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知らない食材、と思ったら日本には平安時代からあるんだって ~新設件名のお知らせ2018年12月分~

あけましておめでとうございます。本日より、2019年のデータ部ログを再開したいと思います。本年もデータ部ログをよろしくお願いします。

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

2018年12月は7件の件名を新設しました。そのひとつに「ういきょう」があります。

ういきょうって何?!(私の知らないものだ...。)
漢字で茴香と書くそうです。(読めやしない。)
別名はフェンネル。(まだ私は???です...。)

セリ科の多年草で、葉の部分は「魚のハーブ」と呼ばれるほど魚料理と相性がいいそうです。また、白い茎の部分は「フィノッキオ」と呼ばれ、イタリアではおなじみの野菜だそう。私には全くなじみのない食材でしたが、某有名コミュニティ料理レシピサイトには、1000を超すレシピが投稿されていました。

魚のハーブ、と聞いて私が思い浮かべたのがディル。スモークサーモンにのっていそうな、アレです。ディルとフェンネルは見た目もかなり似ているし、使われ方もほとんど一緒、だけど全くの別物だそうです。(ディルはセリ科の一年草なんですって。)

ところで、今回「ういきょう」の件名を新設するきっかけになったのは、この本。


フェンネル トウ立ちを防いで大球をとるコツ
(小さい農業で稼ぐ)

川合貴雄(著) 藤原 稔司(著)
農山漁村文化協会(2018.12)


タイトルでも「フェンネル」と言っているのに、なぜ別名の「ういきょう」が件名標目として採用されたのでしょうか。それは、根拠としている参考資料、「広辞苑(第7版)」での「ういきょう」と「フェンネル」の扱われ方に依ります。「フェンネル」の項を見てみると、その解説文は「茴香(ういきょう)に同じ。」だけ。「ういきょう」の項を見ると、そちらに詳細な説明が書いてありました。このような場合、TRCでは詳細な説明が付されている方を優勢な形、と判断して件名標目を決定しています。
件名標目とはならなかった別名の「フェンネル」は参照形として作成していますので、件名典拠ファイルを経由した検索を行えば、「フェンネル」で検索してもきちんと「ういきょう」の本にたどり着く仕組みになっています。

せっかく今回いろいろ知ったういきょう、フェンネル。いつかお店で見かけたら買って、お料理に使ってみようかな。


※尚、今年より掲載基準を変更し、これまで「新設件名のお知らせ」に掲載していなかった動物名、植物名などを掲載することになりました。

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