皆さんは、ご自宅の蔵書をどのように並べていますか?
私の一番の悩みの種だったのは、子どもの絵本。
以前は大きさ別に並べていたのですが、さまざまな形の絵本を大きさ順に並べるのは本当に骨の折れる作業でした。
しかも、どんなに美しく並べても崩れるのはあっという間…。
そんな母の苦労を見かねてか、小学校に上がった娘がひらがなを全部覚えた頃、自ら絵本の整理をしてくれました。
「あ~お」「か~こ」とメモ書きした紙切れをぺたぺたと棚に貼り、棚から絵本を抜き出して表紙を見ながら「あ行」のかたまり、「か行」のかたまりと分け始めました。
そう、彼女はタイトルの一文字目を五十音順に並べ、配架したのです。
図書記号ってこういうことなのね、と書誌データ作成に携わる身ながらそれをまったく活用していなかった自分が少々情けなくなりました。
しかし、並べていく途中で困ったことがおきました。
この絵本を戻すときです。
娘は表紙のタイトル「けいてぃー」を見て「か行」のかたまりに分けたのですが、棚に並べると背のタイトルは「はたらきもののじょせつしゃけいてぃー」で、「は行」になってしまうのです。
目録を作成する上で、このように情報源によってタイトルが異なることはよくあります。
この絵本の場合、表紙のタイトルだけが「けいてぃー」で、標題紙を含むほか3ヶ所の情報源は「はたらきものの~」。
目録上のタイトルは情報源の優先順位に従って選定します。
3:1で今回は「はたらきもののじょせつしゃけいてぃー」がタイトルとなります。
ですが、タイトルとして選ばれなかった表紙の「けいてぃー」を全く無視するわけではありません。
日本目録規則適用細則にはこのようにあります。
2.7 注記に関する事項
2.7.3.1(タイトルに関する注記)
ア) 情報源によってタイトルの表示が異なるときは, ~ 記録しなかった他のタイトルおよび情報源を注記する。
この規則に従い、「表紙のタイトル:けいてぃー」と注記をすることになります。
結局、娘は背のタイトルをじっと見て、この絵本を「は~ほ」のメモの下に並べていました。
きっと「か・き・く・け・こ」と並んでいるところに「は」の本が混ざることに違和感をおぼえたのでしょう。
しかし、子どもにとって表紙は絵本の顔なんですよね。
しばらくたったある日、「けいてぃーの本がない!」と「か~こ」のメモの下を探す娘を見て思ったこと-絵本を読んであげるときは背のタイトルも読んだほうがいいかしら。
それとも未来のカタロガーにすべく、標題紙・奥付・背・表紙と情報源の優先順に読み上げようか…。