« 分類ガールズ食事会 | メイン | ベル・新継続係の仕事 »

分類の助っ人・別置記号

MARC MANIAX分類/件名4回目です。
前回までは、日本十進分類法(以下NDC)と分類記号のおはなしでした。
今回は、分類記号では表現することができない形態を表すためにつけている
「別置記号」のおはなし。

別置記号は「べっちきごう」と読みます。
NDCの定義によりますと

図書は分類記号の順序に,一元的に配架するのが原則であるが,管理運営上,さまざまな理由から同一系列に配架しがたい場合を生じ,別置することがある。
別置に際して,分類記号の取扱い方に次の方法がある。
5.1 分類記号を変更せず,別置する場合
和図書と洋図書,新聞
5.2 別置記号を冠して,NDCの記号順に配架し,別置する場合
和古書・漢籍,参考図書,大型本.豆本,児童図書.青少年用図書,雑誌
5.3 別置記号のもとに一括する場合
小説.読みもの,絵本.コミック,学習参考書,貴重図書.古文書
5.4 別置記号のもとにNDCと異なる分類表で分類する場合
郷土資料,専門図書館で中心のテーマ図書,地図・楽譜・写真・書画・ポスターなどの一枚もの
5.5 一時的利用に供する資料
(NDC新訂9版<本表編> 「解説」の5章 別置図書 の項より)


実際の図書館では、児童書、郷土資料、参考図書、文庫などが別コーナーになっているのをよく見かけます。

ここでは、TRCで付与している別置記号を紹介します。

p20071130.jpg

左からA,R,K,B,Tになります。
A(Annai)...<旅行案内書>旅行ガイドブック,地図
R(Reference)...<参考図書>事典、年鑑など調べるための図書
K(Kodomo)...<児童図書>
B(Bunko)...<文庫>
T(Tenrankai)...<展覧会パンフレット>図録など


図書館向きでないという理由で『週刊新刊全点案内』に掲載していない図書には、以下のような別置記号もつけています。 

G(Gakusyusankosyo)...<学習参考書・問題集>
H(Hard porno)...<ハードポルノ>
M(Music)...<楽譜>
Q(Quarterly)...<雑誌>
S(Sikakusiken)...<資格試験参考書・問題集>

別置記号は原則一文字だけを使用しますが、KR(児童書・参考図書)とBH(文庫・ハードポルノ)は重ねて使用しています。


以上、MARC MANIAX分類/件名を1ヶ月にわたってお送りしました。
少しでも分類を身近に感じて頂けたでしょうか。
ん!件名の説明は...?「件名編」はまた来年に。

コメント (13)

三重県立図書館 資料調査課 渡邉:

いつも楽しく拝見いたしております。
別置記号について1点教えてください。
R(レファレンスブック)の基準ですが、手元にある『TRC 日本十進分類法-新訂8版-』によると、「白書」は「行政報告など ☆公的機関の著作、編集になるもの」とありますが、本年度購入した『男女共同参画白書』(内閣府男女共同参画局/編集 内閣府)には「R」が付いていません。何かもっと細かい基準があり、この本には「R」が付いていないのでしょうか?今後の選書の参考としたいので、ご教授ください。

分類/件名 渋谷:

渡邉さま、こんにちは。データ部ログをご覧頂きましてありがとうございます。
ご質問の「男女共同参画白書」の別置記号:Rについてです。
Rの付与の基準は、お手元の資料のとおりです。それ以上のもっと細かい基準はございません。(あったら助かるような、困ってしまうような)

こちらの手元に現物がないので難しいのですが、「~白書」となっていても中身の解説の分量などによってはRを付けないこともあります。
お問い合わせの本は94年刊の「女性の現状と施策」(Rなし)が改題を重ねながら継続しているものなので、当初の判断に従っているものと思われます。

中元智穂:

別置記号のWとは、何でしょうか?見つけた本は厚生労働白書です。

典拠 A.S. :

中元さま、こんにちは。
データ部ログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

ご質問の別置記号:Wの件ですが
TRC MARCでは別置記号でWは使用しておりません。
ご指摘の「厚生労働白書」にはRを付与しております。
おそらく図書館で独自に設定されたものではないかと思われます。

これ以上は推定になってしまいますので
大変お手数ですが弊社窓口(電話番号:03-3943-6639)まで
お問い合わせ頂ければ調査いたしますのでご連絡下さい。
よろしくお願い致します。

滝本美行:

司書の資格取得に励んでいます。
児童書の請求記号についてご教示頂きたいです。
最寄りの公共図書館で、任意の主題に基づいて一般書や児童図書の請求記号を比較しているのですが、児童書の請求記号の根拠がボヤっとしています。

例えば、タイトルが「カレーライス」
著書が 「やなせたかし」 「小西英子」と複数の図書が
ありまして、前者の記号が /I/カ
後者の記号が /I/コ/16

この場合、どちらにも共通する 「I」というアルファベットの根拠がわからないのです。図書館に出向きたいのですが、コロナ禍なので自粛しています。出向けないので非常に悶々としておりましたところ、TRCさんの当該「部ログ」に出会えて嬉しく思っております。
ちなみに、その最寄りの図書館はTRCさんが指定管理で入っておられれます。

データ部典拠 望月:

滝本美行様
コメントありがとうございました。
ご質問の請求記号の「I」ですが、TRC MARCでは別置記号などにアルファベットの「I」は用いておりません。
おそらく図書館で独自に設定されている記号と思われます。
お問い合わせいただいたところ申し訳ございませんが、ご利用の図書館に直接お尋ねいただく方が確実かと存じます。
お手数ですが、よろしくお願いいたします。

たぬき:

いつも楽しく拝見しております。
質問です。
TRCさんでは、紙芝居の別置記号にCを使われているかと思いますが、Cは何の略でしょうか?
教えていただけると嬉しいです。

データ部分類件名 伊藤:

たぬき様
コメントありがとうございます。

紙芝居の別置記号「C」についてですが、
「Kamishibai」からKとすると児童書の別置Kと混同してしまうため、
略としてではなく、他と被らない記号として「C」を使用しました。
また「Picture Card」にもちなんでいます。
よろしくお願いいたします。

たぬき:

伊藤様
回答ありがとうございます。
他と被らない記号ということでCということだったんですね。
PictureCardにちなんでいるということであればPでもよかったのかな?と思いましたが、Pは他で使っていたんでしたっけ…?(不勉強ですみません。)
また、PictureCardというとトランプの絵札を思い浮かべますが、紙芝居という意味もあるのでしょうか?
教えていただけると嬉しいです。

データ部分類件名 横山:

たぬき様
続けてのご質問ありがとうございます。伊藤が夏休みに入ってしまいましたので、代打でお返事させていただきます。
PictureCardにちなんでいるということであればPでも…?ということなのですが、実は古いフォーマット時代に豆本を表す別置記号として「P」を使用していたことがあります。
(豆本がなぜ「P」かというと、小さい本だから「プチ」のP?と予想されますが、古い話で正確なところはわかりません。)
それと重ならないようにするために、紙芝居に「P」は使用しなかったのだと思われます。
また、そもそも紙芝居というものは日本独自の文化であるため、正確な英語訳が決まっていないようで、「Kamishibai」とそのまま使われたりもするようですが、Picture Card Show などとも表現されるようです。
よろしくお願いいたします。

たぬき:

横山様
回答ありがとうございます。
豆本を扱っていた時代があったのですね。とても興味深いです。
たくさんお答えいただき、ありがとうございました。

magumagu:

別置記号で検索して、ここにたどり着きました。
私、とある施設で700冊あまりの
本に囲まれて仕事しております。TRC様には、お世話になっております。
別置記号でわからない事があるので教えて頂きたいのですが
Eは絵本、Bは文庫、Jは日本の小説(文学)でしょうか?それぞれ記号の次につくカタカナは作者の頭文字だと思われます。
ではNとDは何なのでしょうか?ご教授下さい。

データ部ログ管理者:

magumagu様、コメントありがとうございます。
E(絵本)B(文庫)は同じですが、別置J/N/DはTRC MARCでは提供しておりません。
ご所属先の独自のものかと思いますので、こちらではわかりかねます。ご了承ください。

コメントを投稿

(投稿されたコメントは、TRCデータ部の営業時間内にアップいたします。投稿から掲載までお待ちいただく場合がありますがご了承ください。なお、メールアドレスはTRCデータ部から直接ご連絡する場合にのみ使用いたします。第三者への公開・提供はいたしません。)

2024年9月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

アーカイブ

全てのエントリーの一覧

リンク