本日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
4月は2件の件名を新設しました。そのひとつが「マインドフルネス」です。
2012年ごろから、タイトル中に「マインドフルネス」を含む本が増えてきたので、気になっている方もいらっしゃるかもしれません。今年の4月末時点で60冊近く刊行されており、書店でも関連書が平積みされているのを見かけるようになりました。
広く知られるようになったのは、米グーグルが社員の能力向上のためにマインドフルネスのトレーニングを採用していると、メディアで紹介されたことがきっかけのようです。
では、「マインド(精神、心、意識)」が「フルネス(充満、充足、十分)」とは、いったいどのような状態なのでしょうか?
イミダス2015によると、マインドフルネスとは、「ターゲットとなるものに積極的に注意を向けている心理状態のこと」。もう少しわかりやすく表現すると、自分の意識を「今・ここ」で起きていることに向けて、そのありのままを認識して受け入れること、といった意味のようです。
当たり前のことですが、私たちはいつでも現在にしか生きられない存在です。ですが、変えられない過去や訪れていない未来に意識が向いていると、そこに捕らわれて、目の前で起こっていることや、今の自分が感じている気持ちをありのままに見ることができなくなってしまいます。そういった状態を抜け出し、自分の意識を「今・ここ」に向けるためのプラクティスが、マインドフルネスです。
マインドフルネスは仏教とも関係があり、なかなか奥深い世界のよう。
マインドフルネスの本を一冊読んでみました。
「はじめてのマインドフルネス」
(紀伊國屋書店 2015)
モネやマグリットなど26枚の名画を読み解きながら、マインドフルネスの考え方と実践方法をわかりやすく紹介した本です。芸術とマインドフルネスも関係が深そうですね。