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2017年6月 アーカイブ

2017年6月30日

四書五経のセット-和漢古書の書誌作成単位(1)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回まで、和装本を収納する容器についていろいろ書いてきました。複数冊をひとつの容器に収納するのは、もちろん多巻物のケースが多いですが、それぞれが固有のタイトルを持つセットものというケースもあります。
和漢古書においては、物理単位で1冊ごとに書誌作成するのは不適切で、タイトル単位で作成するべきということは、これまで何度か述べてきましたが、今回からはこの「和漢古書のセットもの」の書誌作成単位について述べてみたいと思います。

和漢古書は現代書と比べれば、シリーズやセットといった書誌階層構造を有する本は、割合としては圧倒的に少ないのですが、無論ないわけではありません。「○○叢書」とか「○○全集」とか言った上位シリーズを有する図書も時々出てきます(ただし、これらのタイトルのものがつねにシリーズになるというわけではありません)。
そうしたもののほかに、よく目にする和漢古書で、多くの場合最初からセットものとして刊行され、当然そのように扱ったほうがよいものが2種類あります。「大学・中庸・論語・孟子」の「四書(ししょ)」と、「易経(周易)・書経(尚書)・詩経・春秋・礼記」の「五経(ごきょう)」です。この2つは、儒教の根本的な経典であり、中国でも日本でも、学問といったらまずこれらを学習することからはじまります。
もちろん、これらの個々のタイトルが単行されていることも無いわけではないにせよ、和刻本でも、何十種類もの「四書」「五経」のセットが刊行されています。そしてふつうは、書誌記述の情報源となる見返し・奥付は、セット単位で付されており、したがってセットの途中にあたる「中庸」や「論語」などにはそうしたものはまったくないのがふつうです。

それでは「四書」「五経」をタイトルとして書誌を作成し、「論語」などは内容著作とすればよいかというと、それもどうかというところがあります。和刻本では多くの場合、題簽の書名などは「改正訓点易経」「改正訓点書経」といった具合に、巻頭の書名とは別のかたちのものになっています。そうすると、内容著作の別タイトルを1書誌の中で全部記述するのでは非常に見にくい書誌になりますし、といって無視するのはもちろんそれはそれでよくありません。
何より、これらのセットが全巻揃って出てくるとは限らず、しばしば1タイトルだけが残っていたりします。こうしたものは、当然そのタイトルで書誌を作成することになりますから、まったく同じ本でもセットで残っているかどうかで全然とらえかたが違ってくる可能性があるわけです。
冊子目録の場合はそれでもあまり問題ないですが、詳しい書誌記述がなされうるオンラインデータベースにおいては、基本的にやはり「大学・中庸・論語・孟子」「易・書・詩・春秋・礼記」のそれぞれのタイトルの単位で書誌を作成し、「四書」「五経」は上位のセットの書名とする、というのが適切な処理だろうと思います。

ただし、「四書」「五経」そのものはともかく、その解説書や注釈の場合などは、1書誌にまとめたほうがよい場合もしばしばあります。こうした場合は、「四書朱子本義匯參 大學3巻中庸6巻論語20巻孟子14巻」などという具合に記録し、NACSIS-CATのように個々の巻冊次を記録する必要がある場合は、巻冊次として「大學巻之上」「孟子巻之13-14」などと記録することになります。

こうした「四書」「五経」については、出版事項や訓点者は全巻で共通することになりますが、まったく手つかずの状態で書庫にあると、これらの本は得てしてばらばらに置かれていたりします。その際、出てきた順番にそのまま作業してしまうと、ほんらいセットものとしてまとめられるはずのものが、出版事項不明の書誌としていくつも作られてしまう、ということが起こりがちです。
ですので、和漢古書の整理をする際は、このあたりのジャンルの図書は、まずタテヨコの大きさや表紙の色、版面の具合や蔵書印などで、セットになるものがないか確認し、まとめるべきものは先にまとめた上で書誌作成にとりかかる、という段取りを踏むことを、強くお勧めします。

「四書」「五経」のほかよく目にするセットとしては、漢籍では儒教の「十三経注疏」(易・書・詩・周礼・儀礼・礼記・春秋左氏伝・春秋公羊伝・春秋穀梁伝・論語・孝経・爾雅・孟子の注釈)、兵学の「武経七書」(孫子・呉子・尉繚子・六韜・三略・司馬法・李衛公問対)、和古書のほうでは「神道五部書」(御鎮座次第記・御鎮座伝記・御鎮座本記・宝基本記・倭姫命世記)「十巻章」(菩提心論・即身成仏義・吽字義・声字実相義・弁顕密二教論・秘蔵宝鑰・般若心経秘鍵)などがあります。こうしたセットに収録されている、ここにあげたような書物については、整理する際にとにかく、もともとセットで出ていたのではないかとまず確認してみたほうがよいでしょう。

2017年6月28日

きょうのデータ部☆(6/28)

データ部の窓から外をのぞいてみました。
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雲がどんよりとしています。

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すこしでも涼しさを感じようと、デスクの上でちりめん金魚を飼い始めました。かわいいです。
ちなみに自作ではありません。

2017年6月29日

雨の日の幸せ、転じて...

こんにちは。典拠 小松です。
6月の雑記のお題「雨」も今日で最後です。

ピクニックが雨...。運動会なのに...雨。
せっかくの旅行が...。

雨は嫌われ者のイメージですが、
適切な雨量なら良いこともたくさんありますね。

・水不足が解消される
・おいしい農作物が育つ

なんて、まっとうな役割の他にも、

・本当は気乗りしなかった外出を回避
(雨だから仕方ないです)

・お気に入りの雨具が使える
(待ちに待った雨!)

・庭木に水やりしなくてよい
(自然のジョウロ!ありがとう)

・カエルを発見
(ときどきうっかり蹴飛ばします)

なんて個人的な喜びもあります。

私が特に好きなのは「雨音」と「雨上がり」です。

一番好きな雨音は、夜の雨。
布団の中でシトシト、ザーザーという音を聞いていると、
外と隔絶されたところで、安穏としていられる幸せを感じます。
卵の中にいるような感覚でしょうか。

そして、翌朝が雨が上がっていたら最高です。
雲間からこぼれる陽光。少しひんやり、しっとりとした空気。

ただし、そんなうかれた気分でいると、
雨上がりの路面は滑りやすいのでご用心。

先ほど、自転車で走っていて転倒。
いい大人なのに、膝をこっぴどく擦り剥いたところです。

イタタタ。
やっぱり、雨は嫌いかも...。

2017年6月27日

図書館は薬局だった!

本日は週刊新刊全点案内2018号の発行日です。
掲載件数は1408件でした。


*こんな本がありました*

文学効能事典 あなたの悩みに効く小説

エラ・バーサド スーザン・エルダキン(著)
フィルムアート社(2017.6)

ありとあらゆる「○○なとき」に読みたい本・読むべき本を処方してくれるこちらの一冊。
著者は読書療法士(ビブリオセラピスト)のお二人。
読書療法とはそもそも神経症などの治療に読書を使うことを指すそうですが、
この本では神経症に限らない様々な心身の不調や人生の悩みに対して適切「小説を」を処方すること、と定義しています。

「インフルエンザにかかったとき」「車酔いのとき」「歯が痛いとき」など具体的な身体の不調もあれば、
「絶望したとき」「思いっきり泣きたいとき」のように気分や感情に合わせた処方もしてくれます。


「陶磁器を壊してしまったとき」という具体的かつ限定的すぎるシチュエーションや「自分の鼻が嫌いなとき」といった慢性的な悩み(?)まで網羅。
なぜその症状に処方されたのか気になって読んでしまいそう。

個人的に目次を見ていて一番気になったのは「ネクタイに卵がついていたとき」。
一体どんな本を処方してくれるんだ...?と思ってページをめくると、ローズ・トレイメンの「道化と王」でした。
今後の人生でネクタイに卵がついていたときは、この本を読みたいと思います。

2017年6月26日

箱入り○○-和漢古書の保管容器(3)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回まで書いた帙や夾板は、基本的に多巻物など数冊をまとめて保存するのに用いますが、もちろん1冊用に帙を作る場合もあります。ある程度の厚みのある本であればとくにふつうと変わりないですが、薄い本だと、裏表紙がわの面の裏に厚紙を貼るなどして「上げ底」にするなどのくふうをします。
薄い本の場合は、帙ではなく、二つ折りの厚紙に入れておくという方法もあります。ふつうにはこれを「たとう」(漢字では「套」と書きます)と言い、二つ折りなので背はありませんが、留め具はついている場合もあります。裏表紙がわを重ねた三つ折りの厚紙を使用する場合もあり、こちらは「サック」などと称していることもあるようです。
もっとも、これらの包みでは単独で縦置きするのはむつかしいこともありますので、薄くて小型の資料では、立てることのできる二つ折りした厚い板紙の内がわに封筒を糊づけし、その封筒の上部を切って資料を入れておく、といったようなかたちで保存するやり方などもあるかと思います。

和装本の場合、帙に入れられているのがもっとも標準的な保存状態だと思いますので、「帙入」と注記するかどうかは、かならずしも必須ではないと思いますが、帙以外の夾板やたとう、箱などに入れられている場合は、「夾板入」「たとう入」「箱入」などと注記したほうがよいでしょう。
その箱ですが、巻物(巻子本)などは基本的に帙に入れるわけにはいきませんので、容器に収納するとなると、「箱」に入れることになります。「はこ」を示す漢字は、「箱」以外にも「函」「盒」「匣」「筐」「筥」などがあり、ほんらいみなすこし異なった形態のものを指しますが、まああまり厳密にこだわらずに「箱入」としてよいでしょう。特別な材質だったり漆塗りの箱だったりした場合は、「杉箱入」「漆箱入」などと記述したほうがよいかもしれません。
箱は当然横置きに置かれることになりますが、巻物のほかにも、後日触れる列帖装(大和綴じ)の本など、代々伝承されてきたような「格式の高い」本が収められていることが多いです。箱の蓋の表や裏がわなどに、書名や伝来の経緯などが記されていることも多く、それらの箱書(はこがき)は、目録記述の有力な情報源になることもあります。

そうそうお目にかかりはしませんが、何十冊にもなるセットものが収納されている大型の箱に入っている場合もあります。たいていの場合、平積みした本を重ねて入れるようにした縦長の構造で、中が2~3段に仕切られており、前部の上下にみぞが入れられて、上から嵌(は)める前蓋を嵌め外しすることができるようになっています。このような箱のことを「けんどん箱」と言い、漢字では「倹飩箱」とか「慳貪箱」とか書きます。
「けんどん」とは「レール状の構造に嵌めこむ方式」を言い、昔のお蕎麦屋さんの出前の「岡持ち」などが「けんどん箱」の代表的な例になります(ちなみに「突慳貪(つっけんどん) 」というのはこれが語源かと思いましたが、辞書的にはそういうわけでもないようです)。こうしたものは、ふつうの「箱入」ではなく「慳貪箱入」などと注記したほうがよいでしょう。

もちろん、こんな大層な容器を今さら作製することはないと思いますので、はだかの資料を何らかの容器に入れておこうとなったら、中性紙の厚紙で紙帙や紙箱を作るのがいちばんてっとりばやいですし、前述のように保存の目的もじゅうぶん達します。
なお、洋装本のブックケースのようなものは、本体を出し入れする際にどうしてもいたみやすいですし、ふつうの材質だと中に硬いものが収められていないと内がわにたわみますので、和装本を縦置きする際に使用するのはあまり適当ではないかと思います。1冊ずつ封筒に入れたりするのも、多巻物の多い和漢古書では出納に不便ですので、あまりお奨めはできません。

2017年6月23日

子ヤギとこびと

「年長さんになったらお勉強を頑張る」と宣言した息子が、春から公文に通い始めました。
公文式といえば反復学習。
算数では1から順に、家でも繰り返し読む練習をしています。
数字を読む学習が始まったとき、先生からこう言われました。

『4を「シ」と読むか、「ヨン」と読むか、おうちで決めてください。
一度決めたら「14」も「24」も同じように読んでください。
4は「ヨン」と読んで14は「ジュウシ」と読んでしまうと、お子さんが混乱しますからね。
7も同じく「シチ」と読むか「ナナ」と読むか決めてください。』

これって読みの統一だ...目録作成の仕事と日常とがつながった瞬間でした。

TRC MARCでは記述に対する読み(カタカナ表記)を付与する際、「4」は「ヨン」、「7」は「ナナ」と統一しています。
入力者によって「ナナ」だったり「シチ」だったりと揺れがあっては、検索結果に漏れが出てしまいます。
「7」は原則「ナナ」とすると決めておくことで、誰が入力しても同じ表記となり漏れなく検索することが可能となります。

さて、我が家はどちらで統一するか。
何度か息子に数字を読ませてみたところ、どうやら「ヨン」「ナナ」が読みやすいようでした。
母も頭を切り替えずに済むので良かったのですが、ひとつ困ったことが。
絵本を読み聞かせるとき、おおかみに襲われる子ヤギは「シチヒキ」と読みたくなるし、白雪姫と楽しく暮らすこびとは「シチニン」となんとなく読んでしまうのです。
『お子さんが混乱しますからね』の先生の一言を思い出し、一息おいて「ナナヒキ」「ナナニン」と読むようにしています。

読みで検索をして思うような結果が得られなかった場合は、この「統一している読み」の存在を思い出していただければ幸いです。
ひょっとしたら検索したものとは別の読み方に統一されているかもしれません。
なお、統一している読みについてはTタイプマニュアル巻末「統一カタカナ表記一覧」に掲載しております。

2017年6月22日

雨旅行

6月の雑記のテーマは「雨」です。

綿密に旅行計画を立てたにもかかわらず、当日あいにくの雨。
よくある話ですよね。
それでは、私の思い出の雨旅行をカウントダウンで書いてみます。

<第5位> 雨の恩納村リゾートホテル(沖縄県) 
海に出ることは一切できず、アクティビティクーポンを事前購入したにも関わらず一切遊べず。
...ああ、クーポン代、もったいないことしました。
外へ出ることも出来なくて、ホテルのプールで泳いだり、ゲームコーナーで時間をつぶすしかなかったです。

<第4位> 雨の野外ライブ(香川県)
「さぬき市野外音楽広場テアトロン」へ夏ライブで5年連続で行ったことがありました。
1年目~4年目は夫婦で。そのときは晴天。テアトロンの観客席からは素晴らしい瀬戸内の海の景色が広がっていました。
5年目はひとりで出かけ、大学時代の友人3人(関西出身)と現地集合。
友人の中に雨女のYさんがいるではないか。そしてやっぱり降ってきた。
しかし、バンドの演奏はシフトダウンせず、逆にヒートアップ! 盛り上がりました。

<第3位> 雨の観光牧場(千葉県)
乳牛がメインの観光牧場。メンバーになっているので、年に2、3回は出かけてます。
ここで、バーベキューを楽しみ、アイスクリームをダブルフレーバーで食べ、牧場特製のパンやスコーン、ケーキを買って帰るのがお決まり。6月は牛乳月間でもあるんですよ。
牛たちは雨が大嫌い。
彼女たちは雨の日はストレスがたまっています。
牛舎の扉は開いているのですが、絶対に外へ出ない。
入り口近くの牛舎は、ルールを守れば一般の人も出入り可能なんです。
...かまってあげたい。
大きな牛たちをなでなでー。
あかちゃん牛には指を吸わせてちゅぱちゅぱー。
ああ幸せ。  

<第2位> 雨のペルセウス座流星群観測(山梨県) 
天体観測って、薄曇りでもダメなのに。
観測ポイントに近づくにつれ、雲がもくもく、そしてとうとう雨。
天候回復をひたすら待つ...。
そして深夜1時頃、ようやく雲が途切れた、と思ったら、シュッ!
ひとすじ、あっという間。そしてまた雲が立ちこめて。
たったそれだけ。だけど閃光でした!
流星群ではなく、流星でした。
これが私の初天体観測旅行。こんどは"群"で見てみたい。

<第1位> 雨の大沼公園(北海道)
我が家では問答無用、満場一致、堂々第1位。
特急電車から降り、暴風雨の大沼公園駅で傘を広げたその時、瞬壊。
ばばばっっばりっ。キャー。きゃ~はははは。

(解説)
 ばばばっっばりっ。←傘が破壊した音
 キャー。←私の悲鳴(壊れた傘もろとも飛ばされそうになる)
 きゃ~はははは。←そして笑い声

傘はありえない変な形に折れてるし、ずぶぬれだし、これはもう笑うしかない。
でもどうしてこういうとき笑ってしまうのか。
売店で上等のカッパを買って、暴風雨の中、よろめき歩いて湖畔めぐりをしました。
安いカッパは売り切れてしまっていて"上等の"しか残っていなかった。
今でもその"上等の"カッパは我が家にあります。

2017年6月21日

きょうのデータ部☆(6/21)

データ部の業務に必須の参考資料。その一部をご紹介します。

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文字関係を調べるためのもの。奥にあるのが、今までの調査結果を管理している大事なファイル。通称「箱入り娘」です。

2017年6月20日

描いてみよう

本日は、週刊新刊全点案内2017号の発行日です。
掲載件数は1049件でした。

*こんな本がありました*

関東はとうとう梅雨入りしました。しばらくじめじめした時期が続きますが、梅雨が明けたら夏がやってきます。夏にむけて多く見る気がするのが虫の本。やはり子どもたちの夏休みの宿題の難関、自由研究関係なのでしょうか?


ゲッチョ先生の昆虫と自然の描き方教室

盛口満(絵・文)
ナツメ社(2017.7)

ただ観察するだけではなく、描く方法を紹介したこちらの本。児童書ではありませんが、生態や観察のポイントも載っているので昆虫観察日記などに役立ちそうです。


今号にはこんな本もありました。

ハエトリグモハンドブック

須黒達巳(著)
文一総合出版(2017.6)

ハエトリグモの項目をWikiで見ると、「クモ類中で最大の種数を抱え、500属5000種」もいるそうで、すごくたくさん種類がいるんだな~と感心。こちらのハンドブックには、日本のハエトリグモ約100種が載っています。つぶらな瞳が4つ並んでいて、体もふさふさしていて、よくみると意外とキュート(※個人的感想)です。

2017年6月19日

紙帙と夾板-和漢古書の保管容器(2)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回、縦置きできる帙の利点をいくつかあげました。図書館の蔵書の場合、バーコードやICラベル、あるいは請求記号ラベル(背ラベル)を貼付することが多いと思いますが、帙があればここでも大いに有効です。つねに帙単位で出納するという前提のもと、こうしたラベルの類は帙のほうに貼付すればよいわけです(バーコードなどは、布張りされていない帙裏のほうが貼りやすいかもしれません)。
和漢古書の場合、専用の用紙や糊を用いるのでないかぎり、資料本体にそうした装備をするのはやはり避けるべきでしょう。残念ながら時々目にしますが、江戸時代の本にキーパーつきのラベルが直接貼られたりしているのを見ると悲しい気分になりますし、そもそも見返しや奥付の情報上にラベルや貸出期限票がべったり貼られていたりすると、目録を作成するのにも困ります(まあ裏から透かして見えたりはするのですが)。
背ラベルやバーコードを短冊に貼付してそれを1冊ごとに挟むという方法もありますが、脱落しやすいですし、また硬い紙製の短冊だと挟んだところからいたみやすいといった欠点もあります。何より見た目どうもウルサい感じになり、帙にまとめて貼っておいた場合とは、美観にだいぶ差が生じるように思います。

ところで前回、帙は一点ものでオーダーメイドなので基本的に外注になると書きましたが、経費的にむつかしいこともあるかもしれません。そうした場合、布を貼った帙の代わりに中性紙の厚紙で簡易なものを作るという方法もあります。こうした紙帙(かみちつ)は、もちろん業者さんも、布帙(ぬのちつ)の場合よりはだいぶ安く見積もりしてくれますし、自分でも作製することもできるかもしれません。
紙帙は構造的には布帙と変わらず、見た目はさすがに「本格派」感を欠くものの、機能としても特段劣るものではありません。ただ、合わせ目をとめるのに、ふつう布帙の場合は「こはぜ」と呼ばれる爪形の留め具を使用しますが、紙帙では大型の古い封筒のようにハトメをつけて玉ひもを巻きつけてとめたり、マジックテープでとめたりしていることが多いかと思います。
「こはぜ」にしろ、ほかの留め具にしろ、そこがちぎれたり脱落したりすることはよくありますし、他の容器を傷つけたりすることもありますので、紙帙の場合は、裏表紙がわの面の中央にタテに切れ込みを入れ、裏表紙がわまで伸ばした合わせ面をそこに嵌まるように山型に切って挿し込む、というやり方もあります。こうすると、箱の場合と同じように、よけいな突起がないので、帙どうしがあたってもそこからいたむことはありません。

帙は図書の側面を全面的に覆うものですが、表紙と裏表紙の面だけに覆いをつけ、覆いどうしを紐で結ぶというやり方もあります。これは古くからある方法で、2枚の木製の板で図書をはさみ、板の端に穴をあけて紐をとおして結んだものを、日本では板帙(いたちつ)、中国では夾板(きょうばん)と呼びます。
夾板入りの図書は中国南方で出版された図書に多く見られ、高温多湿の気候の地では、湿気がこもらないので、むしろ帙よりも保存に適しているとされます。また、帙が本の厚みまで含めてオーダーメイドなのに対し、夾板の場合は、紐の長さを調節すれば厚みは自由に対応できるというメリットがあります。
ただ、紐が古くなるとちぎれやすくなるという欠点はありますし、また背がないのは、帙のように書名を記したりできないので、保存容器としてはやはりウィークポイントかもしれません。

何と言うべきか名は定まっていない―帙の一種ということにはなると思いますが―ようですが、通常の帙の材質で作成した三つ折り状の覆いで表紙・背・裏表紙を覆うようにし、覆いの背の反対がわは板帙のように紐をつけて結ぶというやり方もあります。湿気がこもらずに、かつ背題簽に書名を記すこともできるということで、実はこれが一番スグレモノなのかも、という気もしている今日この頃です。

2017年6月15日

あめこんこん

今月のテーマは「雨」

CD(音楽資料)で「雨」と言えば、
雨ゝふれふれで有名な、八代亜紀の「雨の慕情」か、
はたまた、童謡の「あめふり」か。
そういえば、「あめふりくまのこ」というのもあったな。

試しに検索してみると
「雨」の童謡も、歌謡曲も、クラシック、
ジャズ(これはレインですが)
いろいろあるようです。
やっぱり、歌(音楽)に雨は似あうのか?


ところで今年も、梅雨にはいったわりに、
晴れ間も多いような...。


そんな時は、この話を思い出します。
「ちいさいモモちゃん」から「あめこんこん」

まっ赤な傘と長靴を買ってもらったモモちゃんが
はやく使いたくって、晴れている日にお庭でうたいます

あめこんこん...
あめふりごっごするもん...

いろんな参加者やってきて、最後には... 
というようなお話でした。

はるか昔に読んだときには、ハードカバーの本しか
なかった気がしますが、今は、1話ごとの絵本もあるんですね。


ちなみには、ハードカバーは
ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ モモちゃんとアカネちゃんの本)
  松谷 みよ子 (著),菊池 貞雄 (絵)

絵本は
ちいさいモモちゃん 復刻版 3 あめこんこん 
 松谷 みよ子 (文),中谷 千代子 (絵)


このシリーズまた読みたくなりました。

2017年6月14日

きょうのデータ部☆(6/14)

17時過ぎのデータ部の本棚。

きょうのお仕事(入力)を終えた本が並んでいます。
それほど件数が多くないので、棚にも余裕がありますね。

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これらの本は明日、校正に回されます。

2017年6月16日

梅雨時の闘い~分類件名のおはなし・74~

週末の東京は30℃を超えました、室内にいても暑かったです。
パンを冷蔵庫に入れ忘れてしまい、翌日見るとなにやら緑色の斑点が...
うっかりガブリといかなくて良かったです。


先週関東は梅雨入りしました。
この季節になると、気になるのが食品の管理、そして食中毒です。
食中毒の分類は493.157になります。

毒になる生食、薬になる生食
(講談社+α新書)

藤田紘一郎(著)
講談社(2012.4)

生食といえば、少し前に「アニサキス」の文字を目にすることも多かったですね。
ちなみに、アニサキスは寄生虫病なので分類は493.16、件名は「アニサキス症」で探すことができます。


尚、食中毒の事情や予防を食品衛生の観点から書かれた本は、498.54 食品衛生の分類に収めています。

どうしてしょくちゅうどくになるの?
(やさしくわかるびょうきのえほん)

清水直樹(監修)
金の星社(2016.3)


ここ数年、お弁当用の抗菌シートが気になって使ってみたいのですが、マイ弁当箱にうまくはまるサイズが見つからず、結局購入しないまま季節が移り替わってしまっています。
抗菌シートを使うために弁当箱を買い替えるべきか、(個人的に)悩ましい季節、梅雨。
明けるのを心待ちにしています。

2017年6月13日

自由で孤高な彼ら

本日は週刊新刊全点案内2016号の発行日です。
掲載件数は1042件でした。

*こんな本がありました*

拝啓ねこ様
ねこ様に仕える会(著)(ナツメ社 2017.6)


本文中一貫して「ねこ様」という呼称が使われる、猫にまつわるエピソード集。
飼い主という名のしもべたちによる、我が家の王さま・王女さまの不可思議で自由すぎる行動に対する思いが綴られています。
監修の方による「拝啓ねこ様」に始まるあとがきの一文もくすりとしてしまいました。
外出もままならない鬱々とした梅雨の日々の家時間に、スパイスや癒しを与えてくれる、そんなねこ様たちに振り回されて私も過ごしてみたい・・。(猫好きなのですが猫を飼ったことがありません)

ところでこの本のタイトルと同じ見出しが目次に収められている本があります。

ネコへの恋文
岩合光昭(著)(日経BP社 2016.10)

こちらも写真とともに愛すべき猫たちについてのエッセイが。つねに猫と同じ目線でレンズを向ける岩合さんの写真は温かく柔らかいまなざしが見る側にもじんわり伝わってきて、本当に魅力たっぷり。大ファンです。

2017年6月12日

横置きVS縦置き-和漢古書の保管容器(1)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

昨年8月、「和装本の置き方」についての記事がありました。あの写真のような「専用棚」が作れれば実のところ一番よいのですが、といってなかなかスペースや時間・経費を確保するのもむつかしいかと思いますので、今年度はまずこれをうけて、和装本の置き方と「容器」についていくつか書いてみようと思います。

この記事にあるとおり、和装本はほんらい横にして置かれるべきものであり、だからこそ「小口書(こぐちがき)」というものが施されていることがふつうでした。現実問題として、洋装本のような「背」の無い糸綴じ本を直立させて縦置きするのは、なかなかむつかしいものがあります。
もっとも、中国と日本とでは多少情況が違っていまして、中国の古書すなわち唐本では、表紙も本文と同じ軟らかい紙(竹の繊維を原料とした「竹紙(ちくし)」が一般的)であることが多く、立てることはまず不可能です。これに対し、和本の場合は、和紙自体中国のものよりしっかりしていますし、ちゃんとした本だと、表紙・裏表紙は本文と異なった堅牢な紙を用いている場合がすくなくありません。そうした場合、表紙の内がわには反古紙などを貼りあわせて芯紙としたりしていることも多く、あまり薄い本だとむつかしいものの、縦置きしてみると案外ちゃんと立ったりします。
ちなみに、伝統中国の文人が図書を手に持つ場合、わたしたちが今日の薄手の雑誌でやるように、くるくるっと筒状にして握って持ち運ぶというのがふつうだったそうですが、固い表紙のある和本ではまず無理な話ですね。

しかしまあそうは言っても、そうした表紙のない和本も多いですし、やはり平積みにして置くのが「正しい」置き方です。しかし、本にあわせてあの写真のような「棚板」を作るのは現実的にはむつかしいと思いますので、既製品の書棚に何タイトルずつかを積み重ねて置いておくというのが、横置きされている図書館でもふつうでしょうし、それでじゅうぶんと言えます。
もっともこのやり方では、一つ問題が生じます。何かと言うと、積み重ねた一番上の本の表紙にどうしても書庫内の埃が積もってしまうことです。よくセットものの和装本で、第一冊目の表紙だけが汚く黒ずんでしまっているものを目にしますが、これはセット単位で平積みされていたことの名残りというわけですね。
このことを防ぐには、本自体を何らかの容器に入れておくか、あるいは積み重ねた本の上に半紙か何かを一枚載せておくという対処法が、単純ながら効果的です。

ただ、横置きだとどうしても縦置きの場合よりはスペースを食ってしまいますので、限りあるスペースを有効に使うことを考えると、やはりどうにかして縦置きしたいところです。そこで和装本の場合に効果を発揮する容器が「帙(ちつ)」です(ふつうのIMEに初期登録されていないのでよく誤入力されますが、「秩」ではありません)。
長澤規矩也氏の『図書学辞典』には「古書を保護する目的で、数冊をまとめてくるむもの。古くは袠と書いた。今日の帙は、ボール紙を芯として、まず紙を張り、普通は、外面に紺色の綿布を張る」と簡にして要を得た説明があり、ネットで「帙」と検索すれば、まさにこうした画像を見ることができます。もっとも、色はもちろん紺とは限りませんし、一冊だけ収めるものを作る場合もふつうにあります。
形状的には、縦置きした場合の側面をすっぽり覆う「無双帙(むそうちつ)」が標準ですが、上等なものとして立てた時の天地をも覆う「四方帙(しほうちつ)」というものもあります。いずれにしろ帙は、本それぞれの大きさや冊数分の厚みにしたがって作るオーダーメイドのものですので、やはり専門の業者さんに頼むのが一般的です。

帙の利点は縦置きして置けるので省スペースになるというだけでなく、ただ平積みして置いている場合のように埃を直接かぶることもありませんし、帙に収めれば図書本体に触れることなく持ち運んだりできるので、純粋に保存の点からも推奨されます。
また、横置きだと、先の記事にもありましたが、書名を示すのに小口に1冊ずつ書入れをしたり、下げ札を挟んだりする必要があるのに対し、帙に収納しておけば、帙の背や表紙に題簽を貼って書名を書くことができます。こうしておけば、書架上において洋装本とほとんど同様に扱うことができます。

2017年6月 8日

傘の運命

そろそろ全国的に梅雨入りですね。
今月の雑記のテーマは「雨」。
また来たか!と憂鬱になりがちなこの季節。わたしの場合、原因は自分の「傘運」のなさにあります。


中学生の頃、開くと内側に星空が広がる傘を愛用していました。しかしある雨の日の放課後のこと。傘立てを探しても、ない、ない!どこにもないのです。パッと見は地味な傘だったので、丁度いいやと思われて持っていかれてしまったのかもしれません。ああ、心の底から気に入っていたのに。水あめでも仕込んでおいて、開いた瞬間に降ってきてベッタベタになるようにしておけば良かった!などと憤慨していた過激派な14歳の自分。今になって思い返すと笑えてきます。物理的にどうやるんだ。しかしあの傘が一体どうなってしまったのやら。それだけが気がかりです。


その事件以降、ビニール傘ばかりを使うようになってしまいました。が、その方がすぐに盗まれるし、自分でも気付かぬうちに失くしてしまうし...良いことはあまりありません。コンビニ前の傘立てに置いて、買い物をして出てきたつい先日のこと。知らない人が今まさにわたしの傘を取って歩き出そうとする瞬間に出くわしてしまったのは、衝撃でした。

「それわたしのです」
「え?ああ、うん」

気まずい空気の中手渡され、戻ってきた傘。君は大事にするからね!と心に決めたその1本。自宅に何本かある似たようなビニール傘たちに紛れて、もうどれがそれかわからなくなってしまいました。ごめん。

2017年6月 7日

きょうのデータ部☆(6/7)

データ部のフロアにある、テラスに出てみました。
ラベンダーの花が咲いていて、ほのかに甘い香りがしました。
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ほんとは梅雨入りしたばかりの空を撮ろうと思ってたけど、予定変更。

2017年6月 6日

梅雨に入ったら

本日は週刊新刊全点案内2015号の発行日です。
掲載件数は1106件でした。
今月の表紙はこちら。

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青空に浮かぶ雲は、いつまでも見ていたいけれど、雨雲はちょっと・・・。
でも、気持ちのスイッチを切り替えれば、雨雲も雨も、一寸楽しくなるかもしれません!(Juriさん)

*こんな本がありました*
「漫画のすごい思想」
四方田犬彦(著)
潮出版社(2017.6)

「長編マンガの先駆者たち」
小野耕世(著)
岩波書店(2017.6)

漫画に関する図書が2冊ありました。
以前、「ブッダ」と「火の鳥」を読んで、セリフや展開を理解するため時間をかけて読みこんだ覚えがあります。
梅雨に入って家で過ごすことが増えたら、他の漫画作品も読んでみたいです。

2017年6月 5日

上手に使って便利な生活~新設件名のお知らせ2017年5月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

5月は7件の件名を新設しました。そのひとつに「モバイルアプリ」があります。以前は「スマートフォン」「ソフトウェア」という2つの件名を付与していましたが、スマホだけに限らずタブレット用のものにも使えるように、この件名を新設することにしました。

私も、毎日いろいろなアプリにお世話になっています。SNSのアプリ、料理のレシピのアプリ、スケジュール管理のアプリ、地図アプリ、バスの接近情報を見るアプリ、電車のルート検索のアプリ、ネットショッピングのアプリ、家計簿アプリ、ネットバンキングのアプリ、音楽・ラジオを聴くアプリ、動画を見るアプリ、ゲームアプリ、電子書籍のアプリ...。どれも毎日の生活に密着しすぎていて、これらなしには生活できない...なんて思ってしまう私。スマホ依存症の自覚ありです。

そういえば、某子ども向けアニメで、「秘書アプリ」というなんでも決めてくれるアプリに大人たちが頼りきりになって、何も自分たちで決められなくなる...というゾっとするようなストーリーを見ました。アプリに生活を支配はされたくはないし、スマホばかり眺めているのはどうかと思うけれど、アプリのおかげで生活がとても便利になったのも本当。上手にアプリとつき合っていければいいですね。

これからも「こんなのあったら便利って思ってた!」というアプリに出会えるかなと、ちょっとワクワクしています。

2017年6月 2日

科学道100冊~筑西市立中央図書館バージョン~

100冊の本で科学者の見方・生き方・考え方を伝える「科学道100冊」。
筑西市立中央図書館では、小さな部屋を一室まるごと使って、こんな風にステキに展示されています。


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普段は棚に埋もれてしまいがちな科学の本も、こういう企画によって生き生きと甦ってくれるのはうれしいですね。
子どもたちがこの機会に、科学に親しんでくれることを期待しています。

2017年6月 1日

雨と自転車

毎週木曜は雑記の日。
6月のテーマは「雨」です。

先月、内容/目次から新刊目録の部署へ異動してきました。異動は大掃除のチャンスです。
不要な書類をばっさと捨て、机周りを拭きまくり、会社に置いてある私物の要不要を見直しました。
膝掛け、お茶類、置き傘、タオル、カッパ...。そういえばカッパはもう使わないな。

子どもたちが通っていた保育園は、自宅から少し遠く、通勤経路から外れた駅の近く。毎日自転車で登園し、子どもをおいてから駅の駐輪場に自転車を置いていました。朝から雨とか、夕方雨とわかっていれば自転車は使わないのですが、困るのは不測の日中の雨。屋外の駐輪場なので、自転車はびしょ濡れ。帰りに雨があがっていても、ハンカチで自転車は拭ききれないので、会社には長タオルを常備。

雨が降り続けていた時のためにマイカッパも引き出しに。雨の帰り道にはいろんなバージョンがありました。
私も子ども2人もカッパを持っていれば問題ないけれど、子どもの分がない時は私の傘やカッパを与えたり。
連日の雨で会社に戻しておくのを忘れた時に100円のカッパを買ったこともあったけど、一瞬で破けたな。
時には子どもがかぶるのが、プール用のタオルや昼寝用布団カバーであったり。

中でも忘れないのは、
「お母さん、なんにも持ってないの?!これ、○○ちゃんの頭にかぶせてけば?いつでもこの辺に戻しといてくれればいいから!」
と先生が、園庭で遊ぶ時に使うであろうレジャーシートを貸してくれたこと。
下駄箱の隅に畳んであったそれを、一瞬躊躇したもののありがたくお借りしました。
ママチャリの前に乗った幼児がレジャーシートをかぶって両手でぎゅっとつかんでいる姿はちょっとおかしくて、他のお母さんに「なにそれ!」と言われたのも、今となっては懐かしい思い出です。大変だったけど、なんか面白かったなぁ。

家から近い園に転園し、自転車もあまり使わなくなり。
久しく出番のなかったカッパを見て、いろいろ思い出しました。

2017年6月 9日

皆持ってると思いがち~典拠のはなし~

前回に引き続き名前に関するお話です。
今回ご紹介するのは、「世界の人々の名前の作り」について。
とはいっても、名前なんて姓があって名があって、姓は代々受け継がれていくもので、あとは語数の多少くらいでどこでも同じような作りなんじゃないか、と思われるのではないでしょうか。かく言う私がそうでした。
侮るなかれ、世界には様々な名前の形態があるのです。

たとえば、ミャンマーの指導者アウン・サン・スー・チー。
典拠ファイルは以下のようになっています。

12000153614-0000
Aung San Suu Kyi
アウン・サン・スー・チー

名前が姓名で構成されている場合、姓と名の間に区切り記号のカンマ(,)が挟まるのですが、彼女の名前にはそれがありません。なぜなら、「アウン・サン・スー・チー」という名前は姓と名で構成されているわけでは無いからです。
前半部分の「アウン・サン」が姓のように見えますが、この部分はお父さんの名前であり、実際は彼女には姓がありません。

彼女が特別なわけではなく、ミャンマー人の大半は現在も姓をもっていないのです。
姓をもたない文化の国としては、他にインドネシアやアイスランド等が挙げられます。

前回も触れた通り、アルファベットの綴りを持つ人物で図書に原綴はあるがヨミが無い場合、姓の部分のみ推定でヨミを振るのですが、姓が無い場合はフルネームを推定することになります。
このように、典拠ファイルを作成するにあたって、名前のつくりがどうなっているかはその後の対応を左右するかなり重要度の高い情報です。
そのため、典拠班には姓名に関する資料がたくさんあります。
以下の画像はその一部です。
IMG_1977_1.JPG


今回ご紹介したのはほんの一例で、名前の世界は遠く深く広がっています。より詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ。

博物館、図書館、文書館、公民館(MLAK)東日本大震災被災救援情報
博物館、図書館、文書館、公民館(MLAK)東日本大震災被災救援情報

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