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2014年2月 アーカイブ

2014年2月28日

ジとズのはなし

こんにちは。データ部新刊目録 大谷です。

月末にお届けしている「MARCや検索のはなし」。
今回は、「ヂ」「ジ」と「ヅ」「ズ」についてのお話です。

図書館目録の標目の片かな表記について、「日本目録規則 1987年版改訂3版」の後ろのほうにある「標目付則」には、このようにあります。


標目付則 1.片かな表記法 より

1.1.3 二語の連合または同音の連呼によって生じた「ヂ」「ヅ」は「ジ」「ズ」と表記する。
     ちかぢか   チカジカ
     磯づり    イソズリ
     かなづかい  カナズカイ
     ちぢむ    チジム
     つづり方   ツズリカタ


これにしたがって、TRC MARCでも、標目の片かなは「ヂ」「ヅ」を使用せず、すべて「ジ」「ズ」で入力しています。

こんなのも、
底力   ソコジカラ
手続き  テツズキ
ものづくり  モノズクリ

人名・団体名も同様
手塚治虫    テズカ,オサム 
ブリヂストン  ブリジストン  となります。

 この規則を知っていれば「短い」はミジカイだけど「身近な」はミヂカナかな?などと迷うこともなく便利な面もありますが、図書館利用者の皆様にまでこの規則を周知するのは難しいかもしれません。「片づけ」の本をカタカナで検索したらうまく出てこないのはなぜかしら...。

そこで、先月お話しした「正規化」。検索システムの働きで「ヂ」と「ジ」、「ヅ」と「ズ」はそれぞれ同じものと判断して探すよう設定しておけば安心です。「村上ラオ」のようなタイトルがあったとしても「ムラカミラオ」「ムラカミラオ」どちらでもOKとなります。


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※雪も残ってまだまだ寒かった先週のこと、自宅のクロッカスが突然つぼみを出し、元気に花を咲かせました。

2014年2月27日

手編みのセーター~あたたかくすごす工夫~

先週に続いて「あたたかくすごす工夫」の第二弾です。
ようやっと気温が上がってきましたが、週末からまた寒くなる模様。
今日はいちばん身近な防寒ウエア、セーターに注目してみます。
それも手編み...。

私が子供の頃(昭和です)は、手編みのセーターは身近なものでした。私も母や伯母にセーターを編んでもらったものです。
しかし、それから数十年。
なんでも安く買える現代日本で、手編みのセーターを作る人っているのでしょうか?

図書館にゆかりの方々ならおわかりでしょうけれど、意外に多いのですよね、手編み派の方たち。
「編物」と件名のつく本は、毎年200冊ほど刊行されており、そのほとんどが一般向けの実用書です。

買ったほうが安い速いとわかっていても手編みする。その魅力って何でしょう?

実は私も毎年、マフラーを編んでいた時期がありました。
色がグラデーションになっていたり、太さが一定していなくてデコボコだったり、異素材が混ざっていたりという、ただ真っ直ぐ編んでもカッコよくなる毛糸を選んで、ひたすら無心に編み棒を動かしたものです。

1本の糸がマフラーというカタチ、使えるモノになってゆくのが面白い。
無心になれること、自分で着るものが作れたという達成感。
世界に1個のオリジナル。
そう、手編みにはこんな魅力があったのです。

一度だけセーターにチャレンジして作り上げたのですが、着用して出かけられる出来栄えではなく...。そこで、ほどいてやり直しすれば、編物達人の道へ進めてたかもしれません。

その一度だけのチャレンジのときに役に立った本を紹介します。
ふつうのセーターの編み方本を見てもわからなかったことが、この本でわかりました。

「男の編み物(ニツト)、橋本治の手トリ足トリ」

なんと、あの「桃尻娘」「窯変源氏物語」「双調平家物語」「ひらがな日本美術史」などの著者、橋本治さんの本!

マルチタレントの橋本さんは、編み物名人でもあったのです。
この本では、最初の目の作り方から、基本の編み方、一枚のセーターを編み上げる過程、自分にあった型紙の取り方、編み込み模様のデザインの方法まで、丁寧に書かれていました。
そう、型紙、デザインも自分でできるようにという本なのです。

何せ、30cmと大きい本なので図解もバッチリ(その図も橋本さんが描かれていたはず)。
橋本さん作のセーターは、ジュリー(当時のアイドル沢田研二さん)や、歌川国芳の浮世絵をデザインしたもの。とってもカッコよく、印象深く、今でも覚えています。

河出書房新社から1983 年初版、1989年新装版が刊行されました。
今、入手するのは難しいと思いますが、もし図書館に蔵書されてあれば一見の価値ありです。

手編みで冬を温かく楽しく...、またチャレンジしてみようかなあ...。

2014年2月26日

国籍か言語か?~分類/件名のおはなし・49~

あっという間に終わってしまったソチオリンピック。
きっと、東京オリンピックも始まるまでが華なのでしょう...。

もうずいぶんと前のことのようですが、ソチオリンピックの開会式で、キリル文字の頭文字を使ってロシアを紹介するシーンがありましたね。
そこに「ナボコフ」の名前を見て、ちょっと「おっ」と思いました。
「ロリータ」はロシア文学ではなかったと思うけど、ロシアの作家だったの?

調べてみると、ナボコフはロシアで生まれてアメリカに帰化しているんですね。
なので、ロシアの作家といっていいのか微妙ですが...。
「ロリータ」は英語で書かれているので、分類は933.7(英語の近代小説)でした。

ナボコフは帰化してアメリカ人になりましたが、国籍と分類が異なることは結構あることです。


NDC新訂9版の「900」の下にはこうあります。

「*文学作品は,原作の言語によって分類する」


つまり、作家の国籍ではなく、その作品が何語で書かれているかで分類しているのですね。

たとえば、作家の楊逸は中国籍ですが、日本語で書いた「時が滲む朝」という作品で芥川賞を受賞しました。
この場合、分類は913.6(日本語の近代小説)となります。
他にも、エッセイストで有名なアーサー・ビナードは日本語で書いているので、彼が書いたエッセイは914.6(日本語の近代随筆)になります。

日本ではあまりありませんが、外国ではナボコフのように、母国語と英語と両方で著作を出版している作家などもいるので、国籍と活動場所が違う作家の分類を探すときには、どこの国の人かというイメージに惑わされないようにしてくださいね。

2014年2月25日

世界の旅とごはん

きょうは「週刊新刊全点案内」1854号の発行日です。
掲載件数は1428件でした。

ソチオリンピックが終わってしまいました。
選手の素晴らしい活躍、セレモニーなどを目にし、興味をひかれた国や地域もあったことと思います。
そんな国々を、ゆっくり旅するなんていいですよね。


*こんな本がありました*

旅を楽しむ!トリビア大百科
ナイジェル・ホームズ(著)
日経ナショナルジオグラフィック社

砂漠で道に迷った時の対処法、栓抜き以外でビールの栓を抜く方法、ブリトーの巻き方、時差ボケ対策、世界のコンセント一覧などなど、サバイバル術から異国でのエチケット、応急処置まで、どこかで役立つトラベル情報を紹介。「気管切開の知識」「バッキンガム宮殿に招待された時」「宇宙人へのあいさつの仕方」(!)なんて情報も載ってます。
これらが役立つ旅行って凄い...。


旅といえば、楽しみなのがやっぱり食事。
死ぬまでに絶対行きたい世界一周食の旅
西川 治(写真・文)
PHP研究所
世界の朝食から各国の名物料理まで、一度は食べたいひと皿を紹介。いま日本で流行りのエッグベネディクトもアメリカでの朝食として紹介されてました。

世界のお弁当 
服部直美(著)
河出書房新社
(情報センター出版局 2008年刊の加筆・訂正)

お弁当のような小さいものからでも、各国の社会文化の違いがばっちり見えてくるものです。

2014年2月24日

今まど子先生講演会 Part2

こんにちは、
典拠の田辺です。

今日は先週金曜日に引き続き、中央大学名誉教授の今まど子先生の講演会報告、Part2をお届けします。

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◆イリノイ大での経験
1958~1960年にイリノイ大に留学。
イリノイ大には当時で500万冊もの蔵書があり
辞書体目録が完備。
(アメリカでは1901年にはもう印刷カードがあったので図書館は当然印刷カード。)
JLSの宿題など子どものようなもので
これまた大量の宿題をこなす毎日が続き、
8時間寝られた日は2年間で10日もないほど。
ただし蔵書はあるし調べるツールも完備しているので
宿題は苦ではなかった。
寝る間も惜しんで学び、
帰国して職場の椅子に座った時、
パーっと「自分のやるべきこと」がわかった。

◆シェルフリストカード
シェルフリストカードとは、
図書が書架に排列されている通りに並んでいる分類順の目録カード。
いまでこそ図書館の本は分類順に並んでいるが、
戦前は書架の図書は大きさで排列されていた。
上2段が小さい図書(文庫など)、
真ん中4段が20cmくらいの普通サイズの図書で
最下段は30cmくらいの大型図書。
その中の排列は受け入れ順で、
経済の本の隣にウサギの本が並んでいたりした。
当時は一般的に閉架式だったので
これでも問題なかったが、
開架式では図書が主題別に配架されていなければ
目的の図書が探せない。

◆図書館サービス
戦前には図書館サービスというものはなかった。
学校の科目でも
当時の文部省ではカタカナの科目名は認められていなかったので
図書館サービスは図書館奉仕、
レファレンスサービスは参考奉仕
と訳していた。
アメリカではデューイが1876年に十進分類法を発表し段々に広まっていった。
日本では1933年にもりきよしが日本十進分類法(NDC)を発表し、
開架が主流となり、
レファレンスサービスが導入されていった。

****
今先生の
「図書館は図書があるだけでは図書館ではない。
情報が提供できて初めて図書館です。」
が本当に印象的でした。
もっと詳しくお知りになりたい方は
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現代日本の図書館構想 戦後改革とその展開

今まど子(編著) 高山正也(編著) 小出いずみ(ほか著)
勉誠出版(2013.7)

をぜひお読みになってください。

2014年2月21日

今まど子先生講演会 Part1

こんにちは、
典拠の田辺です。
2/6(木)、中央大学名誉教授の今まど子先生をお迎えして、
データ部向けに講演会を行っていただきました。
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今まど子先生は
1954年慶應義塾大学3年生の時に
日本図書館学校第4期生として入学、
大学卒業後は国際文化会館図書室に勤務され、
その後イリノイ大に留学されました。
帰国後は東大図書館、慶應義塾大図書館などに勤務の後、
獨協大学教授。
11年勤務された後中央大学に移られ、
図書館学を担当されました。
2002年に退職、
現在は中央大学名誉教授でいらっしゃいます。

先生は「現代日本の図書館構想」(2013年勉誠出版刊行)を編集されましたが、
TRCの社員も執筆者に加わっていて先生とご縁ができました。
今回はそのつてで講演会が実現しました。
(本当のところはTRCを見学してみたいという先生のご希望にちゃっかり乗ってしまい、
ぜひ後輩にエールを!!ということでお話をしていただくことに。
会社見学は別の日においでいただいています。)
本当に寒い日だったのですが、
データ部社員に先生の貴重な御経験を直にお話していただきました。
以下簡単にその概略をお伝えします。

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◆日本図書館学校設立の経緯
1945年11月(敗戦後3カ月)で
GHQの民間情報教育局(Civil Information and Education Section,CIE)が内幸町にCIE図書館(CIEインフォメーションセンター)を作ったところ、
日本人の利用が少なくなかったため、
東京以外の地方にも図書館を作ることに。
CIE図書館で、日本人の司書を採用しようとしたが
日本には司書養成の機関がなかったため(全くなかったわけではない)、
慶應大学に司書養成のための学校(日本図書館学校。略称:JLS)を設置することに。
(先生はその第4期生ですが、高校生のときにJLSができると聞いて、
「これだ、私のやることは」と閃いて
慶應大学を受験、そして入学されました。
図書館がどういうものかもよくわからずに閃いたそうです。)

◆日本図書館学校での勉強
とにかく宿題が多い。
何が困ったと言って、
慶應大学の図書館は閉架式。
1回1冊ずつ書名を書いて閉架書庫から出してもらうのだが、
「ひなまつり」を調べるのに
百科事典の「ひ」の巻を出してもらって該当箇所をみると
「ひなまつりは「上巳」(じょうし)を見よ」となっている。
そうなると今度は百科事典の「し」の巻を出してもらわなくてはならない。
そんなにすぐには次の図書を出してもらえなかったので
ひなまつりを調べるのに結局は一日がかり。
そのため慶應大学にあった開架式の日本図書館学校用の図書室でもっぱら調べものをした。

◆カード目録
当時の日本の図書館のカード目録は、
和書は書名目録、洋書は著者名目録。
そうなると、「川端康成」の著作を探すといっても、
書名がわからないと探せない。
逆に洋書は著者がわかっていてもタイトルしか知らないと探せないような状況。
ところが日本図書館学校用の図書室はすごい。
著者名、書名、件名目録の辞書体目録で、
この3つのいずれかでもわかれば探すことができた。
その後日本の目録規則も変更になり著者名目録となったが、
それは本名を標目とするものだったので、
今度はその人物の本名を調べなくてはならず人名辞典とくびっぴき。
本名から一般に知られている名前に
「をみよ参照」または「をもみよ参照」を作ることに。
その後再度目録規則が改訂されて
一般に知られている名前で記入を作ってよいことになった。

Part2につづきます。来週月曜日に掲載します)

2014年2月20日

まだまだ寒いこの時期に~あたたかくすごす工夫~

2月の木曜日のテーマは「あたたかくすごす工夫・寒さ対策」です。
先週、先々週と記録的な大雪が降ったこの時期にぴったりのお題ですが、私は今まで「あたたかくすごす工夫」をしたことがありませんでした...。
そこで今回はこれからチャレンジしてみたい「あたたかくすごす工夫」を、ヒントになりそうな本とともにご紹介します。


からだの外側から温めるのに役立ちそうなのはこちら

『せんねん灸お灸ルーム』の自分でできるはじめてのお灸

せんねん灸お灸ルーム(監修)せんねん灸お灸ルーム(監修)阪口珠未(薬膳料理)
主婦の友社(2013.10)

自分でやるにはハードルが高いお灸ですが、初心者でもできそうです。


長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい
(健康プレミアムシリーズ)

槙孝子(著)鬼木豊(監修)
アスコム(2013.7)

TV番組で紹介されブームとなった健康法。体も温かくなるようです。


からだの内側から温めるのなら、やはり食べ物。
からだを温める効果の高い「しょうが」の本はたくさん出ていて、実はずっと気になっていました。

S&B本生生しょうがHOTレシピ
(ミニCookシリーズ)

エスビー食品株式会社(監修)
ワニブックス(2013.12)

生のしょうがが無い場合でもお手軽にできます。


大注目!!しょうが氷&しょうがレシピ
(DIA Collection)

Canaco(レシピ考案)
ダイアプレス(2013.12)

たまねぎ氷が話題になりましたが、しょうが氷というのもあるのですね。


生姜だけで病気を治す
(健康人新書)

石原結實(著)
廣済堂出版(2014.3)

しょうがといえば石原結實先生。最新の本がこちらです。


今週末にでもさっそく、ふくらはぎをもみながらしょうが料理を食べたいと思います。

2014年2月19日

きょうのデータ部☆(2/19)

今日は水曜日=入力しめ日です。
棚から今週チェック分の図書がだんだんと減り、「次号チェック分」のメモ付き棚が登場。
明日も滞りなく作業すべく、今はカラのこの棚も夕方には満杯になります。
まずは今週チェック分(下に見える詰まっている棚の部分です)を終わらせなくては!
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2014年2月17日

あたたかな空気

こんにちは 図書館蔵書 渡辺です
今、図書館蔵書には沖縄県の図書館の蔵書が入荷中。
地元の出版者の絵本が中心です。


オバーとマーガ

たいら みちこ(作・紅型染絵)
紅型染工房ぶながやみち(2007.6)

オバーはおばあちゃん、マーガは孫のこと。
絵に沖縄の伝統的工芸・紅型染絵が使われており
平和への思いが込められた絵本です。


エイサー
(ふるさと絵本特選集)

宮良 貴子(絵)
沖縄時事出版(20--)

あの独特な太鼓のリズムを聞くと
沖縄の青い空と海が思い浮かびます。
いつか本物のエイサーを見てみたい。


沖縄の生きものたち 改訂版

沖縄生物教育研究会(編)
沖縄生物教育研究会(2012.9)

沖縄で日常よく目にする身近な生きものを紹介しています。
マングローブの植物、サンゴ礁海岸の魚など眺めるだけで南国気分。

東京は2週連続で大雪となり、まだまだ寒い日が続いています。
そんな時、こういった本たちが机にのっているだけで
なんとなく周りの空気までが暖かくなるような気がするから不思議です。

2014年2月18日

囲碁・将棋

きょうは「週刊新刊全点案内」1853号の発行日です。
掲載件数は950件でした。


*こんな本がありました*


新刊書籍のMARCを作成していると、世の中の流行り廃りがよく分かります。同じ分野やテーマの本が、一時に何冊も出版されたかと思うと、その後ぱったりと目にしなくなるということも多いものです。

そんな中、常に一定量の本が出ていると感じる分野のひとつが、囲碁・将棋。棋譜や定石の解説本などがコンスタントに出版されていて、ファン層の厚さが感じられます。

水面下での熾烈な読み合い...、一局に魂を込める勝負師たち... そんな囲碁や将棋の世界に憧れはあっても、棋譜を読んで理解できるほどの知識はないわたしですが、こんな本なら楽しめそうです↓


将棋エッセイコレクション
(ちくま文庫)

後藤元気(著)
筑摩書房(2014.2)


収録作品一覧を見ると、「愛棋家・菊池寛」倉島竹二郎著、「「強さ」について」山崎隆之著、「塚田名人のポカ」内藤國雄著、「妻から見た棋士」信濃桂著、「二歩の罪」青野照市著などなど、気になるタイトルがずらり。ついでにルールから学べる入門書も読んでみたくなってきました。

2014年2月13日

スノーボードと編み物

こんにちは、典拠木内です。
ソチ・オリンピック、毎日白熱していますね。昨夜は女子カーリング予選のロシア対日本にくぎづけでした。
日本人のメダル獲得、入賞もうれしいニュースです。中でも印象的だったのは、スノーボード・ハーフパイプ銅メダルの平岡卓選手「全然緊張しなかった、楽しかった」の大物感あるコメントでした。

スノーボードといえば、今大会から採用された新種目「スロープスタイル」。角野友基選手の活躍で、はじめてこの競技を知りました。
平均台のような細長いレールを渡り、ジャンプ台を使って空中で大技をくりだし、斜面を滑降。ものすごい高さ、ものすごい速さ、ものすごい技に興奮。スキーすらしたことない自分には絶対無理...おぅふ!...叫びとも驚きともつかない声をあげながらの観戦となりました。
選手たちにはどんな風景が見えているのでしょう。
決勝では、フィンランドの選手のとなりで編み物をしている人も話題に。なぜ、編み物?気になります。


TOOLiで件名に「スキー-写真集」または「スノーボード-写真集」を入力して、こんな本をみつけました。

Fall Line PHOTO BOOK」
双葉社(2010.12)

era My life in snowboarding」

dice‐k maru(著)
トランスワールドジャパン(2002.10)

2014年2月12日

道ひとすじ

きょうは「週刊新刊全点案内」1852号の発行日です。
掲載件数は1,270件でした。

*こんな本がありました*

この仕事をしていると、ひとつの道に邁進してきた人が、今までに得たものを一冊に込めた本を手にとることがあります。それが自分の全く知らない世界だったりすると、とても気になります。


今回気になったのは、950ページの大作。

日本鉄スクラップ史集成 古代から現在までの金属リサイクル総覧

冨高幸雄(著)
日刊市况通信社(2013.11)

業界紙記者として鉄スクラップ業界に親しみ40年以上、の方の集大成だそうです。金属リサイクル通史のほか、詩歌・小説にみる鉄スクラップ、戦後鉄屑統制史、鉄スクラップと商社活動などの個別史、日本の主要鉄鋼会社の沿革など。金属リサイクルに関わるあらゆるものを盛り込んでいるようです。


下水道の考えるヒント 2

中里卓治(著)
環境新聞社(2014.1)

こちらの著者は下水道業界40年とのこと。下水道技術者は東日本大震災から何を学ばねばならないか、など業界と技術について深く考えた内容のようです。序文が感動的でした。



大野龍太郎の魚拓美

大野龍太郎(著)
成山堂書店(2014.2)


知らない世界といえば、こちらの著者は「カラー魚拓界のパイオニア」だそうです。生臭さなど感じない、お部屋に飾りたいアートです。魚の形の美しさをじっくりと鑑賞したいものです。

これからも、道ひとすじ、濃くて深い本がたくさん出版されますように!

2014年2月14日

赤ちゃんの名前ランキング ~典拠のはなし~

こんにちは、典拠 小松です。

今日の東京は雪が降っています。今日明日と足元に注意が必要そう。
北国の方からすれば大した降雪ではないと思いますが、
雪に(交通機関を含めて)不慣れな首都圏ではいろいろと不測の事態が起こります。
皆さまどうぞお気をつけてお過ごしください。

さて、表題にある赤ちゃんの名前です。
典拠作業に従事するようになって、
今までより知り合いの子どもの名前が気になるようになってきました。

赤ちゃんに名前をつけるのは、親としてはじめての仕事になることが多いのではないでしょうか。
イメージ、画数、身内の名前...、あれこれ悩む中で、
他の人はどんな名前をつけているの?という興味がでてきます。

そんなご両親の知りたい気持ちに答えるのが、毎年年末に明治安田生命が発表している

赤ちゃんの名前ランキング

という有名かつユニークなコンテンツ。
赤ちゃんの親ならずとも、最近多くつけられている名前にへぇ~と感心すること請け合いです。

ちなみに2013年の

男の子のベスト3が
1位 悠真 2位 陽翔 3位 蓮

女の子のベスト3が
1位 結菜 2位 葵 3位 結衣

うーん、凝ってますね。
クラスメートや友達にいたことのない名前です。

しかし、ランキングにあるのは最近の名前ばかりではありません。
HPには会社の長い歴史を生かして(明治生命が明治14年、安田生命が明治13年に開業)なんと大正元年からの赤ちゃんの名前ランキングが載っています。

大正年間(1912~1926)は15年のうち9年「清」がトップ。
「正三」「三郎」などと子どもの多さを思わせる名前もランクインしています。
ときどき「太郎」でも「一郎」でもなく「三郎」がトップになっているのは、子どもが多くなってきてから生命保険の必要性を感じる人が多かったのかもしれません。

昭和ひとけた、としばらくは(1927~1937)はやはり人気の「清」に加えて
「茂」「勇」「明」「弘」がトップになる年がでてきます。

太平洋戦争直前、戦中(1938~1945)はバラエティが出てきた戦前とうってかわって
「勝」「勇」がトップを争っています。「勝利」という名前もランクイン。

戦後から1970年代(1946~1980)までは
「稔」「博」「茂」「隆」「誠」「健一」
戦後の経済成長を感じさせる着実な名前が多くなります。

異変(?)が生じたのは昭和54年から61年まで「大輔」が8年続いたあと、
「翔太」「大輝」「大翔」などのスケールの大きい名前が激増しています。

部ログ開始以来、ちょくちょく扱っていますが、
TRC MARCに多い同姓同名は2014年2月現在

田中実(タナカ ミノル)33人
鈴木博(スズキ ヒロシ)31人
小林茂(コバヤシ シゲル)26人
鈴木実(スズキ ミノル)23人

TRC MARCとしては明治以降の図書を扱っていますが、出版点数も登録点数も戦後しばらくしてからが多いので、
戦後の名前の流行を如実に反映しているようです。

ちなみに「翔太」という名前はすでに典拠ファイルで29件、
今後さらなる活躍が期待されますね。

男の子で長々書きましたが、女の子のランキングで興味があったのは、いつから
「~子」「~美」ではない名前がメジャーになったのかというところ。

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2014年2月10日

「きょうのデータ部」番外編~今先生の講演会


図書館学の権威、今まど子先生(中央大学名誉教授)の社内講演会が先週木曜日に本社で開催され、データ部メンバーも出席しました。
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講演内容などは、後日ブログであらためてご紹介する予定です。

お楽しみに!

2014年2月 7日

データ部ログダイジェストの目次

旧年12月から1月まで、
またまたデータぶー子のセレクトでお送りしました
データ部ログダイジェスト第2弾いかがでしたか?

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今回は、お客さまからのお問い合わせがあるもの、他部署から「これをぜひ扱って!」と要望のあったものを重点的にご紹介しましたよ。

では、今までのダイジェストの目次をババ~ンとつけちゃいますね。

第1弾
第1回 はじめましてと目次
第2回 データ部紹介・前半
第3回 データ部紹介・後半
第4回 MARCってなんだろう
第5回 じゃあ、TRC MARCって?
第6回 MARCができるまで 1 見本が到着、その日のうちに!
第7回 MARCができるまで 2 目録作成は手早く!
第8回 MARCができるまで 3 典拠や内容紹介もセット!
第9回 MARCができるまで 4 チェックは丁寧に!
第10回 MARCができるまで 5 校正は何重にも!
第11回 完成したMARCはこちら
第12回 MARCのおもな項目
第13回 カナ読みのルールその1
第14回 カナ読みのルールその2
第15回 背ラベルの文字のこと
第16回 分類について その1
第17回 分類について その2
第18回 件名について
第19回 内容紹介について
第20回 学習件名について
第21回 人名典拠ファイルとは
第22回 典拠 同名異人
第23回 典拠 異名同人
第24回 典拠 直接参照
第25回 典拠 相互参照
第26回 「典拠ファイル」の中身
第27回 典拠 西洋人と東洋人
第28回 典拠ファイルができるまで
第29回 ダイジェストひとまず終了

第2弾
第1回 読みについて 1 統一読みの話
第2回 読みについて 2 普通ならこうは読まないタイトルヨミについて
第3回 分かち書きについて 1 分かち書きの話
第4回 分かち書きについて 2 分かちで検索
第5回 装丁について 1 装丁いろいろ
第6回 装丁について 2 天アンカット
第7回 図書記号について 背ラベルの文字のこと・被伝者
第8回 データ部ログダイジェストの目次(この記事です)

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ぶー子は泣きません。
きっとまたすぐに会えるもん...。

2014年2月 6日

思い出の名演技

明日からソチ・オリンピックがはじまりますね。

開会式のリハーサルのニュースを見ましたが、
冬季オリンピックの開会式は、雪を使った演出があったり
夏とはまたちがう幻想的な印象があります。
ソチの街中はかなり暖かいそうですが、
どんな演出があるんでしょうか。たのしみですね。

先日社内で冬季で思い出に残っているのは?という話をしたところ、
長野オリンピックのスキージャンプ団体をあげる人が多かったです。
吹雪のなかの大ジャンプと原田選手の涙は印象的でしたものね。

私が個人的に鮮烈に覚えているのは、
アルベールビル・オリンピックのアイスダンスの金メダリスト、
クリモワ&ポノマレンコ組の演技です。
G線上のアリアにのって演じられたプログラムは
なめらかで、美しくてドラマティックで...
あまりにも美しかったので、見おわって茫然としてしまいました。
(たしか実況解説も演技中はほとんど無言だったような)

さっき、アルベールビルって何年前だっけ?と調べて
20年以上もたっていることに別の意味で茫然としましたが...
「冬季オリンピック」というと今でもあの演技が一番に思い浮かびます。


氷上の舞  煌めくアイスダンサーたち

田村明子(著)
新書館(2012.5)

2014年2月 5日

きょうのデータ部☆(2/5)

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昨日の雪すごかったですね。
しかし今朝、裏の公園には少しの雪しかありませんでした。
今日も寒いですがおひさまパワーは強力です。

2014年2月 4日

こまめにチャレンジ

きょうは「週刊新刊全点案内」1851号の発行日です。
掲載件数は1,288件でした。
2月の表紙はこちら。
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*こんな本がありました*

昨日は節分でした。暖かく過ごしやすい一日でしたが、
今日は立春なのにうってかわって
雪も降るほどに冷え込み冬に戻ったような天気ですね。
豆まきをして年の数+1粒の豆も食べ(なかなかの数...)、
いわしも柊でぶら下げはしていませんがおいしくいただきました。
さて私のような食いしんぼさん向けに
まめ繋がりでこんな本はいかがでしょうか。

豆腐・豆乳使いきり!
KADOKAWA

豆腐の原料の大豆は畑の肉ともいいますし高タンパクでヘルシーなので
応用がききますね。
さらにこちら。

シラサカアサコ+お麩研究部のお麩ごはん。お麩おやつ。
シラサカアサコ(著)
主婦の友社

お麩はあまり活用したことがなかったので気になりました。
この手の本はひとつの素材で何でも作れるのだなと心躍ります。
レパートリーが広がりそうです。
麩ィナンシェがおいしそう...。

2014年2月 3日

話題の3Dプリンタ~新設件名のお知らせ2014年1月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。


1月は11件の件名を新設しました。
今回注目の件名は、製造業に革命を起こすといわれている「3Dプリンタ」です。

3Dプリンタとは、一言でいうと「3Dデータをもとに立体物を作る装置」のこと。TRCでは長音無しの「3Dプリンタ」を件名標目としています。


「3Dプリンター革命」「3Dプリンターで世界はどう変わるのか」「3Dプリンター導入&制作完全活用ガイド」などなど、昨年から3Dプリンタの本がちらほらと刊行されるようになっており、個人的にかなり気になっていました。

なにやらスゴイ機械らしいのですが、本を読むだけではどうもイメージがわきません。


ということで、件名を新設した記念に、某電器屋さんで開催されていた「3Dプリンター体感セミナー」に参加してきました。
私がデモを見せてもらったのはこちら。一般ユーザー向けのパーソナル3Dプリンタです。

p20140203-1.JPG
(この写真は3Dプリント中です。実際はプリント開始前にはトレイの上には何もありません)


見た目からして普通のプリンタとはまったく違いますね。
この3Dプリンタに素材となる樹脂をセットし、3D CADのデータを読み込ませれば準備完了。

しばらく起動音がした後、「ウィーーン」とプリンタのヘッドが水平に細かく動きはじめました。製作中の様子はこんな感じです。

p20140203-2.JPG

ヘッドの先のノズルから細い糸状の樹脂がニョロニョロ~っと出てきて、それを幾層にも重ねていくことで立体物が作られていきます。
ちなみに素材の樹脂は、プリンタにセットする段階ではワイヤ状で、プリンタの中で溶かして液状にするしくみです。そのため、動作中はヘッド部分が高温になります。


そして15分後。完成したのがこちら!

p20140203-3.JPG

3Dプリンタで作ったのでなければ特にいらない感じですが(笑)、せっかくなのでもらって帰ってきました。


現在、すでに3Dプリンタを使った様々なサービスが始まっていて、子どもの描いた絵を立体化する、義足を作るといったものから、子宮内の胎児を3Dプリントするなんてものまであるそう。

慶應義塾大学SFCの図書館には、昨年から自由に使える3Dプリンタが設置されているそうですし、アメリカやカナダでは3Dプリンタを置いている公共図書館もあるとのこと。


大きな可能性を秘めている3Dプリンタ、今後の動向に注目です。

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