« 2012年10月 | メイン | 2012年12月 »

2012年11月 アーカイブ

2012年11月30日

最初から順番に読みたい

毎月月末にお届けしている「MARCや検索のはなし」。今回は巻次・シリーズの巻次について取り上げます。

たとえば、小説のシリーズ、続き物。
一話完結でどこから読んでもよい、と言われても
「やっぱり最初から順番に読みたいよ」という方が多いでしょう。

図書に巻次やシリーズ番号がついていればいいのですが、
それがないままに、どんどん増えていった続き物は、多数あります。

大人気シリーズともなれば、何十冊にもなり、発行年月をチェックするのも一苦労。
MARCに順番を入れてもらえないか、というご要望にお答えして、
今年(2012年)1月より、巻次、シリーズの巻次を補記しております。

☆......
小説シリーズの最新刊が出たら、順番をしっかり調査して巻次を補記。
もちろん、累積MARCもメンテナンス。

たとえば、時代小説作家、佐伯泰英さんの講談社文庫のシリーズ、
「交代寄合伊那衆異聞」にはシリーズ巻次がありませんが、
以下のように〔1〕~〔17〕まで補記しております。
シリーズ     :講談社文庫
サブシリーズ   :交代寄合伊那衆異聞
サブシリーズ巻次 :〔1〕

☆......
最初の一冊は単品だったのに、好評につき「Part2」や「続」が出た場合には、
一冊目を「Part1」「正」にメンテナンスしております。

たとえば、朝日新聞出版の「おかず練習帳」。
今年の6月に「続」が出版された際、昨年(2011年)刊行の初回に
「正」を入れるメンテナンスをいたしました。

タイトル :おかず練習帳
巻次   :〔正〕
補記なので〔 〕に入っております。

全集の場合には、小説に限らず巻次補記を行なっております。
シリーズについては、小説のみの対応です。

2012年11月29日

楽譜を探したい

~~ MARCで探そうQ&A 第17回 ~~

「楽譜ってありますか?」
「第九」のスコアが見たい。
ジブリの曲をピアノで弾いてみたい。
楽箏に興味があるので練習曲から始めたい。
などなど図書館では結構聞かれることの多い声です。

TOOLiで検索する際に資料形式、または別置という項目を開くと一覧に楽譜があります。
こちらを指定してタイトルや著者名と組み合わせて検索すると広く探すことができます。

Q.
お祝いの場で演奏できるような明るい曲の楽譜ってありますか?

A.
別置:楽譜 を指定して、すべての項目:お祝い と入力すると7件ヒットしました。
たとえばこんな資料が見つかります。

卒業・入学・お祝いライヴでやりたい曲!! 2011(バンド・スコア)
おめでとうと一緒にピアノで奏でたい笑顔の名曲 (ピアノソロ)
いろいろな場面で役立つ定番ソング

タイトルに該当する単語が含まれていなくても内容紹介や目次でもヒットするので曲名でも見つけられます。

Q.
フルートで吹けるショパンの楽譜を借りたい。ついでにCDもあるといいんだけど・・・。

A.
こんなときは付属資料の種別という項目から録音資料と組み合わせて検索すると便利です。また楽器を指定したい場合は件名に入力します。

別置:楽譜 付属資料:録音資料 すべての項目:ショパン 件名:フルート で検索するといくつかの資料がヒットしますが、たとえばこんな資料。

フルートで吹きたいクラシックの名曲あつめました。2012
目で譜面を追うだけよりも耳からも音を取り入れられて早い上達が見込めそうですね。

ちなみに楽譜は今年2012年から「週刊新刊全点案内」に掲載されるようになりました。あわせてご活用ください。
詳しくはこちらこちらをどうぞ。

2012年11月28日

今日のデータ部☆(11/28)


かるがもを見に行ってみました。
先月の様子はこちら。

今日は...

121127_0827~01.jpg


姿がありません。。!

寒くなってどこかへ行ってしまったのでしょうか。

元気に冬を越せるといいですね。

2012年11月27日

スープ

本日は「週刊新刊全点案内」1793号の発行日です。
掲載件数は1338件でした。

*こんな本がありました*

寒くなってきました。
スープ、鍋など、温かいお料理の本が増えています。

「ヨーロッパのスープ料理」

誠文堂新光社(2012.11)

フランス、ロシア、ドイツなど、11カ国130品のスープ料理を紹介しています。


「心も体も温まるスペインのスープと煮込みレシピ」

丸山久美(著)
ソフトバンククリエイティブ(2012.11)

こちらはスペイン料理。


「発酵食品を使った美味しい鍋レシピ」

柳瀬真澄(料理監修)
世界文化社(2012.12)

塩麹やヨーグルトなど、発酵食品を使った鍋料理です。


「秘伝!相撲部屋ちゃんこレシピ」
どす恋花子(著)
文藝春秋(2012.11)

相撲部屋直伝レシピが14部屋分。
食費のことや、力士の生活など、各部屋の紹介にもなっています。


2012年11月26日

原作のエッセンス

先日、「アンナ・カレーニナ」を舞台で観てきました。
もう何度も映画化、舞台化されているものですが、脚本や演出によっていろいろと違うのでそれぞれ楽しめます。
今年製作の映画もありますし、年末にはまとまった時間がとれそうなので、原作をゆっくり読み直してみようと思っています。

アンナ・カレーニナ 上 改版
(新潮文庫)

トルストイ(著)
新潮社(2012.10)

アンナ・カレーニナ 中 改版
(新潮文庫)

トルストイ(著)
新潮社(2012.10)

アンナ・カレーニナ 下 改版
(新潮文庫)

トルストイ(著)
新潮社(2012.10)

2012年11月22日

11月22日は・・・

明日は勤労感謝の日ですね。
さて、その前の日である今日11月22日は、「いい夫婦の日」だそうです。
そこで件名「夫婦」で検索して、今年どんな新刊が出てるかみてみました。

例:
家族収容所(2003年刊の改訂)
夫の終い方、妻の終い方
夫は犬だと思えばいい。
モラハラ&DV夫の「怒り」「イライラ」を消す方法
「恐妻家」が成功する22の法則

「いい夫婦」をテーマにした本というより、いい夫婦になるための本が並びます。
件名「夫婦」が付与された、今年刊行の本は30冊ほどあるのですが、タイトルだけみると、夫ではなく妻を読者対象とした本が目立つような。
ちなみに「不倫」という件名もあるので、件名「夫婦」「不倫」とかけあわせて検索をしぼると以下の2冊がヒット。

夫の浮気がピタリと止む方法
夫の浮気で悩む妻のための夫婦再生術

うーむ。やはり夫の浮気か...。

ともあれ、ご結婚されている方は、良い「いい夫婦の日」をお過ごしくださいますように!

2012年11月21日

今日のデータ部☆(11/21)


お昼に分類班の棚を拝見です。
これから分類・件名を入力される本がズラリ!
存在感があります。


121121_1253~01.jpg

2012年11月20日

スーパーへGO!

きょうは「週刊新刊全点案内」1792号の発行日です。
掲載件数は1207件でした。

* こんな本がありました*

日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品

菅原/佳己(著)
講談社(2012.11)

スーパーマーケット研究家を名乗る著者。
全国を家族で旅行し、各地のスーパーを訪問。
ご当地のお惣菜やお菓子をかき集め、試食を重ねてきたもよう。

選び抜かれた、逸品は各地を代表するにふさわしい、
個性的かつ美味(なんだろうなあ~)。
ちょっとレトロなパッケージも素敵で、お土産にも最適。

地方の食品メーカーの元気が、ヒシヒシと伝わる一冊。
今度から、旅先では、コンビニじゃなくって「スーパー!!」へGO!

2012年11月19日

本の並べ方と巻冊記号

以前、小学校に上がったお子さんが「タイトルの一文字目を五十音順に並べ、配架した」というお話がありました。
今日は、その続きのようなお話です。


息子は幼稚園の年長ですが、ある日、絵本の整理をしていました。
親が何も言わなくても整理するなんて感心、小学生になったら、図書係でもやるのかな(私が小学生のときは、そういう係りがあったのです)、と思って本棚をみたところ、棚の右端から3さいのえほん、4さいのえほん、5さいのえほん。次に、まいにちはっけんえほん 1月号、2月号、...、12月号 と並べています。

息子に「どうやって並べているの?」ときいたところ、
「ねんれいの ちいさいじゅんに みぎから ならべたんだよ!」とのこと。

「あのね、本は左から並べるんだよ。
それから、確かに、小さい順は 1、 2だけど、この"まいにちはっけんえほん"は年少さんのときの本だから、本当は、4月、5月、...、12月、1月、2月、3月と並べるんだよ。で、年中さんになると、"ふしぎはっけんえほん"になって、4月から始まるんだよ。」と父。

「えー!?」

(背以外の情報源は見ていないけど、情報源に"年"の表示がなくても、巻次に"年"を補記して入力する。
 →そうすると、ちゃんと配列ができる、なんてことが父の頭をよぎっています。
数日後に気付いたのですが、実は表紙に西暦年も表示されていましたが、そのときは背しか見ていませんでした。)


「ほら、この"チャイルドブック がくしゅう版 かんがえる"は、年長さんになってからもらった本でしょう。
背に"2012 4"、"2012 5" ...と書いてあって、一番、最近のは、"2012 11"となっているでしょう? だから、これは、4、 5の順に並べるんだよ。」


息子は「ふーん」と言ってしばらく考えていましたが、突然、
「パパ、それはそうと、なんかゲームでもしよう!」と言われてしまいました。

せっかく整理をしていたんだから、余計なことを言うんじゃなかったかな?

2012年11月16日

チェックチェックチェック ~分類/件名のおはなし・38~

データ部といえば校正、校正といえばデータ部ですが、分類/件名での校正作業のひとつに"リストでのチェック"があります(リスト校正の全貌はこちら!)。
ここでは本そのものは見ず、前日に作業終了分のMARC No.と分類、件名がずらっと並んでいるだけの代物をチェック(タイトルすら無いリスト...)。分類が『日本十進分類法(NDC)』新訂9版・8版に適しているか、ケアレスミスはないかを見ていきます。


というわけで、冊子体のNDCとの首っ引きになるわけですが、時には本表に見当たらない分類も...。

新たな分類を作ってみました! というわけではないはずなので、そんなときは慌てず騒がず、そっとその分類の周囲を確認。
まずは「地理区分」を展開しないかチェック。無ければ、さらに範囲を広げると、ちょっと後ろに「固有補助表」がある分類も。

例えばNDC188(仏教の各宗)の後ろにはこんな説明が...
------------------------------------------------
*各宗とも,テーブルにより共通的に区分することができる(略)
-1. 教義.宗学
-2. 宗史.宗祖.伝記(後略)
-----------------------------------------------
このような約束ごとがあり(また、TRCはこれを適用しているので)、188.212などという分類を付与してよし、となるわけです。


では、NDCの本表をどうひっくり返しても書いていない分類が出てきたら? そんなときは一般補助表を開きます。
分類を問わず多く使われるのが「形式区分」。(下は抜粋)
------------------------------------------------
-03 参考図書[レファレンス ブック]
-04 論文集.評論集.講演集.会議録
-077 教育・養成機関
------------------------------------------------
などとあるのを適用。(このあたりの詳細はこちら)これによって、497.04などという分類が登場します。


ここまでの引用はNDC新訂9版ですが、新訂8版でも固有補助表・形式区分などの扱いは同様です(一部解説の文言が違うものもありますが)。
大きな違いといえば、9版が2冊セットなのに対し、8版は1冊なこと。リスト校正に限れば8版の方が扱いが楽でしょうか。


ちなみに、新訂9版・8版とも、NDC188.212は法相宗の宗史.宗祖.伝記を、497.04は歯科学の論文集.評論集.講演集.会議録を示しています。

2012年11月15日

天地初発之時...

今年は現存する日本最古の歴史書である「古事記」が編纂されて1300年にあたります。
そういえば、むかしむかし学生時代に、日本史だか国語の文学史だかのテストのために必死で憶えました...「712年、古事記、太安万侶、稗田阿礼」。
間違えやすい漢字が多くて苦労したおぼえがあります。
何かゴロ合わせもあったように思うのですが、もはや忘却の彼方。


さて、区切りの年ということで「古事記」についての本は今年どれくらいあったのか、件名標目で検索してみました。

2012年作成のTRCMARCで件名標目に「古事記」が付与されているものは、本日現在70件。
2011年は46件、2010年は24件、2009年は21件でした。

やはり今年は抜きんでて多いですね。
伊勢神宮、出雲大社ともに遷宮の最中ですし、古事記や日本神話の本がアツいようです。


そういえば「古事記」とセットで「720年、日本書紀、舎人親王」も憶えたなあ...。
2020年には今度は「日本書紀」関連の本がどっと出版されたりするのでしょうか?

2012年11月14日

今日のデータ部☆(11/14)


地下鉄茗荷谷駅を出てすぐの茗荷坂を歩いてみました。

細い道に、パン屋さんなどのお店が並んでいます。
また途中にはしばられ地蔵というお地蔵様も。
願いを叶えるために縄を巻くのだそうですが、あまりにぐるぐる巻きで驚いてしまいます。

そしてふと分かれ道を見るとこちらも坂...!
「谷」であることを実感しました。


121113_1249~01.jpg

2012年11月13日

いつかはまた田舎暮らし

本日は「週刊新刊全点案内」1791号の発売日です。
掲載件数は1201件でした。

*こんな本がありました*

東京吉祥寺田舎暮らし

井形慶子(著)
筑摩書房(2012.11)

吉祥寺・・・と聞いてまず何を思い浮かべますか?
住みたい街ランキングNo.1の街?
オシャレなお店がいっぱいある町?
ところがそんなイメージを覆すように、著者は冒頭で「吉祥寺は・・・東京の村」と言い切っています。
そして、そんな「村」での素朴な生活を綴っているのですが・・・。

吉祥寺が田舎だということに大きく頷いてしまった私。
社会人になって実家を出るまで吉祥寺で生まれ育った私には、田舎・吉祥寺の思い出がいっぱいあります。
ちょっと自転車で走ると畑だらけで、その脇に生えていた木に秘密基地を作って友達と登ったり、中学校に夕方までいると必ず飛んでくるコウモリが顔に激突したり、実家のすぐそばのお寺の池のオタマジャクシを毎日観察したり・・・。
今でも月1回くらい実家に帰って吉祥寺の空を見上げるとなんだかホットするのは、体が田舎を求めているからでしょうか。
いつかはまた吉祥寺に戻って、田舎暮らしを楽しめたらいいなと思っている今日この頃です。

2012年11月12日

図書館総合展のご案内

こんにちは。新刊目録の望月です。
p20121112.jpg
来週の火曜日から、「第14回図書館総合展」が桜木町にあるパシフィコ横浜で開催されます。
TRCもブースを出展いたします。さまざまなサービスをご紹介いたしますので、ご来場の際はぜひお立ち寄りください。

・TRC主催のフォーラムの情報はこちら

・「図書館総合展」の公式サイトはこちら

2012年11月 9日

莫言! ~典拠のはなし~

11月初旬にノーベル文学賞が発表され、今年は中国の作家・莫言の受賞となりました。発表前から世間では様々な予想が飛び交っていましたが、みなさんどうでしたか?
さてこの莫言、受賞後に人名典拠ファイルをチェックされた方も多いと思います。


統一形の典拠ファイル詳細(抜粋)
典拠種別   個人名(東洋人)
典拠ID    11000077816-0000
漢字形    莫言
カナ形    モーイエン
参考生没年  1956~ 
職業・専門等  作家,2012年ノーベル文学賞受賞,ペンネーム,本名:管謨業(コワンモーイエ)


典拠ID一覧
       典拠ID           漢字形     カナ形
統一形  11000077816-0000    莫言      モーイエン
記述形  ← 11000077816-0001  モー・イェン  モーイエン
記述形  ← 11000077816-0002  莫言      バクゲン
参照形  ← 11000077816-4001  莫言      モオイエン
参照形  ← 11000077816-4002  Mo Yan


ノーベル文学賞の受賞を機に、統一形典拠ファイルに修正を入れました。修正といっても、間違いを発見した!という訳ではありません。職業・専門等に「2012年ノーベル文学賞受賞」を追加しました。それにより、TOOL-iの典拠検索画面で検索項目「すべての項目」に「ノーベル文学賞」又は「ノーベル 受賞」などと入力して検索すれば、あれ?名前ナンダッケ?"モー"なんとか...、"莫"って字が入ったような...、肝心な「莫言」の名前を忘れてしまった場合でも、受賞者を検索する事ができます。


また、莫言の名前の読み方が中国語でよくわからない、といった場合。統一形(漢字)が母国語ヨミになっている東洋人の典拠ファイルについては、日本語ヨミ(漢字辞典の日本語読み)を付与しています。
莫言の例で言うと、以下の2つが対となってTRC MARCに付与されています。
 統一形  11000077816-0000 莫言(モーイエン)  母国語ヨミ
 記述形  ← 11000077816-0002 莫言(バクゲン) 日本語ヨミ


例(MRAC No. 11026164抜粋)
 TRC MARC № 080$A01 11026164
 タイトル    251$A01   蛙鳴
 タイトルヨミ  551$A01 1  アメイ
 著者      251$F01   莫言//著
          251$Z01   11000077816-0002
 著者ヨミ    751$A01 1   モーイエン  = 統一形の母国語ヨミ
          751$B01   莫言
           751$Y01   バクゲン    = 日本語ヨミ
          751$N01   11000077816-0000

*東洋人のヨミについて詳しく知りたい方はこちらへ→MARC MANIAX典拠


わたしは莫言の作品を読んだことがないのですが、何かオススメはありますか? 今のところ、岩波現代文庫「牛 築路」(TRC MARC No. 11008665)が気になっています。タイトルが「牛」だけに、図書記号が「モウ」、ではありません。おもしろい偶然ですね。

2012年11月 7日

今日のデータ部☆(11/7)


11月に入り、秋も深まってきました。


121107_0837~01.jpg

朝の教育の森公園です。
紅葉している木々も多いですね。

空気がひんやりとしていて、気持ちが引き締まりました。

2012年11月 6日

括弧の役目~新設件名のお知らせ2012年10月分~

本日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

10月は15件の件名を新設しました。

その中に「縁起(寺院)」という件名があります。
寺院の由来や霊験などの伝説に対して使用します。

この件名、わざわざうしろに(寺院)と付いているのには訳があります。

広辞苑(第6版)によると「縁起」という言葉には、A)仏教の根本思想、B)事物の起源・沿革、C)寺社などの由来または霊験などの伝説、D)吉凶の前兆(-がいい)、という4つの意味があって、今回採用したのはこのうちの C の意味で使う件名だよ、ということをハッキリさせるために「縁起(寺院)」という形にしたのでした。

ではA~Dそれぞれに対応する件名はどうなっているのか?具体的には

A)仏教の根本思想 →件名「縁起(仏教)」
B)事物の起源・沿革 →件名「事物起源」
C)寺社などの由来 →件名「縁起(寺院)」と「縁起(神社)」
D)吉凶の前兆 →件名「民間信仰」など(これは内容によりけり)

という関係になっています。なんだかとてもマニアックですけど...
今回「縁起(寺院)」という件名を採用したことで、4つの意味それぞれに対応する件名がめでたく(?)揃いました。

件名の説明をするときには "本によってバラける言葉をまとめて検索できる機能" という点をよく強調しますが、こんなふうに "同じ形の言葉を意味ごとに分ける機能" もあるのです。

2012年11月 5日

あんぱんまん~わたしの思い出の本~

子どもの頃に通っていた保育園に、この本がありました。


「あんぱんまん」
(キンダーおはなしえほん傑作選)

やなせたかし(作・絵)
フレーベル館(1976.5)


ひらがなで「あんぱんまん」。出版年は1976年。わたしが読んだのも大体この頃です。

「アンパンマン」としてアニメになるのは、ずっと先のこと。
当時はそれほど有名でもなかった(たぶん)この本が、地方の小さな保育園にあったのは、やなせさんが地元高知県出身の方だからかもしれません。

当時のわたしには「自分の顔を食べさせてあげる」というのがなんだか恐ろしくて、「好きな本」というよりも「怖い本」でした。
絵柄も「可愛い」感じではなかったような。ちょっと暗めで哀しい雰囲気の本だったように覚えています。

今ではすっかり子どもたちのアイドルですね。

2012年11月 6日

女王即位60年の国の古事記

本日は「週刊新刊全点案内」1790号の発行日です。
掲載件数は1304件でした。

p20121106.jpg
こちらが今月の新刊案内の表紙になります。秋が冬になってしまった感じを葉の色がとてもわかりやすく表現していて...見ているだけで寒くなってきました...


*こんな本がありました*

 以前(2012年5月15日)の記事でイギリスのエリザベス女王が即位60周年になられたことに絡めて、エリザベス女王の治世=直近の60年についての本を紹介させていただきましたが、今週はこんな本が来ました。

アングロ・サクソン年代記

大沢一雄(訳著)
朝日出版社(2012.10)

 「日本の古事記や日本書紀に相当する英国最古の歴史書」らしいです。内容は「紀元の初めからノルマン王朝の終る1154年まで」。なるほど。「英国最古」にも納得です。

 そういえば...今年はNDC233(イギリス史)の本が今まで(新刊案内1790号現在)に22冊来ました。去年は1年間で15件ですから、やはり今年はイギリスについて盛り上がっていたんですね。ロンドンオリンピックやエリザベス女王即位60周年など話題も豊富でしたものね。来年はオリンピックもW杯もありませんが(WBCはありますが、アレは開催国常にアメリカみたいですしね...)、どこかの国の本がたくさん来ることになるのでしょうか。

2012年11月 8日

デュシャン 大ガラスと滝口修造シガー・ボックス~わたしの思い出の本~

こんにちは。新刊目録 大谷です。

 多種さまざまな新刊見本が入荷するデータ部。文芸書や絵本、趣味の実用書やビジネス書、ムズカシイ専門の学術書、医学書などなど。自分がよく知らない分野の本は、目録を作成する以前に「そもそも何の本なのか!?」を考えるところから始めなければなりません。

 そんな中で「頭の中が真っ白になった」ほろ苦い思い出の1冊です。

「デュシャン 大ガラスと滝口修造シガー・ボックス」みすず書房  1992.10刊

 現代美術の巨匠マルセル・デュシャンの「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」通称「大ガラス」と呼ばれている作品と、交流のあった瀧口修造氏によって書き残された評論メモを、写真家の奈良原一高氏が撮影した写真集です。


 とはいえ、序文やあとがき、広告チラシなど頼りになる解説は見当たらず、文章は奈良原氏による詩的なエッセイのみ(今、落ち着いて読むとこの文章はとてもステキです)。当時はインターネットという便利なツールもありません。「このガラスのひびの写真は何か重大なものなのか?」「この本の著者はマルセル・デュシャンなのか瀧口修造なのか奈良原一高なのか?」「タイトル表記もあっちこっち違うし...」※★◎×△...
 動揺のあまりとっちらかったMARCはもちろん先輩がきっちり手直ししてくれました。

今は、出版社・みすず書房さんのHPに、きちんとした解説があります。この解説を、当時、図書に付けてくださっていたら...

それから数年後、横浜美術館でマルセル・デュシャン展があり、作品「大ガラス」のレプリカとの対面を果たしました。そこで「すばらしかった」と言える感性はないのですが、この「わからないけど、気になる」が、巨匠デュシャンの圧倒的なパワーなのでしょうか。この本を神田の店で見つけて、とりつかれたように購入してしまいました。
ちょっとだけ、人生取り返した感じです。

2012年11月 2日

新刊目録メンバーに聞いてみました・つづき

こんにちは。新刊目録の望月です。先週に引きつづき、新刊目録のメンバーに行ったアンケート結果をお伝えします。
こういう話題を改まってする機会はあまりないので、集計したわたし自身とてもたのしかったです。

質問3)実践している集中法は?
新刊目録の仕事は、文字の入力や校正がとても大切。集中して作業するためにやっていることを聞いてみました。
「おなかがへると集中できなくなるので、ひとくちサイズの何かを用意しています」
(同意見3「15時30分を過ぎると何か食べなきゃ続かないです」)
15時30分というのが具体的です。
「コーヒーをいれる」
「首や腕を回して、いったんリラックスします」
(同意見1)
「ツボをおす」
「トイレで体操」
トイレで体操は、先輩の姿を見て学んだそう。

質問4)実はこんなことで困ってます
仕事中遭遇した困ったことは?
「アルファベットの飾り文字が読めない。」
これはa?o?悩んでいるうちに時間が過ぎてゆく...。
「オシャレすぎる本にはほんろうされます」
「タイトルがデザイン的なのとかムックなどで表紙にたくさん情報が載ってるとまだ混乱します」
「タイトル盛り盛りのムック」
かんたん見るだけ!~、今日から始める...!、最旬トレンド!など魅惑的な言葉がいっぱい。どれを入れたらいいのか迷います。
「奥付が巻末になくてなかなか見つからない」
(同意見1)
「重い本」
表紙を見て、次は裏表紙を見て...。ひっくりかえしたいのに重くて無理!
「函入りの本で函がキツキツに作られている本」
(同意見1)
出そうとして爪がはがれました、という被害者も。
「ヨミが謎の本。ルビをふってください」
「キラキラしている本。目が痛い。」

こうしてみると、目立たせようと飾り立てたものに困らされることが多いようです。
とはいえ困難に負けず、使いやすいMARCを作るのが我々の使命。これからも悩まされつつMARC作りに精を出していくことでしょう。

2012年11月 1日

お散歩のススメ

11月に入りましたね。朝晩は冷え込むようになり、そろそろコートが恋しくなってきました。
さて、お天気もよかった先週の土曜日のこと。
地下鉄だと2駅の距離ですが、東京のまちを散歩してきました。

お供は散歩が趣味の知人で、山手線一周散歩を敢行したツワモノ。
そんな彼女にとって2駅なんて歩くうちにも入らないですが、私は通勤で10分しか歩きません。
東京に来てから移動は電車に乗るばかりで、駅間の歩く距離感なんてまったくわからず。逃げ腰気味で歩き始めると...それはそれは楽しい道のりでした。
風に舞う枯葉とか、秋の日差しの柔らかさとか、季節を感じながら歩くってこんなに気持ちのいいものだったんですね。
おしゃべりにも花が咲き、あっという間に目的地到着。
地下鉄では味わえなかった素敵な45分間に、すっかり感動してしまいました。

よく言えばインドア派、はっきり言えば出不精ついでに方向音痴の私なので、お散歩はぜひとも習慣に、あわよくば趣味にしたい!
先週の感動を忘れないうちに、今週末は最寄の図書館まで歩いてみようと思います。途中で素敵なカフェや雑貨屋に出会えたらいいな。
スマートフォン片手にがんばります。

2024年1月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

アーカイブ

全てのエントリーの一覧

リンク