本日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
10月は15件の件名を新設しました。
その中に「縁起(寺院)」という件名があります。
寺院の由来や霊験などの伝説に対して使用します。
この件名、わざわざうしろに(寺院)と付いているのには訳があります。
広辞苑(第6版)によると「縁起」という言葉には、A)仏教の根本思想、B)事物の起源・沿革、C)寺社などの由来または霊験などの伝説、D)吉凶の前兆(-がいい)、という4つの意味があって、今回採用したのはこのうちの C の意味で使う件名だよ、ということをハッキリさせるために「縁起(寺院)」という形にしたのでした。
ではA~Dそれぞれに対応する件名はどうなっているのか?具体的には
A)仏教の根本思想 →件名「縁起(仏教)」
B)事物の起源・沿革 →件名「事物起源」
C)寺社などの由来 →件名「縁起(寺院)」と「縁起(神社)」
D)吉凶の前兆 →件名「民間信仰」など(これは内容によりけり)
という関係になっています。なんだかとてもマニアックですけど...
今回「縁起(寺院)」という件名を採用したことで、4つの意味それぞれに対応する件名がめでたく(?)揃いました。
件名の説明をするときには "本によってバラける言葉をまとめて検索できる機能" という点をよく強調しますが、こんなふうに "同じ形の言葉を意味ごとに分ける機能" もあるのです。