◆(データ部の妖精からの)典拠クイズ◆
Q:図書によって表記が異なる個人名はどうしますか?
(答えは文中で発表)
こんにちは!ブログダイジェストも、もう23回目。
ワタクシの名前はなんでしたでしょうか。もう覚えていただけましたよね?
はい、どうぞ!
ぶー子、データブー子、データ部ーこ、でーた・ぶーこ...。
惜しい!正確には「データぶー子」デスよ!
え?表記が少し違うだけで、合ってるじゃないかって?
確かにまあいいか!といいたいところですが、これが実際ワタクシが本を出したときの著者名表記のバリエーションだったらどうでしょう。
というわけで、今日は、同じ名前なのにちがう書き方をしてきた人の例です。
同じ名前なのにちがう書き方とは?
有名な例ですと、よしもとばななさん。2002年吉本ばななから、よしもとばななへペンネームを変更しました。
同じように「吉本ばなな」も、「よしもとばなな」もちがわないじゃないか、と人間なら思ってくれそうですが、コンピュータはもうちょっと融通が利きません。
漢字がちがうから、そのままだと「吉本ばなな」と「よしもとばなな」を同じ名前という扱いにしてくれないのです。
だから人の手で、すでにある「吉本ばなな」ファイル(統一標目ファイル)に「よしもとばなな」ファイルをつなげる作業をします。
11000108251-0000 吉本/ばなな ヨシモト,バナナ
11000108251-0001 よしもと/ばなな ヨシモト,バナナ(注)
(注)典拠ファイル上の設定
この「-0001 よしもと/ばなな」を記述形といいます。
図書に記述された形、という意味。
統一標目とは異なる漢字形で書かれているものです。
MARCには、「記述形」のIDと漢字・カナとともに、「統一形」のIDと漢字・カナも付与されます。
このことで、典拠ファイルを通して統一形からMARC検索をすることにより、全MARCを検索することが可能になります。
つまり、「吉本ばなな」「よしもとばなな」の表記にかかわらず、よしもとばななさんのMARC全てが検索できるのです。
もうおわかりですね。
冒頭の答えは
A・統一標目のもとにまとめる!
(同じ人物だとわかるように、1人の人物に対し1つの「統一形」を決め、図書にあらわれるその他の表記形を「記述形」とする)
でした。
こういった記述形の例は、実はけっこうあるのです。
斎藤さんの斎の字が次は齋(旧字)で書かれたとか、大人向けの本は漢字、子ども向けの本はひらがなと書き分けてるとか。
ちがう形で出てきても、同じ人と見破れるかどうか。長年の経験と勘が大切なのです。
(2007年3月5日掲載の記事より)