こんにちは、データぶー子です。
読書好きのぶー子はよくお目当ての著者がどんな本を書いてきたか知りたいなと思うことがあります。
でも、その著者名で検索しようとして...もし同じ名前の人がたくさんいた場合はどうなっちゃうの?
たとえば、吉田茂さんの本を検索しようとして、バカヤロー解散で有名な元首相と、歴史作家と、クリエーティブディレクターと、歯学が専門の大学教授の本が一度に表示されてしまい困った、ということはないですか?
ヨミガナでしか検索できない場合はもっと大変です。
吉田繁さんも吉田滋さんもみなヨシダシゲル。
膨大な件数のMARCが検索されてしまいます。
いや、ワタクシが欲しい情報は、この「ヨシダシゲル」さんの本なのよ!
そういう時、図書館にはとても有効なシステムがあるのです。
本の著者を管理するシステム。それは「人名典拠ファイル」なるものによって行われています。
これはTRC MARCとともにTRCの重要な商品のひとつです。
というわけで、今日からしばらく「人名典拠」についてご案内していきます!
...ジンメイ・テンキョ。人の名前の典拠ということか?結局どういうものなの?...
ここで、いろいろと疑問が浮かんだ方。
その気持ちよーくわかります。
普段の生活で耳にすることのない専門用語ですし、「典拠」とかなんだか難しそうな響きですから、最初聞いたときはぶー子も「???」でした。
人名典拠ファイルとは、簡単に言ってしまうと、
「その図書を書いた人」の名前を見出しにしたファイルです。
MARCと同様、現在はコンピュータ上で使います。
...これだけではイメージしづらいですね。
では、2007年に芥川賞を受賞した青山七恵さんを例にして。
青山七恵さんの初めての本は「窓の灯」でした。
この青山七恵さんが「初めて本を書いた人」だと確認できると、典拠の部署では、まずその名前を見出しにしたファイルを作ります。
そして、「窓の灯」のMARCをファイルの中に収めます。
次に「ひとり日和」の本が出て、MARCができたら、それをまた「青山七恵」ファイルの中に入れます。
つまり、青山七恵さんの著作はすべて「青山七恵」ファイルに収まるというしくみ。
これで、「青山七恵」の著作の本を検索することが可能になります。
ファイルでいう見出しのことを、正式には「統一標目」と呼んでいます。
統一標目は名前の漢字の形だけではなく、ヨミガナの形、そして15桁の固有のID番号で成り立っています。
11000455164‐0000 青山/七恵(アオヤマ,ナナエ)
(ハイフンは便宜的に入れています)
初めて本を書いた人が出るたびに、このファイルは作られます。
その件数がどれだけあるかはTRCのHPを参照してください。
当ブログの目玉企画「日刊新刊全点案内」のコーナーにも、毎日の新規の統一標目件数が「新規著者数」として表示されています。
大変なのは、ほんとに同じ人かどうか見分けること、
そして、本を書くのが日本人だけではないこと。
典拠の部署では毎日が格闘なのです。
(おまけ)
ちなみに冒頭の吉田茂さん、2013年4月現在TRCの人名典拠ファイル上では、同姓同名の人が17人もいます☆
(2007年2月5日/2月19日掲載の記事より)