今、みなさんが普段、目にする本棚は、本の背を表に見せた縦置きではないでしょうか。
しかし、この縦置きの文化は西洋から入ってきたもので、江戸時代までの本は横にして置かれていました。もし、時代劇で本が縦に置かれていたら、つっこみをいれてもいいと思います。
江戸時代の冊子は、「小口書き(こぐちがき)」といって、現代書で「地」と呼ぶ位置に書名を書き、横積みでもすぐにどの本なのかがわかるようにしていました。そのため、この小口書きが見えるように配架するのが一般的です。
ところで、我が家には和装本(といっても、高価でも由緒正しくもない、持ち主に相応なものです)があります。これを、普通の棚にデッドスペースを作らないように入れようすると、どうしても何冊も重ねて配架することになります。同じセットのものが重なっているのは構わないのですが、異なるセットや一冊物が横積みになっていると、取り出すのが厄介です。縦置きの本棚から1冊取り出すのとは違い、上に重なった本を移動させなくてはならないのですから。
ものぐさな私は、横積みの間から本を引き抜くのが面倒で、棚板がたくさんあればいいのでは?...と、思いはじめました。しかし、既製品に都合のよいものはみつからず。ただ、棚は見つかりませんでしたが、うまい方法に気づきました。我が家にはDIYの大好きな父がいたことを!
「こんな棚、作れる?」と父に言ってみると、作れるところを示したかったようで、家族総出の作業の末、写真の棚が完成しました。
高さ180cm、幅180cmの大作が出来上がりました! こうやって、200点(500冊くらい)を一度に並べてみると、ちょっと名のある蔵書家の書庫のように見え、安かった本もお高いように思えてくるものです。
※ちなみに、それぞれ1冊目から舌のように出ている白い紙には、書名・出版事項などが書いてあります。小口書きの位置になるように、差し込むようにしています。
(AS 小野澤)