こんにちは。
前回に続いて、データぶー子がお送りする本日のお題は「分類記号」です。
分類についての特別な知識がなくても、図書館をよく利用する人であれば、 "2"の棚には歴史や地理の本があって、"9"の棚には文学があって...ということをご存知だと思います。
この数字こそは分類記号の1桁目(第1次区分:類と呼びます)、一番大きな分類のくくりです。
こちら↓が1桁目の一覧表(類目表と呼びます)。図書館の壁によく貼ってありますね。
★分類記号のしくみ
分類記号には0~9までの数字が使用され、桁が下がるごとに主題(テーマ)が細分されていきます。一つの桁(区分)が常に10以内に細分されるので、十進分類法と呼ばれます。
どの桁においても基本的には主題を1~9に区分し、1~9に当てはまらないもの(1~9を包括するものなど)に0を割り当てます。
分類記号は3桁以上からなり、桁数をわかりやすくするために3桁目と4桁目の間に小数点(ポイント)を打った形で表示するのが決まりです。
3桁目(第3次区分)までの分類はこちらのサイトなどで見られますよ→■
4桁以上ある長い分類。たとえば6桁目まで展開する分類はこんなかんじ
→548.232 半導体記憶装置の分類 ICカード技術についての本などがここに分類されます。
★あの暗号を解読せよ
多くの分類ビギナーが最初に覚える分類。それはたぶん913.6 (キュウイチサンテンロクと読みます)という日本近代小説の分類でしょう。
この数字を分解してみます。
1桁目(類)の"9"は"文学"、
2桁目の"1"は"日本語で書かれた"、
3桁目の"3"は"小説・物語"、
4桁目の"6"は"近代"を意味していて、
全体で"文学-日本語-小説-近代" すなわち "日本近代小説"を表します。
この中で2桁目の"1"は、9類以外の分野でも地理的な意味を表す場合には共通して"日本"を意味します(注:分野によって別の意味でも使用されます)。
3桁目の"3"は、9類の中では共通して"小説・物語"の意味で使用されます。
4桁目の"6"は、日本の歴史を表す分類では共通して"近代"を意味します。
いかがでしょうか。全部を暗記しなくても良いとなれば、少しは気が楽になりませんか?
つづいて「別置記号」のおはなし。
別置記号は「べっちきごう」と読みます。
NDCの定義によりますと
図書は分類記号の順序に,一元的に配架するのが原則であるが,管理運営上,さまざまな理由から同一系列に配架しがたい場合を生じ,別置することがある。
とあります。
実際の図書館では、児童書、郷土資料、参考図書、文庫などが別コーナーになっているのをよく見かけます。
ここでは、TRCで付与している別置記号を紹介します。
A(Annai)...<旅行案内書>旅行ガイドブック,地図
R(Reference)...<参考図書>事典、年鑑など調べるための図書
K(Kodomo)...<児童図書>
B(Bunko)...<文庫>
T(Tenrankai)...<展覧会パンフレット>図録など
M(Music)...<楽譜>
個人向けという理由で『週刊新刊全点案内』に掲載していない図書には、以下のような別置記号もつけています。
G(Gakusyusankosyo)...<学習参考書・問題集>
H(Hard porno)...<ポルノ>
Q(Quarterly)...<雑誌>
S(Sikakusiken)...<資格試験参考書・問題集>
別置記号は原則一文字だけを使用しますが、KR(児童書・参考図書)とBH(文庫・ポルノ)は重ねて使用しています。
以上、駆け足で分類について説明してみました。
次回は件名のおはなしです。