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2016年5月 アーカイブ

2016年5月31日

イソギンチャクの腹痛

もう5月も終わりですね。
本日は「週刊新刊全点案内」1965号の発行日です。
掲載件数は1342件でした。

*こんな本がありました*

先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!」

小林朋道(著)
築地書館(2016.5)

毎回タイトルが秀逸なこのシリーズ、今回はついにイソギンチャクが腹痛を起こしました。
めでたく10冊目の刊行です。

参考までに既刊書のタイトルもちょっと見てみましょう。

先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!」
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!」
先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!」

...シ、シマリスよ...。


自然豊かな鳥取環境大学の小林研究室。動物好きなメンバーばかりというこの研究室では、「利用規則ギリギリまでいろいろな動物が飼われている」のだそうです。
ギリギリといったってどこからがNGなのか、体長1メートルを超えるアオダイショウを飼っている人がいる(そして、それが飼育容器から逃げ出しても皆それほど騒がない)時点で、かなり肝の据わった運営であることがうかがえます。

動物に対する実験観察の模様もありますが、実験対象というよりは、なんだか仲良くなりたい相手に向けて「これは好き?」「こんなときどうする?」とたずねているようなのんびり感が漂ってきます。

ちなみに、こちらの本は「先生!シリーズ」と呼ばれており、この方が通りがよいのですが、残念ながら図書にこの表示はないので、TRC MARCでは「鳥取環境大学の森の人間動物行動学」をシリーズ名としています。
ぜひシリーズ名で検索して、10冊並べてご覧ください。
11冊目のタイトルも(もちろん中身も)楽しみです。

2016年5月30日

本屋さんのマーク―和漢古書の出版事項(3)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前々回前回、和漢古書の出版事項の情報源について見てきましたが、今回はそれらで述べたもの以外について見てみましょう。

NCRで「刊記,奥付,見返し,扉」のつぎにあげられているのは版心(板心・柱)ですが、出版事項にあたるものが記されているのは版心下部であることが多いです。この位置にはシリーズ名や句読者の記載などがあることもありますが、いちばん多いのは出版に関連する情報で、上記の4つの情報源に記載がない場合、有力な情報源となりえます。
ただ、この版心は、後から取替えや彫り直しがいくらでもきく「刊記,奥付,見返し,扉」と、物理的な性格がいささか違っていますので、そのことをよく理解して扱わなければなりません。すなわち、版木の所有が転々とし、発行者(印行者)が次々に変わっていくということはしばしばあるのですが、版心に記載されている出版事項は当初の出版の際のもののままであることが多いです。また翻刻本の場合、版心にあるもとの出版者の記載を忠実に摸刻している場合もありますから、版心の記載を該当の図書の出版事項として採用しては不適当ということもままあるわけで、よくよく注意が必要です。
なお、ふるい時代の図書だと、版心に版刻職人の名前(刻工名)や工賃の情報などが記されていることがあります。それらから地域や時代が特定できたりしますので、そうした図書にあっては非常に重要な情報と言えます。が、和漢古書と言ってもそこまでの貴重書を手にする機会はそんなにはないと思いますので、とりあえず知識として知っていればじゅうぶんかと思います(これらをも摸刻しているものなどもあったりはしますが)。

NCRでつづいてあげられているのは「序,跋」で、上記の情報源に出版年の記載がない場合、それの代用としてこれらの年記を採用することが多いですが、これについては出版年のところで改めて見ることにしましょう。もちろん、跋文中に刊行の経緯が詳しく述べられているといったことも多く、それらから出版者を採用することもしばしばありますが、その場合はやはりいちおう補記の扱いとすべきでしょう。
「識語」は、もともとは漢籍の用語ですが、後人の書き入れのことで、それらから出版の経緯が判明することもあります。しかしここから得た情報は、扱いとしては同様に補記ということになるかと思います。

NCRに明記されているのは以上ですが、これ以外でも出版者の情報源として認識しておくべき箇所が2つあります。一つは巻頭で、もう一つは題簽です。
以前触れたことがありますが、巻頭に著者と並んで出版者の記載があることは、明末頃までの唐本でその例が多く(和本ではあまり例がないようです)、ここもやはり重要な情報源となります。ただし、「校刊」という役割表示は、「刊」とあっても出版者ではなく、責任表示の一種であることが多いということは前述しました。
題簽のほうは、これもちょっと触れたことがありますが、江戸時代の草双紙(くさぞうし)という通俗文学のジャンルの図書では、絵題簽(えだいせん)という絵入りの幅広のものが左肩に貼られていることが多く、ここに出版情報が載っていることがしばしばあります。といって、絵題簽自体はタイトルと絵がメインなので、出版関係の情報量は多いとは言えず、出版年は干支(えと)だけということもふつうですし、出版者名は略されたかたちであることがしばしばあります。「和泉屋市兵衛」が「泉市」、「西村屋與八」が「西與」、「鶴屋喜右衞門」が「鶴喜」などといった具合です。ご存知「蔦重」も「蔦屋重三郎」の略ですね。
さらには文字すらもなく、「版元商標」と呼ばれる出版者のマークがあるだけ、というケースも、これらのジャンルの本では結構あります。「蔦重」さんは蔦の葉のマーク、「鶴喜」さんは鶴のマーク、「西與」さんは三つ巴、「鱗形屋」さんは三つ鱗といった具合で、丸や山形、面高(おもだか)などと漢字一文字を組み合わせたものなども多くあります。これらの一覧は『近世書林板元總覽』の巻頭に載っているので確認できますし、さらに詳細には浮世絵研究の分野で網羅的な整理が進められています。
こうした版元商標は絵題簽にあるとは限らず、本体の巻末にあったり、序や本文の欄上にあったりしますが、その他の箇所に書肆名が明記されていなければ、出版者としては『板元總覽』で確認した名前を補記で記録し、「出版者は版元商標による」などと注記することになります。このような「本屋さんのマーク」は、ヨーロッパではよくありますが、前近代の中国や朝鮮半島などではほとんど見られないもので、意匠好きな日本人の特性と、江戸時代日本の商業出版の盛行ぶりを窺(うかが)うに足るものと言えるかと思います。

2016年5月27日

「づ」と「ズ」

今年度の読書感想文コンクールの課題図書の一冊「二日月」。
国会図書館の書誌詳細を打ち出し、中一と小五の娘ふたりに見せて質問をしてみました。
「これ、国会図書館が作ったデータなんだけど、変だなって思うところある?」

「国名コードが違う!」「作者が実は別人だったとか?」と適当なことばかり言っている長女の隣で、間違い探し大好きな次女がひとこと。

「『よみ』がちがう。」

「どうちがう?」と母。
「『タイトルよみ』が「ツ」に点々じゃなくて「ス」に点々になってる」と次女。
期待通りの回答をありがとう、妹さん。

国会図書館の書誌で「二日月」のタイトルよみが「フツカヅキ」ではなく「フツカズキ」となっているのは、決して間違いではありません。
国会図書館、そしてTRC MARCも準拠している日本目録規則では「づ」を「ズ」、「ぢ」を「ジ」と表記するとしています。
国会図書館のホームページで公開されている書誌データ作成ツール内の『JAPAN/MARC MARC21フォーマットにおける片仮名読み表記要領』には下記の通り記載されています。


    2語の連合又は同音の連呼によって生じた「ヂ」「ヅ」は
    「ジ」「ズ」と表記する。


「でも本は間違ってないよ」と、ネット検索で探してきた「二日月」の表紙画像を母に見せながら主張する長女。
どうやら「フツカズキ」が目録的には間違いではないという説明に納得がいかない様子。
確かに表紙には「二日月」のタイトル表示の隣に「ふつかづき」とヨミがふってあります。
一般的な「ヨミ」と、目録の世界の「片仮名表記」にズレがあるため、目録としては云々と言ったところで納得はいかないでしょう。

「二日月」は小学校中学年の課題図書です。
小学3・4年生で「フツカズキ」と読む子はそういないはず。
図書館のOPACで「二日月」を検索する場合、たいていの子は「フツカヅキ」でタイトルヨミ検索をすると思います。(目録の片仮名表記法を知っている小学生はいないでしょうから...)

正しく入力した子どもたちが「フツカズキ」とヨミの入った書誌にたどりつくには、検索システムに「ズ」と「ヅ」を同じものとみなして検索を実行するしくみを持たせる必要があります。
NDL OPACでもTOOLiでも、「フツカヅキ」のヨミで「二日月」の書誌にたどりつけました。
世間の常識が通用しない部分ではありますが、システムに仕組みを持たせることで期待通りの検索結果に導くことができます。

2016年5月26日

器の良さを感じるにはもうひと回り必要そう

5月の雑記テーマは「大人になったと思うとき」。
さきのおふたりの内容に深く頷きつつ、私はもっと卑近な例で...。
自分が大人になったなと感じるとき、それはやはり味覚の変化に気づいたときでしょうか。
社会人になって迎えたはじめての夏。それまでは苦いだけでちっとも美味しいと思えなかったビールが、喉やからだにしみ渡る新鮮な感覚を覚えています。
最近は薬味による食べ比べが美味しいなと感じるように。食材そのままの素材の味に舌鼓を打ったあとは様々な薬味で楽しみます。先日行った豆腐料理専門店では丸くて大きな出来立てつやつやのお豆腐をいただきました。程よく冷えた豆腐と茗荷のハーモニーが素晴らしくてその日のうちにまた行きたいと思ってしまいました。
和食の美食家として知られる魯山人、前々から気になっていたら先日本屋さんでさりげなく?食のコーナーに置かれていたので、思わず手にとってしまい通勤の合間に読んでいるのですが。

魯山人の料理王国 北大路 魯山人 文化出版局
「食通閑談 うまい豆腐の話」のなかで、
"薬味 葱の微塵切り、蕗の薹、独活、ひねしょうがのおろしたもの、七味唐がらし、茗荷の花、ゆずの皮、山椒の粉など、こんな薬味がいろいろある方が風情があっていい。"とあります。この一文になんだかやたらわくわくしてしまいました。学生時代はそんな薬味に心躍ることなどなかったというのに。こごみやぜんまいといった少しにがみのある山菜が好きなのですが、大抵はお蕎麦やてんぷらで頂くので、ふきのとうなどを刻んで薬味として食べたことはありません。チャレンジしてみたくなりました。昔はにがいものは苦手だったはずなのに今は好き好んで手を出してしまう...大人になった醍醐味でしょうか。
逆にあんなに好きで、高頻度で通っては食べていたラーメンが、最近すきっ腹に入れるとなかなか食べきれないことが時々あり、ショックを受けています。ラーメンであれば何でも、と思っていたはずがどろりとした重ためのスープのみそやとんこつ味はできるだけ避けるようになってしまいました...年を感じた瞬間です。

魯山人の著作は青空文庫でも読めてエッセイが面白いのでおすすめです。「器は料理の着物」という言葉も興味深い...。

2016年5月25日

きょうのデータ部☆(5/25)

今日は薄曇りの茗荷谷。

以前にもご紹介したかもしれませんが、TRC本社の表玄関には、文京区立図書館の返却ポストが設置されています。駅前なので便利です。

DSC_0578.JPG

知らない会社の玄関というと、普通は入っちゃ悪いような気がするものですが、ブックポストが敷居を下げているのか、エントランスで雨宿りをしている方、信号待ちの日差しを避けている方などよく見かけます。

2016年5月23日

見返しと扉―和漢古書の出版事項(2)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回、和漢古書の出版事項の情報源として、刊記と奥付のことを見てきました。つづいて、NCRで次にあげられている「見返し,扉」について見ていきましょう。

見返し・扉-唐本ではともに封面(ふうめん)と称します-そのものについては、以前書名の情報源のところで触れました。「三行縦書きで中央に大きめの文字でタイトルが、右行に著者名が、左行に出版者が、そしてそれらを囲む枠の上部に出版年が横書きで書かれている、というのがもっとも標準的なスタイル」と書いたとおり、ここにも出版者や出版年が記されていることが多いので、出版事項の重要な情報源となります。
ただ日本で出版された書物の場合、出版者の正式な名称等が記載されているのはやはり刊記・奥付で、見返し・扉の記載は副次的とも言える、ちょっと気取ったものになっています。江戸時代の出版者は、多くの場合「堂号」(どうごう)といって「○○堂」とか「○○閣」といった中国風の店名を持っているのですが、奥付には本名(屋号+通称のかたちが一般的)を記し、見返しには堂号のほうを載せるというのが、もっともありがちなパターンです。
このあたりの堂号を含めた出版者名については『近世書林板元總覽』という基本的な工具書に詳細に記載されています。もともとあった奥付が欠落した図書で、見返しに堂号があった場合、確実に推定できるのであれば、「見返しに「○○堂」とあり」と注記した上で、出版者としては堂号を転記するのではなく、『板元總覽』記載の実名のほうを補記したほうがむしろよいだろうと思います。

和本の見返しについて言えば、「魁星印」(かいせいいん)という図柄の印が捺されていることもしばしばあります。魁星とは北斗七星の第一星のことで、中国では学問を司る星とされ、これを図案化したものが明代の刊本の刊記などに見られるのですが、これが取り入れられたものです。これがあったからと言って個別の出版者が特定できるようなものではないですが、そうした由来のものですので、やはり和刻本漢籍や学術的な性格の図書に多く見受けられるということは言えます(逆に、そうしたもののパロディーだと、その位置に何やら妙ちくりんな印が捺されていたりします)。

出版事項の情報源としての価値が高いのは、むしろ中国で出版された本の場合で、前回書いたように、清代には巻末の刊記というものはあまり見られなくなり、封面もしくは封面裏だけに出版事項が記載されるようになります。当然ながら封面裏のほうがスペースが取れますので「いつ・どこで・だれが」出版したという定型的な文句はここにあることが多いです。「刊記」というタームの定義から言って、こうした封面裏の記載のことも「刊記」と言って悪いことは全然ないのですが、ただ「刊記」と言うとやはり巻末の刊記を指すことがふつうなので、全部唐本だといったコレクションでなければ、やはり「封面裏に「○○」とあり」と記述しておいたほうがよいでしょう。
ちなみに、幕末から明治期に盛んに刊行された日本人の漢詩文集などでは、この「封面裏」の刊記のスタイルがスタイリッシュなものとして受け取られて流行したようで、たとえば明治11年刊の『詩文書畫評語藪(しぶんしょがひょうごそう)』という本では、ちゃんとした奥付と別に、扉裏に「明治戊寅春開彫 版存東京擁書城」などといった文言をいかめしく記しています。前回の最後に書いた、清末民國初の中国における奥付の採用と好一対ですが、古今東西、人は海外から来た「イケてる」ものに弱いのですね。

なお、明末清初くらいの時期の図書に多いのですが、刊行者の「告白」というものがついているものがあります。これは別に何か打ち明けたり懺悔したりしているのではなく、刊行の経緯やら宣伝やらを読者に「告(つ)げ白(もう)す」もので、刊語の一種と言えますが、しばしば封面に小さい字で長々と記されています。現代で言えばさしずめ帯の文句といったところでしょうか。

2016年5月24日

苦手意識を変エル

本日は「週刊新刊全点案内」1964号の発行日です。
掲載件数は1137件でした。


*こんな本がありました*

世界のキレイでかわいいカエル

パイインターナショナル(2016.5)


昔からカエルが大の大の大の苦手な私にとって、
カエルが「キレイ」とか「かわいい」なんてあり得ない!
のですが...

そういえばカエルって
ペットショップでも色んな種類が売られているのを見ますし(横目で)
水族館でもカエルコーナーにはそれなりに人が集まっているようだし(素通り)
実はなかなか人気のある生き物なんですよね。

そんなカエルたちの写真が160点も収録されているということで、
苦手意識を変エルべく、さてどんなものかとパラパラ中身を拝見(薄目で)

う~ん、実に色とりどり!(あ、鳥肌が...)
きっとお好きな方にはたまらない内容です。

ちなみに、件名「かえる(蛙)-写真集」で検索すると、
他にもこれだけありました→こちら


余談ですが、
もうすぐ梅雨時になると、
踏まれたり轢かれたりして無残な姿のカエルに遭遇する恐れがあるため、家の近所を歩くのにビクビクしきりな私なのでした。

苦手意識変ワラズ。。

2016年5月20日

文庫本のなやみ~分類/件名のおはなし・66

長年使ってきた携帯電話が突然死してしまい、とうとうスマホデビューしました。
まだ親指だけでは打てず、人差し指でちまちまフリック入力とやらをしている状態です。
電車の中でも、本を読んでいる人よりも圧倒的にスマホをいじっている人の方が多いですね。
これまで通勤電車の中ではいつも読書をしていたのですが、老眼が着実に進行しつつあるため、字の小さい文庫本より、大きさを自在に調節できるスマホに傾いてしまいそうな今日この頃です。


さて、今日は別置記号(べっちきごう)のお話。
別置とは文字通り「別に置く」ということで、他の本とは配架を分けたい場合に使用している記号です。
文庫本は、図書館でも文庫本だけのコーナーに置かれていますよね。
TRC MARCでは、文庫本の場合は「B(BunkoのB)」という別置記号で表しています。

別置にはほかにもいろんな種類があります。
主なところでは以下の通り。

A(Annai)...<旅行案内書>旅行ガイドブック,地図
R(Reference)...<参考図書>事典、年鑑など調べるための図書
K(Kodomo)...<児童図書>
M(Music)...<楽譜>
T(Tenrankai)...<展覧会パンフレット>図録など

さて、文庫本を読むときには、いつもかわいい絵柄のカバーをつけているのですが、本によっては、微妙に大きくて入らない時があります。
そう。それはズバリ「ハヤカワ文庫」!

市販のカバーだとかなりぎちぎちに押し込んで入るかどうかというところ。
字が読みやすいようにという配慮なのかもしれませんが...もう少しだけ小さくして欲しい。
ひそかな願いです。

2016年5月18日

きょうのデータ部☆(5/18)

先週に引きつづき、今週の水曜日もピッカピカの良い天気です♪

茗荷谷のTRCのご近所は、小学校や保育園が多いせいか、親子連れが多く見られます。

写真は、すぐお隣の窪町東公園。
教育の森と筑波大学の校舎の脇を細長く縁取って、千川通りまで続いています。

DSC_0548.JPG

先日のこと。公園の隣を歩いていると向こうから親子連れがやってきました。

男の子「ママ~、これ持ち上げて~!」

(石...?)

お母さん「またダンゴムシなの...?」

私なら無理!と、石をどかしている優しいお母さんを見て思ったのでした。
この公園は草むらが多くて、ダンゴムシどころかムカデ的なものも見られる都会のオアシス(?)です。

2016年5月19日

拍手喝采


今月の雑記のテーマは「大人になったと思うとき」でお送りしています。

先日、クラシック音楽を聴く機会がありました。敷居が高いイメージがあって普段あまりなじみがなかったのですが、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」という東京国際フォーラムなどで開催されたクラシックのイベントに行ってみたのです。

テーマに沿ってたくさんの公演が組まれていて、どれに行くか決めるところから楽しかったです。1つの公演が1時間位と短いので、気軽に参加することができました。

今年のテーマは「自然と音楽」。関連する本も出ているのですね。
ナチュール 自然と音楽

エマニュエル・レベル (著)西 久美子 (訳)
アルテスパブリッシング(2016.4)

今回聴いたのは、シューベルトの三重奏です。開演前のしーんとした空気からこちらまで緊張してしまっていたのですが、演奏が始まったら一気に引き込まれました。小さな会場だったこともあり、演奏家たちの一挙一動がよく見え(弦が切れるほど情熱的でした!)、ピアノ、バイオリン、チェロ...と目まぐるしく展開を追っているうちにあっという間にフィナーレ。

演奏が終わって鳴りやまない拍手の中、すごい!また聴きにこよう!と感動しつつ、こんな風に思うなんてちょっと大人になったな~と感じたクラシック初心者でありました。

2016年5月17日

日本の結髪文化を知る

本日は「週刊新刊全点案内」1963号の発行日です。
掲載件数は1093件でした。


*こんな本がありました*

「日本髪大全 古代から現代まで髪型の歴史と結い方がわかる」

田中圭子(著)
誠文堂新光社(2016.5)


「日本髪」と聞いてまず思い浮かべるのは、舞妓さんや芸者さん。
ほかには、時代劇、力士、花嫁さんの文金高島田...などでしょうか。

なんとなくイメージはできるものの、それぞれの髪型がどう違うのか? どうやって結いあげたらあの美しくも複雑な形ができあがるのか? 多くの人にとっては謎ではないでしょうか。

本書では、古代から近現代にいたる日本髪の歴史的な変遷や、花街の髪型、相撲の髪型などが、時代考証をもとに再現した写真とともに解説されています。写真が豊富なので外国の方に日本文化を説明するときにも参考にできそうです。

そういえば子どもの頃は、お相撲のテレビ中継で力士の髪をチョイチョイっと整える人(床山さん)が映ると気になったものでした。
お子さんの調べ学習にも使えるかもしれませんね。

この本には「結髪-歴史」という件名がついています。
同じ件名で検索してみると、「江戸の子どもちょんまげのひみつ」「浮世絵美人の髪形」「黒髪と美女の日本史」など、これまた面白そうな本が見つかりました。

2016年5月16日

刊記と奥付―和漢古書の出版事項(1)

こんにちは。半年ぶりに、データ部AS・伊藤です。主に和装本を担当しています。
今期は出版・書写事項について書いてみようと思います。実のところ相当ひとすじなわではいかないところなので、いささか躊躇していたのですが、ともあれよろしくお願いします。

これまでに書いたところの書名責任表示に関しては、情報源が多岐にわたり、記載自体も多様だということがいちばん取っ付きにくいところと言えるかと思いますが、和漢古書の出版・書写事項に関しては、図書の記載そのものについて注意すべき点はもちろん多々あるのですが、それ以上にそれをどう「解釈」するかがポイントになります。そのあたりがひとすじなわではいかないというところなのですが、とりあえずまずは情報源から見ていきましょう。

和漢古書は現代書のように造りが一定でないので、情報源の範囲はきびしく限定はされないのですが、出版事項については、日本目録規則1987年版改訂3版の2.0.3.2Aでは「刊記,奥付,見返し,扉,版心,序,跋,識語等」と規定されています。タイトルの情報源と比べると数は少なめですね。また、とくにタイトルと違って優先順位は規定されていませんが、だいたいこの順番で重要性の高い情報源だとは言えそうです。
「刊記,奥付」については、和漢古書においては「刊記」のなかの一種が「奥付」(ほんらいは「奥附」)だという位置づけになります。「刊」とはすなわち「出版」publishingを意味しますが、「刊記」とは文字通り「出版についての記述」ということです。ということで、図書の中で、他と独立したかたちで出版についての記載がある箇所があれば、それはどこにあろうと「刊記」と呼んでよいのです。ただ、実際にはそれらは巻末や本文末にあることが多いので、ただ「刊記」と言ったらふつうそれらの「巻末刊記」のことを指します。

記述するのに、いちいち「巻末刊記に「○○」とあり」などとすると、ちょっとうるさいと思いますが、といって刊記と言ってよいのに「巻末に「○○」とあり」などとしていると、「刊記」という用語を知らなかったり、その記載内容が出版事項だということを理解していなかったりしているようで、あまりよろしくない気がします。
他方、巻末以外にある刊記のことを記述する場合は、「序末の刊記に「○○」とあり」とか「原刊記(目録末)に「○○」とあり」とかいったふうに、場所を明示したほうがよいです。時々お目にかかるのが、多巻物で途中の巻の巻末に刊記があるというケースで、スペースの都合でこういう具合になったのだと思われますが、たとえば全18巻で巻末には出版事項らしきものが見当たらないなあと思ってよく探すと、冊の途中の第17巻の巻末に刊記があるのを発見したりしますので、要注意です(こういうのを見つけたときはちょっとテンションがあがります)。

さて「奥付」とは、上記の「巻末刊記」のうち、本体と別の丁になっているもののことだけを言います。現代書では、「奥付」と言ったら要するに中国語で言うところの「版権頁(はんけんけつ)」のことで、最近では標題紙裏にある場合なども増えてきているかと思いますが、和漢古書では厳密に、「巻末にあって本体と別の丁になっている」という形態的な要件でもってこのタームを使うか否かが決まります。多くの場合はオモテのみ半丁分を裏表紙の裏に貼り付けていることが多いですが、表・裏1丁分になっていることもあります(記載内容が多ければ数丁になることもあります)。なお、「奥付」のあとに広告や出版目録などがさらに附されていることもしばしばありはします。

歴史的に言うと、「奥付」は時代が下ってから「刊記」から派生して一般化した一形態ということが言えます。刊本が出現した当初は、出版に関することをどこに記載するか決まったかたちはなく、多くの場合、跋文などでそのあたりの事情を書き記しているだけだったのが、次第に「寛文元年八月吉日 中野小左衛門刊行」といったような「いつ・どこで・だれが」出版したという定型的な漢文の文句を巻末に記載するようになりました(なお、定型的な文句でなく、長々とした文章になっているものは「刊語」(かんご)と称します)。
また、中国では明代、日本ではその影響を受けた江戸時代初期までのものによく見られますが、定型的な文句が枠(しばしば位牌のようなかたちにデザインされています)で囲まれているかたちのものがあり、これを「木記」(もっき)とか「牌記」(はいき)とか言います。とくに蓮の台(うてな)の上に載せられているものを「蓮牌木記」(れんぱいもっき)と呼びます。

日本でこの「刊記」が別の丁に刷られてくるようになってくるのは、起源ははっきりしませんが、はっきり増えてくるのは元禄・正徳の頃からと見られ、この時代あたりから共同刊行というかたちが増えてきたのと軌を一にしています。すなわち、刊行者を横並びに列記するのに、たっぷりしたスペースを必要としたということだと思われます。
この傾向は、以前触れた享保7年のお触書で「何書物によらず此以後新板之物、作者并板元実名、奥書に為致可申候事」と規定されたことで決定的なものになり、書物の性格によって実態としては一概には言えないものの、基本的にこれ以降の出版物では奥付が附されていることが一般的になります。このようにここで画期がありますので、逆に享保年間以前の刊記については、原則として、「刊記に「○○」とあり」と注記に転記しておいたほうがよいかと思います(なお、このお触れの文言では「奥書」となっていますが、書誌学ではふつう「奥書」というとまた別のもののことを指します。これについてはまた後日)。

一方中国では、巻末の刊記というスタイルはあまり採用されなくなり、清代には、次回触れる「封面」または「封面裏」に出版情報が記載されることが一般的になっていました。ただ、清末になって、今度はおそらく日本の明治期の図書の影響で、そうした日本式の奥付を附したものが見られるようになります。きっとそのほうが、何となくモダンな感じがするように受け取られたのでしょう。このあたりの経緯は、彼我の文化的交流の一側面を示すものとして、ちょっとおもしろいことのように思います。

2016年5月13日

レファのあとは ~典拠のはなし~


レファのあとはソラ?

音階の話?

それなら レミファのあとは、ですね。

今回は 音階の話ではなく、
こちらの記事の続き、参考資料のお話です。

この記事にもありましたように
歴史上の人物や著名な人は、
参考資料に多く用いられている形を統一形としています。
そのため、まず第一に見る資料が「レファ」、
「人物レファレンス事典」(日外アソシエーツ)です。

さて、このあとはどんな資料をみていくのか。
人物レファレンス事典に掲載されている資料そのものにあたることは
もちろんですが
それ以外にも、統一形を決めるのに参考にしている資料があります。

5月の雑記、テーマは「古典」でしたが、これらの記事に出てきた作品の著者、
「いづれのおほんときにか」の紫式部、
「たすけよや」の吉田兼好のような
明治時代以前に活躍した日本人について調べるときは

コンサイス日本人名事典(三省堂)
国史大辞典(吉川弘文館)
国書人名辞典(岩波書店)
日本古典文学大辞典(岩波書店)
などを使っています。 

注意すべきは、資料によって異なる編集方針。
見出しの作り方にそれぞれの個性があり、
それを知った上であたらないと
掲載されているのに探せなかったという事態に。


例えば 吉田兼好を見てみると

コンサイス日本人名事典  吉田兼好 よしだけんこう  
国史大辞典        吉田兼好 よしだけんこう
国書人名辞典       兼好 けんこう  
日本古典文学大辞典    兼好 けんこう


国書人名辞典、日本古典文学大辞典では 
「け」の項を見なければ探せないのです。 


国書人名辞典と日本古典文学大辞典の凡例を読んでみますと、
人名は姓、名の形で見出しとするが、
連歌作者や俳人は姓を付さずに号のみ、僧侶は法号で、
というように姓名の形を見出しに採らないこともあるとのこと。
「兼好」は法号にあたるので、「吉田」を付さずに見出しとしているのですね。

典拠班に配属された新人は
まず参考資料の凡例を読むことから始めます。
何がおさめられ、どのように見出しをつけ、どう配列されているのか。
ささいなことのように思えますが、知っているのといないのでは大違い。
調査時間を短縮し、無駄なく作業を進めるには大事な知識なのです。

2016年5月12日

ダイアナではなく

5月5日は子どもの日。ということで昨年5月の雑記テーマは「子ども(時代)の勘違い・思い込み」でした。
それに対抗して(?)今年5月のテーマは「大人になったと思うとき」です。

大学時代、児童文学の講義で「赤毛のアン」を読みました。
小学生の時に一度読んでいたので、さくさくっと読み進めていたところ、
アンの行動にいちいちハラハラしている自分、
「なんて面白いことを考える子だろう」と、彼女のみずみずしい感性に感心している自分に気が付きました。
あれ?昔は一緒になってドキドキしていたはずなのに。
あぁ、そうか。大学生になった私は、「アンの友達」という"同世代目線"ではなく、
お姉さん的な視点から、いうなれば引き取り手であるマリラさんの方に感情移入をして読んでいるのか。
と気がついた時。
「大人になったなぁ...」としみじみ思ったのでした。

...なんて書いてみましたが、私には子どもはいませんし、いまだに母に甘えることも多く。
世のお母様方に「何言ってんだか」と苦笑されてしまいそうです。

子どもの主人公に共感できなくなってしまうのはちょっと寂しいですが...
今までよくわからなかった人物の気持ちが少しでもわかるようになるのなら、
大人になるのは、子どもの時に想像していたよりもずっとずっと楽しいことですね。

「赤毛のアン」
(角川文庫)

モンゴメリ(著)中村佐喜子(訳)
角川書店(1999.7)

2016年5月11日

きょうのデータ部☆(5/11)

先日席替えがあり窓に近い席になりました。

今日の茗荷谷は風が強く、木の枝が揺れています。
弊社の近所は桜の名所もありますが、緑が濃くなる季節も捨てがたい風情があります。

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2016年5月10日

街角図鑑

本日は「週刊新刊全点案内」1962号の発行日です。
掲載件数は1654件でした。

5月の表紙はこちら。

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*こんな本がありました*

街角図鑑

三土たつお(編著)
実業之日本社(2016.4)


街で普通に見かける、ちょっとしたものたちの図鑑です。
パイロン(「三角コーン」だと思ってました)に、こんなに種類があるなんて。
あるある、こういう段差スロープ。
あの出っ張りは、消火のための送水口だったのね。
なるほど、言われてみれば「北」(北区)「品川」(品川区)としか見えないデザインの防護柵。
などなど、いままで見ているようで見えていなかったものがたくさん。
そういえば、初めて工事中の道路脇にうさぎの形の柵
(「単管バリケード」というのだそうです。うさぎの商品名は「うさガード」)
を見た時はびっくりしましたが、うさぎ以外にも、ケロガード、キティちゃん、ガチャピン・ムックなどのバージョンもあるそう。
ぜひお会いしてみたい。
外を歩くのが楽しくなりそうです。

2016年5月 9日

今・ここに意識を向けるマインドフルネス~新設件名のお知らせ2016年4月分~

本日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

4月は2件の件名を新設しました。そのひとつが「マインドフルネス」です。


2012年ごろから、タイトル中に「マインドフルネス」を含む本が増えてきたので、気になっている方もいらっしゃるかもしれません。今年の4月末時点で60冊近く刊行されており、書店でも関連書が平積みされているのを見かけるようになりました。
広く知られるようになったのは、米グーグルが社員の能力向上のためにマインドフルネスのトレーニングを採用していると、メディアで紹介されたことがきっかけのようです。

では、「マインド(精神、心、意識)」が「フルネス(充満、充足、十分)」とは、いったいどのような状態なのでしょうか?
イミダス2015によると、マインドフルネスとは、「ターゲットとなるものに積極的に注意を向けている心理状態のこと」。もう少しわかりやすく表現すると、自分の意識を「今・ここ」で起きていることに向けて、そのありのままを認識して受け入れること、といった意味のようです。

当たり前のことですが、私たちはいつでも現在にしか生きられない存在です。ですが、変えられない過去や訪れていない未来に意識が向いていると、そこに捕らわれて、目の前で起こっていることや、今の自分が感じている気持ちをありのままに見ることができなくなってしまいます。そういった状態を抜け出し、自分の意識を「今・ここ」に向けるためのプラクティスが、マインドフルネスです。
マインドフルネスは仏教とも関係があり、なかなか奥深い世界のよう。


マインドフルネスの本を一冊読んでみました。
はじめてのマインドフルネス

クリストフ・アンドレ・著, 坂田雪子監訳, 繁松緑訳
(紀伊國屋書店 2015)


モネやマグリットなど26枚の名画を読み解きながら、マインドフルネスの考え方と実践方法をわかりやすく紹介した本です。芸術とマインドフルネスも関係が深そうですね。

2016年5月 6日

バリアフリー映画って?? その2

 その1ではバリアフリー映画というものがどういうものかを紹介しました。
それでは、今回はTOOLiで検索する方法をご紹介します。


 今日(2016年5月6日現在)、TOOLi-AVで検索すると、視覚障害者用で15件、聴覚障害者用で149件、視聴覚障害者用317件ありました。


◆どうやって検索するの?
TOOLiのAV検索では、コード化情報のうち、利用対象の欄のプルダウンのメニューの中に、視覚障害者用、聴覚障害者用、視聴覚障害者用の項目があり、チェックできるようになっています。
バリアフリー字幕を検索したい時は、「聴覚障害者用」と「視聴覚障害者用」に、音声ガイドを検索したい時は「視覚障害者用」「視聴覚障害者用」にチェックをつけて検索してみてください。そうすると、「くじけないで」(14905326)「プライドinブルー」(16902251)など、バリアフリー字幕が付いているものや、「奇跡のひと マリーとマルグリット」(15907534)、「最強のふたり」(13903922)のように、音声ガイドがついているものがヒットします。
もちろん、「視聴覚障害者用」だけにチェックをつけると、「図書館戦争」(13909421)、「舟を編む」(14900543)のようにバリアフリー字幕と音声ガイドが両方ついているものだけがヒットします。


◆他の検索方法ってあるの?
 利用対象以外でも、TOOLiのAV検索の「すべての項目」の欄に、「聴覚障害者対応字幕」「聴覚障害者・聴者対応字幕」「聴覚障害者用日本語字幕」「バリアフリー再生機能付き」などの言葉を入れると、注記にこのような語句が入っているものを検索することができます。ただし、メーカーやDVDにより、書かれている言葉も様々なので、「聴覚 字幕」とか、「視覚 音声ガイド」など、複数の単語を掛け合わせて検索する方が、ヒットする確率が高くなるようです。


◆障害者用字幕って英語もあるの?
 「英語の障害者用の字幕ってないですか?」って聞かれたことはありますか? そんな時にはクローズド・キャプション(Closed Caption)や、SDH(Subtitles for the Deaf and Hard-of-hearing) があります。容器に「CC」、とか、「English SDH」などとあるものは、英語の聴覚障害者向けの字幕がついています。これもTOOLiの「すべての項目」の欄に「クローズドキャプション」、「English SDH」の言葉を入れると検索することができます。  


 ところで、バリアフリー字幕や音声ガイドがあって、上映権付きのDVDは検索できましたか?
TOOLiでは、「DVD」だけにチェック、著作権のプルダウンの欄を「上映・館内・館外」など上映を含む語を選択した上で、「視聴覚障害者用」などと選択すると検索することができます。

  
ぜひ、試してみてくださいね。


2016年5月 2日

ADEAC春の公開情報3

さてADEAC春の公開情報も今回で3回目、最後となりました。
前回前々回でもいろいろな史料をご紹介しましたが今回もあらたに追加公開となった史料をご紹介します。

西尾市岩瀬文庫 古典籍書誌データベース
西尾市岩瀬文庫が所蔵する洋装本から漢籍まで含む蔵書8万点のうち、2万件の書誌情報の閲覧・検索ができます。
朝廷・公家史料の宝庫「柳原家旧蔵本」、山本亡羊主宰の研究所「平安読書室」の旧蔵書などを始め幅広い分野や時代に渡る古典籍の一部ではありますが、岩瀬文庫の魅力をのぞくことができるデータベースです。

高山市図書館 高山城下町・飛騨国絵図
あらたに「飛騨国絵図」をデジタル化しました。
年代ごとに国絵図を収集した資料ですので江戸時代から平成に至るまで、飛騨・高山を中心に様々な絵図・地図から遍歴をうかがうことができます。
また測量の成果図や道中記などの関係史料の解説も掲載していますのでこちらも興味深い史料が閲覧できます。

伊勢市立図書館 所蔵絵葉書
昭和初期の民俗・歴史資料として伊勢神宮などに関する絵葉書37点をデジタル化し公開しています。
当時の建物・風景がうかがうことができるのはもちろんのこと、伊勢神宮の式年遷宮において市民が参加して行ってきた御木曳の様子も色鮮やかな絵葉書に描かれています。

徳島市立図書館 徳島市の昔の写真
こちらは徳島市の昔の写真を公開しています。
すでに大正時代がから昭和60年代までの風景・航空写真などが公開されていましたが、今回さらに37点の写真が追加公開となりました。
中には阿波踊りの写真なども追加されております。

伊勢市立図書館の絵葉書も徳島市立図書館の写真も現代に続く街並みや行事が当時どのようなようすだったのか
今との違いを比べたりあるいは同じところを感じることができるのは、それぞれの地域が残してきた絵葉書や写真ならではの魅力ですね。

またまた今回も駆け足でのご紹介でしたがいかがでしたか。
「あれ、ADEACトップページの公開情報に載っている機関で今回紹介されていない機関があるような?」と思った方、
6月にもまた公開情報をお知らせいたしますので、ぜひ次回の公開情報をお楽しみに!

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