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2019年1月 アーカイブ

2019年1月31日

いまはむかし

1月の雑記のテーマは「本の書き出し」です。

何か印象に残っている書き出しあったかな、と記憶を探ったのですが、でてくるのが
「いずれのおおんときにか にょうごこういあまたさぶらいけるなかに...」
「ぎおんしょうじゃのかねのこえ しょぎょうむじょうのひびきあり...」
「つれづれなるままに ひぐらしすずりにむかい...」

何時代人なのでしょう私は。

もうちょっと新しいのは...と頭をひねると
「わがはいはねこである なまえはまだない」
「きそじはすべてやまのなかである」
そこまで時代が飛んでしまうとは。

国語教科書しか読んでこなかったのかといったラインナップにあきれればいいのか、なにはともあれ覚えていた自分をほめてやればいいのか。
とりあえず、おそるべし10代の記憶力。今頭につめこんでも、絶対無理ですね。


なぜオールかな、しかも現代かな遣いかと疑問をもった方もいらっしゃると思いますが、これは私の脳内で音で再生されたものを書き出したためです。
古文の授業で何度も何度も同じ部分を音読していたたためでしょう、音で記憶しているようです。おそらく漢字かなまじり、古典仮名遣いだったはずですが、テキストの表記のほうはさっぱり覚えていません。
すごいのは10代の私の脳みそではなくて音読の効果かも。

そういえば、古文の授業「平家物語」にいたっては、一人ひとり先生の前にいって暗唱するテストがありました。
いまだに「...ひとえにかぜのまえのちりにおなじ」まで言えますが、ついでに緊張までよみがえります。そこまでセットで出てこなくていいのに。


さて、1月の雑記のテーマ「本の書き出し」は年の始めにかけて、ということなのですが、もう一つかさねて<物語の出で来はじめのおや>「竹取物語」のはじめは・・・?
こちらも私の音声記憶版。

「いまはむかしたけとりのおきなというものありけり のやまにまじりてたけをとりつつよろずのことにつかいたり なをばさぬきのみやっことなんいいける...」

これ正確に覚えているのかな、といった私のような人むけに(?)こんな本もありました。
本文から作品名を知りたい方にも!

古典文学書き出し結び総覧 上・下

日外アソシエーツ株式会社(編集)
日外アソシエーツ(1998.7)

文学作品書き出し事典
日外アソシエーツ編集部(編集)
日外アソシエーツ(1994.7)

2019年1月30日

きょうのデータ部☆(1/30)

2Fテラスから一枚。
天気が良いと夕焼けも見られます。
p20190130.jpeg

2019年1月29日

データ部ログサーバ移行のお知らせ

TRCデータ部ログ(http://datablog.trc.co.jp/)は、
下記の日程で、サーバ移行作業を行います。

【1月29日(火) 22:00 ~ 1月30日(水) 02:00】
(作業の進行具合により、多少時間が前後する可能性があります)

作業時間中は、閲覧・コメント等、一切のご利用ができません。
ご迷惑をおかけいたします。何卒ご了承ください。

2019年1月28日

ADEAC冬の公開情報その2

こんにちは。先週に引き続き、昨年12月以降に更新のあったADEACの機関をご紹介します。

静岡県富士山世界遺産センター/静岡県富士山資料デジタルアーカイブ
 御殿場市出身の郷土史研究家であった小林謙光氏の収集した資料「小林コレクション」に絵はがきが追加されました。

高砂市立図書館/デジタル郷土たかさご
 高砂市の明治期から昭和期にかけての様子を記録した写真を地区別で閲覧できるようになりました。それぞれの写真にグーグルマップへのリンクが貼られていて、撮影された位置が現在どうなっているか確認できます。
 また、公開中の広報誌『高砂市政だより』の昭和43年・昭和44年分を追加しました。

壬生町/地域史料デジタルアーカイブ
 『壬生町史』を追加公開しました。「資料編」はテキスト化した目次をご覧いただけます。さらに、「通史編」「民俗編」はテキスト化した目次からリンクして、該当ページを高精細画像でご覧いただけます。

江戸川区立図書館/デジタルアーカイブ
 『江戸川区史』に年表データを追加したほか、地図資料を3点追加しました。そのうち「沿線案内城東電車」は公開中の"「江戸川遺産」を歩いてみよう"の「城東電車コース」とリンクさせてお楽しみいただけます。

船橋市西図書館/船橋市デジタルミュージアム
 昭和50年代から船橋市が発行してきた報告書『船橋の民家』シリーズを公開しました。今となっては手に入らないこの資料は、タイトルとなっている船橋の民家についてはもちろん、町の移り変わりについて知ることのできる貴重な資料です。
 それ以外にも「古文書」「絵図」ジャンルにいくつかの資料が追加されています。

これから年度末に向けて新しい機関が次々に公開されていきます。どうぞお楽しみに!

2019年1月29日

家のない生き方

本日は「週刊新刊全点案内」2096号の発行日です。
掲載件数は1229件でした。

*こんな本がありました*

その落語家、住所不定。

立川こしら(著)
光文社(2018.7)


落語立川流真打の立川こしらさんは究極のミニマリストのようです。
冒頭から「家、ないんですよ」。

え?どういうこと?

アマゾンに注文した服が次に泊まるホテルに届く、昨日までの服はそこに脱ぎ捨てて、新たな服で次の仕事場へ向かう。持ち物はリュックひとつで、ホテルを渡り歩く(時には兄弟弟子の家にお世話になる)。リュックの中には商売道具(着物、扇子、手拭い、足袋)、あとは必要最低限の生活用品のみ。巻頭写真ページにリュックの中身が紹介されています。

え?これだけ?
フワフワとした浮草稼業とはちょっと違うようだぞ?

モノに縛られない、帰らなければいけない家がない。身軽に自由に。軽やかに見えて、実はサバイバル。常識に縛られず生きるために、世の中の仕組みを知り、考え、チャレンジする。インターネットをフル活用、でも人とのつながりも大切に。とにかく"生きる"ためにあれやこれやとやっていたら、ミニマリストにたどりついた、という印象です。

落語家さんというと古風、アナログなイメージがありましたが、目からウロコ。そうですよね、落語家さんだって現代人。「馬鹿は最大の武器だ!」突き抜けた現代人の感覚で鋭く今を生きていく。そんなこしらさんがどんな落語を全国に届けているのか、気になりました。

2019年1月24日

たいしたもんだ。

こんにちは。内容目次班の高田です。
1月の雑記のテーマは「本の書き出し」です。
第3回目の今日は、印象的な本の書き出しということで、多くの人が知っている作品をお届けしたいと思います。

学校の国語の授業で、教科書を読ませられる、というのがありますよね。
あれは心底嫌でした。
「では読んでください、高田さん。」
なぜ私なんですか、先生~。
どうか当たりませんようにと真剣に祈っていたのに。
なぜ私なんですか、神様~。

で、案の定、噛んだ、詰まった、間違えた。
先生がおっしゃいました。
「本によっては「オッペル」と書かれているものもあるけれど、ここは教科書どおり「オツベル」と読みましょう。最初からもう一度。」
先生の妙なフォローのせいか、男子の茶化す声がして、余計に緊張して、もう何が何だかわからないままに朗読したと思います。

その教科書はとっくの昔に処分されてしまいましたが、自宅にあった古い文庫本で確認してみると...「オッペル」と書かれています!

皆さんも、TOOLiで検索してみてください。
宮沢賢治作のこの童話は、「オツベルと象」「オッペルと象」どちらも検索結果が出てきますよ。

よくよく考えてみたら、「オツベル」「オッペル」は、書き出しというだけでなく、登場人物名であり、作品名の一部でもあり...。
宮沢賢治の研究書に、そのあたりのことが書かれているかもしれませんが、何せ調査不足で申し訳ありません。
調べるのは今後の楽しみにとっておきたいと思います。

自宅の文庫本から引用させていただきます。
(引用はすべて 
銀河鉄道の夜 童話集 他十四篇 宮沢賢治著 谷川徹三編 岩波文庫 岩波書店 1966年改版 より)


オッペルと象
   ......ある牛飼いがものがたる

  第一日曜

 オッペルときたらたいしたもんだ。稲こき器械の六台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。
(引用:同書)


↑これ、今でも暗誦できました。「第二日曜」の書き出しも、やはりリズミカルに始まります。


  第二日曜

 オッペルときたらたいしたもんだ。それにこの前稲こき小屋で、うまく自分のものにした、象もじっさいたいしたもんだ。
(引用:同書)


そして「第二日曜」は次のように締めくくられます。


 じっさい象はけいざいだよ。それというのもオッペルが、頭がよくてえらいためだ。オッペルときたらたいしたもんさ。
(引用:同書)


そうして、ここから「第五日曜」まで一気に時間が過ぎていくのです...。

今なら緊張せずに普通に朗読できるのになあ。
普通どころか、牛飼いになりきって(!?)読めそうな気がします。

2019年1月25日

漫画を読む~MARCや検索のはなし~

先日歩いていたところ、ん?ごみ?と思ったら雪でした。寒い日が続いていますね。私の実家は日本列島の南の方にあるのですが、寒いものは寒いです。そしていつも東京にいる時より厚着です。密閉度が足りないんでしょうか。

私は高校生の時までほとんど漫画を読まずに過ごしてきたのですが、その反動とはおそろしいもので、大学時代にはそれまでの分を取り戻すかのように手当たりしだいに読みました。

最近、といっても数年前からですが、舞台などを観に行くときに漫画を読むことが増えました。予習するためです。ちゃんと原作を読もうとするのですがいつも挫折...。そして観に行く日に間に合わないので漫画化されたものがないか検索するようになりました。

TOOLiでは、タイトルや著者を入れ、資料形式を漫画にして検索します。「カラマーゾフの兄弟」「アンナ・カレーニナ」からシェイクスピアもあります。オペラや落語は件名で検索するとたくさん出てきますね。

こんな感じで、哲学や経済、歴史などいろいろな分野を漫画で知ることができます。
知りたいんだけど専門的なのはちょっと...、というときや、お芝居を観に行くんだけど内容を知らない、あらすじくらいは頭に入れておきたい、というときに、資料形式の漫画で検索してみると意外な出会いがあったりします。

相対性理論
(まんがで読破)

アインシュタイン(原作)
イースト・プレス(2014.4)

ニーベルングの指環 上
(中公文庫)

里中/満智子(著) ワーグナー(原作)
中央公論新社(2006.10)

バンド・デシネ異邦人

ジャック・フェランデズ(作・絵) アルベール・カミュ(原作)
彩流社(2018.6)

2019年1月23日

インフルエンザ

本日は「週刊新刊全点案内」2095号の発行日です。
掲載件数は820件でした。

*こんな本がありました*
連日寒く乾燥した日が続き、インフルエンザが大流行。ついに子どもの通う小学校でも学級閉鎖のお知らせが...。
かくいう私も正月休み中しっかり罹患し寝込んでおりました。流行先取り。

こう流行ってくると、予防接種なんて意味ないじゃん!と怒りたくもなるのですが。

インフルエンザ・ハンター ウイルスの秘密解明への100年

ロバート・ウェブスター(著)
岩波書店(2019.1)

パンデミックを起こさないための努力は積み重ねられています。
かからないように、かかったら重症化しないように。できる対策はしたいものです。

きょうのデータ部☆(1/23)

2Fテラスから一枚。
また快晴だったら代わり映えしないのでは...と心配していたのですが
今日は少し雲がありました。
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2019年1月21日

ADEAC冬の公開情報その1

こんにちは!今回もADEAC冬の公開情報と題して、今週・来週の月曜の2回に分けて新情報をお届けしていきます。

今週は昨年11月以降に新しくADEACに加わった2つの機関をご紹介します。

◇『寒川文書館/三枝惣治氏マッチラベルコレクション』(2018年12月1日)
神奈川県寒川町に在住していた三枝惣治氏のマッチラベルコレクションを閲覧できます。
かつて生活必需品であったマッチのラベルは広告媒体として、様々な店舗や商品のPRに使われていました。そんなマッチラベルを全国から収集した同氏のコレクションは約6,500枚に及びます。
現在、コレクションの中から神奈川県の資料2,370点がADEAC上で公開されています。フリーワード検索のほか、都道府県、業種、収集年の各項目での掛け合わせ検索をご利用いただけます。
どの店のマッチラベルも色とりどりで個性があって、一度見始めると止まりません。


◇『酒田市立図書館/光丘文庫デジタルアーカイブ』(2018年12月3日)
山形県の酒田市立光丘文庫が所蔵する21万点を越える資料のうち、視覚的に鑑賞できるものを中心にデジタル化しました。サムネイルに「翻刻あり」と表示された資料では、崩し字とその翻刻を比べながらご覧いただけます。
また、昭和63年発行の「酒田市史年表」もデジタル化して掲載しています。年別・キーワード別に年表項目を表示できるほか、関連する資料がある場合はすぐに閲覧できるよう項目内にリンクが作成されています。
交易による繁栄、豪商たちの活躍、文人との関わりなど、文化的な魅力に富んだ酒田の歴史を思う存分味わえます。


来週は前回の更新から資料が追加・更新された機関をご紹介します。

2019年1月18日

昨年のベストセラーは?~分類/件名のおはなし・90~

2019年になって3週間が経ちましたが、2018年に最も売れた本はなんだったかご存知でしょうか?年間ベストセラーランキングが発表されているので(日販調べ)、本と分類を見てみます。


ざんねんないきもの事典」

今泉忠明 (監修)
高橋書店(2016.5)

3位はこちら。ちなみに2017年は2位でしたので、ベストセラーでロングセラーですね。
残念な感じになってしまった生き物たちを紹介する児童書です。
分類は「480」件名は「動物」です。


大家さんと僕」

矢部太郎 (著)
新潮社(2017.10)

2位はこちら。お笑いコンビ「カラテカ」の矢部さんが、大家さんとの生活を描くコミックエッセイ。漫画ですので分類は「726.1」です。


漫画君たちはどう生きるか」

吉野源三郎(原作) 羽賀翔一(漫画)
マガジンハウス(2017.8)

そして栄えある1位はこちら!
原作は児童文学者の吉野さんが、青少年向けに人間の生き方や社会の見方を説いたもので、昭和12年に刊行されました。それを漫画化したのがこちらの本です。
形式は漫画ですが、主題があるので主題で分類します。児童書で分類は「159.5」件名は「人生訓(児童)」です。
昭和に出された人生訓が、漫画に形を変え、平成ももう終わりの今また流行するというのは感慨深いです...。

2019年はどんな本が出るのでしょうか。今から楽しみです。

2019年1月17日

系図

1月の雑記のテーマは「本の書き出し」。引きが強い書き出しが見つからなかったので、逆に思いっきり引いてしまう書き出しにしました。


アブラハムの子であるダビデの子、イエス・キリストの系図。アブラハムはイサクの父であり、イサクはヤコブの父、ヤコブはユダとその兄弟たちとの父、ユダはタマルによるパレスとザラとの父、パレスはエスロンの父、エスロンはアラムの父...


新約聖書のはじめ、マタイ福音書1章です。世界のベストセラーをいっちょ読んでやるか、という人々をはねかえす系図の壁。ずらずらと17節まで続きます。
こんなのは読み飛ばすものだと思っていたのですが、ここから題をとった説教を聞いたことがあります。読む人が読むと人名の羅列からでも意味を読み取れるようでして、検索してみると色々と見つかりました。

・この系図の最後はヨセフ。ヨセフは「イエスの父」ではなく「マリアの夫」という紹介になっている。→処女降誕の強調
・南ユダ王国の王たちの名前も列挙されているが、ほとんどは、神の前に罪を犯したとされる王ばかり。
・ユダヤの系図には通常出てこない女性が4人含まれている。近親相姦、遊女、異邦人、不倫、と、旧約においては救われるはずのなかった人ばかり。

イエスの系図は、立派な王の羅列ではなく、色々な人が含まれている。そこから、全ての罪人に向かって開かれたイエスの救いなどを読みとるようです。

そもそも、マタイ書より前に書かれた福音書もあるのに、これが新約の1番目に来たのはなぜか? →この系図があるからだ、という見解もありました。人名の羅列を通して旧約から連綿と続く救いの成就を宣言する、大事な書き出しなのだそうです。

2019年1月16日

きょうのデータ部☆(1/16)

2Fテラスから一枚。
昨日は雨がぱらついていましたが、本日は良い天気です。
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2019年1月15日

世界のあやとり

本日は「週刊新刊全点案内」2094号の発行日です。
掲載件数は1007件でした。

*こんな本がありました*
1月もあっという間に半分が終わりそうです。
寒い日が続きますが、こんな季節に家の中や教室の中でできる遊びに「あやとり」があります。
「橋」とか「かえる」とか「ぱったんほうき」とか、いろいろ教わっては妹と飽きずにやっていた思い出。
なんとなく、日本伝統の遊びというイメージがありましたが、世界にもさまざまな「あやとり」の形があるようです。

南北アメリカのあやとり 先住民の文化と生活から生まれたかたち
(世界の伝承あやとり)

野口とも(著)
誠文堂新光社(2019.1)

オセアニアのあやとり あやとりの宝庫で見つけた傑作選 1
(世界の伝承あやとり)

野口とも(著)
誠文堂新光社(2019.1)

オセアニアのあやとり あやとりの宝庫で見つけた傑作選 2
(世界の伝承あやとり)

野口とも(著)
誠文堂新光社(2019.1)

一部、取り方の詳細イラストも付いているとのこと。異なる文化の「あやとり」を知るだけでなく、実際にやって遊べるのもいいですね!


2019年1月11日

亥年のひと ~典拠のはなし~

2019年があけまして 早や10日が過ぎました。
毎月第1金曜は 典拠のはなし、
今年も個人名や団体名について様々な角度からお話しさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。


この年末年始、
TV番組や雑誌中吊り広告などで多く使われたフレーズ
「平成最後の○○」。
いよいよ改元が迫ってまいりました。

平成最後の年は亥年。

今年を除くと 平成の亥年は平成7年、平成19年の2回。
では 昭和の亥年は というと
昭和10年、22年、34年、46年、58年の5回。
大正は1回だけ、大正12年。 
もうひとつ遡って明治は明治8年、20年、32年、44年の4回。


個人名典拠ファイルには
同名異人が出現した際に区別できるように
その人の生没年などの情報を入力しています。→関連記事はこちら


生没年を入力する際には 西暦で入力するのがお約束。
ですが、図書にある著者紹介には 生没年が和暦で書かれていることが多いのです。


そこで典拠のチームに配属されたメンバーが身につける技、
それは 和暦を瞬時に西暦にする計算法。


明治は 67

大正は 11

昭和は 25

平成は 88

これを和暦に足しますと 西暦になります。


例えば 
惜しくも昨年、平成30年に亡くなられた星野仙一さん。


「闘将」と呼ばれた星野さん、生まれたのはイメージ通り
(と言ったら叱られそうでしょうか)
亥年である昭和22年です。

生年は 22+25 で 1947年。
没年は 30+88 で 2018年。


個人名典拠ファイルにはこのように入力しています。

統一形(漢字形)   星野/仙一
統一形(カタカナ形) ホシノ,センイチ
参考生没年     1947~2018


先に記した各時代の亥年が西暦何年にあたるのかも 
この計算式を使えば お手のもの。


明治の亥年 明治44年生まれの芸術家 岡本太郎さん
大正の亥年 大正12年生まれの作家 司馬遼太郎さん
平成の亥年 平成7年生まれの女優 土屋太鳳さん


これらのみなさんの生年が 
西暦何年かも すぐに換算できます。
お試しください。


新しい元号は 4月1日に発表されるとのこと。
改元を迎える準備の一つとして 
新たな計算式を追加しなくては。

2019年1月10日

今、ここ 体験

  「平日半額ってことは、土、日、祝日は倍額ってことだよな......。
  ぼくは、ハンバーガーショップの入り口につけられた「平日半額!」ののぼりを見て思った。」
   (『都会のトム&ソーヤ 1』はやみねかおる著 講談社 2003年刊)


唐突な引用、失礼いたしました。1月の雑記、テーマは「本の書き出し」。年の始めと本の始めをかけて...ということです。
私にとって思い出深い書き出しが、冒頭にあげた一節です。

これを読んだ時、「主人公は、"今、この世界"にいるんだ!」と強烈な印象を受けたことを覚えています。
どういうこと?という方が多いかもしれないので少し補足説明をさせていただきますと、この図書の刊行年は2003年。
覚えていらっしゃらないかもしれませんが(あるいは「そんな時代知らない」という方もいらっしゃるかもしれませんが)、その少し前に、某ハンバーガーショップが現実にやっていて大きな話題になっていたのです、「平日半額」キャンペーン。

小・中学生だった頃の私が読んでいた本といえば、ファンタジーや世界の名作系、または、刊行からある程度時間が経っているものがほとんどで、その舞台は、別の世界や海外、ちょっと前の日本など、常に現実とは一定の距離があるものでした。
そんな時、この図書に出会い「現実社会とリンクした舞台設定」というものに衝撃を受けたのです。

おそらく今の小・中学生は、この書き出しに"今、この世界"という印象は受けないでしょう。百年後に復刊されたら「2000年頃、このようなセールをしている店が実際にあった」という注が入るかもしれません。
発売日を心待ちにしてシリーズを追うことを最近はしなくなってしまいましたが、こういう同時代感覚は新刊図書を手に取らないと味わえないものですね。

ちなみに、こちらの書き出しが思い出深い理由はもう一つありまして。
当時、すでに同じ作家さんのシリーズを二つ並行して読んでいたので、おこづかいと本棚の都合上、このシリーズが創刊されたと知った時も、手を出さないつもりでいたのです。
「買わないぞ!」と強く思っていたにも関わらず、最初の数ページを読んだところで、これは"今"読むべき本だ!と購入を決断。結果、私の本棚には同じ名前がずらりと並ぶことになったのでした。

書き出しってやっぱり大事ですね。

都会(まち)のトム&ソーヤ
(YA!entertainment)

はやみねかおる(著)
講談社
(2003.10)

2019年1月 9日

きょうのデータ部☆(1/9)

2Fテラスから一枚。
今日もよく晴れて、雲ひとつありません。
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2019年1月 8日

初笑いとともに、昔のことを思い返す

本日は「週刊新刊全点案内」2093号の発行日です。
掲載件数は860件でした。
今月の表紙はこちら。
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鏡餅を1つ
それだけで、家の中はすっかりお正月らしく!気持ちも引き締まります!!
出来れば、プラスチックでなく
本物の丸餅で、
その後鏡開きで、お汁粉にして楽しみたい!
子供の頃、カッピカピに乾いた丸餅を、金槌で割った事を思い出します。
(Juriさん)

*こんな本がありました*

年末年始、いかがお過ごしでしたでしょうか。

お正月にはテレビで演芸の特別番組がたくさん放送されるので、お笑い好きな自分にとっては嬉しい限りです。
ただ今年は帰省でばたばたしていて、あまり見られなかったのですが......。
関西に住んでいた学生時代には、夜更かししてたくさんのお笑い番組を見、様々な芸人のネタに大いに笑ったものでした。

そういえば、あの頃テレビで見ていた芸人さんたちは、今どうしているんだろう......

一発屋芸人の不本意な日常

山田ルイ53世(文)
朝日新聞出版(2019.1)

お笑いコンビ髭男爵のツッコミであり、「一発屋芸人列伝」では本屋大賞にノミネートされた山田ルイ53世さんのエッセイ第2弾です。
全盛期にはどのチャンネルでもネタを見かけるけれど、次第に姿を見なくなり、ついには「消えた」と言われてしまう一発屋芸人。しかし彼らは「消える」わけではなく、テレビで見かけなくなったあとも存在していて、様々なことを感じ、考えているようです。

2019年1月 7日

知らない食材、と思ったら日本には平安時代からあるんだって ~新設件名のお知らせ2018年12月分~

あけましておめでとうございます。本日より、2019年のデータ部ログを再開したいと思います。本年もデータ部ログをよろしくお願いします。

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

2018年12月は7件の件名を新設しました。そのひとつに「ういきょう」があります。

ういきょうって何?!(私の知らないものだ...。)
漢字で茴香と書くそうです。(読めやしない。)
別名はフェンネル。(まだ私は???です...。)

セリ科の多年草で、葉の部分は「魚のハーブ」と呼ばれるほど魚料理と相性がいいそうです。また、白い茎の部分は「フィノッキオ」と呼ばれ、イタリアではおなじみの野菜だそう。私には全くなじみのない食材でしたが、某有名コミュニティ料理レシピサイトには、1000を超すレシピが投稿されていました。

魚のハーブ、と聞いて私が思い浮かべたのがディル。スモークサーモンにのっていそうな、アレです。ディルとフェンネルは見た目もかなり似ているし、使われ方もほとんど一緒、だけど全くの別物だそうです。(ディルはセリ科の一年草なんですって。)

ところで、今回「ういきょう」の件名を新設するきっかけになったのは、この本。


フェンネル トウ立ちを防いで大球をとるコツ
(小さい農業で稼ぐ)

川合貴雄(著) 藤原 稔司(著)
農山漁村文化協会(2018.12)


タイトルでも「フェンネル」と言っているのに、なぜ別名の「ういきょう」が件名標目として採用されたのでしょうか。それは、根拠としている参考資料、「広辞苑(第7版)」での「ういきょう」と「フェンネル」の扱われ方に依ります。「フェンネル」の項を見てみると、その解説文は「茴香(ういきょう)に同じ。」だけ。「ういきょう」の項を見ると、そちらに詳細な説明が書いてありました。このような場合、TRCでは詳細な説明が付されている方を優勢な形、と判断して件名標目を決定しています。
件名標目とはならなかった別名の「フェンネル」は参照形として作成していますので、件名典拠ファイルを経由した検索を行えば、「フェンネル」で検索してもきちんと「ういきょう」の本にたどり着く仕組みになっています。

せっかく今回いろいろ知ったういきょう、フェンネル。いつかお店で見かけたら買って、お料理に使ってみようかな。


※尚、今年より掲載基準を変更し、これまで「新設件名のお知らせ」に掲載していなかった動物名、植物名などを掲載することになりました。

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