こんにちは、データぶー子です。
装丁のお話のつづきです。
装丁コードには2012年1月から「天アンカット」が仲間入りしました。
昔ながらの文庫シリーズでは、今でも図書の「天」を裁断していないものがあります。
※おわかりになるでしょうか? 上3冊がすべすべ、下がギザギザです
ギザギザしているのは、製本段階でこの部分を裁断していないわけですが、不良品ではありません。「天アンカット」という製本スタイルです。
代表格 新潮文庫と岩波文庫のwebサイトをみてみると...
「新潮文庫」の特長 その1 http://www.shinchosha.co.jp/bunko/about/
「岩波文庫」→文庫豆知識へ http://www.iwanami.co.jp/hensyu/bun/mametisiki.html
新潮文庫は、紐しおりを付けているため天を裁断しない
岩波文庫は、フランス装のような趣を出すためと解説されています。
ほかには、創元推理文庫、ハヤカワ文庫など、昔から長く親しまれているシリーズによくみられるようです。このギザギザは、老舗のこだわりだったのですね。
文庫だけではなく新書や通常の単行本にも天アンカットの手法は使われています。
少し前までは、こういう本もあると了解されていたのですが、最近はお問い合わせをいただくことが多いので、装丁コードに入れることにいたしました。
お手持ちの本で「天アンカット」を探しみても楽しいかもしれませんね。