今回のMARC MANIAX分類/件名は、子どもの本探しの強い味方となる「学習件名」についてご紹介します。
去年の夏、8月も終わりになろうかという頃、近所の図書館へ行った私は、小学生の男の子が利用者端末の前で途方に暮れているのを目撃しました。夏休みが終わるまで、もう数日。「こんな時期に大丈夫なの...?」と他人ごとながら心配になったものでした。
「調べ学習」が定着しはじめたとはいえ、図書館を使い慣れていない小学生にとって、「本を使って何かを調べる」というのは非常に難しいことだと思います。そこで、ぜひ活用していただきたいのが「学習件名」なのです。
「学習件名」とは、子どもたちが学習課題や自分の興味で何か調べようとするとき、調べようとすることがら(件名)が「どの本」の「どこに」書かれているかをあらわした、いわば「子ども用の件名」です。子ども向けのノンフィクションを対象に付与しています。
以前より「TRC MARC別ファイル 学習件名ファイル」としてご提供していましたが、2008年1月よりTRC MARC/Tタイプ本体の項目および典拠ファイルとしてもご提供を開始しました。
たとえば自由研究で、「台風」について調べたいとき、タイトルで「台風」を含むものを検索すると、「台風」を主題とする本以外の小説なども拾ってしまい、どれを読めばいいのか子どもには判断できません。
件名標目の場合、図書内に「台風」に関する記述があったとしても、それが本全体の主題でない限り件名標目として採用していません。したがって、件名「台風」で検索したのに、ほんの数冊しか見つけられなかった...ということもありえます。
しかし学習件名は、「1p以上の記述があれば採用」そして「最大99件まで付与できる」というのが大きな特長です。したがって、「天気のしくみQ&A」のように、タイトルにその語を含んでいなかったり、図書中の数ページだけしか記載されていないような本からでも、「台風」に関する情報を探し出すことができるのです。
何をテーマとして調べ学習や自由研究を進めるかさえ決まっていれば、さまざまな本からその情報を探し出せるというスグレモノ。それが学習件名なのです。
次回6/13(金)は、学習件名の中身をご紹介します。