こんにちは。データ部新刊目録 大谷です。
TRCむかし話、4回目はNDC9版の採用についてです。
1995年。日本十進分類法(NDC)新訂9版が発表されました。もちろんデータ部でも、ミルクコーヒー色に輝くそれをただ棚に飾って眺めていたわけではありません。9版採用に向け、準備をすすめておりました。
※左から9版(2冊組)・8版・7版です
分類担当者の間で、9版の勉強や、今までの累積しているデータの修正をどうするべきかが話し合われました。8版・9版の対応関係が明らかな部分については機械的に修正をかけ、図書の内容を確認しないと判断できない部分については改訂版や続巻が出た機会をとらえモグラたたきのごとくひとつひとつ修正していくことになりました。
累積データに修正を入れるとなれば一大事です。図書館からいただいたご意見も参考にしながら慎重に作業されました。「機械的に修正」と申しましたが秘伝の魔法があるわけではありません。まず0類から9類のはじからはじまで対応関係を検討し、変換してもよさそうな範囲を決めてプログラムを作り、変換後にもヘンなデータが出現していないか確認…これまた地を這うような作業です。
図書館にもアンケートを行い、9版に対する考え方や自館での採用予定など、たくさんの貴重なご意見をいただきました。「7版から8版への移行に困難をきわめた」と苦労をにじませたコメント数々を拝見し、分類体系の変更が難事業であることをあらためて知る機会となりました。
そして1997年、NDC9版のご提供を開始。
「7版と8版」を入力してご提供していたところを「8版と9版」のかたちに移行いたしました。
ところで、この移行のために、一時的にですが、7版・8版・9版の3通りを付与していました。3通りも入力することに当時は限界を感じましたが…(現在7版は残っていません)…まだ若かった自分は甘かったです。現在、全集ものについては全体についてと各巻についての分類、そして絵本については主題分類も、それぞれ9版・8版を付与しています。