人がお風呂好きだったということを知らしめたのは、ヤマザキマリの「テルマエ・ロマエ」という漫画でした。
現代日本人からもっとも遠い存在と思われていた古代ローマ人が、実はお風呂好きということではかなり近い感性を持っていたというのが意外で、出版された当時はかなり話題になりましたね。映画化もされて、古代ローマ人である主人公を、阿部寛が違和感なく演じていたのも印象的でした。
日本では「裸の付き合い」という言葉がありますが、古代ローマでもお風呂がサロンとして活躍していたようです。ただ、残念ながら古代ローマのお風呂の文化は、中世あたりでなくなってしまったそうです...。

昔は、うちから歩いて1分ほどの近所に銭湯があり、煙突が二階の窓からよく見えました。しかし世の中の流れに逆らえず廃業してしまいました。
普段は家のお風呂を使っていて、銭湯に行くのはお風呂が壊れてしまったときだけだったので、今思うともうちょっと通っておけばよかったなと。
わが家のお風呂ももちろんいいのですが、老若男女が集まる銭湯や温泉には独特の雰囲気があります。その雰囲気を楽しむという感性が、古代ローマから現代日本まで脈々と受け継がれているというのは、とても興味深いですね。

2023年9月21日

夜空を見つめる

9月の雑記テーマは「天体」です。

宇宙規模のイベント、天体ショーでは次の皆既日食は
これを逃すと数十年先など、なかには到底二度目は
拝めなさそうな事象もあり、(昨年は400年以上ぶりに
皆既食と惑星食が同時に観測できるチャンスがありました)
どうにかして見たい!と思ってしまいます。
実際はなにかと難しいことも多いですが、いまは各地の観測所から
ライブ映像を中継してくれるので、自分がいる地域では見られずとも好条件の観測地からの光景を目にすることができます。
三大流星群の、12月のふたご座流星群、1月のしぶんぎ座流星群は
観測しやすいので、冷えて澄んだ冬の夜空を、毛布に包まって
あたたかいココアを飲みながら探すのが好きなのですが、
自分の住む場所が曇り空のときはYouTubeでライブ映像を
ぼーっと眺めたりしています。
月食の映像なども刻々と移り変わる様子が興味深いです。
子ども時代は、仲の良い家族数組で連れ立って、キャンプによく連れて行ってもらいました。
雄大な自然の中で見上げる夜空はとても広く、対して自分はとても小さくて、降って落ちてくるような星空に吸い込まれそうになる感覚を覚えています。
大人になってからは、なかなかそんな機会もなくなってしまいましたが、今年は数十年ぶりにキャンプの機会があり、山間の澄んだ空気の中で空を眺めることができました。
暗闇の中、焚火を囲みながらひときわ明るい金星や、北極星に夏の大三角など(星座を見つけるのは苦手です)あれだこれだと指しながらぼんやり過ごす時間は、ときの流れがゆったりと感じられ希少でした。身近に星空を眺められる機会が今後もっと増えるといいなと思います。
来週は中秋の名月、晴れるといいですね。

2023年9月20日

きょうのデータ部☆(9/20)

先週に引き続きTRCの社窓から。先週の倍、8階まで上がってきました。向かいの大学より少し高い位置になってきました。

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2023年9月19日

右向くワニ

本日は「週刊新刊全点案内」2324号の発行日です。
掲載件数は982件でした。

*こんな本がありました*

ルネ・ラコステ

ローレンス・ベナイム(著)佐藤澄子(訳)
2ndLap(2023.9)

ファッションへの関心が著しく低く、一般常識のない私は、ラコステというブランド名が人名由来であることを初めて知りました。
(てっきりどこかの国の言葉で「ワニ」というような意味かと。別のブランドと混同していますね。)
当然、創業者であるルネ・ラコステ氏がブランドを立ち上げる前はテニスプレーヤーであったことも知りませんでした。

こちらの本では、テニスプレーヤーとして活躍したあとにスポーツウェアブランドで成功したルネ・ラコステ氏の生涯を辿ることができます。

ビジュアル評伝となっており、豊富な写真からは当時の空気を感じられます。
ラコステ氏に限らず20世紀を知る資料としても活躍しそうな一冊です。

2023年9月15日

応援で盛り上がったそのあとは ~分類・件名のおはなし・131~

まだまだ暑い日が続いていますが気がつけば9月も半ば。スポーツの秋がやって来ます。サッカーでは日本代表がドイツにもトルコにも勝利し、バスケットボールではワールドカップで日本がアジア最上位となってパリ2024オリンピックの出場権を獲得し、絶賛開催中のラグビーワールドカップでも日本は初戦を快勝し...応援にも力が入りますね!

そこで、TRC MARCにどんな球技の件名があるのかを調べてみました。球技は、NDCでいうと783の下に分類されます。メジャーな球技は刊行される本も多く当たり前に件名としてありますので、今回はあまりメジャーでなさそうな球技に注目していくつかご紹介したいと思います。(「メジャーでない」の定義は、NDCの細目表に載っていない、ということで...。)

ティーボール 
もしかしたら、お子さんはよくご存じのスポーツなのかもしれません。小学校の学習指導要領で、小学3年生~6年生の体育の必須授業に採用されているそうです。打球を載せる台(ティー)にボールを置いて、それを打つという野球やソフトボールに似たスポーツだそうで、野球と同じ783.7に分類します。

フロアーボール
別名、インネバンディ。スウェーデン発祥の、室内の床の上で行うアイスホッケーに似たスポーツで、北欧の国々ではサッカーに次ぐ人気を誇るとか?!TRC MARCではホッケーと同じ、783.88に分類しています。

ペタンク
フランス発祥の球技で、鋼鉄製のボールを投げ合って、標的球に近づけることで得点を競うスポーツです。よく似た競技に「ローンボウルズ」があり、こちらもTRC MARCに件名としてあります。ペタンクとローンボウルズの違いは、ペタンクがボールを投げるのに対し、ローンボウルズはボールを芝生の上で転がす...だそうです。また、もう一つよく似たスポーツに、パラリンピックで一躍有名になった「ボッチャ」があります。では、ペタンクとボッチャの違いは?ボッチャはイタリア発祥。ペタンクが屋外競技なのに対し、ボッチャは屋内競技。また、ペタンクのボールが鋼鉄製なのに対し、ボッチャのボールは皮革や起毛素材なのだそうです。ボッチャは重度障害の方も一緒に楽しめるように考えられたスポーツなのですね!ボッチャはまだTRC MARCに件名としてありませんが、ペタンク、ローンボウルズはTRC MARCではボウリングと同じ783.9に分類をしています。

ラグビーなどの応援で盛り上がったそのあとは、これまで馴染みなかった球技に挑戦してみるのも楽しいかもしれません。

2023年9月14日

北極星を見つけたい!

9月の雑記テーマは「天体」です。


天体と聞いて思い出すのは、大学生の頃に訪れた明石市立天文科学館。東経135度、日本の標準時子午線に建つ塔時計が有名ですが、天文をテーマにした博物館だけあって立派なプラネタリウムを備えています。
こちら、現在活躍しているものとしては日本で最古のプラネタリウムなのだそう。

ふかふかの椅子にもたれ、学芸員さんの解説を聞きながら星を探したことを覚えています。

「北極星の見つけ方にはコツがあります。まず夜空から北斗七星とカシオペヤ座を見つけて......」
とテキパキ解説を進めていく学芸員さん。しかし星座に疎い自分は、広大な夜空から北斗七星を探し当てるのさえ一苦労。
やっと北斗七星らしき配置を見つけたころには解説内容が他の星座に移り変わり、合わせて星図も変化していってしまったため、結局北極星は見つけられずじまいでした。


方位磁石もGPSもある現代では星をたよりに方角や位置を見極めることはほぼありませんが、昔の旅する人にとって北極星の探し方は必須スキルだったはず。
現代の我々が聞けばただただロマンティックに聞こえる星座神話も、彼らにとっては星図をなるべく正確に覚える工夫だったのかもしれません。ちょうど現代の我々が、歴史の年号を語呂合わせで覚えようとするように......

2023年9月13日

きょうのデータ部☆(9/13)

先週の「きょうのデータ部☆」に引き続いて本社ビルからの眺めをご紹介。4階まで上がると、向かいの大学名が見えるようになってきました。

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2023年9月12日

本場のお酒

本日は「週刊新刊全点案内」2323号の発行日です。
掲載件数は1016件でした。

*こんな本がありました*


黄酒入門 紹興酒をはじめ中国地酒を約120種 製法・味の特徴・ペアリングまで

門倉 郷史(著) 今井 亮(料理協力)
誠文堂新光社(2023.9)


日本でもよく見かける紹興酒。喉がかっとが熱くなりますが、疲労回復や消化を助ける機能があり、アミノ酸を多く含むことで悪酔いもしにくいのだとか。
そんな紹興酒も、中国浙江省紹興市で生まれたお酒という意味の原産地の呼称であり、「黄酒」という中国地酒のグループに入ります。中国各地で造られている穀物醸造酒全般を指し、中国最古の酒ともいわれる黄酒。中国酒探究家の著者がその味わい深い世界を紹介します。
日本でも流通している特徴的な黄酒や、中国国内で人気の黄酒(日本未流通)、黄酒に合うペアリング料理など、「ガチ中華」ブームで注目を集めるお酒がわかる一冊です。

2023年9月11日

ADEAC2023夏の公開情報その1

今回と再来週月曜の2回で、デジタルアーカイブシステムADEACで今年の5月以降に公開・更新された機関についてご紹介します。
今回は8月に公開された新規機関とリニューアル機関を取りあげます。

◇『越谷市/越谷市デジタルアーカイブ』(8月1日新規公開)
埼玉県越谷市に関する資料を探して閲覧・活用できる大規模なデジタルアーカイブが公開されました。
越谷市史とその関連資料のテキスト・刊本画像や、市内の古地図・絵図、写真、歴史的建築物のパノラマ画像など、多様な資料をご覧いただけます。
市が発行してきた各分野の行政資料を「環境」「教育」「歴史・文化」といった分類から探して閲覧することも可能です。
公開されている資料には1点ごとに明確な利用条件が設定されていて、条件に従うことで気軽に二次利用していただくことが可能です。

操作方法やデジタルアーカイブ紹介動画をまとめた再生リストがYoutube上で公開されているので、ぜひこちらもご覧ください。

◇『豊島区/としまひすとりぃ』(8月31日リニューアル公開)
以前から定期的に更新されてきた「としまひすとりぃ」が、今回大きくリニューアルされて使いやすいトップページになりました!
様々な切り口や豊富な種類の資料から東京都豊島区について学ぶことができます。

今回の更新の目玉は、なんといっても「平成ひすとりぃ」(豊島区史の平成期通史編)第1章・第2章の公開です。
「平成ひすとりぃ」は紙で刊行された既存資料をデジタル化して掲載したものではなく、デジタル環境に合わせて新たに編さんされた自治体史です。最新の研究成果を生かして平成期の豊島区の動きを振り返っています。
現在は第1章・第2章が公開されていて、今後順次残りの章も公開されていきますのでお楽しみに!

今回ご紹介する機関は以上です。
来週は資料が追加公開された機関についてご紹介します。

2023年9月 7日

私の天体観測体験

9月の雑記テーマは「天体」です。

天体といえば天体観測が浮かびますが、あまり馴染みがありません。
光化学スモッグ注意報がたびたび発令され、すぐ横を高速道路が走る、夜通し明るいところで育ちました。夜空に見える星は冬の大三角形など一等星くらい。理科で星座盤による天体観測を学習した際は、社会科見学で行ったプラネタリウムでイメージを身につけました。ハレー彗星大接近の時期に「ぜひ見ましょう」と声掛けがありましたが、家にある小さな天体望遠鏡を使っても中々見えず。
だからこそ旅行等で空気の澄んだところに出かけると夜空を眺めることも楽しみの一つ。
今夏のペルセウス座流星群も、旅先で台風の合間に見えるかな~と真っ暗な広場に出かけたところ、行く途中で「あれ?もしかして?」と言う間もなく夜空を走る一瞬の光として見ることができました。願いごとを唱える間などありません。なんせ慣れていないのです。見ただけでも心が躍りました。
いつか流れ星が流れる間に願いごとを3回唱えられる余裕をもって天体観測をしてみたいものです。

2023年9月 8日

異名同人をまとめる~典拠のはなし~

「個人名典拠ファイル入門」の第4回です。
今回も個人名典拠ファイルの役割について解説していきます。

前回は同姓同名で別の人の管理の仕方を説明しました。


今週は、同じ名前なのにちがう書き方がされる人の例です。
同じ名前なのにちがう書き方とは?

有名な例ですと、よしもとばななさん。
2002年「吉本ばなな」から、「よしもとばなな」へ
ペンネームを変更しました。
「吉本ばなな」も、「よしもとばなな」も単純な漢字形検索では
検索結果が異なってしまう=同一人物の著書をまとめて検索することができません。
そこで典拠ファイルでは、同じ人が異なる表記で現れた場合、
統一形の元にまとめる作業をしています。

ID:112345-0000 吉本/ばなな  
ID:112345-0001 よしもと/ばなな
(※IDは実例ではありません)

この「-0001 よしもと/ばなな」を記述形といいます。
図書に記述されている形、という意味です。
ちがうように見えるけれど、同じ人の名前をつなげる、まとめることによって、もれなくその人の著書すべてを見つけることができるようになります。


こういった例は、実はけっこうあるのです。
斎藤さんの斎の字が次に出現した時は齋(旧字)で書かれたとか、
大人向けの本は漢字表記、子ども向けの本はひらがな表記と書き分けてるとか。
ちがう形で出てきても、同じ人と見破れるかどうか。長年の経験と勘が大切なのです。


西洋人の場合、翻訳する人や出版者によって表記がちがっていることが多いです。

ID:123456-0000 Agee,Jon
ID:123456-0001 ジョン・アギー
ID:123456-0002 ジョン・エイジー
(※IDは実例ではありません)

こういう時にシェイクスピアは鉄板ネタなのですが現在、記述形が36パターンあります。
どんな表記があるのか興味のある方はTOOLiで検索してみてください。

2023年9月 6日

きょうのデータ部☆(9/6)

TRC本社ビルは12階建て(+地下1階)です。
データ部は2階と3階のフロアに入っていますが、2階からの眺めはこちら。向いの中央大学の入り口あたりが見えます。

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2023年9月 5日

首都と災害

本日は「週刊新刊全点案内」2322号の発行日です。
掲載件数は973件でした。
今月の表紙はこちら。

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「暑さ寒さも彼岸まで」
最近は、夏が幅を利かせて、なかなかそうもいかない感じがしますが・・・
漸く暑い夏から秋の空気に入れ替わった中で咲く彼岸花のイメージです。

余談ですが
子供の頃「彼岸花」or「曼珠沙華」と言う名前は知らず
「ハミズハナミズ」と呼んでいました。
花の時には葉が見られず、葉が出た時には花が見られない、と言う事。
あまりにもそのまんまで、ちょっと笑えます。
(Juri)


*こんな本がありました*
リスボン大地震 世界を変えた巨大災害

ニコラス・シュラディ(著)山田和子(訳)

白水社(2023.9)


今年2023年は関東大震災から100年にあたります。
関連書も多く刊行されており(※)、2322号にも2件掲載されているのですが、また別の地震災害の本も同号に掲載されているのに気づき手にとってみました。


「リスボン大地震」についての本です。
ポルトガルの首都、大航海時代からの交易の中心である港湾都市リスボンを、1755年11月1日、巨大地震が襲います。
さらには津波、火災が発生し、結果、死者2万5千人以上という壊滅的な被害となりました。
ヨーロッパ史上最大の地震災害とされています。
災害の実態と復興の模様、社会・経済・科学・思想・宗教ほか広範囲に及んだ影響など、政治経済の中心地における大地震災害のさまざまな面を網羅した一冊です。

関東大震災とリスボン大地震、時代的にも地理的にも遠く離れてはいますが、首都を直撃した大地震、火災が被害を拡大したことなど、通じるところも多くあります。18世紀と20世紀、さらに今後の災害予防対策まで、あわせて考えてみるのも新たな気づきがありそうです。

(※)関東大震災に関連する本をお探しの際は、件名「 関東大震災(1923)」で検索してみてください。


2023年9月 4日

ひきつづき、正式名称が長いはなし~新設件名のお知らせ2023年8月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

8月は4件の件名を新設しました。その中に「日・豪部隊間協力円滑化協定」「日・英部隊間協力円滑化協定」があります。1冊の図書で2つの協定とそれぞれの国内実施法を扱っているものがありましたので、2件を同時に新設することになりました。

内容は、日本とオーストラリア(もしくは、イギリス)の一方の国の部隊が他方の国を訪問して協力活動を行う際の手続及び同部隊の地位等を定めたもので、安全保障分野の協定です。協力活動は艦船の寄港や共同演習といったものを指すようです。

先月の新設件名記事で法律の件名についてふれましたが、今回の2件も正式名称が長く、通称で件名を新設し、正式名称は参照形としています。ごく最近の協定であるため辞典類に記載がなく、図書や外務省のサイトを検討して件名の形を決定しました。

ちなみに「日・豪部隊間協力円滑化協定」の正式名称は、
「日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とオーストラリアとの間の協定」
となります。イギリスは国名の関係でさらに長く...興味のある方はご覧になってみてください。

ところでお恥ずかしい話、「協定」の意味を把握していなかった私。改めて調べました。条約の形式の一種ですが条約ほど厳格な形式をとらないものとのことでした。

2023年9月 1日

法帖の製作者・出版者 ― 和漢古書の法帖の書誌(その5)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回の最後で、書者の作品・自筆資料と見るか、書者の書写資料と見るか、見方によって製作者の解釈が変わってくる、ということを書きました。最後に、この製作者・出版者の問題について考えてみたいと思います。

前回、テキストの作者と作品としての「書」の作者との関係について見ましたが、作品としての「書」が成立してから、さまざまなメディアに媒体変換されていく過程において、それぞれの段階での「製作者」というものが存在します。たとえば、能書家の手蹟を刻した碑文が模刻による法帖として世に出されるまでを考えてみましょう。
まずオリジナルの書を紙に書いた時点では、製作者=書者自身であり、書した時が製作年ということになります。
それをもとにを作成するのには、まず紙の裏から字の周りに朱で輪郭を取って、その紙を石に貼りつけ、朱を叩きつけてそのとおりに石を彫っていきます。これを「摹勒(もろく)」と言いますが、古い時代には書者が石の上に直接朱筆で字を書いたということで、これを「書丹(しょたん)」と言います。こうして字を刻し終わって碑を建てたところで、このメディアにおいては碑を建てた人が製作者、建てた時が製作年ということになります。
この石碑から拓本がとられます。ここで紙への媒体変換が行われ、拓本をとった人が製作者、採拓した時が製作年ということになります。ただし、剪装本にした場合は、そこでまたその体裁にした人が製作者、そうした時が製作年ということになるでしょう。いずれにしろ、出版者・出版年ではありません。
この拓本から石や木に原拓通りの字を彫りつけた版が作製され、拓印なり通常の印刷なりの手法で法帖が作成され出版されます。これ以降はその他の図書の場合と同じで、二度も三度も改刻されて出されたり、いろいろな人の書蹟のコレクション(集帖(しゅうじょう))の一部になったりしていきます。ちなみに、清代中期には、南北朝時代(5~6世紀)の書について、こうした改刻をくりかえしている帖は信用ならず、当時の書の面目を知るうえにおいては残されている碑に由らねばならないとする「北碑南帖論」が提唱されました。

これらの過程において、書者や一部の撰文者はどのメディアにおいても責任表示として記録されるでしょうが、前の段階の媒体の製作にかかわった人も、必要があれば何らかのかたちで記録する必要があるかと思います。基本的には注記としておかざるをえないかなと思いますが、摹勒者や採拓者は、後の段階のメディアでは書者と並んで表示されていたりすることもよくあり、そうした場合は責任表示として著録してもよいケースもあるかもしれません。
ただ、「摹勒」とか「刻石」とかは、最初の碑を製造した段階において使われるだけでなく、最後の出版の段階においても、「刊行」を言い換えたちょっと気取ったタームとして使われていることもよくありますので、注意しておかないと混乱するかもしれません。明から清にかけての中国、あるいは江戸時代の日本では、法帖の商業出版は盛んに行われましたが、伝来のあやしいものも多く、能筆の名を騙った「僞帖(ぎじょう)」も数多く製作されています。
和本の場合、通常の図書のような奥付がつけられているのはむしろ少数派で、出版事項がすべて不明になってしまうケースも多いです。なお、拓印は広義の拓本ということにはなりますので、したがって「拓本」と注記されている資料について、製作者を記録しているものと出版者を記録しているものの二種類が並存することになってもおかしくはありません。

以上見てきたような、書道手本の「作品」としての成立内容と媒体変換の重層性は、一見したところ、著作-表現形-体現形-個別資料という、FRBRの階層性に類したものがあるようにも感じられます。しかしながら、東京大学アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)の成田健太郎氏は、法帖の書誌について各種メタデータを検討し独自のフォーマットを提示した「碑帖拓本資料のデジタル公開における書誌記述の実践」(2018)という論文で、「FRBRはやはり新書に対する書誌記述を前提としたモデルであって、碑帖拓本にあっては、バージョンが成立するとほぼ同時に多部数採拓され、統一した装訂が施され、整った責任表示が与えられているという事態はむしろ例外的である以上、そのまま適用しがたいという結論に至った」と書いており、実際その通りであろうと思います。東洋におけるこの「書」という一群の資料の属性は、いろいろ興味深い要素を有しているように思いますが、FRBRの考え方などを構築するにあたっては、これらにじゅうぶんに目配りされていたようには思えない、というのが正直なところです。

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