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2021年11月 アーカイブ

2021年11月30日

釣り

本日は週刊新刊全点案内2236号の発行日です。
掲載件数は867件でした。

*こんな本がありました*

江戸釣百物語 将軍から庶民まで

長辻象平(著)
河出書房新社(2021.11)


日本人が釣りを娯楽として楽しむようになったのは、江戸時代からなのだそうです。

殺生を戒める仏教の教えが大きな影響力を持っていたそれまでの時代では、漁師以外の人が遊びとして魚釣りをすることは、忌むべきことだったそう。

戦乱の世が終わり太平の時代になった江戸時代、かつての戦闘集団である武士階級が始めた遊びのひとつが釣りでした。

やがてそれが庶民の間に広まり、旗本夫人や町のご隠居、将軍様までもが、釣りに興じるようになったとか。

怪談や古日記、当時刊行された入門書や釣り道具などを紹介しながら、江戸の釣り文化の魅力を紹介しています。

2021年11月29日

『図書館総合展ONLINE Plus』明日フィナーレ!

こんにちは。典拠の望月です。
先月ご紹介したように、明日30日までウェブサイト上とサテライト会場のハイブリッド方式で、『図書館総合展ONLINE Plus』が開催されています。

今年のTRCは「これからの図書館を考える」をテーマとして、ADEAC関連や電子図書館の実践報告のフォーラムを開催いたしました。一部アーカイブが視聴可能なものもありますので、こちらから各フォーラムのページをチェックしてみてください。
昨年ご好評いただいた、データ部発信の動画もこちらでご覧いただけます。とてもかわいらしいですよ!

前回の記事中、ちらと触れられていた図書館総合研究所によるプロジェクトとは、日販YOURS BOOK STOREとのコラボ企画でありました。
題して「図書館について語るときに我々の語ること」。
こちらのオンライントークイベントは、明日30日(火)の13時スタート予定。TRC本社のショールームから5時間の生配信でお届けします。どうぞお楽しみに!

2021年11月25日

裏方のしごと

11月の雑記テーマは「わたしの新人時代」その2です。

大学を卒業したとき、私は今とは全く違う世界にいました。学生時代、友人が通っていた演劇の先生の公演を観に行ってそのままスタッフとしていついてしまったのです。年に2回、先生の生徒さんたちの試演会があったのですが、ほとんどすべてといっていいくらいのことを手伝いました。それがすごくおもしろくて、とうとう卒業してからは本格的に制作として先輩についてイチから学ぶことにしたのです。お手伝いから雑用係になったわけです。

小さな演劇集団でしたので、広報、スケジュール調整、大道具、小道具など、音響と照明以外は全て担当です。公演パンフレットも作成しますし、ときどき黒子もやりました。あるとき舞台セットで必要な街灯を借りて劇場に運ぶのに山手線に乗ったのですが、普通に道路にある街灯の高さが少し低いくらいのもので、とっても恥ずかしかった思い出...。スキー板だと驚かれないのに、街灯だとやっぱりびっくりしますよね。

スタッフだったのは数年でしたが、貴重な体験でした。
今では劇場でもらうフライヤーで知り合いの名前を見つけるのがひとつの楽しみとなっています。

2021年11月26日

これって貸出OK?~MARCや検索のはなし~

本日は、図書の付属資料の著作権コードについてご紹介したいと思います。

CD-ROM、DVD-ROMなどの付属資料がついた図書を購入される際、「付属資料は図書と一緒に貸し出して大丈夫?」と悩まれたこともあるのではないでしょうか。
TRC MARCでは、図書に情報があれば付属資料の貸出可否の情報を入力しています。

館内貸出可・不可が明示された図書について、
館外貸出可(ロゴマーク)
館外貸出可(図書)
館外貸出不可(ロゴマーク)
館外貸出不可(図書)
という情報を入力しています。これが「付属資料の著作権コード」です。

( )の中は、図書にある著作権に関する情報の種類を示しています。
図書や盤面に「図書館館外貸出可否識別マーク」がある場合は、(ロゴマーク)。ロゴマークがなく、図書や盤面に「図書館でのCD-ROMの貸出は~」などと文章で記されている場合は、(図書)としています。
なお、図書にロゴマークや文章で付属資料の著作権に関する明記がない場合、この情報は入力していません。

MARCに入力したコードは週刊新刊全点案内やTOOLiでも表示しています。

最近はダウンロード方式のものが増え、以前に比べると付属資料付きの図書が減ってきているように感じます。いつの日か、このコードを入れなくなる日が来るのかも...と思いながらMARC作成をしています。

2021年11月24日

きょうのデータ部☆(11/24)

昨日の記事でも触れた、今週発行の新刊案内掲載のポプラディア。
全18巻が1Fのショールームの一角に並んでいます。

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いまのようにネット検索がまだほとんどなかった時代、
小さい頃、百科事典ではないですが買ってもらった分厚い図鑑を
何度もぱらぱらと眺めてはわくわくしたことを思い出しました。
重たい本の厚み、ページをめくる感触、中ほどの辺りにあんなことが載っていて写真がお気に入りだったな、と思い起されるのは紙ならではかもしれません。

2021年11月22日

ひゃっか王に聞こう

本日は「週刊新刊全点案内」2235号の発行日です。
掲載件数は1212件でした。


*こんな本がありました*

総合百科事典ポプラディア 第3版」

ポプラ社(2021.11)


とうとう出ました「ポプラディア」の第3版。前回の新訂版は2011年刊でしたので、ちょうど10年ぶりの刊行となります。
収録項目が大幅に増え、「学習資料集」が独立した巻になったため全18巻になりました(新訂版は全12巻)。
新たに追加された項目には「SDGs」「LGBT」「YouTube」「新型コロナウイルス感染症」などがあり、今を生きている子どもたちが調べたい言葉にばっちり対応していそう。

個人的にはヨシタケシンスケさんによるイメージキャラクター「ひゃっか王」が気になります。版元HPのポプラディア特設ページではひゃっか王が色々教えてくれるようなので、気になる方はのぞいてみて下さい。

2021年11月19日

私的秘境~分類・件名のおはなし・116~

新刊書籍の分類作業を担当していますが、これまで付与したことがなく、とても気になっている分類記号があります。
(付与したことがないのはもちろん経験の浅さもありますが)

未踏の地、それは「630 蚕糸業」。

日本の近代化において大きな役割を果たした同業。NDCの分類表上でも、610は農業、620は園芸、640は畜産業...と並べると、いかにこの産業が重視されているかがわかります。
ただ、日本の現状はというと、高齢化や後継者不足により養蚕農家の数は一桁になり、生糸生産量も減少の一途です(参考:農林水産省HP)。

さて、やや詳しく見てみましょう。
631 蚕糸経済・行政・経営
632 蚕糸業史・事情
ここまでは一般的。

続いて、
633 蚕学.蚕業基礎学
634 蚕種
あたりから知らない言葉が多くなり、どきどきしはじめます。「蚕種」はカイコの卵のこと。
「634.5 蚕卵の催青法と孵化」...催青法?なんだか魔術っぽいですが、カイコの孵化時期を揃える処置だそうです。孵化近くなった卵は青みを帯びることからこの名が付いているそう。

635 飼育法
 .13 春蚕飼育
 .14 夏秋蚕飼育
 .15 秋蚕飼育
 .16 初冬蚕飼育
カイコは育つ時期により春蚕(はるご)、夏蚕、秋蚕...と分けられますが、そのそれぞれの飼育法に分類記号が存在します。しかも「初冬蚕」とか、細かい。

次は「636 くわ.栽桑」。カイコの食物である桑についてです。この下は育種、施肥、病虫害、収穫などと細分されています。桑だけで第3次区分の1区画をまるっと占めるこの豪儀さ。

その後は「637 蚕室.蚕具」「638 まゆ」「639 製糸.生糸.蚕糸利用」と続きます。

NDCを見ているだけでも、ここに蓄積された知識や技術に思いが致されます。
いつか「新規就農者のための蚕糸業大全」とか、出ないかな。

2021年11月17日

きょうのデータ部☆(11/17)

弊社では本日避難訓練を行いました。
平時は使わない、避難用の外階段から。

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いざ有事のときに焦らず冷静に行動できるだろうかと
胸中に不安はよぎりますが、秋空で気持ち良い一日でした。

2021年11月18日

電子計算機黎明期

11月の雑記テーマは、2017年10月の雑記のテーマにもなった「わたしの新人時代」その2です。

入社してからいろいろありましたが、やはり印象深いのは、目録を入力するための端末の変遷でしょうか。
今でこそ、全員に一台ずつパソコンが配置されていますが、入社当初は目録を入力するための入力専用端末を使用していました。
これがあんまり賢いとは言えず、一文字検索など負荷がかかってしまうような検索をうっかりしてしまったが最後、データ部全員の端末が数分ほど固まってしまうという代物でした。
週に数回は「すみません!」という声が上がり、全員で端末が復旧するのを待つという時間があったのでした。

その後、新刊案内を編集するためにパソコンが導入されました。個人で持っている人もまだ少ない時代で、先輩が「練習のために昼休みにいろいろ検索を試していいよ」とおっしゃったので、同期と二人で早速検索してみたことがありました。
今のようにGoogleなどの検索エンジンもなく、また自社ホームページを持っている企業も限られていました。とりあえず、先輩の「ディズニーランドのサイトが面白かった」という言葉を頼りに、まずは「ディズニー」で検索してみたところ、どうも綴りを間違っていたらしく、ものすごい時間をかけて出てきたのは、海外の怪しい学生サークルみたいなサイト。「なんかヤバいの出てきた!」と、慌てて検索を打ち切ったのでした。
今でも時々、あれはいったい何のサークルだったんだ?と思いだします...。

そういえば、TRCの件名にある「コンピュータ」は、長い間「電子計算機」という名称の方を使っていました。
今その用語を使ったら、「電卓」のことと間違えられそうです。
小学生のときに博物館でFAXを初めて見て、「紙を送れるってどういうこと?」とものすごいカルチャーショックを受けたものですが、資料はFAXではなくPDFにしてメールで送るのがスタンダードになりつつあります。
子どもの頃に思い描いた未来よりも遠いところに来てしまったのだなあと、しみじみと思うのでした。

2021年11月16日

TRC MARCpedia Vol.2

2021年1月より月に一度、基礎知識から作成ルール、レファレンスに役立つ情報など、毎月テーマごとにあらゆる角度からTRC MARCを徹底解剖する『TRC MARCpedia(ペディア)』を週刊新刊全点案内に同封しお届けしています。

より多くの方にTRC MARCについて知っていただくため、先週よりこのデータ部ログでも掲載することとなりました。
Vol.1はこちら

Vol.2のテーマは「TRC MARC大解剖」。
TRC MARCの基本的な部分から、データ作成の手順、どこにどんな情報があるかなどを、データ部のマスコット・ぶーすけがお伝えします。項目ごとにVol.1でご紹介した各班と連動しているので、ぜひ見比べながらご参照ください。

TRC MARCpedia Vol.2」

古典文学からはじまるなにか

本日は「週刊新刊全点案内」2234号の発行日です。
掲載件数は1092件でした。


*こんな本がありました*

読まなければなにもはじまらない いまから古典を〈読む〉ために

木越治、丸井貴史(編)
文学通信(2021.11)


「古典を「読んだ」と言うのは勇気がいる。自分なりの古典の読み方をみつけるにはどうしたらいいだろう?」
本の表紙カヴァーに付されている文章です。
ほんとそれ!
と、思わず手に取ってしまいました。

名だたる古典文学のタイトルとだいたいの内容は知っていても、その作品を実際に"読んだ"人は多くないと思います。もちろん、わたしも...。

日本最古の物語と言われている「竹取物語」は絵本「かぐや姫」で。
紫式部「源氏物語」は漫画「あさきゆめみし」で。
河竹黙阿弥「三人吉三」は歌舞伎で。
というように。

原典に触れたい、読んでみたい、と思いつつも、難しそう...と尻込みしたまま、けっこういい大人になってしまいました。

「読まなければなにもはじまらない」
おっしゃる通り。
ではどうしたらいいの?
という人のために、さまざまなヒントを示してくれているのが本書。

「古典の「本文」とは何か」「表現の歴史的文脈を掘り起こす」「絵を読み解く」「歌舞伎を「読む」ということ」「「現代社会」が古典文学をつくる」といった様々な角度から、わたしたちを古典文学へいざなってくれるようです。

そして最終章には「読むことでなにがはじまるのか」と題された座談会が設けられています。読むことがゴールではなくて、読むとそこからはじまるなにかがある。
そう思うとわくわくします。

カシワイさんによる表紙イラストを眺めながら、何かはじめたい(古典を読みたい)という気持ちが湧いてきました。

2021年11月12日

縁の下の力持ち「出典」~典拠のはなし~

こんにちは。典拠 小松です。

典拠ファイルの出典という項目に注目されたことはありますか?

目立たない項目ですが、これなくしては典拠ファイルが成り立たない、とても大事な要素です。

出典は、典拠ファイルの漢字形、カタカナ形を、どこ(参考資料、図書の情報源など)から採用したかということを示す項目です。

典拠ファイルは、様々な形で出現する個人名や団体名を1つの形(TRC典拠ファイルでは統一形)にまとめて、検索を便利にします。と言うと簡単そうに聞こえますが、この「1つの形」を選ぶのが、典拠ファイル作成で一番大事な仕事です。

例えば、複数の読み方のある日本人。角川書店の創立者の角川源義。TRCの統一形のカタカナ形は「カドカワ,ゲンヨシ」ですが、実は「かどかわ げんぎ」とルビのある図書もあります。

「日本目録規則 1987年版改訂版」では、次のように決まっています。

23.2.1.0(通則)人名は,原則として最初に目録記入を作成するとき,その資料に表示されている形を統一標目とする。

23.2.1.1(著名な著者)著名な,あるいは著作の多い著者については,統一標目は次の優先順位による。
ア)参考資料等において多く用いられている形
イ)多くの著作で一致している形

ア)にある通り、TRCでも参考資料に掲載されているような人名であれば、複数の資料で表記や読み方を見比べ、図書の情報との違い、内部での優先順位や多寡を考慮して統一形を決定します。詳しくはこちら

図書のルビに「かどかわ げんぎ」とあったとしても

コンサイス日本人名事典 第5版(三省堂 2009年刊)かどかわ げんよし
講談社日本人名大辞典(講談社 2001年刊) かどかわ げんよし
出版人物事典(出版ニュース社 1996年刊) かどかわ げんよし
新潮日本人名辞典(新潮社 1991年刊) かどかわ げんよし
新潮日本文学辞典 増補改訂(新潮社 1988年刊) かどかわ げんよし
日本人名大事典 現代(平凡社 1979年刊) かどかわ げんよし
日本近代文学大事典(講談社 1977年刊) かどかわ げんよし

参考資料を調査した結果「かどかわ げんよし」が優勢であれば、統一形のカタカナ形はは「カドカワ,ゲンヨシ」になります。

統一形:角川/源義 カドカワ,ゲンヨシ
参照形:角川/源義 カドカワ,ゲンギ

統一形をよく知られている形で作成することができました。参照形も作成したので「ゲンギ」で検索することもできます。

ただし、このような場合は典拠ファイル作成の契機となった図書と、実際に作成された典拠ファイルの統一形のカタカナ形が違うわけですから、統一形と参照形のそれぞれに対して、なぜそのヨミになったのか根拠を示す情報が必要になります。

それが「出典」です。

出典には「出典(漢字形)」と「出典(カタカナ形)」の2つがありますが、日本人の場合は、漢字形、カタカナ形を採用した参考資料の名称や、図書の情報源を「出典(カタカナ形)」として残します。

統一形:角川/源義 カドカワ,ゲンヨシ
出典(カタカナ形)コンサイス日本人名事典第5版

参照形:角川/源義 カドカワ,ゲンギ
出典(カタカナ形)標・奥・背・表・標裏・クレジット

このような出典であれば、統一形は参考資料から採用したけれども、図書には別の読み方があったということがはっきりとわかります。

出典が役立つのは、参考資料から統一形を採用した場合だけではありません。

統一形:最賀/スミレ サイガ,スミレ
出典(カタカナ形)標・奥・背・表・標裏・クレジット

参照形:最賀/スミレ サイカ,スミレ
出典(カタカナ形)著者紹介

上記のような出典であれば、最初の図書に「サイガ~」の読みがあり、その後「サイカ~」とある図書を確認したということがわかります。複数の読み方を使っている、もしくは読み方を途中で変更したのではないかという推測が可能です(誤植、誤入力の可能性もなきにしもあらずではありますが...)。

現代の作家など、参考資料類に掲載のない著者は、出典は図書(標・奥・背・表・標裏、著者紹介、コピーライトなど)になります。最近はWebでも信頼のおける情報が得られるようになったので本人や所属先のHPが出典になることもあります。

また、どこからも読み方が採用できなかった場合は万策つきて推定となり、次の図書でルビがふられていることを期待して資料昇格を待つ形になります。

典拠経験者が見れば、典拠ファイルの作成の事情は、出典から8割がた推測できるといっても過言ではありません。

出典はまさに縁の下の力持ち。

典拠ファイルをご覧になって「どうして統一形はこのヨミ(表記)になっているのだろう」と疑問が湧いたら、ぜひ「出典」をご覧ください。

2021年11月11日

わたしの新人時代~いろいろなことを

11月の雑記テーマは「わたしの新人時代」その2です。

入社してすぐの配属は、今とは部署名が異なるものの、現在の図書館蔵書にほぼ近い部署でした。

入社したての頃で、印象に残っているのは、カード納品の準備でした。

当時はMARCでの納品ではなく、目録カード(当時のカードがないので写真でお見せできないのですが、「日本目録規則」新版予備版のp88に載っているようなものです)での納品の図書館様が、それなりにあり、受注があると、該当図書のカードを準備していました。
カードボックスにMARC No.順にカードが入っていて、そこにカードが複数枚数あれば、そこからご注文冊数分のカードを抜きとり、足りなければ、元版のカードをコピーする、という作業です。
早くカードを集める、というわけではないのですが、「カード抜き大会」といっている新人もいました。
また、MARCがないものは、ペン(ボールペンではなく、決められたペンがありました)で手書きのカードを書いたこともありました。

入社してから何か月かたってからですが、ある大学図書館様の入力原稿作成と背ラベル貼りもしていました。その図書館様独自のフォーマットの原稿用紙に目録や分類を記入して、先輩にチェックしていただいた後、背ラベル作成と背ラベル貼りも行ったのですが、図書記号が日本著者記号表に基づく図書館(たとえば、Sh13やN71)で、背ラベルが英文タイプで打つ、という仕様だったため、英文タイプに慣れることができました。

他にも、土曜日に図書館に出張した等、いろいろなことを経験させていただいた気がします。

2021年11月10日

きょうのデータ部☆(11/10)

秋も深まってきましたね。
青空に黄金色が映えます。

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風が吹くと木の葉がはらはらと舞って、
あしもとに落ち葉のじゅうたんができていました。

2021年11月 9日

その地方の食べ物にあこがれる

今日は「週刊新刊全点案内」2233号の発行日です。
掲載件数は846件でした。

*こんな本がありました*
秘傳鱧料理 百菜 改訂

朝尾朋樹(著)
京都新聞出版センター(2021.7)

ひでん はもりょうり、です。
1997年刊の改訂版ですが、丸々一冊鱧料理だけ、という本は珍しいかもしれません。

料理本とは思えないような厚みのある本です。表紙の螺鈿細工の写真が格調高い。
春、夏、秋と季節ごとに紹介される料理の数々は、目にも麗しいものばかり。見ているだけで幸せになってきます。
そんな美しさ満載の一冊ですが、「秘傳」の部分もたっぷりあります。鱧の調理方法です。小骨の多い鱧は一般的に「骨切り」という下ごしらえをしたのち調理されてきました。しかし、こちらの本では「骨抜き」という技法を紹介しています。挟み込みページには「鱧の骨格標本」があり、細かい骨がみっしりとある姿に一気に理科の教科書を見ている気分になりました。

関西地方でよく食されるという鱧料理。ずいぶん前に京都を訪れたとき、駅ビルのレストランみたいなとこでお手軽に食べたことがあります。次に行くときは、料理人さんの手による鱧料理を食べてみたいものです。

2021年11月 8日

TRC MARCpedia Vol.1

2021年1月より月に一度、TRC MARCの基礎知識から作成ルール、レファレンスに役立つ情報など、テーマごとにあらゆる角度から徹底解剖する『TRC MARCpedia(ペディア)』を週刊新刊全点案内に同封しお届けしています。

現在のところ、紙媒体にてご覧いただけるのは新刊週刊全点案内のみ(PDFはTOOLiのお知らせページからもご覧いただけます)ですが、TRC MARCについて、より多くの方々にお知らせしたい!というデータ部の思いから、このデータ部ログでも掲載することとなりました(不定期)。

まず今回のVol.1では、データ部の様子をお届けします。これまで場面写真や文章でご紹介することはありましたが、全体像はこれが初。TRC MARCがどのような工程を経て作られているのか、ぜひご覧ください!

TRC MARCpedia Vol.1」

2021年11月 4日

わたしの新人時代~視聴覚資料と過ごす日々

11月の雑記テーマは「わたしの新人時代」その2です。

入社してすぐの配属はデータ部AV(視聴覚資料)でした。
履歴書に「中学・高校と吹奏楽部に在籍」と書いた覚えがあり、音楽に詳しいかもと思われたかどうかは分からないけれど、その年にAVの配属は私だけ。
図書を扱う日々と思っていたので少々驚いたけれど、当時殺人的に混んでいた小田急線でギュウギュウになりながら、録音・映像資料のMARCを作成するために神奈川の実家から毎日通うことになりました。

お盆に使う各宗派の読経が収録されていたり、眠れない人のために羊をひたすら数える声が入っているカセットテープや、今では目にすることも少ないレーザーディスクなど、様々な珍しい資料が見られたのは良い思い出です。

AV班にはパソコンどころか入力のための専用端末もまだ無く、累積MARCの検索も発売コード順に繰り込まれた目録カードのようなカードを繰って該当のAV MARC No.を探し、それを頼りにゲラのファイルを見に行くような超アナログなものでした。
原稿ももちろん手書きで、先輩たちの書く綺麗で読みやすい字がどうしても書けないまま現在に至ります。

机の上にはカッターマットを置き(たまに装備もしていたので)、袖には汚れ防止の袖カバーをはめて土曜日の午前中は出勤。
あっという間に入力端末・PCに変わり、とても便利になりましたが、工房のような手作業仕事も嫌いではありませんでした。

2021年11月 5日

ページとり

ページに関して、先週は書誌のページ付についてご紹介させていただきました。
今回は内容細目ファイルのページ付についてご案内します。

内容細目ファイルにもページを入力する項目があり、
「00△P01」というタグを使っています。
各内容タイトルの先頭ページと最終ページをハイフンで結んで入力します。

  001P01 10-11   ←1タイトルめ
  002P01 12-13   ←2タイトルめ
   :
  107P01 216-217 ←107タイトルめ
  108P01 218-219 ←108タイトルめ

のように。

目次には10,12,...,216,218としか書かれていません。
各内容タイトルの先頭ページだけです。
では、最終ページはどうしているの?

内容細目ファイルを作成してる部署、データ部 内容目次班には「ページとり」という、とてもアナログな作業が存在するのです。
本をめくっていき、各内容タイトルの先頭ページと最終ページを確認し、紙に書き留める。
それを見ながら、内容入力画面でページを入力。

ページ入力作業は「タイトル」「タイトル関連情報」「巻次」など、内容細目ファイルにおける「タイトルに関する事項」とともに
同時進行で入力していきます。
そして、それらをチェックする時も同様。
ページ入力が正しいかどうか、チェック者ももう一度本をめくって、先頭ページと最終ページを確認しています。

実はこの「ページとり」、そこそこタイヘンな作業だったりするのです。
百戦錬磨の士になれば楽勝なのかもしれませんが、私は足軽程度。
ですが、108タイトル収録で、書誌のページ付が「222p」といった本の場合、足軽の私でも予測がつきます。
細かくて、とっても、とーっても厳しいパターン。
1タイトルあたり2ページずつの作品です。
単純だから作業しやすいだろうって、ひょっとして思われました?

手作業ですので...1ページめくっては手をとめて、1ページめくっては手をとめて、ってページとりをしていくのですが。
結構辛いんです。これが。
指が、手が、腕が、肩が。
本は右開き、左開き、両方ありますから、繁忙期には両腕が大変なことに(泣笑)。

こういう本がまとまって入荷したときは、そりゃあもう、辛いんです。
ショートショート、究極です。1ページずつだったり、1ページも無い作品もあったり。
お願い。大軍で押し寄せてこないで~(笑)。
パラパラパラーっと本をめくってページとりをしてくれる自動ページとりマシーン、どなたか発明してくれませんか?

2021年11月 2日

正体はなに?

今日は「週刊新刊全点案内」2232号の発行日です。
掲載件数は978件でした。今月の表紙はこちら。

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花屋さんの店先でシクラメンを目にすると必ずと言っていい程、頭の中で「シクラメンのかほり」と言う歌の、出だしの歌詞とメロディーが流れます。(たぶん、世代あるあるだと思います?!)
まだ子供だった気がするし特別その歌が好きだった訳ではないけれど街角やTV&ラジオから、流行って、これでもかっと言う程流れていたので未だに、くっきりはっきり、忘れられません。ついでにその頃の何気ない出来まで思い出したりして・・・!
寒くなる季節に、ふんわりともされた灯りの様に、心を温めてくれる。シクラメンの花には、そんななイメージもあるのかな?!
(Juri)

*こんな本がありました*

宮沢賢治「やまなし」の世界

西郷竹彦(著)
黎明書房(2021.10)


息子たちの小学校で毎日課される宿題が音読です。働いて帰ってバタバタと夕方を過ごす母親にとって、きちんと向き合って音読を聞く(しかも2人分)のはなかなか大変な日課なのですが、これも今だけの貴重な時間。長男(6年生になってもまじめに律儀に音読しています)が先月毎日読んでいたのが、宮沢賢治の「やまなし」でした。ああ、私も小学生の頃国語でやったな...と懐かしく思っていたのですが、ついに絶対聞かれたくないことを聞かれてしまいました。「...ねぇ、クラムボンってなに?」と。

クラムボン!
永遠の謎!!
ママも知りたいクラムボンの正体!!!

そんなとき、目に付いたのがこの本です。きっと誰もが頭に???を浮かべながら浸るであろう、川の底の青い幻燈の世界。この本の紹介文には、「やまなし」は哲学・宗教・科学がひとつに結晶した珠玉の短編、とあり、クラムボンの正体は簡単にはわからなそうですが、研究者の考察を読んで、自分なりの答えに到達してみたいな、と思っています。

2021年11月 1日

荻ではなく、萩 ~新設件名のお知らせ2021年10月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

10月の新設は9件でした。
ここでは10月の新設件名から、「はぎ」をご紹介します。


甘い物好きだからか、はぎ(萩)と聞いて頭に浮かぶのはおはぎや萩の月なのですが、件名の「はぎ」はマメ科ハギ属の植物のことです。
(おはぎも萩の月も、名前の由来は植物のはぎから来ているようです。)

日本では古くから親しまれている植物で、なんと『万葉集』にははぎを詠んだ和歌が141首も収載されているそうです。
花札にも描かれたり、秋の七草のひとつにも数えられたりと、何かと日本文化と縁の深い植物です。

ちなみに名前も漢字もよく似たはぎ(萩)とおぎ(荻)ですが、それぞれマメ科とイネ科ですので実物は見た目が全く違います。

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