典拠作業では、図書から人物情報を読み取ったり、人名に関する資料調査などをしているのですが、その中でいろんな発見があります。
例えば、この本。タイトルにもある「Godiva」(英語圏の発音ではゴダイヴァ)の個人件名(個人名典拠ファイル)を作成しました。
ゴディヴァは高級チョコレートメーカーの名称の由来にもなった中世イングランドの伝説に登場する女性ですが…実在の人物だったんですね。
チェスター伯レオフリックの妻で、慈善事業家だったそうです。
ところで、彼女の「夫の圧政を諌めるため裸のままコヴェントリーの町を馬で通りぬけた…」と言う伝説はわりと知られていると思いますが、「ピーピングトム」伝説と関連があったことについてはどうでしょうか。
ゴディヴァが馬で通るとき、恩義を感じた町の人びとは家にこもり見ないようにしましたが、トムという男だけが彼女の姿をのぞいたために眼がつぶれたという伝説から、ピーピングトム(Peeping【盗み見る】Tom)=「覗き魔」という英語の俗語ができたそうです。知らなかった!
ちなみに、デジタル大辞泉では「ピーピングトム」の項目に「のぞき見をする男。出歯亀(でばがめ)」とありました。出歯亀って今あんまり使わない言葉ですよね…。ついでに広辞苑(第6版)で出歯亀を調べると、「でばかめ【出歯亀】:明治末の変態性欲者、植木職の池田亀太郎に由来。出歯の亀太郎の意…」とありました。女湯のぞきの常習者であったため、「出歯亀」はのぞき等をする痴漢の代名詞となったようです。(参考:日本人名大辞典(講談社))
ここにも、こんな由来が…。
もうすぐホワイトデー。お返しにもチョコを贈る人、結構多いようですね。チョコとともに(ゴディバでなくても)こんな雑学を披露してみてはどうでしょうか。