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2008年3月 アーカイブ

2008年3月31日

あこがれ囲碁の世界

新刊目録 大谷です。

土曜日の東京はお花見日和でした。
私も地元の花見スポットで、先週の新刊嵐の疲れをいやしました。

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※石神井川の桜です


さて、
NHK大河ドラマ「篤姫」を見ているのですが
篤姫は囲碁が好き、というエピソードが出てきます。

実は私、歳をとったら囲碁を趣味にしよう…ときめています。
興味があるなら今から始めればよさそうなものですが
おばあちゃんになって新しいことが待っているというのも楽しいかな、とも。
あの白と黒の石の並びにいったいどんな意味があるのか…
未経験の者にはまったくもってミステリーです。
奥の深い囲碁の世界、長時間ゆったり楽しめそうではありませんか。

詰碁や棋譜の本もいろいろ出ています。

少し前の記事でちらっと出てきました「名局細解
箱の中に、小さな薄い本が12冊入っているセットものです。
小さいわりにMARCはしっかり12件作らなくてはいけないし
これがまた棋士の方のお名前を調べるのがたいへんだし
(今回は本因坊秀紳さんのことで悩んだ…)
毎年来るたびにユウウツでした(すみません)。

しかしある日、電車の中でこの本をじっと見つめているおじさまを発見。
この小さなセットは、その年の名勝負がいつでもどこでも楽しめるように
工夫して作られたものだということに初めて気づきました。

私もいつかこれを見て勉強するようになろうと思いました。
それまでこのシリーズ、毎年続いていてほしいです。


2008年3月28日

細目について ~件名その4

件名は、「資料の主題または形式を表現する」ものだと、最初の回で紹介しました。これまで主題のことばかり書いてきましたが、形式もまた、件名によって表現されます。その際、細目が重要になります。
件名について知識のある方は、「かぶとむし-写真集」「日本美術-便覧」「物理学-辞典」「サッカー -伝記」といったものを見たことがあるかも知れません。この、ハイフンの後ろの部分が細目です。これらのほかBSHには、「書誌」「年鑑」「年表」「図集」「法令」「雑誌」「名簿」といったものが挙げられ、一般細目(原則としていずれの件名のもとにも使用可)としています。これで、少し変わった形式の本をはっきり識別することができます。
細目にはほかに、A.分野ごとの共通細目、B.言語細目、C.地名のもとの主題細目、D.地名細目、E.時代細目があり、「主標目の範囲を限定し特殊化するために用いる」とBSHにはあります。使用目的が、形式を表現するためだけではないのです。
以下、A.~E.についてそれぞれ具体例を挙げて簡単に紹介します。
A: たとえば〈芸術〉だと「図集」が「グラフィック・アート-図集」「木彫-図集」「宝石細工-図集」のように、〈宗教〉だと「教義」が「仏教-教義」「キリスト教-教義」のように、〈文学〉だと「作法」が「小説-作法」「戯曲-作法」のように、それぞれ使われます。
B: 「発音」「語源」「語彙」「文法」「解釈」「読本」「会話」「方言」など。それぞれ「英語-会話」「ロシア語-発音」「中国語-方言」のように、言語の件名につけて使われます。
C: 「教育」「経済」「地理」「農業」「紀行・案内記」「政治・行政」「対外関係」など。「京都市-紀行・案内記」「インド-経済」のように使われます。
D: 「アフリカ」「ノルウェー」「鹿児島県」のような地名細目が、「動物-アフリカ」「水産業-ノルウェー」「遺跡・遺物-鹿児島県」のように使われます。
E: 国・地域によって形が異なります。例えば日本なら「平安時代」「鎌倉時代」「江戸時代」など、中国なら「春秋戦国時代」「唐時代」「清時代」などです。「日本-歴史-江戸時代」「中国-歴史-清時代」のように使われます。
このように細目を使用することで、件名で表現される内容が、語から句ていどのものになります。文章的なものにまではいたりませんが、ずいぶん幅を広げることができます。

さて4週にわたって、件名について書いてきました。
今回の特集記事を契機に、ぜひご自分の手で件名検索の効能をたしかめていただけたら、と思います。「米国ではよく利用されているようで、小説や映画にもそういうシーンが出てくるよ」こんな話を筆者は先輩から聞きました。こちらの方もいろいろ探してみたら面白いかも知れません。

2008年3月27日

TRCMARCにみる花粉症の傾向と対策

今朝、出勤途中ふと角から覗いたら、ご近所のお茶大の桜がふんわりと咲いていました。毎日見てるはずなのに、いつ咲いたの? うれしいというより、むしろ不審・・・。
ともあれ、すばらしい桜です。

さて、すばらしい春はさておき、春はつらいという方多いのではないでしょうか?
そう花粉症です。

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2008年3月26日

きょうのデータ部☆ (3/26)

桜が咲いています。
例年よりちょっと早いみたいですが、すっかりピンク色です。
咲いているんです。

しかし、データ部ではそれどころではありません。
毎日400件越えを記録している「日刊新刊全点案内」を見ていると、目眩がしてきそうです(笑)


書棚もぎっしり。

棚1
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棚2
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2008年3月25日

春なので…3度目の挑戦

本日、「週刊新刊全点案内」1563号を発行しました。
掲載件数は1307件です。


外の暖かな日差しにあたっても、データ部の棚に詰まっている本を見てもすっかり春を感じる今日この頃。春になると、何かを始めたくなるのはきっと私だけではないでしょう。

それで、忙しいのはわかっていたのにまた始めてしまいました…ぬか漬け。

私のズボラな性格上、これに手を出してはいけなかったのです、きっと。しかし近所に住む友人宅でいただいたぬか漬けのおいしさに触発されて、ついつい自分でも始めてしまいました。

しかーし、やっぱりおもしろいように「忘れる」んですね、かき混ぜるのを。おかげで今まですでに2回もかわいいぬか床をダメにしてしまいました…。さすがに2回目にやらかしたときは落ち込んで、しばらく「ぬか断ち」をしていたんですが、春なので!懲りずに3度目の挑戦です。

漬け物のある暮らし
(西日本新聞ブックレット)
西日本新聞社
築上町町民つけもの博覧会実行委員会

西日本新聞社(2008.3)
発送可能時間

そんなぬか漬けライフをサポートしてくれそうなこの一冊。ぬか漬けを始めるとホントに暮らしが変わるんですよね。まるでペットを飼ったみたいに。ぬか漬け経験者たちは、ぬか床の「世話をする」という言い方をします。愛情を込めて毎日かき混ぜて、ぬかの中の乳酸菌や酵母などの微生物たちを育てるんだそう。そう考えれば毎日手間をかけるのも楽しくなってくるかも?!

もうちょっと気軽に漬け物を楽しみたい方にはこんな一冊もあります。

河田 美佐

小学館(2008.3)
発送可能時間

今度こそ「3度目の正直」でがんばって世話をして、ぬか床とながーいお付き合いを続けていきたいです。

旅立ちの季節

本日は「月刊新着AV案内24号(08年4月号)の発行日。
掲載件数は1096件。うち、DVD341件、ビデオ44件、CD708件、カセット3件です。

今回の表紙はこれ。
先週末、子どもと公園に行ったら桜の花がちらほら。
今年の桜情報をまったく知らなかったので、とっても驚かされました。

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今号には「空撮桜」というDVDが掲載されています。タイトルどおり桜の名所の空撮映像なのですが、なんとパラグライダーで撮影されているのです。超低空飛行が可能なためダイナミックな映像が収録されているそう。個人的に奈良県吉野山の桜をいつか必ず見たいと思っているのですが、きっと広すぎて、その場に行ったら見渡しきれないのかな~と勝手に想像しています。空撮なら全貌を眺めることができそうですね。


そんな桜の季節、月刊新着AV案内も今号を最後に休刊となります。
2006年4月の創刊以来、2年と短い期間でしたが、ご利用くださったみなさま、ご愛顧ご支援、本当にありがとうございました。今後は「TOOLi」の映像検索システムの機能向上を図るほか、話題の視聴覚資料情報を月1回「週刊新刊全点案内」に同封してお届けする予定です。また、「TOOLi」では映像資料は「月刊新着AV案内」と同じ形式でご覧いただけますので、どうぞご利用ください。

「月刊新着AV案内」は今号で最後ですが、データ部AVでは今後も引き続き、正式な著作権済の承認済み映像資料、ご注文を受けた録音資料のMARCを作っていきます。変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。


AV MARCのこと、映像資料・録音資料のこと、AVの楽しい・大変・珍しい・困った話など、これからも部ログでご紹介していきたいと思っています。こちらもよろしくお願いいたします。

2008年3月24日

あっちもこっちも本の山

新刊目録 大谷です。

今日の雑記に何を書こう?と考えても
いま自分の頭の中は「とにかく本がいっぱいある」ということでいっぱいで。
先週から今週にかけて、新刊見本の冊数がバクハツ中です。
あっちの棚もこっちの棚も、ぎっしりしています。

本はもうウンザリ…? と思いきや、
会社帰りおよび週末にはついつい本屋さんに入ってしまいます。
そして新刊が多い時期だからこその「本買いたい病」におそわれ
自宅にも本がいっぱいでウンザリする間もありません。
あげくのはてには家族と買った本がダブったりするし
データ部のさらに大量にある見本のほうがよほどきちんと管理されています(当然か)。


ところで
自宅のベランダでほったらかしにしていた「お金のなる木」に
はじめて花がつきました!
これは葉っぱ1枚から育てたもの。
近頃いちばん感動した出来事でした。。。
(というか葉をさしておくと根がつくのが面白く数鉢も作ってしまい
結果メンドウみきれずほっておいたものです)

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2008年3月21日

根拠と採否 参考資料 ~件名その3

前々回少しふれましたが、件名標目表の使い勝手のよさは、そこに載った件名の数や質に大きく左右されると考えられます。誰も思いつかないような言葉では、検索道具にならないからです。
日本で主に使われているのは、基本件名標目表(BSH)と、国立国会図書館件名標目表(NDLSH)で、前者は最新の第4版に計7,847、後者は2004年度版に16,583語の件名標目が載っています。
それぞれここでは例を挙げませんが、あらゆる分野の言葉があいうえお順に並んでいます。その一つ一つが、意味の上で互いに重ならず、また遠すぎず近すぎず、そして日常的に頻用されるものが選ばれ、全体としてバランスが考慮されているべきで、そうなっているように思います。
しかし、言葉は日々生まれたり死んだり変わったりします。そのいちいちに全部対応するのは無理にせよ、ある程度の時間幅をもって確実に定着する語を無視するわけにはいきません。
件名標目表の改訂はそれほど頻繁でありません。NDLSHはほとんど毎月追録が出るものの、BSHは9年前以来変わっていないのです。

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2008年3月19日

きょうのデータ部☆ (3/19)

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アンテナとパソコン。

右下にあるのがリーダ/ライタのアンテナ(板状)です。

結構薄いです。

2008年3月18日

不思議の「女子の国」のアリス

本日、「週刊新刊全点案内」1562号を発行しました。
掲載件数は1401件です。


「おひとりさま」という言葉もすっかり定着した昨今。なぜ子どものころ、あんなに「ひとり」がこわくて恥ずかしいものだったのか、今思うと不思議でなりません。
トイレも教室移動も部活に行くときも、かならず誰かといっしょじゃなくちゃ安心できない。ひとりがイヤだというよりも、「ひとりだと思われる」ことがイヤだったあの頃。女子なら誰でも思い当たるフシがあるはず。

女子の国はいつも内戦
(14歳の世渡り術)
辛酸 なめ子

河出書房新社(2008.3)
発送可能時間

この本は、その不思議な「女子の国」のヒエラルキーを赤裸々に解剖して、その中でのサバイバル術を伝授してくれます。

女子の国のヒエラルキーということでは、姫野カオルコの「ツ、イ、ラ、ク」も興味深いものがあります。

姫野 カオルコ

角川書店(2003.10)
発送可能時間

こちらは後半がR18という感じなので小中学生にはオススメしませんが。前半、主人公が小学生だった時代に、「美人で裕福な子を頂点とするヒエラルキー」を生々しく描いています。そうなんですよね…。子どもほど、人間をそうやって即物的に判断しがちというか。大人になってから考えると恐ろしいですが、でもそれが現実。
人間関係に深刻に悩んでいる女子たちが、「大人になればひとりでトイレ行くのも、ひとりでごはん食べるのも、ひとりで生活するのだって全然平気」だということに気づいてくれるといいのですが。

かく言う私も、実家暮らしが長いため、たまに「ひとり」を満喫するために都内のホテルに泊まりに行きます。ええ、「ひとり」で…。

2008年3月17日

春の訪れ

新刊目録 大谷です。

この土日は、ほんとに暖かかったですね。
春の陽気を満喫するべく公園に出かけてみると
たくさんの人でにぎわっていました。

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練馬区光が丘公園のハクモクレンです。


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これは?
さいたまの私の実家の近所にある梅畑です。
満開になるとよい匂いがただよってなんとも風流?なのですが
ちょっと時期を過ぎてしまいました。


春を感じるものは、もうひとつ。
新刊見本の冊数がズンズンズン…と増えて来ました。
桜の木も「そろそろ咲くぞー」と力をためているこの時期、
データ部新刊目録もいよいよ繁忙期体制に向かいます。

2008年3月14日

件名の存在意義と利用法・2 ~件名その2

分類記号との違いをもう一つ挙げることから始めます。
昨年<分類編>で触れましたが、分類の作業をする際には、NDCに掲載されている、影響関係・因果関係・上下関係等の主題間の関係、著者の観点などの規程にしたがって行ないます。つまり、分類する側と分類されたものを利用する側との間で、こう考えましょうという約束が予めされているわけで、これさえおさえれば、目的の主題を扱う図書がある書架がすんなりわかります。しかし実際には、主題の完全な表現とはいえず、うまく分類しきれない領域が残ります。
粗っぽいですが、「お茶」の本はおおよそ4類と5類と6類に排架されます。

【例】
まさかに役立つ健康茶の薬効図鑑
分類: 498.583<498.5> 件名: 茶,健康法
茶をたのしむ
分類: 596.7 件名: 茶
お茶は世界をかけめぐる
分類: 619.8 件名: 茶

タイトルを見ただけで内容の違いが推し量られそうなものも、難しいものもありますが、分類が異なるのにはそれぞれ意味があり、秩序は保たれています。しかしたとえば、大雑把に「お茶」の本を探す人は、まず479(植物)、498(衛生 健康)、596(料理)、619(農産製造・加工)、791(茶道)の棚をさがし出し、その上で棚の間を往復することになるかも知れません。飲む・育てる・製茶するのいずれなのか、あるいはお茶っ葉でなく木としてのお茶を考えるのか、これだけでも最初からはっきりしていればよいのですが、もしそれが明確でないと、不便を感じることでしょう。
つまり、書架の間を歩きまわるのでなく検索機械(利用者端末)を通して、という条件付きですが、分類記号とは違った主題の切り口を探索者にみせるという点でも、件名は意義があります。
最初に「茶」と利用者端末に入力して、どんな分類がふられているかを見て、自分の目的に合ったものをその中から選ぶ、という段階が加わります。当初思いもしなかった本を見つけ出す可能性が生じるわけで、茶の栽培をはじめようとする人が、お茶うけに興味をもつかも知れません。

2008年3月13日

付箋の使い方@図書館蔵書

こんにちは。図書館蔵書 小松です。

明日の記事はMARC MANIAX 分類/件名なので、きっとこのネタは入りません。
そこで、今日のうちに書いておきます。

明日、3月14日はホワイトデーです。

これをごらんになっている男性諸氏。
今日のうちに用意しないと間に合いませんよ。

はい、余計なおせわですね。

さて、枕が長くなりましたが、本題の「付箋の使い方」です。


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2008年3月12日

きょうのデータ部☆ (3/12)

このブックトラックには、「週刊新刊全点案内」に掲載されない本が並んでいます。

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語学のテキスト、資格試験の問題集、地図などのほか、ひらがなの練習ドリルなんてものがありました。

春ですね~。
(いや、なんとなく)


2008年3月11日

タイトルに注目!

本日は「週刊新刊全点案内」1561号を発行しました。
掲載件数は1445件です。


データ部の仕事について人に話すと
「毎日たくさん本が読めていいねー」
とか言われたりします。

実際は…そんな暇ない!
のですが、中身は読めなくても本のタイトルだけは、
毎日かなりの数を目にしています。
おもしろそうなタイトルが気になったり、
最近こういうタイトル多いな…とか思ったりすることもしばしば。

そんなわけで、
今日は「新刊案内」1561号の中から
タイトルに注目して新刊本を紹介したいと思います。


まず、わりと多いのが、言い切り系のタイトル。



角川SSコミュニケーションズ(2008.3)
発送可能時間




ズバっと言われると、なんだかそんな気がしてくるので不思議です。
↓ これもかなりの力技ですが、パッと目をひきますよね。




それから、疑問文のタイトルもわりと多いです。

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2008年3月10日

東京の戦争

新刊目録 大谷です。

今日は平成20年の3月10日。
時代をさかのぼり昭和20年3月10日は、東京大空襲の日です。

炎の間をかいくぐり被害の様子を撮影したカメラマン石川光陽さんのドラマが
きょうTBSテレビで放映されると知り、しっかりビデオ予約を仕掛けてきました。
(平日の夜は、ながらテレビしかできないもので…)

石川さんの撮影した写真の一部はこの本でも見られます。

東京大空襲」 早乙女勝元著 (岩波新書 青版) 1971.1

早乙女少年や石川さんをはじめとする数人の方の体験談が
時間を追った形でまとめられ、臨場感あふれる文章にひきこまれます。
お気の毒で読むのがつらい部分もありますが、
石川さんのカメラマン魂には感動しました。
後半には資料的な解説も付いて基本図書にふさわしい内容で
早乙女勝元さん執念のロングセラー。おすすめです。


少ないと言われている貴重な写真はこちらでも。

東京空襲を記録する会

三省堂(2004.8)
発送可能時間


今日のタイトルに使わせていただいたのは、吉村昭さんの著書です。

東京の戦争
(ちくま文庫)
吉村 昭

筑摩書房(2005.6)
発送可能時間

2008年3月 7日

件名標目の存在意義と利用法・1~件名その1

MARC MANIAX 分類/件名5回目で、これから毎金曜日4週にわたって<件名>について書いていきます。
昨年の11月に<分類>の連載がありましたが、その続きと思ってお読みください。


まず「件名標目」とは何でしょう。日本目録規則1987年版改訂3版によると「資料の主題または形式を名辞で表す件名を、目録記入の標目としたもの」であり、“ことば”で主題や形式を表現したもの、というわけです。
直接聞いたわけではないのですが、検索の道具としてそれほど使われていないという噂を聞きます。そもそもなぜ件名標目(以下件名)を与えるのでしょう。分類記号でじゅうぶんではないのでしょうか?
分類記号は、無機的な数字の羅列です。主題検索の道具としては、使う側にある程度の知識が必要になると思われます。これに対し、ことばで主題をあらわす件名は、しろうとでも直感的に手っ取り早く目的の本に達することができると考えられます。「594.3」よりは「編物」の方が親しみやすいでしょう?
また件名の場合、複数付与することで、主題をより柔軟に表現することができます。原則1つしか与えない分類記号とこの点で大きく異なります。とくにTRCでは、主題検索の充実を図るために、1冊の図書に対し最大9個まで与えられるようにしています。


 【例】
マネジメント入門―技術者・研究者もよく分かる
分類: 336   件名: 経営管理,技術者

頭のいい人がしているスピード仕事術―よくわからない仕事が丸ごと身につくサクサク片づく
分類: 336   件名: 会社実務,能率

組織の危機管理入門―リスクにどう立ち向えばいいのか
分類: 336   件名: リスクマネジメント


分類記号は同じですが、与えられた件名が違います。タイトルなどから何となく内容が違いそう、とうかがえますが、明確に主題がわかるという点でやはり件名があった方がよいでしょう。また2つめの例など、主題は実務全般ですが、とくに「スピードを上げて仕事する=能率をあげる」ことが書かれているので、「能率」も付与されています。


そして、統制語であるということ。


 【例】
さすが!と言わせるmixi徹底攻略術
分類: 547.4833<547.48>  件名: ソーシャルネットワーキングサービス

意外と知られていないSNSの謎を解く
分類: 547.4833<547.48>  件名: ソーシャルネットワーキングサービス

Web3.0への会議
分類: 547.4833<547.48>  件名: ソーシャルネットワーキングサービス


タイトルなどに含まれていなくても、件名「ソーシャルネットワーキングサービス」が付された本、として検索すれば、上のようにきちんとヒットします。これなどインターネットの検索エンジンと比べてみればその威力がよくわかるのではないでしょうか。
しかし件名の利用価値は、個別の件名ではなく、件名標目表が決めるのでしょう。参照語も含め、全体として適当なものが過不足なく配されているかが肝腎です。TRCでは、基本件名標目表(BSH)を基本に、これに国立国会図書館件名標目表(NDLSH)から適宜加え、さらに独自のものもあわせ使っています。このあたりは次回以降説明します。
ただこれでじゅうぶんとは到底言えないのが現実です。使いやすいと感じる人が一番多くなるよう、随時件名を新設する、すなわち標目表を更新する努力を続ける必要があります。一筋縄ではいきませんが、理想に近づけるようやっていく気持ちは大切だと考えています。

次回は、使い方について考えます。

2008年3月 6日

大きなものから小さなものまで

こんにちは、図書館蔵書 小松です。

今朝は暖かかったですね。
日差しも、頬にあたる風の感触も「春」という雰囲気。思わずスプリングコートで出勤してしまいました。
しばらくは暖かい日が続くようです。

昔懐かしいタイトルをつけましたが、
図書館蔵書には今こんな本が来ています。

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こちらは大きさ11cm!

豆本は装丁も中身も個性的、趣味的で見ていてうれしくなります。ただし小さいので封筒に入れたりと、管理はちょっと大変。でも、文庫本とは5cmくらいしか違わないのに、格段に「ちいさい感」があるのは何ででしょうか。

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こちらは実に大きさ73cm!!

市販の本ではありませんが、冊子の形態としては、わたくしの入社以来最大記録かもしれません。
(折りたたみの地図や、巻子の形態のものでは大きいものもしばしばあります。)

そして、机にも載りきらず、棚にも入らない(汗)。
ちなみに、折られているのは、図書館さんでも幅がありすぎるので折って保管されているようですね。


のどかなように見えますが・・・

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2008年3月 5日

きょうのデータ部☆ (3/5)

p20080305.JPG


「文化人名録(著作権台帳)」

版が古いものもあるのは、発行年の古い図書の著者名を調べるため。
19版は1985年のものでした。ちょっとボロになりかけてます。

2008年3月 4日

子どもに昭和の漫才を

本日は「週刊新刊全点案内」1560号の発行日です。
掲載件数は1616件です。

3月の表紙は、なんとも女の子らしい雰囲気。
下の3色は菱餅のイメージでしょうか。

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*こんな本がありました*

今回、「珍しいな」と目を惹かれたのはこちら。

子ども向けに編集された、昭和初期の漫才台本です。
子ども向けの落語本ならば、絵本・全集から「声に出して読みたい系」まで、笑えるもの・あまり笑えなそうなもの等色々と見かけますが、漫才、しかもここまで古いものはかなり珍しいとみました。「エンタツ・アチャコ」に「ラッキー・セブン」です!…名前しか聞いたことありません。

しかも今回の3巻は、「戦中編」ということで「防諜第一」に「春はスフ着て」…。「スフ」なんて、今どき大人だって知りまへんがな。でも、各台本に付された解説や用語説明を手がかりに、面白さに引っ張られて読み通したら、言葉の力・時代を理解する力などが一気に伸びそうですね。

関東で生まれ育ち、関西弁の方との会話が少々苦手(リアクションを常に求められるプレッシャーが…)な自分ですが、活字で読む関西弁は大好きです。気持ちがのびやかになる気がします。季節はずれのネタですが、今回の本からそんな引用をどうぞ。

「いい陽気や。灯火親しむべき秋やがな。」
「あなた、親しんでんの?」
「けったいな言い方やな。親しんでいるがな。灯火を暗くして、閑静で気が散らんでええで。…灯火閑静(管制)はまったく秋にかぎるわ。」

ん~、かなりハイレベル!

2008年3月 3日

カラーセラピーの効果

こんにちは。
データ部新刊目録の大谷です。
しばらく月曜日の雑記を担当いたします。
よろしくお願いします。

今朝の東京は、おだやかな晴れ。
ムクムクの冬用コートが恥ずかしくなるような日差しですが
朝の空気はまだまだひんやりしていました。

さて、2月7日ICタグ関連の記事で紹介した、新刊見本にはさむタグシート。入荷日によって色が決まっています。これにより、新刊目録の職場は、いっそう彩り豊かになりました。

火曜日から始まり翌週月曜日入荷分までが『週刊新刊全点案内』1冊分。(データ部用語解説★1日分を「1本目」と呼び、2本目→3本目…と進み通常は「5本じめ」となります。連休の関係で「3本じめ」もあり) 火曜日・白 → 水曜日・青 →木曜日・緑 → 金曜日・黄 → 月曜日・赤 と、日替わりでタグシートの色を替えて挟んでいきます。ここで、白の次は黒→赤→青→黄 ではないのかと思った方…はい、わかります。

実はこの配色にも意味があるのです。寒色系→暖色系で、緊急度を表しています。赤は入荷しめ日にあたるので、入荷日からMARC完成までの持ち時間がいちばん短い見本。締め切り近し!というわけです。入力・チェックの最終日は、あちらこちらにに赤のタグシート。なんとなく、いつもより約5%増の速度で仕事が進んでいるような…?(計ったことはありません)。やはり赤は闘志をかきたてるのかもしれません。


20080303

※今日月曜日のチェックはさわやかな緑色が癒してくれます(?)

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