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レファのあとは ~典拠のはなし~


レファのあとはソラ?

音階の話?

それなら レミファのあとは、ですね。

今回は 音階の話ではなく、
こちらの記事の続き、参考資料のお話です。

この記事にもありましたように
歴史上の人物や著名な人は、
参考資料に多く用いられている形を統一形としています。
そのため、まず第一に見る資料が「レファ」、
「人物レファレンス事典」(日外アソシエーツ)です。

さて、このあとはどんな資料をみていくのか。
人物レファレンス事典に掲載されている資料そのものにあたることは
もちろんですが
それ以外にも、統一形を決めるのに参考にしている資料があります。

5月の雑記、テーマは「古典」でしたが、これらの記事に出てきた作品の著者、
「いづれのおほんときにか」の紫式部、
「たすけよや」の吉田兼好のような
明治時代以前に活躍した日本人について調べるときは

コンサイス日本人名事典(三省堂)
国史大辞典(吉川弘文館)
国書人名辞典(岩波書店)
日本古典文学大辞典(岩波書店)
などを使っています。 

注意すべきは、資料によって異なる編集方針。
見出しの作り方にそれぞれの個性があり、
それを知った上であたらないと
掲載されているのに探せなかったという事態に。


例えば 吉田兼好を見てみると

コンサイス日本人名事典  吉田兼好 よしだけんこう  
国史大辞典        吉田兼好 よしだけんこう
国書人名辞典       兼好 けんこう  
日本古典文学大辞典    兼好 けんこう


国書人名辞典、日本古典文学大辞典では 
「け」の項を見なければ探せないのです。 


国書人名辞典と日本古典文学大辞典の凡例を読んでみますと、
人名は姓、名の形で見出しとするが、
連歌作者や俳人は姓を付さずに号のみ、僧侶は法号で、
というように姓名の形を見出しに採らないこともあるとのこと。
「兼好」は法号にあたるので、「吉田」を付さずに見出しとしているのですね。

典拠班に配属された新人は
まず参考資料の凡例を読むことから始めます。
何がおさめられ、どのように見出しをつけ、どう配列されているのか。
ささいなことのように思えますが、知っているのといないのでは大違い。
調査時間を短縮し、無駄なく作業を進めるには大事な知識なのです。

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