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2011年7月 アーカイブ

2011年7月29日

注意深くさがしています

こんにちは。新刊目録の望月です。

とある翻訳書でのこと。
西洋人の著者の名前が、カタカナで書かれたところではミドルネームが「J.」だったのに、図書の中を見ると、原綴ではミドルネームが「T.」となっていました。
あらあら、イニシャルが異なっています。

こういう場合、どちらが正しいかの調査が必要です。
結果、原綴の「T.」が正しいことがわかりました。
日本目録規則にのっとり、誤りは正しい形で記録します。
そして誤りの情報は、注記へ入力。

目録を作成していると、意外にこんな誤植に遭遇する機会は多かったりします。
涼しい顔してまぎれこんでいる誤りをさがしだすのも仕事のひとつなのです。


誤植について詳しくはこちら→「こわい誤植のはなし


2011年7月28日

わたしの思い出の本~九月姫とウグイス~

わたしの思い出の本はこの本です。

オンライン書店ビーケーワン:九月姫とウグイス
九月姫とウグイス
(岩波の子どもの本)
サマセット・モーム
光吉 夏弥
武井 武雄

岩波書店(1954.12)
発送可能時間

この本は自分で選んだわけでも親が買ってくれたわけでもなく
我が家にあったのですが、
その理由は年の離れた従姉妹からのもらいものだったからです。
洋服やらオルガンやらいろいろお下がりをもらっていたのですが、
この本もお下がりのひとつでした。
子どもが見るには(というか当時の私には)エキゾチックな挿絵が、
ずっと心に引っかかっていました。
実家のどこかにはあるはずでしたが
引越しの時にどこかに紛れてしまい探しようもなく、
だいぶ古い発行のもので手に入るものでもないし・・・
とあきらめていたらなんと、
再版されていたのに気が付いて
思い切って買ってしまいました。
作者名を見てみたらなんと、
サマセット・モームとあるではありませんか。
え、あの作家の?とびっくりです。
絵が主体の本ではないので
そんなに小さい頃読んではいないはずですが、
全く覚えていませんでした。
「エキゾチックな挿絵」と思っていた絵の作者が日本人だったと言う、
いい加減な記憶に苦笑いです。
読み返してみて、
ずっと忘れられなかった理由がわかりました。
ある理由で性格がいびつになってしまった一月姫から八月姫が
不機嫌そうな顔でお嫁に行く絵が妙に印象的だったからでした。
(変な理由ですね。)
紅茶を1ポンドとシャム猫が持参金(?)なのですが、
子ども心に変なものを持っていくんだなあと不思議でした。

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2011年7月27日

きょうのデータ部☆(7/27)

今日は一日、曇りなのかなあと考えながらお昼休みに屋外に出かけると、お隣の「じゃぶじゃぶ池」@教育の森公園では、女の子たちがしゃぼん玉に夢中になっていました。

110727_1208~01.jpg

「しゃぼん玉を撮ってもいいですか」とお願いして、全力で吹いてもらいました。

なかなか上手く撮れませんでしたが、水の張られた遊び場の上を滑るように飛んでいって、それは涼しげな光景でした。
女の子たちは小学生低学年くらいに見えたけれど、もうみんな夏休みなのでしょうか。

2011年7月26日

奥深き事典の世界

本日は「週刊新刊全点案内」1727号の発行日です。
掲載件数は1293件でした。

*こんな本がありました*

オンライン書店ビーケーワン:こと典百科叢書 第14巻 復刻 大日本重要物産誌

「こと典」…?化学の「ばけ学」みたいなもの?と思ったら案の定。「事典」を辞典・字典と区別して呼び習わしてきた呼称とのこと。
影印本(昔の本をそのままコピーしたような形で出される本の事です)は大体、研究者の方が使われる資料で、私たち一般人には縁遠きものという目で見ていたのですが、この全集はとても楽しい影印本でした。今回は第3回配本で第14巻~第20巻(上に表示しているのは第14巻)だったのですが、「大日本重要物産誌」「全名勝温泉案内」「紋の志をり」「標語全集」「類似植物分類鑑定辞典」「健康法辞典」「日日活用お料理辞典」と巻タイトルを並べただけでも賑やかで楽しそう。中身も「昔の標語もかなりキャッチーだったんだな…」とか「昔の人ははぜの甘露煮を手作りしてたんだ!」とかいろんな観点から楽しめました。
第1回配本や第2回配本はどんなのがあったのかな…と気になったので調べてみると、なんと第2回配本には「屁」「臍」なんてのも。「臍」はまだ想像付くけど、「屁」って…!?第2回配本は1704号か…そのとき自分が部ログ当番であったならば…っ!などと、愚か者はまともな記事を見ながら無念を感じてしまうのでした。

2011年7月25日

ASで作成するデータについて~和装本~

こんにちは。AS 伊藤です。

ASという部署では、TRC MARCとして累積しないさまざまな資料を扱っていますが、和装本については、基本的におおむねわたくし伊藤が担当しています。

時々勘違いされますが、和装本=和古書ではないので、明治以降に刊行された和装本のデータはTRC MARCに累積されているものもあります。でも図書館では、明治以降であろうと江戸以前であろうと、一緒に「和装本」として管理されていることも多いですね(保管の観点からすれば、もちろんそのほうが合理的です)。ですので、図書館からそのかたまりで一括してお預かりして、すべてASで非累積のMARCを作成することも時々あります。

実際、明治以降のものでも写本が含まれていることも多く、それらはそもそもやはり累積対象にはなりえません。また、蔵書印や書き入れなど、一点一点ごとの、そして和装本のコレクション全体の中で意味を持つ情報があることがふつうで、そうした資料は和漢古書として個別にデータを作成したほうが適切であると言えます。

和漢古書のデータ作成には現代書のデータ作成とは全然違った観点や知識が要求されるものであり、確かに実に奥深く興味深いものです。機会があれば、データ作成の現場の観点から、何がしか書いてみようと思います。

2011年7月22日

夏を楽しもう!~分類/件名のおはなし・24~

今年は梅雨明けが随分早かったですね。暑くて長い夏となりそうです。

先日、夏バテを防ぐためには「夏を楽しみ!と思うこと」が大事だというのを耳にしました。確かに。
去年の夏が異常な暑さだったせいか、「夏=しんどい・辛い」という公式がいつのまにか頭に刻み込まれておりました・・。
そういえば数年前までは夏の日暮れの時間帯の空気感がとても好きだった気がします。
そうだ。「夏=楽しい」へ、頭の中をシフトさせよう。
夏の楽しみといえばやはり夏休み。夏休みには旅行に行きたくなります。


旅行する際、参考にするための本を分類・件名で探すと・・。
パッと頭に浮かぶのは、やはり分類なら29△、件名なら地名に「-紀行・案内記」の細目をつけた検索ですよね。

しかしこれだと件数が膨大になってしまいがち。
必要に応じて掛け合わせ検索をするのがお勧めです。

目的がある程度限定されている場合、例えば山や海に行こう!というなら件名の「登山」や「海水浴」を、素敵な宿や温泉でのんびりしたいのなら「旅館」や「温泉」を掛け合わせてみるとだいぶ絞り込めますね。

シンプルに旅行ガイドをお探しなら、別置記号Aを掛け合わせたり、情報が新しいものがよいでしょうから出版年月を最近のものにしてみるとよいですね。

また、旅行はしたいけどできるだけお金をかけたくないという方は、タイトルのわかち検索で「ムリョウ」「タダ」といった言葉を掛け合わせてみても!
他には子ども連れなら「コドモ」、ペットと一緒にというなら「ペット」などを掛け合わせてみて下さい。

お好みに合わせて自分にぴったりの本を探してみてはいかがでしょう。
楽しく夏を過ごして猛暑を乗り切りましょう!!

2011年7月21日

新TOOLi紹介:関連件名検索

6/20にリニューアルしましたTOOLiの新機能についてご紹介します。
本日は、件名を使って関連する本をさがすことができる「関連件名検索」について。

件名は本をテーマからさがしたい時に役立つものですが、実際にどんな言葉が件名として付与されているかよくわからない...ということがあると思います。そこで件名をもっと便利に活用していただくために、「関連件名検索」という機能を新しく搭載しました。

図書検索の書誌詳細画面を開くと、新刊案内形式の書誌表示の下に、
「件名を利用して関連する本を探すことができます」という新しい画面が増えています。

この画面には2つの機能があります。
1つ目は、現在表示しているMARCと同じ件名を持つ本を検索する機能。
現在のMARCに件名が複数ある場合には、複数の件名をAND検索します。同じ組み合わせの件名で検索することによって、内容が近い本をさがすことができます。

オンライン書店ビーケーワン:化石・恐竜の大研究 なぞにせまる! 生命の記録を読みとこう

たとえばこの本↑には、「恐竜」と「化石」という2つの件名が付与されているので、同じ2つの件名が付与されている本を検索することができます。

2つ目の機能は、MARCの件名に関連する別の件名から検索を広げていけるもの。
20110721.JPG
こんなふうにMARCの件名に関連する別の件名を表示します。
関連する件名は、1つのMARCに同時に付与されることが多い件名を、件数の多い順に表示したものです。

この関連する件名のリンクをたどっていくことで、テーマを絞り込んで検索することもできますし、意外な組み合わせの件名を選択すれば思いがけない本を見つけることもできるかもしれません。
(「恐竜」と「アメリカ文学」の関係...ってちょっと気になりませんか?)

最初は少しとっつきにくいかもしれませんが、気軽にポチポチとクリックしてみていただければ新しい本との出会いがあることと思います。
ぜひお試しください♪

☆TOOLi関連の記事をまとめてご覧になる場合はこちらをどうぞ

2011年7月20日

新TOOLi紹介:典拠ボタン

6/20にリニューアルしましたTOOLiの新機能についてご紹介します。
今日は、検索精度を高める「典拠ボタン」について。

新しい検索画面には、入力欄の横に「典拠ボタン」が設置されました。
典拠ボタンは、ONとOFFを切り替えて使用します。


tenkyo-2.JPG


典拠ボタンをONにしておくと、MARCを検索する前に、自動的に典拠ファイルを検索します。典拠ファイルを選択してから、MARCを検索するので、より精度の高い検索結果を得ることができます。

例えば、著者名「鈴木健二」で典拠ボタンを「ON」にして検索すると、同姓同名の一覧が表示されるので、著者を特定してから図書一覧を見ることができます。また、図書によって様々に表記される西洋人も、典拠ファイルで特定して、もれのない図書一覧を見ることができます。


その他、探しているテーマに合った件名を選択したり、典拠ボタンを使ったスパっと気持ちのよい検索をぜひお試しください♪

2011年7月19日

かぶとむし

本日は「週刊新刊全点案内」1726号の発行日です。
掲載件数は1222件でした。

*こんな本がありました*

オンライン書店ビーケーワン:世界のカブトムシ THE MUSEUM OF RHINOCEROS BEETLES

虫本第3弾です。今回はカブトムシ。
カブトムシって、なんとなく夏休みを連想させますよね。これも季節本といえるのかも。そういえば、このところ怪談本も多くなってきたようです。

著者は写真家の方なので、もちろん写真も綺麗なのですが、「フローレス島の乾いた風」「亀のように生きる」「小型の象」「みやびやかな珍品の香り」といった独特な目次もなかなか楽しいです。「ボリビアの悪魔」なんて、ちょっと見てみたくなりませんか?


2011年7月15日

新TOOLi紹介第3弾:雑誌データ検索

こんにちは。先日リニューアルしましたTOOLi紹介の第3弾です。
本日は、雑誌データ検索についてご紹介します。
こちらもいままでオプションでしたが、標準搭載になりました。


TRC雑誌データは、書店販売される雑誌を対象に、
現行約3000誌について作成しています。
データは、発売日当日の朝にアップされます。
また、図書館での利用が多い約470誌については、
目次をデータ化して提供しています。
(雑誌データについて詳しくは、こちらをご覧ください)

 
新TOOLiでは、このデータ全てを、誌名や出版社、
キーワードやジャンルなどから検索することができます。

雑誌名の改題・変遷や、刊行頻度等もわかります。
(雑誌の改題については、こちらもご覧ください)

 

そして楽しいのが、雑誌の目次・特集名の全文検索です。

昨日のトップニュース「なでしこジャパン」で検索してみたら、
佐々木則夫さん(なでしこジャパン監督)インタビューが
「DISNEY FAN」に載っているとのこと。
乙女心を掴むにはミッキーミニーよね!と非常に納得です。


「節電」で検索すると、暮らしの雑誌や女性誌のほか、

「商業界」→節電と売上げを両立させる冷暖房、適正温度の決め方
「Goods Press」→猛暑克服×節電対策 -気になるアイテムの賢い「選び方」大公開!
「愛犬チャンプ」→【特集】節電の夏、無事に乗り切れる?
など色んなジャンルの雑誌がヒットしました。
本日現在、「節電」で293件ヒットしたのですが、
そのうち288件が今年春以降のものだというのが驚きです。


そのほか、好きな作家やタレントの名前で検索するのも楽しいです。
意外な雑誌でインタビューなど受けているかもしれませんよ。


TRC雑誌データは、世相を映す雑誌から、
ひとつの分野に深く踏み込んだ雑誌まで、
幅広くデータ化しています。
TOOLiで是非、そのディープな世界をご堪能ください。

2011年7月14日

教科書からひろがる世界

昨日につづいて6月20日にリニューアルしたTOOLiの新機能をご紹介します!

新しく標準搭載になった「教科書単元検索」は、
小学校の教科書の単元と学習件名をリンクして、学習に役立つ図書を検索することができる機能です。
小学校の全学年・全教科の教科書から、関連する本を検索することができます。

入り口の画面はこんなかんじです
toolisrenew1.jpg

この画面から調べたい学年・教科をえらぶと、教科書の単元(目次)を表示します。

それぞれの単元をひらくと、その内容に関係のある「学習件名」を表示します。
「学習件名」というのは、子どもたちの調べものの手助けをするために、その図書の「どこ」に「どんな事柄」がかかれているかをあらわしたキーワード。子ども向けのノンフィクションを対象に付与しています。
(学習件名についての詳細はこちらをご覧ください)

たとえば、教育出版の6年生社会の教科書に“大陸に学んだ国づくり-聖徳太子の理想”という単元があります。
この単元には関連する学習件名として「聖徳太子」「冠位十二階」「十七条の憲法」「遣隋使」「小野妹子」「法隆寺」…などが表示されます。

そこから興味をもったテーマ、たとえば「法隆寺」という学習件名をえらぶと、法隆寺についての記述がある本をずらりと検索することができるのです。

オンライン書店ビーケーワン:法隆寺 新装版 世界最古の木造建築
法隆寺 新装版 世界最古の木造建築
(日本人はどのように建造物をつくってきたか)
西岡 常一
宮上 茂隆
穂積 和夫

草思社(2010.3)
発送可能時間

↑こんな本が見つかるのはもちろん、

オンライン書店ビーケーワン:みんなが知りたい!「世界遺産」がわかる本 日本編

↑この本の62ページから法隆寺についての解説があることや…

オンライン書店ビーケーワン:世界にはばたく日本力 日本の住

↑この本の8ページに法隆寺が出てくることまでわかります。

こんなふうに「教科書単元検索」を使えば、勉強のなかで興味をもった事柄に関する本をスムーズに、たくさん見つけることができます!
ふつうのタイトル検索では探せないような本も見つけることができるので、図書室の本をすみずみまで活用することにもつながります。

この「教科書単元検索」は、データ部ですべての教科書に目を通して作りました。
お子さんが授業で興味をもったことを調べるもよし。
図書館で、これから学習する単元に関する本を揃えるのに使っていただくもよし。
いろいろな場面でお役立ていただければうれしいです。

2011年7月13日

2011年夏、TOOLi大幅リニューアル!

6月20日より、TOOLiを大幅リニューアルいたしました。
利用者のみなさまの使い勝手が良いように、検索機能を中心により細やかなサービスを目指して改訂しました。
大きな変更点のひとつとして挙げられるのが、児童書を探すのに役立つ「学習件名」「教科書単元」「読み物キーワード」検索です。
これまでは、オプション機能だったものを、TOOLiに標準搭載しました。

「学習件名」とは、子どもたちの学習に役立つ図書(ノンフィクション)を、日常生活や学習の中で使っているキーワードから検索できる機能です。図書の詳細な内容を検索することができ、調べたい事柄がどの本の何ページに載っているかがわかります。
詳しくはこちらをご覧ください。

「教科書単元」は、小学校の全学年・全教科の教科書の単元(目次)と、学習件名をリンクして、学習に役立つ図書を検索することができる機能です。
これについては、あらためて詳しくご紹介する予定です。

「読み物キーワード」というのは、子ども向けの読み物(フィクション)と絵本を、テーマやキーワードから探すことができる機能です。
例えば、「小学生の探偵団が活躍するようなお話が読みたい!」という場合、「探偵団」で検索すると「少年少女探偵団活躍する」というキーワードがヒットします。
そこからさらに図書検索すると、「IQ探偵シリーズ」や「マリア探偵社シリーズ」など、キーワードに該当する図書が検索できるのです。

今回のリニューアルによって、「学習件名」「教科書単元」「読み物キーワード」検索について、それぞれ「and」「or」のかけ合わせ検索ができるようになり、さらに「対象」や「出版年月」による絞り込みも可能になりました。
特に児童書はロングヒット商品が多いので、より目的にかなった検索ができるようになったのではないかと自負しております。

ぜひご活用ください!

2011年7月12日

むしのほん

本日は「週刊新刊全点案内」1725号の発行日です。
掲載件数は1240件でした。

*こんな本がありました*

「葉虫 小檜山賢二写真集」
(マイクロプレゼンス)

小檜山 賢二著
出版芸術社(2011.7)

先週に引き続き虫の本です。苦手な方はごめんなさい!
ここ数週間、本当に何度も虫本を目にしました。目録作成のときに、巨大な虫の写真を目にして思わずのけぞってしまうことも多々あり...。
そんな虫本の中でもこちらは極めつけ。
ピントの合ったところだけをコンピュータ上で合成した「マイクロフォトコラージュ」という手法のため、それはそれは鮮明に写っています。
24×31cmと大きめサイズで1ページに1葉虫が掲載されていて、なかなか見ごたえがあります。
葉虫ってこんなに種類がいたのか~と思わず感心。それにしても、どの葉虫もテカってます...。


ブログを書こうと調べていたら、関連本を発見しました。

「象虫 小檜山賢二写真集」
(マイクロプレゼンス)

小檜山 賢二著
出版芸術社(2009.7)

同じ「マイクロフォトコラージュ」の手法で撮影されたデジタル本で、第41回講談社出版文化賞を受賞しているようです。
「象虫」の表紙もなかなかインパクトがありますね。

2011年7月11日

展覧会図録のMARC

こんにちは、図書館蔵書 小松です。

子どもの頃、母に連れられてよく博物館に行きました。
私のお目当ては帰り際に寄る博物館の売店。展覧会の図録と、時にはアンモナイトの化石や草食恐竜のマグカップ(温かい飲み物を入れると骨格が浮き出るもの)、綺麗な絵はがきなどを買い与えられて、幸せな気持ちで帰途につく、今思えば現金な子どもでした。家に帰ってから図録をめくる楽しみは、旅行アルバムを見る気持ちとも似て、見てきたことが嬉しいような、図録で知識を仕入れてみれば見逃したポイントが残念なような・・・。

さて、通常展覧会に行かなければ見る機会のない図録ですが、図書館蔵書で仕事をするようになって、見ていない展覧会の図録を大量に見るようになりました。日本全国でたくさんの展覧会が様々な切り口で開催されていて、それに関する図録や関連資料が刊行されていることに驚きました。

展覧会図録のMARCは、他の図書の場合と大きな違いはありませんが、2点の特別な項目が入力されています。展覧会図録であることを表す別置の「T」と、展覧会に特有な会期と会場の注記です。

この入力項目を利用すれば、

別置「T」 キーワード「2010 東京国立博物館」

というような検索で、2010年の東京国立博物館で開催された展覧会の図録を検索することができます。ただし、展覧会図録は、各地の図書館からお預かりしたものを入力しているので、全ての展覧会図録を網羅してはおりません。その替わりといってはなんですが、郷土資料館などのこじんまりとした図録もMARCにはかなり入力されています。

そんなこじんまりとした図録の中で、メンバーの中で最近話題になったはこれでした。
中国のお土産にこんな感じの魚とかありませんでしたか?

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2011年7月 8日

名のみで知られている人名 ~典拠のはなし~

少し前ですが、下記の伝記本で、あたらしく個人名典拠ファイルを作成しました。

オンライン書店ビーケーワン:ジョージ五世 大衆民主政治時代の君主
君塚 直隆

日本経済新聞出版社(2011.6)
発送可能時間

ウィンザー朝の初代君主George Ⅴ(ジョージ5世)です。
映画「英国王のスピーチ」が第83回アカデミー賞の作品賞を受賞して話題だったので、その王様のことかと一瞬思いましたが、映画の主人公はジョージ6世。ジョージ違いでした。(映画にはジョージ5世も登場するようですが)
ところで、今回の王室の人物のように「名のみで知られている人名」、もしくは「姓または名しか明らかでない人名」については姓または名のみを統一標目としています。
ただ、5世や6世がいるように、「ジョージ」という名前は複数存在。したがって、今回のジョージ5世も標目限定語(専門・世系等)を付記して区別をつけました。
   標目限定語・世系関連過去記事はこちら

【統一標目】*別称などは参照形を作成
《漢字形》    George Ⅴ
《カナ形》     ジョージ
《標目限定語・世系》 5世

ところで「世系」を含めた王室関係人物情報ですが、初出図書だけでなく、各種参考資料はもちろん、場合によっては外務省や大使館のHP、公式王室及び本人HP(個人HPを運営する王室メンバーも稀にあり)なども確認しています。
図書資料の場合、1990年代なかばくらいまでの人物なら「岩波=ケンブリッジ世界人名辞典」を参考にすることも。巻末付録に掲載されている「各国元首・政治指導者」欄には王室関係一覧もあるので、在位も確認できます。

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2011年7月 7日

わたしの思い出の本~歴史への途

こんにちは。分類・件名 片田です。

私の思い出の本はこの本です。

オンライン書店ビーケーワン:クロニック戦国全史

小学生だった当時も、今もヘビーゲーマーな私。この本が出版された頃には、スーパーマリOや□ックマンを卒業(とはいってもまだやってはいたわけですが…)し、信長の野某に代表される歴史シミュレーションゲームをプレイするようになっていました。
やっているのはゲームだけでしたので、別に歴史の知識があるというわけではなかったのですが、ゲームの登場人物として見ていたので、歴史上の人物への興味と親近感だけは人一倍強い状況にあったのです。
そんな小学校6年生のクリスマス。両親がクリスマスプレゼントに買ってくれたのがこの本でした。
ゲームソフト2本分にも匹敵する高価な本。私が興味を示さなかったら、両親にとって悲しい投資にしてしまう所でしたが、当時の私は興味のはけ口を見つけて、一心不乱に読んだものです。
この本は実家を出た今も、自宅の本棚の、すぐ出せるところに鎮座しています。

テレビゲームから始まり、両親に買ってもらった思い出の本が拓いてくれた歴史への興味は今も尽きず。良い本がもたらしてくれる知的興奮は一生つきあっていける宝物だと思います。

2011年7月 6日

きょうのデータ部☆(7/6)

本日もたいへん暑く、蒸しますね。


先日は古参サーキュレーター氏がクローズアップされておりましたが、
今回ご紹介するのは
110706_1637~01.jpg
手前の白い彼です。(お尻から失礼します。)
お向いのハードディスクを冷ましております。

ハードディスクのランプが、ちらちらと点る様子が、不思議にうっとりしたものに見えてきます。
サーキュレーターくん、がんばってください。

2011年7月 5日

いろんな変態

本日は「週刊新刊全点案内」1724号の発行日です。
掲載件数は1367件でした。

今月の表紙は、カブト虫がでんっと…!
p20110705.jpg

夏になってくると、虫が表紙の本をよく目にするようになります。
今週はこんな本が。

オンライン書店ビーケーワン:脱皮コレクション のぞいてみませんか?生きものたちの秘密の時間を。

虫だけではなく、ヘビ、ヤモリ、カニなど、生きものたちの貴重な脱皮の瞬間をこれでもかと掲載。
苦手な人もいるでしょうが、神秘的な変態の美しさを堪能できます。

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早起きをして…~新設件名のお知らせ2011年6月分~

本日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。
新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

6月は14件の件名を新設しました。
その中に「バードウォッチング」があります。こういった言葉を件名にする際にむつかしいのが、「同じ意味合いでよく使われている他の言葉とどちらを採用するか」。今回だと、“野鳥観察”などが検討対象にあがってきました。
こうした場合、タイトルなどでの言葉の使われ方や、時代性、地域性などともあわせて考えていきます。

意味合いは似ていても、言葉によって受ける印象は違うもの。
夏休みの自由研究のタイトルには「野鳥観察」とつけたくなり、避暑地でやるのは「バードウォッチング」。でも、“コウノトリの郷公園”に行ったら“遊山”?(いずれも個人的イメージです)
そんな感想や印象はともかく、いろいろと吟味した結果「バードウォッチング」に決定したわけですが、参照形についてはTOOLiでお確かめ下さい。

2011年7月 4日

一冊の重み

こんにちは、内容目次班、藤澤です。
新刊目録からこちらに異動になりました。

異動してみて知ったことは沢山あるのですが、
特に、一冊の本にかかるエネルギーに非常に差があることが、
実感を伴ってわかってきました。

特に、内容細目ファイルです。
(内容細目ファイルは、収録作品のデータベースです。
総合全集、個人全集、著作集、作品集、論文集、講演集、対談集、随筆集などに含まれる独立した著作を対象に作成しています)

先日作成したのは、こんな内容細目ファイル

18巻セットで¥1,050,000(税込)という価格も驚きの「曹洞宗全書」です。
昭和初期の本の復刻版なのでPCで入力できない活字もあり、その文字の調査や、各々のタイトルの読み方の調査、そして著者紹介など何もなく、どこからどこまでが名前かを判断するのさえ時には難しいお坊さんたちの典拠の作成など、非常に手間のかかる全集でした。

また、たまに出版される手のものらしいのですが、
1日1話、計366話収録の童話集。
チェックするゲラの束が膨大でした。
こんな感じです

こんな風に、「今週は○冊内容細目ファイルを作成しました」
という件数だけからは見えない、一冊の重みを日々実感しています。

2011年7月 1日

受発注から見たTRC MARC:その3 セット本について

お客様係受発注担当の徳田です。月1回「物流管理部」からデータ部ログをお届けしています。物流管理部受発注でのTRC MARCの使い方3回目は、セット本についてです。


時に出版社はセットとして本を販売しています。そのセット本の情報を作成するのも受発注の大切な仕事です。
最初から分売不可のセットとして販売されているシリーズや全集のセット名・セット構成については、データ部が作成したMARCでわかります。(配本状況や完結したかどうかまでわかります。)
しかし、発売時には全く考えていなかった組み合わせで、既刊本を「今年は『○○○』シリーズとして売ろう!」と出版社が決めると、TRC側で対応が必要になります。例えば、「○○年度セット」となれば、毎年度組み合わせが変化します。さらに、売れ行きによっては、去年まで同一セットに含まれていた単品を別々のセットへ構成し直すといったことも起きます。そこで、新しいセット名とTRC MARCを関連づけるファイルを受発注で作成します。(特に紙芝居で多いです。)


以上、3回に渡ってご紹介してきましたが、価格品切れ・絶版情報、セット本と、図書館からのご注文に関わる図書刊行後の情報は物流管理部受発注で管理しております。発注時に「ハテナ?」と思われることがありましたら、物流管理部お客さま係へなんなりとお問い合わせ下さい。

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