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2018年6月 アーカイブ

2018年6月28日

心に残る本

こどもの頃、動物が出てくるおはなしが好きでした。
とくに好きだったのがこの本。

こすずめのぼうけん ルース・エインズワース作(福音館書店)

日も沈み、辺りは暗くなって、なのにからだはくたくた。あまりの心細さに、自分も消えてしまいそうだと思ったとき、親すずめが迎えにきてくれたときの安堵感ときたら。一瞬でぽっとあたたかい火が心に灯るようなぬくもりに、思わずほろりとしてしまうような、深い愛情を感じました。絵本の最後のページがとくにお気に入りです。

その後、もう少しだけ大人になった学生時代。強く印象に残っているのがこちらです。
アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス著(早川書房)

幾度藻も版を重ね、日本でも何度かドラマ化もされて有名ですが、当時自分にとってとても衝撃的な内容でした。
この作品は一人称で報告書という形で文章が書かれています。
文字という媒体ならでは、とりわけひらがなと漢字のある日本語訳だからこそ、より一層視覚的に迫ってくるものがあります。ストーリーも書面の構成にもとにかく打ちのめされました。
唯一のともだちであるネズミのアルジャーノンの知能が、やがて衰えていき、それがいずれ自分にも訪れる未来なのだとチャーリーは悟ります。最後の一文が、物語を象徴していて、どうか自分のことも忘れずにいてほしいという思いが込められているようで胸を打たれずにはいられません。
原作が発表された当時は、戦争の影響で精神障害の人たちが増えた時期で、治療のために実際に脳の外科手術が広く行われた時代背景があることを後に知りました。
知能が高いことが人間を人間たらしめる指標ではなく、パン屋で働く博愛の心を持ったチャーリーも私たちとなにも変わらない。様々なことが胸中を巡る作品です。

2018年6月29日

新聞と図書 ~MARCや検索の話~

先日、第159回芥川賞・直木賞の候補作が発表され、
大きく報道されました。
受賞作が決まるのは来月18日とのこと。楽しみですね。
ところで、このような受賞関連以外でも、
新聞各紙には図書の情報がたびたび掲載されます。
いわゆる書評記事や、新作の刊行に際した作家へのインタビューなど
です。
TRCMARCでは、朝日新聞、産経新聞、日本経済新聞、毎日新聞、
読売新聞、中日・東京新聞の6紙に掲載された書評を「書評情報」として
提供しています。

例として、6月上旬の新聞に掲載された図書をいくつかご紹介します。


オリジン」(上下巻)

ダン・ブラウン(著)
KADOKAWA(2018.2)

2018/6/7 朝日新聞などに掲載



友だち幻想
(ちくまプリマー新書)

菅野仁(著)
筑摩書房(2008.3)

2018/6/9 産経新聞に掲載



まいにち絶品!「サバ缶」おつまみ
(青春新書PLAY BOOKS)

きじまりゅうた(著)
青春出版社(2018.5)

2018/6/10 読売新聞に掲載




これらの図書は図書館利用者の方の関心も集めやすいもの。
TOOLiは「書評情報」での検索にも対応しております。
ぜひお試しください。


書評情報については、以下の記事もご覧ください。
書評情報 ~MARCや検索の話~

2018年6月27日

きょうのデータ部☆(6/27)

今日は風が強いですが、梅雨とは思えないくらい湿気も少なく爽やかなお昼下がりです。
早くも蝉の声が聞こえました。
夏の足音が近づいてきています。

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2018年6月26日

W杯をディープに楽しむ

本日は「週刊新刊全点案内」2067号の発行日です。
掲載件数は1212件でした。

*こんな本がありました*

ここ数日の話題といえばやはりワールドカップですね。
サッカーファンはもちろんのこと。普段はサッカーを見ないけど日本戦だけは見た! ほかの国のも見てみたら面白かった! という方が多いのではないでしょうか。かくいう私もそのクチです。

サッカー中継自体を見慣れていないので、解説者が発する横文字のサッカー用語がやけにカッコよく聞こえます。
なんとなく意味が察せられるものもあれば、よく分からないままなんだか凄そうだ、と思って聞くものあり。ちなみに、日本vsセネガル戦で出たオフサイドトラップは「キャプテン翼」のおかげで知っていました。

きっと細かい戦術がわかればもっと面白いんだろうな。
...と思っていたら、ちょうど攻撃と守備の本が揃っていました。

「サッカー新しい攻撃の教科書 カウンターと組織的攻撃の正しい理解と活用」

坪井健太郎(著)
カンゼン(2018.6)

「詳しいことはわかりませんが、サッカーの守り方を教えてください 世界一わかりやすいゾーンディフェンス講座」

松田浩(著)
カンゼン(2018.7)

どちらも主にサッカー選手やコーチ・監督が対象ですが、図解もあって興味深いです。この機会にちょっとお勉強してみようかしら。

2018年6月22日

ADEACシステムバージョンアップのお知らせ

3月28日にADEACのシステムバージョンアップが行われました。
より使いやすさ、見やすさ、調べやすさを考慮していろいろな部分が変更されています。
今回はその中から3つの変更箇所をご紹介いたします。


1.各機関のトップページに機械翻訳機能を追加しました。
各機関のトップページ右下、「日本語」のタブを「English」に切り替えると、トップページ内の文章が英語に翻訳されます。
top1.PNG

102.jpg

101.jpg

機械翻訳(自動翻訳)のため必ずしも正確な翻訳でない場合がありますので、ご理解ご了承のほどご利用ください。


2.年表コンテンツの閲覧画面が変わりました。
画面の上部メニューバーの中から「年表閲覧」をクリックで各資料に掲載されている年表が閲覧できるようになりました。
header.PNG

また、ひとつの資料に複数の年表が掲載されている場合は、「年表1」「年表2」タグを利用して年表を2つまで並列して表示することもできます。
nenpyo.PNG


3.目録詳細検索機能の変更
目録詳細検索画面で、西暦年月日を絞り込んで検索することが可能になりました。
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ほかにも索引コンテンツの変更や、ウェブページの音声ユーザにむけたウェブアクセシビリティを考慮した画面へのバージョンアップなどを行っています。
より詳細なお知らせはこちらのページにありますので、ご覧ください。

今後ともさらに幅広い方に使っていただくために、いろいろなバージョンアップを進めてまいります。
今までに公開された史料ともあわせて、バージョンアップされたADEACをぜひよろしくお願いいたします。

2018年6月25日

和装本記事リンク集 その2

和装本に関する記事のリンク集、第2弾です。
今回は、和装、和本、和書の違いというところから四部分類についてまで。
データ部内でも、新刊書の目録とASで扱う和装本の目録とはだいぶ異なりますので、これらの記事で改めてその違いに気付かされることもあるのです。


「和装」「和本」「和書」(1)~ASで作成するデータについて~

和古書と漢籍(「和装」「和本」「和書」(2))~ASで作成するデータについて~

和刻本漢籍(「和装」「和本」「和書」(3))~ASで作成するデータについて~

和本と唐本(「和装」「和本」「和書」(4))~ASで作成するデータについて~

和漢古書と現代書(「和装」「和本」「和書」(5))~ASで作成するデータについて~

漢籍と準漢籍(「和装」「和本」「和書」(6))~ASで作成するデータについて~

緑紅藍灰でどうですか―四部分類について

文字通りの「小説」は―四部分類とNDC


2018年6月20日

きょうのデータ部☆(6/20)

先週末から、データ部に胡蝶蘭が仲間入りしました。
大迫力です。

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2018年6月21日

子どもの気持ち、ママの気持ち

今週は傘マークの多い、梅雨らしい空模様です。
そんな雨と関連付けて、今月のデータ部ログ雑記のテーマは「泣ける本」です。

まず1冊目はこちらです。

ちょっとだけ

瀧村/有子(さく) 鈴木/永子(え)
福音館書店(2007.11)

ずいぶん前に図書館で出会った絵本です。
生まれたばかりのあかちゃんに付きっきりのママを見て、お姉ちゃんになったなっちゃんは、何でもひとりでしようとがんばります。
お友達がママと一緒にいるのを見ても、ひとりで一生懸命ブランコをこぎます。
"ちょっとだけ"ひとりでできるようになったなっちゃんですが、ママにこんなお願いをします。
「ママ、"ちょっとだけ"だっこして......」
...ママはどんな反応をするでしょう。
この絵本と初めて出会ったとき、ものすごく心にグッとくるものがありました。
弟や妹が生まれて、嬉しかったり、やきもちを焼く、というストレートな気持ちとは少し違う姿があるからかもしれません。
そして、私もなっちゃんと同じく、弟がいるからかもしれません。(しかも2人も)
この絵本をいろいろな方に紹介したくて、読み聞かせの練習をするのですが、なかなか進みません。
声に出すと余計に感情が込み上げ、思わず涙が出てしまうからです。
いたいけで、健気で、愛くるしいなっちゃん。
ママが読むと、お子さんに対する愛おしさが倍増するのではないかな...と想像する1冊です。

そして、こちらは先月の出た本です。

あなたのことがだいすき

えがしら/みちこ(文・絵) 西原/理恵子(原案)
KADOKAWA(2018.5)

こちらも(たまたま)ママとこどもの、大人向けの絵本です。
子育て中のママが悩んでいる様子や、「今がつらいのに」という心の叫びには堪らない気持ちになります。
けれど、最後には大好きな赤ちゃんへの目一杯の愛情で満たされる絵本です。
この本を読み、思わず今月出産予定の友達のもとへ送ってしまいました。
気に入ってもらえますように。

2018年6月15日

意外と身近に~分類・件名のおはなし・84~

6月も気付けばもう半ば。今日も雨が降り続き、梅雨を実感する季節になってきました。
この月に入ると思い浮かべるものの一つが「ジューンブライド」。
6月に結婚した花嫁は幸せになれる、という言い伝えですが、これは「June」の由来がローマ神話の女性や結婚・出産の女神「ユノー(Juno)」であるために生まれた話だと言われています。

さて、月の英語名の他にも、曜日の名前や身体の部位の名称など、様々なところに影響がみられる神話ですが、この主題の分類記号には164を用います。
ギリシア神話は164.31、ローマ神話は164.32を付与していますが、北欧神話やインド神話などといった他の神話は地理区分を付けることで対応しています。
そのため、各神話の神々や人物、エピソードを知りたいと思った場合には、この分類で検索すると見つけやすいです。
...なのですが、これはあくまで「神話」そのものを主題に扱った場合。もし以下のような「神話も含めた各地の伝説の話(388)」や「星座と神話の本(443)」といったものを調べたい場合は、「神話」という件名から調べた方がより網羅的に本を探すことができるでしょう。

世界の美しい鳥の神話と伝説

レイチェル・ウォーレン・チャド(著),メリアン・テイラー(著),上田 恵介(監修),プレシ南日子(訳),日向 やよい(訳)
エクスナレッジ(2017.12)

星の神話・伝説図鑑

藤井 旭(著)
ポプラ社(2018.4)

探してみれば、とても身近なところで存在が感じられる神話。もし日常で気付くことがあれば、それを糸口に神話の世界に入ってみるのも面白いかもしれません。

2018年6月19日

ボン・ボヤージュ!~今週の一冊~

本日は「週刊新刊全点案内」2066号の発行日です。
掲載件数は1080件でした。

*こんな本がありました*

旅の絵本 9」

安野光雅(著)
福音館書店(2018.6)

小さい頃、「旅の絵本」がブームになった時があり、うちにも数冊この絵本が置いてあります。
字のない絵本なので、読む対象を選ばないというのもいいのですが、旅人がどこにいるのかを探したり、風景の中にひっそりいろんな物語が隠れていたりするのを発見するのが楽しかった思い出があります。
今回は9巻ですが、1巻が出されたのは1977年。
ほぼ40年がかりで出されているのかと思うと、感慨深いです。

旅といえばグルメ。
ということでこんな本もありました。

地理女子が教えるご当地グルメの地理学」

尾形希莉子 長谷川直子(著)
ベレ出版(2018.6)

ご当地グルメの本は珍しくないですが、この本ではどうしてそのご当地グルメが生まれたのかを、地形や気候などの地理学と絡めて解き明かしていきます。
こういう土地だからこんな名物が生まれたのか!と思うと、さらに美味しく感じられるかもしれませんね。

2018年6月18日

雑誌データおさらい その2

その1では雑誌データ概論をご紹介しました。
今回は、更に雑誌データ記事のおさらい編です。
改題や検索もご紹介しますね。

<11>名前が変わっても忘れないでね...雑誌の改題について。
http://datablog.trc.co.jp/2010/04/05144330.html

<12>ここにも! ~分類/件名のおはなし・21~
http://datablog.trc.co.jp/2011/04/15150433.html

<13>新TOOLi紹介第3弾:雑誌データ検索
http://datablog.trc.co.jp/2011/07/15174211.html

<14>塩レモンか? レモン塩か? ~TOOLiで探そう~
http://datablog.trc.co.jp/2014/08/01171054.html

<15>楽しい雑誌検索~MARCや検索のはなし~
http://datablog.trc.co.jp/2015/07/31165528.html

<16>バッグサイズ
http://datablog.trc.co.jp/2013/11/25152543.html

提供開始10年を迎えた雑誌データは現在、親書誌累計が約5,300誌。
休刊などを除き現在刊行中が3,000誌ほどです。
そのうちの約470誌で目次情報を収録。
子書誌累計が約218,000件。
週刊誌は年に50号以上が出ますから、1誌だけでも10年分で500件以上の子書誌が増えていきます。

どんどん増殖する雑誌データを、これからもどうぞよろしくお願い致します。

2018年6月14日

猫の愛情

今月の雑記。テーマは「泣ける本」です。

最近は本を読んで感動することが無くなって久しく、
ふと本屋に立ち寄った際、学生の頃に読んだ本を見つけました。

あたしの一生 猫のダルシーの物語

ディー・レディー(著)
小学館(2016.3)

猫目線で語られる猫の一生の物語。淡々とした文章ではありますが、
ダルシーの人間に対する愛情が十二分に感じられます。
基本的に飼い主の事は「あたしの人間」と呼ぶ猫のダルシー。
人間をしつけるために根気強くルールを教える様子は、
動物好きの人には理解できると思います。

猫が何を考えているのかなんて、本当のところは分かりませんが、
「あたしの人間」のように、こんなにも想われたのなら...
電車ではなく、一人でゆっくり読むのをお勧めします。

久しぶりに実家の猫に会いたくなりました。
果たして"しもべ"と思われているのやら。

2018年6月13日

きょうのデータ部☆(6/13)

データ部のテラスでは、ラベンダーが見頃を迎えています。

花を触った手は、席に戻ってもさわやかに香ります。
ミツバチも大忙し。銀座から飛んできたのでしょうか。

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2018年6月12日

「っ」と「ちょ」と「ぴ」の音がかわいい

本日は「週刊新刊全点案内」2065号の発行日です。
掲載件数は1075件でした。


*こんな本がありました*


「おしっこちょっぴりもれたろう

ヨシタケシンスケ(作・絵)
PHP研究所(2018.6)


家族で読んでいるヨシタケシンスケさんの新刊。MARC作成中の棚に見つけて、楽しみにしていました。

ヨシタケさんの絵本は、日常によくありそうな出来事を、ああでもないこうでもないと主人公がいろいろ考える、その発想がいちいち面白い。「あるある」「ないなー」「わかる」「えーー?!」とか思いながら毎度ページをめくります。
シンプルなのに細かい表情や動きを捉えた絵柄もたまりません。
ぷんぷん怒っている子どもの顔、小さい可愛いおしり、短い手足、ものすごくどうでもいいことを言われた時のお母さんの顔、うるさい子どもに無言で対応...。ちょっとどっしり感のあるお母さんの体形。リアルです。わかります。

ビロウな話でなんですが、我が家の子どもたちが小さいとき、そのパンツのちょっぴりを「ドライヤーでかわかせば大丈夫!!」「あったかーい」なんて言っていた会話を思い出しました。当時は洗濯物が増えるのが嫌だっただけですが、今では楽しかった思い出の一つです。

2018年6月11日

雑誌データおさらい その1

過去の記事から「雑誌データ」のおさらいをご紹介します。
「雑誌データ」とは何か?から始まる雑誌データ概論を振り返ってみましょう。

<1>中吊り好きのパラダイス...か?
http://datablog.trc.co.jp/2008/08/28133455.html

<2>毎朝お届けしています
http://datablog.trc.co.jp/2008/08/29151927.html

<3>親子関係に問題あり?
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/04150116.html

<4>親の中身
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/05135231.html

<5>子の素顔 (さっぱり編)
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/11130828.html

<6>子の素顔 (こってり...?編)
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/12173052.html

<7>雑誌データができるまで
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/18141747.html

<8>今日は何日?
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/19131032.html

<9>目次山脈登山行
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/25134133.html

<10>末永くよろしく...
http://datablog.trc.co.jp/2008/09/26170901.html

雑誌データは2008年からご提供を開始し、今年で10年になりました。
これからも、沢山の雑誌がめまぐるしく創刊、休刊する様を見届けて行くことになりそうです。

2018年6月 8日

初心忘るべからず ~典拠のはなし~

こんにちは、典拠班の木内です。

4月に入社した新入社員が各部署研修のため、先週までデータ部で研修を受けていました。初々しい、まぶしい。

ふと、自分がこの仕事をはじめた頃のことを思い出しました。
正確に、迅速にデータを作成する。その他に人名典拠ならでは(?)の気をつけていることがあります。


それは「先入観を持たない」ということです。


例えば日本人名
角田という姓、なんと読みますか?
角田には「スミダ」「ツノダ」「カクタ」など、いろいろな読み方があります。

名の読み方もしかり。
剛ならば「ゴウ」「ツヨシ」「タケシ」など、さまざま。
人によっては同じ漢字で幾通りかの読み方を使用する、という場合もあります(統一形にどの読み方を採用するか悩ましいところです)。すぐ思いつくのは、俳人の坪内稔典氏。「トシノリ」と「ネンテン」の両方のヨミを使われていますね。

読み方が不明の場合、推測できないような難読名、難読姓に出会うと、毎回「なんて読むの!?」と心の中で叫んでいます...

外国人名となると
姓と名の要素はどれか、もしかしたら姓が無い国の人かもしれない、ペンネームかも? そして「なんて読むの!?」再び...
典拠をはじめたころは、姓の概念がない国があるなんて思いもしませんでした。作業を進めていると、人名からその国の文化や歴史がすけて見えてくることもあり、とても興味深いです。


「先入観を持たない」、いつも頭のどこかにあります。


参考図書で人名を調べているときに、この「先入観を持たない」に出会うこともあります。
どんな参考図書かというと、こちらです。

20180608.jpg
『明治人名辞典』日本図書センター
『大正人名辞典』日本図書センター

これらは大正時代、明治時代に発行された辞典の復刻版です。明治・大正時代の人名を調査する際に参考としています。あまり登場する機会は少ない参考図書ですが、この辞典を開くと、必ず「先入観を持たない」こと、初心忘るべからず、と自分自身にコールされる気分。

なぜ、この辞典がその注意喚起をしてくれるのかというと、「いろは順」配列なのです。
おそらく、大正時代の復刻のためなのでしょう。「五十音順」(あいうえお順)ではなく、「いろは順」。かつての日本では広く「いろは順」が用いられ、古くは江戸町火消しのいろは四十七組は有名ですし、地名や番地がいろは順の地域もあります。その例にもれず当時の辞書配列も「いろは順」だったのですね。

20180608-2.jpg
最初この辞典を見た時はびっくり! 五十音順以外の配列なんて想像したこともなかったからです。おろおろして全然辞典が引けませんでした。今でもいろは歌をあやしげに暗唱しながらこの辞典を引いています...笑

ちなみに日本図書センターからは『昭和人名辞典』の復刻版も発行されていますが、こちらは五十音順(あいうえお順)です。


初心忘るべからず
先入観を持たず、人名典拠に勤しみたいと思います。

2018年6月 7日

「がーんばー、れー!」

梅雨入りしたばかりですが、きょうの茗荷谷は肩透かしのような晴天です。
梅雨空→雨→涙。データ部ログ6月の雑記は「泣ける本」がテーマです。


先日、息子と娘を連れて後楽園の「シアターGロッソ」に行ってきました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ヒーローショーに特化した常設劇場です(他の催事も行われているそうです)。
さすが、といいますか、2階くらいの高さから奈落に飛び降りたりワイヤーで宙を舞ったりと、予想以上の迫力でした。

さて、ヒーローショーにはお約束があります。
クライマックス近く、ピンチに陥るヒーロー。そのとき投げかけられる子どもたちの熱い声援。

「がんばれー!」

進行役のお姉さんが「もう一回!」と促します。

「がーんばー、れー!!!」

...力を得たヒーローは立ち上がり、敵を倒して大団円。


実は私、これに弱いのです。どうかすると目の前がにじんでしまう。
我ながら不思議でしたが、とあるシーンが根っこにあることに気付きました。

それは、「ピーター・パン」の後半。妖精ティンカー・ベルの命が危うくなる場面です。

「ティンクの声があんまり小さいので、はじめのうちは、何を言っているのか、わかりませんでしたが、やっと、わかりました。もしも子どもたちが妖精を信じるなら、きっとまた、もと通り元気になると思う、と言ったのです。
(...)ピーターは、今、「おとぎの国」の夢を見ているかもしれない子どもたち、それだから、みなさんが考えるよりか、ずっとピーターの近くにいるかもしれない子どもたち、ぜんぶに向って、呼びかけました。(...)
「みなさん、信じますか?」と、ピーターは、大きな声でききました。」

(厨川圭子訳、岩波少年文庫)

ピーターの呼びかけに子どもたちのなかから拍手が上がり、ティンクは元気を取り戻します。

...これだ。
別世界を支え、元気づけるほどのイマジネーションの強さ。お話の世界からの呼びかけに当然のように答えることのできる身軽さ。
子どものその力がなんともキラキラと眩しく、ぐっと来るのです。
「がんばれー!」にもそのしっぽがあるのですね(もしかしたら、このシーンがこの種の演出の直接のもとになったのかとも思えます)。

このブログを書くにあたって、「ピーター・パン」をほぼ初めてちゃんと読みました。
上のシーンとはまた別に、大人になったからこそ胸に迫る部分もたくさんあって、ちょっとびっくりしました。

2018年6月 6日

きょうのデータ部☆(6/6)

TRC本社がある東京は、今日から梅雨入りだそうです。
今朝からの弱い雨は午後になって強まってきました。

シロタエザクラに代わって2月に植えられたヤマボウシ。
開花時期は6~7月とのことで、ちらほらと白い花が見えました。
4月に強風で根こそぎ倒れてしまったのですが、元気に育っています。

2018060603.jpg


2018年6月 5日

ウミウシってそうだったの...

今日は「週刊新刊全点案内」2064号の発行日です。
掲載件数は1086件でした。

今月の表紙はこちら。

p20180605.jpg

梅の実を洗って並べて置いてたら...
(生きてるみたいに)コロコロと自然に転がりだした...?!
「あららっ!!!」
そんな空想を交えて描きました。(Juriさん)


*こんな本がありました*

動物が好きです。
動物、という言葉からすぐにイメージされる人気者のパンダなんかも好きだけれど、それよりはちょっとマニアックな動物に魅かれます。苦手な人は苦手な、ちょっと足が多めのものや足がないものもOKです。潮干狩りに行っても、アサリを掘るよりヤドカリと遊んでいる方が楽しかったです。
そんな私の目に止まった、今週の一冊がこちら。


日本のウミウシ
(ネイチャーガイド)

中野/理枝(著)
文一総合出版(2018.6)


半端ない数の美しい写真に圧倒された一冊。
そして知る、ウミウシは貝殻をもたない巻貝の総称だという事実。
そうだったのか! ウミウシの本なのになんでクリオネ載ってるの?と思ったらそういうことだったのか!!
...このように、いろんな本に接してちょこちょことした知識が得られるのが楽しい毎日です。


先日も、だんごむしー!!と喜びながら収穫物を見せてくれた息子の友だちに、
「あ、これは丸まらないからダンゴムシによく似たワラジムシだねー!」と仕事中に得た知識をひけらかしてしまい、顔を曇らせてしまった事件がありました。
その後、その子は自分の手で必死にワラジムシを丸め、「ほ、ほら、だんごむし...」と言っていました。
ごめんね...。
得意気に披露してしまった知識より子どものワクワクが大事、と思ったできごとでした。

2018年6月 4日

身近にありました~新設件名のお知らせ2018年5月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

5月は5件の件名を新設しました。そのひとつに「フードバンク」があります。

フードバンクとは、まだ食べられるのにさまざまな理由で廃棄されてしまう食品を引き取り、必要としている人や施設などに無償で提供する活動や、その活動を行う団体のことを指します。
廃棄にかかる費用を抑えられるうえに福祉活動に貢献できるため、受ける側だけでなく受け渡す側にもメリットが大きい活動として注目されているようです。

この件名を新設したことで、わが家の近所の商店街にもフードバンクのステーションがあることに気付きました。どうやら出来てから1年くらいたっている模様。注目の活動が身近にあったことに、新設件名から気付いたという出来事でした。

2018年6月 1日

全集典拠ファイルを使った検索~MARCで探そうQ&A~

Q.「IT・ソフトウェア」の最新版は?

毎年出ていた「IT・ソフトウェア」の最新版を探しているのだけど、2017年度版が該当するのかな?もしかしたら改題しているのかも...

A.全集典拠ファイルを使って確認できます!

TOOLiの典拠検索画面で検索してみましょう。典拠種別「全集」、表示対象「統一形+すべての参照形+相互参照を表示」にそれぞれチェックを入れ、検索項目「すべての項目」に「IT・ソフトウェア」を入力します。典拠一覧画面から抜粋したものが下記です。
(左から典拠ID、全集タイトル、出版社の順)

7186249-0000-0000 IT・ソフトウェア 産学社
7186249-0000-0001 IT・Web 産学社
7186249-0000-0002 IT・Web・IoT 産学社

3つのタイトルがヒットしましたが、典拠IDの先頭部分11桁は共通しているので同じ全集です。そして枝番号-0001と-0002のファイルを開いて備考を見てみると、「IT・ソフトウェア」は「IT・Web」さらに「IT・Web・IoT」へ改題されていると分かりました。


私事ですが、今月分類班から新刊班へ異動し修業中です。今回のQ&Aはそんな日々の中の疑問を元にしました。全集典拠ファイルについてもっと詳しく!という方はぜひこちらの記事もご覧ください↓↓

「年鑑・白書をもれなく探す」~MARCで探そうQ&A ダイジェスト 第2回~


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