TRC MARCにはモットーがあります。それは「成長するMARC」というもの。利用の便の向上をめざして、年々データ内容を拡充しています。2008年1月からもデータ項目が増えましたのでここで紹介をさせていただきます。
児童向けの図書を対象に、TRC MARCのデータに<児童用内容紹介>と<学習件名標目>が新たに加わりました。
<学習件名標目>は以前より「TRC MARC別ファイル 学習件名ファイル」としてご提供していましたが、2008年1月よりTRC MARC本体の項目および典拠ファイルとしてもご提供を開始するものです。
以下、<児童用内容紹介><学習件名標目>について簡単にご説明します。
<児童用内容紹介>とは?
従来からの内容紹介とは別に、児童(小学生・中学生)が読むことを想定して、児童むけの図書の内容を紹介するものです。文中の漢字はなるべくその図書の対象年齢にあわせた漢字を使用しています。
たとえば、利用対象が小学校中学年・高学年(3年生~6年生)の「病気・けががよくわかる事典」の場合、従来からの内容紹介は、
「子どもに身近な病気を41取り上げ、病気の原因、症状、治療方法、予防方法などをわかりやすく説明し、また病気の内容を知るとともに、体のしくみや各器官の役割などもわかるように図を用いて解説する。」
ですが、児童用内容紹介は、
「病気や体の健康について、どれだけ知っているかな?よくかかる身近な病気、けがや症状(しょうじょう)、目・鼻・口・耳の病気など、いろいろな体の病気を紹介(しょうかい)します。体に関係するいろいろな不思議がわかる、「モノ知りQ&A」もついています。」
となります。
<学習件名標目>とは?
児童(小学生・中学生)の調べものの手助けをするために、その図書にどんな事柄(件名)がかかれているかをあらわしたものです。
MARCのデータ項目には主題をあらわすものとして<件名標目>がありますが、それとはまた別に、児童になじみ深い言葉で、きめ細かく付与しているのが学習件名標目です。
次のような特長があります。
1.学習指導要領や教科書、児童向け百科事典などを参考として標目語を設定します。
2.調べもののためですので、主にノンフィクションを対象とします。
3.小さなテーマでの検索に対応するために、最低1p以上の記述があってその記述が調べる対象となりうるものであれば、学習件名標目を入力します。1冊の図書で最大99まで入力します。
4.ページ数が多かったり内容が多岐にわたる場合もあり、その図書の「どこに」調べたい事柄が書いてあるのか分かると便利ということで、該当ページを学習件名と対にして入力します。図書全体に該当する場合はページは0とします。
「政治かんたん解説」の上巻を例にとってみると、
ちなみにこの図書の件名標目は1つ、「日本-政治・行政」です。より細かく付与しているということがお分かりいただけるかと思います。
なんとなく感じをつかんでいただけたでしょうか?
「でも、どんなことばを学習件名標目として使っているのか知らなければ、ちゃんと検索できないのでは?」という疑問をおもちの方、ごもっともです。その問題を解決するツールが「学習件名典拠ファイル」です...が、こちらのご紹介は次週1/18(金)に。
コメント (1)
「学習」というイメージからすると堅苦しい件名が想像されますが、実際には、通常の件名よりも日常語に近い語彙が使用されているようですね。日常語に近い件名というのは統制語彙のあり方に一石を投じるように思えます、というのは大げさかもしれませんが、使う側からすれば、より開かれた親しみやすい件名という印象が持てるのではないでしょうか。期待したいと思います。
投稿者: 裏方の者ですが一言 | 2008年1月26日 23:10
日時: 2008年1月26日 23:10