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2012年3月 アーカイブ

2012年3月30日

もしや、変わった?

今日は2011年度最後の平日。新年度に向けて、様々な変更作業に追われている方も多いかと思います。
幼稚園、小学校など学校の進級に際しては、たくさんの名前書きが必要ですし(私です。終わりません(涙)。)
部署の異動、部署名の変更等、今日を一言で表すなら「変」となるのではないでしょうか。

そこで月末企画「MARCや検索のはなし」

「あれ、この本どこかで読んだような。。。」と思うことはありませんか?
デジャヴュ? 雑誌や新聞の連載…そんな時図書の片隅やまえがき、あとがきにこんな一文が
「この本は「○○○○○」という本の内容を一部修正したものです」

そう、かつて出版されていた本の改題だったのです。

たとえば1760号をTooliで検索
検索項目に「改題」と入れてみると、32件の結果が出ました。
1760号は1608件ですから、2%くらいが改題されて出版されているんですね。

結果の詳細を何件か見てみると

「たのしみを財産に変える生活 」

オンライン書店ビーケーワン:たのしみを財産に変える生活

には
注記    「たのしみを創る生活」(高風館 1951年刊)の改題
注記ヨミ  タノシミ/オ/ツクル/セイカツ
と入っています。
著者にとって「たのしみ」とは「財産」であるということでしょうか。紹介文を読むと、もっと深い内容であることがわかります。


「「最強の男」になる心理術 」

オンライン書店ビーケーワン:「最強の男」になる心理術 トップアスリートに学ぶ、ビジネスで「勝てる」自分をつくる法則

には
注記 「なぜ、人は「体育会系」に弱いのか?」(2007年刊)の改題
注記ヨミ ナゼ/ヒト/ワ/タイイクカイケイ/ニ/ヨワイ/ノカ

確かに最近あまり「体育会系」を聞かなくなった気がします。
(年齢が上がって学生さんと接する機会が減っただけかもしれませんが)

世相を反映したり、流行語を取り入れたり、タイトルの変遷は時代の変遷も感じられ興味深いです。


ちなみに『週刊新刊全点案内』本文にも、紹介文の文末に改題の注記を表示していますし、
改題前の本にも、タイトルが変わって出版されている旨の情報を追加入力しています。
どうぞご利用ください。

2012年3月29日

TRCむかし話(5)MARCナンバーの未来

こんにちは。データ部新刊目録 大谷です。

「TRCむかし話」全5回の最終回は、
普段は目につかないけれどもたいへん重要な、TRC MARCナンバーのお話です。

「2000年問題」という言葉が世の中にささやかれ始めた頃。
図書館の方から「2000年になったらTRC MARCナンバー体系はどうなるのか」、続々とお問い合わせが寄せられ、弊社内でも検討が行われました。

TRC MARCナンバーは、先頭2桁が作成年の西暦下2桁となっています。

99 ******の次は00 *******か? はたまた2000 ******~とするのか?

 桁数が増えてもなかなか対応できないお客さまやシステムがあるかもしれません。MARCナンバーは、発注データ等さまざまなデータ・システムで使われている大事なキー項目なので、その修正にはユーザー側の負担も大きくなりますし、思いもよらない重大な事故につながる可能性があります。
 桁数はやはり今までどおり8桁にしておきたい。

  (こうしたキーナンバーの桁数を変更することの難しさについては、多くの関係者の方がISBNの10桁→13桁移行で体験なさったと思います) 

 ただしTRC MARCの古い番号は74~くらいからありますから、西暦下2桁を付与していくと、2074年頃から、番号はダブってしまいます。

 結論は、今までどおり8桁で先頭に西暦下2桁。2000年からは00を付与となりました。

 2074年から、どうするのか?

 当時図書館に訪問した営業担当者がこのあたりのご説明をしたところ「TRCさんは、70年80年先までMARCを作るんですね!がんばってください!(笑)」という激励の言葉を、頂戴したとかしないとか…。

70年後のMARCはどんな形になっているかわかりませんが、試してみたいアイデアや、お応えできていないご要望などまだまだあります。まずは今日も一件一件、積み重ねてゆくデータ部です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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※歴代のTRC MARCニュースです


2012年3月28日

きょうのデータ部☆(3/28)

3月も残すところあと数日。
はじめての年度末の繁忙期にただただ圧倒されています。
それでもお昼休みに息抜きとばかりに外へ出てみれば
すっかり春のような心地よいお天気でした。
散歩をしているとあら、もう桜が。
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眺めていたらお住まいの方が教えてくださったのですが、手前は寒桜で、
11月頃から咲きはじめ吉野の桜が咲く頃には散ってしまうそうです。
奥の赤い梅は鹿児島の紅梅だそうで普通の明るい色の梅に比べて
少し色が濃く桜と梅のコントラストがきれいでした。
これからますます花の季節。楽しみです。

2012年3月27日

タイトル買い

本日は「週刊新刊全点案内」1760号の発行日です。
掲載件数は1608件でした。

年度末の忙しさが続いているデータ部です。
今週、たくさんの本の中から、この一冊に魅かれました。理由は、タイトル。

オンライン書店ビーケーワン:リスボンへの夜行列車
パスカル・メルシエ
浅井 晶子

早川書房(2012.3)
発送可能時間

どこからリスボンへ向かうのか?
旅?仕事?逃避行?
誰と?それとも、ひとりで?

タイトルだけでは何もわかりませんが、なぜか掻き立てられるものがあります。わからないからこそ興味が湧くのでしょうか?夜行列車という長距離列車が、夜と朝をつないで走っていく。旅情がわくと共に、なにかミステリアスな雰囲気もあり…
読む前にタイトルから、あれやこれや想像をふくらませるのも一興。タイトルだけで図書館選書なんてご法度かもしれませんが、個人読書ならタイトル買いもあり、ですよね。想像していた内容から軽く裏切られるのも、小気味よいかもしれません。

続きを読む "タイトル買い" »

2012年3月26日

手がつりそうな

こんにちは。雑誌:半澤です。

雑誌データでは、コミック誌も作成の対象としています。
図書館に置かれることはあまりないかもしれませんが、500誌ほどのデータを作成、全雑誌データの8%超がコミック誌なのです。
さて、コミック誌は男性向け・女性向け問わず大ボリュームのものが最近目立ってきました。

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目立って分厚かった3冊。積むと18cmもありました。
読んでいると手がつりそうですが、読みごたえがありそうです。

2012年3月23日

なぜ 本を読むのですか?

…なんて あらためて聞かれたら、何とお答えになりますか?


オンライン書店ビーケーワン:それでも、読書をやめない理由
デヴィッド・L.ユーリン
井上 里

柏書房(2012.3)
発送可能時間


この本では、著者自身の読書体験、文学者や評論家たちの文章などをもとに読書論が展開されていきます。
そして、紙の書籍だけではなく電子書籍での読書についても触れられています。


私自身は いまだ読書はほとんど「紙の本」でしかしたことがありません。
電子書籍での読書では、また違う感覚なのでしょうか。

この本の中で引用されているなかに
「同じ本を最初に電子書籍で読んだときは笑えず、次に紙の本で読み直したら笑えた」
というものがあります。

ほんとなのでしょうか。いつか、試してみたいと思っています。
  

2012年3月22日

TRCむかし話(4)NDC9版のご提供

こんにちは。データ部新刊目録 大谷です。

TRCむかし話、4回目はNDC9版の採用についてです。

1995年。日本十進分類法(NDC)新訂9版が発表されました。もちろんデータ部でも、ミルクコーヒー色に輝くそれをただ棚に飾って眺めていたわけではありません。9版採用に向け、準備をすすめておりました。

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※左から9版(2冊組)・8版・7版です


分類担当者の間で、9版の勉強や、今までの累積しているデータの修正をどうするべきかが話し合われました。8版・9版の対応関係が明らかな部分については機械的に修正をかけ、図書の内容を確認しないと判断できない部分については改訂版や続巻が出た機会をとらえモグラたたきのごとくひとつひとつ修正していくことになりました。

累積データに修正を入れるとなれば一大事です。図書館からいただいたご意見も参考にしながら慎重に作業されました。「機械的に修正」と申しましたが秘伝の魔法があるわけではありません。まず0類から9類のはじからはじまで対応関係を検討し、変換してもよさそうな範囲を決めてプログラムを作り、変換後にもヘンなデータが出現していないか確認…これまた地を這うような作業です。

図書館にもアンケートを行い、9版に対する考え方や自館での採用予定など、たくさんの貴重なご意見をいただきました。「7版から8版への移行に困難をきわめた」と苦労をにじませたコメント数々を拝見し、分類体系の変更が難事業であることをあらためて知る機会となりました。

そして1997年、NDC9版のご提供を開始。
「7版と8版」を入力してご提供していたところを「8版と9版」のかたちに移行いたしました。


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ところで、この移行のために、一時的にですが、7版・8版・9版の3通りを付与していました。3通りも入力することに当時は限界を感じましたが…(現在7版は残っていません)…まだ若かった自分は甘かったです。現在、全集ものについては全体についてと各巻についての分類、そして絵本については主題分類も、それぞれ9版・8版を付与しています。


2012年3月21日

贈り物に

昨日は「週刊新刊全点案内」1759号の発行日でした。
掲載件数は1646件です。

先週あたりから通勤途中に袴姿の学生さんを目にするようになりました。
気づけばもう卒業シーズン。
抱えられている花束を遠くから拝見していると、ちょっと春のおすそ分けを頂いた気分になります。

さて、その花束ですが贈り物として購入する時、どうやってオーダーされていますか?
いつも目的を告げる以外は、つい「おまかせ」になりがちですが…

*こんな本がありました*

オンライン書店ビーケーワン:花贈りの便利帖 こんなときにはどんな花を贈るといい? この1冊で、贈りたい相手にぴったりの花が選べます!


花を贈る時のしきたりやマナーなどを紹介した本は今までにもありましたが、
それだけでなく贈る相手の世代別、シチュエーション別のアドバイスも載っています。
表紙には「贈りたい相手にぴったりの花が選べます!」とあり頼もしいです。


現在、データ部は年度末モードに突入し、ネコの手も借りたいほど。
目に見えて殺気立ってはいないものの
この状況を癒してくれる花も見つかるといいのですが…。

2012年3月19日

目次を見ることができますか

~~ MARCで探そうQ&A 第13回 ~~

論文やレポートでテーマにしている人物のことがこの本に載っていそうなのだけど、ほんとに載っているのだろうか?
子どもの頃親しんだ歌の楽譜を探している。楽譜集に収録されているタイトルを見ることはできないのか?

Q. 図書の内容をもっと詳しく知りたい! TRC MARCに目次の情報があるのですか?

A.  小説集、論文集などは内容細目を入力しています。内容細目を入力しないもののうち、学術書、児童書のノンフィクション、楽譜に目次情報を入力しています。

小説集、論文集など独立した作品を集めた形式の図書は、その内容1作品ごとに検索ができるように内容細目ファイルを作っています。こちらは、作品ごとにヨミを付し、著者の典拠もおこなって、典拠ファイルにリンクしてあります。
これにより、MARCにあらわれない小説の一編一編のタイトルや著者の作品を探すことができます。
ページ数もあるので、作品のボリュームもわかります。

また、専門的な内容の図書は、タイトル、分類、件名、紹介文だけでは、探している内容が扱われているのかどうかわからないこともあろうかと思います。
そんな時、目次ファイルを見れば、図書の扱う内容がかなり詳しくわかります。
利用対象が「研究」「大学」のもの、児童書のノンフィクション、そして「楽譜」に目次情報を採用しています。

TOOL-i では「内容」「目次」のアイコンが出ております。ぜひ、クリックして内容を確認してみてください。時にはびっくりするほど充実した目次や内容細目に出会えますよ。

2012年3月16日

集計~分類/件名のおはなし・30~

さて、年度末。
たくさんの出版物に囲まれ、目の前の本だけに集中しがちですが、そんな時こそちょっと遠くから。というわけで『週刊新刊全点案内』を後ろからぱらり。

1757号(2012年3月6日発行)の巻末に分類別集計表が掲載されています。これを見ると、2012年2月の『週刊新刊全点案内』に掲載した本の日本十進分類法での割合が一目瞭然。TOP3は3類>9類>7類。そこに5類が続きます。
以前なんどか取り上げたことがありますが、ある特定の分野が多かったような気がしてもたいてい毎年(毎月)このような順番になります。不思議なことですが。
あ、ちょっとずれがありますね。

もし部屋に100冊だけ入る書棚があり、それをこの分類の割合で埋めるとしたらどんな棚を作りますか? 8類や0類は2冊ずつ、6類は5冊…(泣く泣く小数点以下は四捨五入)。あちらこちらで排出権取引のようなことが発生しそう。


ちなみに、2012年3月より『週刊新刊全点案内』巻末記事の掲載順を変更させていただきました。第1週:分類集計/第2週:ベストセラー情報/第3週:文学賞情報/第4週:花まるベストセラー となっています。こちらもどうぞご覧ください。

2012年3月15日

TRCむかし話(3)Mac登場

こんにちは。データ部新刊目録 大谷です。

TRCむかし話、3回目は『週刊新刊全点案内』誌面のカラー化についてです。

週刊新刊全点案内が現在のようなカラー印刷になったのは1996年のことでした。

それまで新刊案内の版下は、社内電算室が自前でMARCを新刊案内のかたちに印刷したものを使用していました。

が、本の表紙写真は、カラーだったらいいのに。それに、カラー印刷ならメリハリがついて、選書のための多くの情報を盛り込んでも、うまいこと見やすく収めることができそうです。

カラー化にあたってはもはや社内電算室のプリントアウトでは対応できないので、MARCデータと本の表紙写真を専用のソフトで編集し直す必要がありました。

そこで導入されたのが、Macintoshパソコンです。
日々作成したMARCをMacに落とし込み、編集ソフトで形を整えます。
本番前に準備期間もおいたのですが、パソコン未体験の人も多かった時代。初めて見る「フォルダ」や「マウス」の扱いに、当初はかなり戸惑いました。

  (ここで、「MARCを入力するのにコンピュータを使っていたんじゃないの?」という疑問をお持ちになるかもしれません…実は当時MARCを入力するのは汎用機の端末。黒い画面に白や緑の文字という必要最小限なインターフェイスで、現在のパソコンのイメージとは似て非なるものでした)

 そしてこの頃から、TRC MARCには「本文が外国語」「漫画で描かれた図書」「ゲーム攻略本」「CDなどの付属資料付き」「文庫オリジナル」など選書のためのポイント情報をだんだん増やしていくようになりました。

現在は、ほかの業務との兼ね合いで、WindowsのInDesignというソフトを使用しています。

しかし、新刊案内の編集というとMacというイメージが残っていて、今でも、新刊案内の校正ゲラをうっかりMacゲラと呼ぶことも。校正中に訂正が見つかると赤字を入れて「まるM OK」とメモします。おそるべし、Macの影響力。データ部のスティーブ・ジョブズ伝説です。

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先日若手の社員が「このMって、どうしてMなんでしょうね?」とつぶやいていたし、さすがに、そろそろ印を変えようか…でも、もうしばらくはジョブズ氏の偉業をたたえ、このままにしておこうかな…と、迷っているうちに、今年のリニューアルを迎えそうです。

2012年3月14日

きょうのデータ部☆(3/14)

今日はホワイトデーですね。
チョコのお返しに本を贈ってみるのはいかがでしょうか。
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詩集や絵本、写真集など自分では普段なかなか手に取る機会が
少なそうなものを贈ると新たな出会いが印象に残りそうです。

2012年3月13日

1年

本日は「週刊新刊全点案内」1758号の発行日です。
掲載件数は1377件でした。

おととい3月11日で、東日本大震災から1年がたちました。どれだけ時間が過ぎても、その被害の大きさを思うと、今もって言葉が見つかりません。けれど、この1年の間に、被災地のこと、これからの日本のことを、なにも考えなかった人はいないと思います。そういうみんなの思いが、未来を、少しでも良い方向にすすめていくよう願いたいです。

TRC MARCでは、件名「東日本大震災(2011)」を付与しています。いま現在、この件名を付与した本は604件(「-写真集」も含む)。本日発行の1758号にも、31件を掲載しています。

オンライン書店ビーケーワン:特別授業3.11君たちはどう生きるか
あさの あつこ

河出書房新社(2012.3)
発送可能時間

オンライン書店ビーケーワン:写真記録|東日本大震災3・11からの軌跡

オンライン書店ビーケーワン:闘う東北 朝日新聞記者が見た被災地の1年
朝日新聞東日本大震災取材班

朝日新聞出版(2012.3)
発送可能時間

オンライン書店ビーケーワン:生存者 3.11大槌町、津波てんでんこ

オンライン書店ビーケーワン:20 DAYS AFTER

オンライン書店ビーケーワン:東日本大震災そのとき海上保安官は

オンライン書店ビーケーワン:東日本大震災「復興」時刻表 保存版 臨時ダイヤで検証する東北53被災路線の全貌


ちなみに件名「福島第一原子力発電所事故(2011)」を付与した本は、3月13日現在、253件になります。

2012年3月12日

文庫の内容紹介文~2012年MARC改訂 その5~

1月に4回にわたりMARC改訂記事をご紹介してきました。
(MARC改訂記事その1その2その3その4は、左記下線リンクからご覧いただけます。)
少し間があきましたが、本日はその第5弾をお送りします。

TRC MARCには選書のお役に立てるよう、本の内容紹介文を入力しています。
これまで文庫につきましては内容紹介文の入力を省略してまいりました。
しかし、再刊ではなく書き下ろしのものが増えてきたことや、お客さまから「文庫にも内容紹介文を入れてほしい」というご要望をいただいてきたことなどを踏まえて、今年の1月(週刊新刊全点案内1750号分)からすべての文庫に内容紹介文の入力を開始致しました。

さて、書き下ろしものは文庫全体の何割くらいあるのでしょうか。
週刊新刊全点案内の2月発行分(1753号~1756号)について調べてみると、なんと約51%もありました。尚、TOOLiでは刊行形態のプルダウンで「文庫オリジナル」を選択すると、書き下ろしの文庫を検索することができます。

6月からは週刊新刊全点案内のリニューアルに伴い、新継続の文庫については内容紹介文も誌面に掲載する予定です。
お役立ていただければうれしく思います。

2012年3月 9日

こんな由来が ~典拠のはなし~

典拠作業では、図書から人物情報を読み取ったり、人名に関する資料調査などをしているのですが、その中でいろんな発見があります。
例えば、この本。タイトルにもある「Godiva」(英語圏の発音ではゴダイヴァ)の個人件名(個人名典拠ファイル)を作成しました。

オンライン書店ビーケーワン:貴婦人ゴディヴァ 語り継がれる伝説
ダニエル・ドナヒュー
伊藤 盡

慶應義塾大学出版会(2011.10)
発送可能時間

ゴディヴァは高級チョコレートメーカーの名称の由来にもなった中世イングランドの伝説に登場する女性ですが…実在の人物だったんですね。
チェスター伯レオフリックの妻で、慈善事業家だったそうです。

ところで、彼女の「夫の圧政を諌めるため裸のままコヴェントリーの町を馬で通りぬけた…」と言う伝説はわりと知られていると思いますが、「ピーピングトム」伝説と関連があったことについてはどうでしょうか。
ゴディヴァが馬で通るとき、恩義を感じた町の人びとは家にこもり見ないようにしましたが、トムという男だけが彼女の姿をのぞいたために眼がつぶれたという伝説から、ピーピングトム(Peeping【盗み見る】Tom)=「覗き魔」という英語の俗語ができたそうです。知らなかった!
ちなみに、デジタル大辞泉では「ピーピングトム」の項目に「のぞき見をする男。出歯亀(でばがめ)」とありました。出歯亀って今あんまり使わない言葉ですよね…。ついでに広辞苑(第6版)で出歯亀を調べると、「でばかめ【出歯亀】:明治末の変態性欲者、植木職の池田亀太郎に由来。出歯の亀太郎の意…」とありました。女湯のぞきの常習者であったため、「出歯亀」はのぞき等をする痴漢の代名詞となったようです。(参考:日本人名大辞典(講談社))
ここにも、こんな由来が…。

もうすぐホワイトデー。お返しにもチョコを贈る人、結構多いようですね。チョコとともに(ゴディバでなくても)こんな雑学を披露してみてはどうでしょうか。

2012年3月 8日

TRCむかし話(2)典拠ファイルのご提供

データ部新刊 大谷です。

TRCむかし話、2回目は、人名・団体名典拠ファイルのお話です。

MARCは手書き原稿をパンチして作成していたというお話を以前しました。
人名・団体名の典拠ファイルも手書きカードで管理していました。
典拠チームの棚には人名・団体名のカードがずらっと並び、MARC作成の際には、まずそのカードをめくり、見つからない場合は、参考書類をあたります。そうして判明した読み方や綴りを目録原稿に記入します。

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※写真はイメージです(まったく別の用途に使っているものです)


図書館には「TRC MARC人名典拠録」という冊子の形でご覧いただいていました。
ただし、冊子では、続々と登場する新規著者の情報をご案内できません。

そこで、ずらっと並んだカードをデータ化することになりました。
データにすれば、図書館にも典拠ファイルをご提供できるようになります。

それに、内部の作業もカードをいちいちめくるよりずっと効率的です。読み方や綴りをMARC入力画面で機械的に展開させれば、手間が省けるうえ誤記入も格段に少なくなります。マルクスであろうと芭蕉であろうと初めて出てきた著者であろうと、1件1件MARCを作るごとにパンチしていたわけですから、残念ながら校正もれによる誤りなどもありました。
著者カードの入った箱を作業中に手を滑らせてぶちまけるといった心配もなくなります…。

図書館にご提供しても恥ずかしくない内容にするべく、それまで持っていた著者情報の総点検を行いました。参考図書で読みかたや綴りを確認し直したり、同名異人・異名同人が混在していないか改めて調査したり…数年間にわたる地道な作業です。 (ちなみにこの頃よく使われていた「名寄せ」という言葉、てっきりデータ部用語だと思いこんでおり、この言葉が約15年後TVのニュースから聞こえてきたときはちょっとビックリしました)

そして1994年。典拠ファイルのご提供を開始しました。

ひきつづき冊子を使いたい図書館もいらっしゃいますから、1991年には冊子の典拠録の新版も刊行しています。このクリスマスカラーの典拠録です。

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※右が新しくできた典拠録,左は旧版です(内部作業で酷使されているため背の文字が消えかかっています)


表紙の色をどうするか?「ほかの参考図書とかぶらない色にしたい」「東洋人と西洋人の巻が一目でわかるようにしたい」「せっかくだから華やかな色にしたい」などいろんな意見が出て、そのころ大ベストセラーになっていた名作小説と、期せずして同じ色になりました。(この色合わせは当時ホントに流行していました)

※なお、現在の典拠担当チームの仕事ぶりはこちらです

2012年3月 7日

きょうのデータ部☆(3/7)

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こちらの機材はスキャナです。
スキャン作業中に余計な光が入らないよう、
周囲は暗幕に覆われています。
新刊全点案内やTooLiに掲載されている本の書影は
別の機材で撮ったものを使っています。
ところで書影という言葉、今の仕事に就くまで
私は知りませんでした。
見えているのに影、とはなんだか不思議です。

2012年3月 6日

愛でるって!?

きょうは「週刊新刊全点案内」1757号の発行日です。
掲載件数は1506件でした。

3月の表紙はこちら! 春らしくて嬉しくなりました。
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さて今週は、衝撃的なタイトル&表紙で目立った一冊をご紹介。

オンライン書店ビーケーワン:美坊主図鑑 お寺に行こう、お坊さんを愛でよう イケメンから癒し系、クリーミー系まで東西僧侶総勢40人

サブタイトル「お寺に行こう、お坊さんを愛でよう」って、いったい…?
ここ数年、若いお坊さん方が活躍の場をジワジワ広げている感じはありました。
小池龍之介さんのご本は大人気ですし、お寺でカフェやヨガ教室や楽しそうなことをやってるし。

しかし、この本では「美男のお坊さんがいるからお寺に来てみなさい!」と。
強力ストレートなアプローチだな~、とビックリ仰天しました。

でも、ま、ここまでぶっとんだ企画にのったお坊さん方の心意気がスバラシイと思います。
私も「リトル・ブッダ」という映画で、キアヌ・リーヴズ扮するお釈迦様を見て、
「やっぱり私も仏教徒でいこう」って思いましたもの。

ノートの助け~新設件名のお知らせ2012年2月分~

本日発行の『週刊新刊全点案内』は巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、
NDLSHから採用したものも含まれています。

2月は10件の件名を新設しました。
その中に「ノート術」という件名があります。
ノートやメモをうまくとるための方法論などについて書いた本に付与します。

ノートといえば、高校までは先生が黒板に書いたものを写していれば、特に困ることもなく用が足りました。
しかし大学に入って授業を受けると一変。教授が黒板に授業内容について何か系統だったことを書いてくれるということはすっかりなくなり、あら困った、ということに。
とりあえず講義を聞きながらノートを取っておいてはみたものの、試験前に読み返すと自分で書いておきながら、話の内容や流れがさっぱり思い出せず・・唖然。

仕方なく友人にお願いしてノートを見せてもらうと、講義の内容がとてもわかりやすくまとめられており、自分の駄目さ加減を痛感したことがありました。
ノートを取る術を習得していれば、もう少しまともな受講ノートが書けて、成績もよかったのかもしれません。

そうはいってもよく出来る人が皆ノート術の知識をもっていた、というわけでもなかったようなので、根本的に頭のよい人は、頭の中を整理する能力がそもそも優れているということもあるのでしょう。
頭の回転が悪い私のような人間は、せめてノート術を身につけておくべきだったな、とたまたま出会った本を眺めつつ、今さらながら考えるのでした。

2012年3月 5日

4世代トランプ

こんにちは。新刊目録の望月です。

先日、実家に帰る機会がありました。甥っ子ちゃんたちも来ていたので、久しぶりの大集合。
もうじき5歳の甥っ子ちゃんがルールをわかってきたので、みんなでトランプをして遊びました。

甥っ子ちゃん、わたしと妹、父母、祖母の4世代トランプです。

やったのは「ばば抜き」。でも実際は、カードを1枚抜いて、どれが「ばば」かわからない方式でやりました。(我が家では「じじ抜き」と呼んでますか、これってうち限定かしら?)

「ばば抜き」をすると、ジョーカーを持ちたくない甥っ子ちゃんが、ジョーカーを無理やり引かせるという“ずる”をするので、この方式でやるようになったとか。

ゲームはしたいけど、自分が負けるのは勘弁ならんというお年ごろのようです。


オンライン書店ビーケーワン:トランプを初めてやる人の本
トランプを初めてやる人の本
(入門書の決定版!)
青木 光

土屋書店(2011.7)
発送可能時間

2012年3月 2日

痛い話

そろそろ春の兆しが見えてきましたね。
寒さが苦手なので暖かくなるのは単純にうれしいのですが、それ以外にも、冬場によく起こるとある事故が減るという喜びもあります。

新刊書関係の職場で起こりがちな事故、それは…「本で指を切る」。
想像しただけで「ぎゃー!」となる方もいらっしゃるかもしれません…。
切るといっても、本当に薄皮一枚、血が出るかどうかというところなんですが、傷の程度に比べて、なぜにあんなに痛いのか。
特に冬は乾燥するせいか、しょっちゅうこれをやってしまいます。

怪我というほどのものでもないので、絆創膏を貼っておしまい、なんですが、あまりにも立て続けに指を切ると、絆創膏を貼るのも面倒になってきます(私だけ?)。
そこで登場するのが…ててててってて~♪「セロハンテープ!」。
手軽でコストもかからず、簡単に傷をふさげます。
しかし、見た目がちと貧乏くさいのが難でしょうか。

2012年3月 1日

TRCむかし話(1)料理が先でもお箸が先でも

こんにちは。データ部新刊 大谷です。

いつもTRC MARCをご愛用いただき、まことにありがとうございます。
 
 TRC MARCは、ご利用の皆さまに支えられながら、着々と進化してまいりました。その歩みを、データ部の局…いえ局という表現は僭越ですので古参の女性社員・大谷が、自分の見聞きした範囲で語ります。気楽におつきあいいただければ幸いです。今月木曜日、5回の予定です。


 さて20年ほど前、弊社の社長石井が社員を叱咤激励する中に「料理が来てても箸が来ないのはダメなんだ!」という言葉がありました。いくらおいしそうな料理(図書)がテーブルに並んでいても、箸(MARC)がなくては料理が食べられない。お客さまは怒るだろうと。これは「図書とMARCは一緒に届くようにしなさい」という意味です。

 当時は、図書館からご注文をいただくと → 物流部門では図書の集品にとりかかる → 一方電算室でご注文のMARCを取り出し → ご指定の磁気テープやフロッピーに収めてお送りする という手順を追っていました。

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この方法ですと、図書とMARCの納品が別々の流れになってしまいます。MARCが到着しても図書の多くがまだ集品中であったり、図書がせっかく早く到着しているのに今度はMARCがタイミング悪く届いていなかったり。MARCがないと受け入れや貸出の手続きが出来ないので結局書架には出せないといったご意見・苦言が寄せられていました。

1990年に物流基地・旧新座ブックナリーが開設。ストックブックス(社内在庫)システムがしだいに拡充し、図書の納品は着々と早くなっていました。MARCも油断していると遅れをとってしまいます。

MARCを少しでも早くお届けするために行ったことをおおまかに挙げると次のようになります。

手書き原稿→パンチ外注ではなく、社内で直接MARCを入力する方法に移行、また典拠ファィルの整備など、内部作業の効率化
・新刊全件MARCのご提供(ご注文のMARCをいちいち抽出するのではなく、新刊MARCをお得なまるごとパックで毎週お届け)
・新刊見本の拡充(それまで入手が難しかったムックや専門書など見本の収集強化)
・インターネット回線によるTOOLiでの情報公開・MARC提供
・MARCのウイークリー提供からデイリー提供へ

また2000年、志木ブックナリーの稼動では図書の受注から装備・納品までをMARCと連動させる仕組みが完成しています(現在のしくみはこちらになります

今ではあたりまえになった図書とMARCの納品。 しかし今でも、混雑したお店でグラスや取り皿がなかなか出てこなかったりすると、「料理とお箸」のフレーズを思い出します。

2024年3月

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