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分類はじめの一歩~NDCその1

典拠、目録と続いてまいりました「MARC MANIAX」。今日から分類/件名のスタートです。よりいっそうマニアな(?)分野にふみこみますが、どうぞよろしくお付き合いください。


以前の特集記事「MARCができるまで」でもご紹介しましたが、MARCを作成するなかには、図書の主題(テーマ)にかかわる情報を付与する工程があります。今月は、その中でも一番重要な「分類」について書いていきたいと思います。

分類とは、ある一冊の本を、図書館の膨大な蔵書の中のどこに位置づけるのが最もふさわしいのかを決定すること。
適切な分類を付けなければ、その本を必要とする人の目に触れないかもしれない、ひょっとすると一度も利用されずに終わってしまうかもしれない、と考えると責任は重大です。


それではもしも、ある日突然「この本を分類してみてね」と言われたら?
(ありえない設定…でもないかもしれませんね。
図書館員さんはもちろん、出版社や書店にお勤めの方にもそんな機会がなきにしもあらず?)

TRC MARCでは現在、『日本十進分類法(以下NDC)』の新訂9版および新訂8版に則った分類を付与していますので、そちらにそって見ていきましょう。



まずはこちらがNDC。

p20071102.jpg

左から2分冊のNDC新訂9版<本表編>と<一般補助表・相関索引編>、新訂8版、サボテン(友情出演)です。


もしも分類に取り組もうと思ったら、まず読むべきは、<本表編>冒頭の「解説」です。
NDC9版では、分類の歴史や体系に続いて、実際の分類作業の進め方がかなり具体的に解説されています(「解説」の3章 分類作業の進め方)。

とくに重要なポイントをあげてみましょう。

★図書の内容を把握するためにはどこに注目すれば良いか
まずはタイトルまわりの情報著者に注目します。本タイトルはもちろんですが、図書によってはサブタイトルの方が内容を的確に表している場合もあります。また、シリーズからその本の読者対象などがわかる場合もあります。ほかの著作がある著者の場合は、そのデータから専門分野などを確認します。
タイトルを確認した後、かならず中身にも目を通します。序文や後書き、目次、解題などに目を通し、必要があれば本文のポイントとなりそうな部分を拾い読みします。
(注:NDCには書いてありませんが、このとき必ず同じようなテーマの図書を検索し、分類を確認することも重要です。)

★分類の基本の考え方とは?
a.主題が複数ある場合: 中心になる主題があれば、その主題に分類します。3つまでの主題が同程度に扱われている場合は、いずれか一つの(例えば最初の)主題に分類します。4つ以上の主題がある場合には、より高次の分類に分類します。

b.主題同士の関係: 一つの主題が他の主題に影響を与えている場合は、影響を受けた側に分類します。ただし個人から多人数へ影響を与えた場合は個人へ分類します。(そのほか因果関係、上下関係、比較についての説明もあり。)

c.理論と応用を扱っている場合: 基本的には応用に分類します。

d.特定の読者や目的を対象とした図書: 基本的には利用目的に分類します。

e.原作とその関連書: 基本的には原作と同じ場所に分類します。(そのほか対訳本、翻案、脚色などについての説明もあり。)

…などなど。とても駆け足に列挙してしまいましたが(原文は40ページにわたりますから、ここではご紹介しきれません!具体的な説明はまた別の機会に。)、NDCを使う以上はこの「解説」がすべての基本なのです。

ですから、もしも分類をしてみてねと言われたら。まずはしっかりじっくり「解説」を読んでみてくださいね。
NDCのお話は次回も続きます。

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