西洋人の典拠ファイルを作成するときに、意外と困るケースは、
図書に原綴はあるけれど、カナヨミがない場合です。
カナヨミはあるけれど原綴がないパターンに比べればまだ良し・・
とはいえ、あまり馴染みのない言語圏の著者だと案外悩まされることがあります。
大抵は図書に翻訳されたカタカナ表記があるので原綴に対しカナをそのままセットすればOKですが、図書にヨミがない場合は、
カナヨミを空欄でファイルを作成するわけにはいかないので、推定でヨミを与えます。日本人著者でヨミがない場合と同様ですね。
ただし日本人とは異なり、姓の部分のみを推定で読み、
名の部分についてはイニシャル止め(Williamであれば、W.とイニシャルで止めること)にしています。
英語圏の名前ならそんなに骨が折れることはないですが、たとえばデンマークやスウェーデン、ノルウェーなどの北欧の言語はさらりとは読めないので身構えますし、ドイツ語圏やフランス語圏の場合でも、語学に堪能なメンバーならともかく、私はちょっとたじろぎます。
そこでそんな場合に参考にしている資料のひとつがこちら。
新・アルファベットから引く外国人名よみ方字典 日外アソシエーツ
外国人名のアルファベット表記からそれに対応するカナ表記を調べられる人名表記字典です。
この写真では見づらいですが、たとえば
「Gherardo」に対して「ゲラルド、ゲラルドゥス、ジェラルド、ヘラルド」のヨミがあることがわかります。
言語ごとに対応したカナヨミが載っているわけではありませんが、ヨミが皆目見当もつかないときの心強い味方です。
他にも語学辞典で発音について調べたり、累積の典拠ファイルから同じ綴り・言語圏の人物のカナヨミを参考にしたり、版元のHPにヨミがないか検索したり、といろいろな方法でできるかぎりその著者に則した自然なヨミを与えるように工夫をしています。