「個人名典拠ファイル入門」の第4回です。
今回も個人名典拠ファイルの役割について解説していきます。
前回は同姓同名で別の人の管理の仕方を説明しました。
今週は、同じ名前なのにちがう書き方がされる人の例です。
同じ名前なのにちがう書き方とは?
有名な例ですと、よしもとばななさん。
2002年「吉本ばなな」から、「よしもとばなな」へ
ペンネームを変更しました。
「吉本ばなな」も、「よしもとばなな」も単純な漢字形検索では
検索結果が異なってしまう=同一人物の著書をまとめて検索することができません。
そこで典拠ファイルでは、同じ人が異なる表記で現れた場合、
統一形の元にまとめる作業をしています。
ID:112345-0000 吉本/ばなな
ID:112345-0001 よしもと/ばなな
(※IDは実例ではありません)
この「-0001 よしもと/ばなな」を記述形といいます。
図書に記述されている形、という意味です。
ちがうように見えるけれど、同じ人の名前をつなげる、まとめることによって、もれなくその人の著書すべてを見つけることができるようになります。
こういった例は、実はけっこうあるのです。
斎藤さんの斎の字が次に出現した時は齋(旧字)で書かれたとか、
大人向けの本は漢字表記、子ども向けの本はひらがな表記と書き分けてるとか。
ちがう形で出てきても、同じ人と見破れるかどうか。長年の経験と勘が大切なのです。
西洋人の場合、翻訳する人や出版者によって表記がちがっていることが多いです。
ID:123456-0000 Agee,Jon
ID:123456-0001 ジョン・アギー
ID:123456-0002 ジョン・エイジー
(※IDは実例ではありません)
こういう時にシェイクスピアは鉄板ネタなのですが現在、記述形が36パターンあります。
どんな表記があるのか興味のある方はTOOLiで検索してみてください。