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国籍か言語か?~分類/件名のおはなし・49~

あっという間に終わってしまったソチオリンピック。
きっと、東京オリンピックも始まるまでが華なのでしょう...。

もうずいぶんと前のことのようですが、ソチオリンピックの開会式で、キリル文字の頭文字を使ってロシアを紹介するシーンがありましたね。
そこに「ナボコフ」の名前を見て、ちょっと「おっ」と思いました。
「ロリータ」はロシア文学ではなかったと思うけど、ロシアの作家だったの?

調べてみると、ナボコフはロシアで生まれてアメリカに帰化しているんですね。
なので、ロシアの作家といっていいのか微妙ですが...。
「ロリータ」は英語で書かれているので、分類は933.7(英語の近代小説)でした。

ナボコフは帰化してアメリカ人になりましたが、国籍と分類が異なることは結構あることです。


NDC新訂9版の「900」の下にはこうあります。

「*文学作品は,原作の言語によって分類する」


つまり、作家の国籍ではなく、その作品が何語で書かれているかで分類しているのですね。

たとえば、作家の楊逸は中国籍ですが、日本語で書いた「時が滲む朝」という作品で芥川賞を受賞しました。
この場合、分類は913.6(日本語の近代小説)となります。
他にも、エッセイストで有名なアーサー・ビナードは日本語で書いているので、彼が書いたエッセイは914.6(日本語の近代随筆)になります。

日本ではあまりありませんが、外国ではナボコフのように、母国語と英語と両方で著作を出版している作家などもいるので、国籍と活動場所が違う作家の分類を探すときには、どこの国の人かというイメージに惑わされないようにしてくださいね。

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