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グループで活動するかソロで活動するか

今日のMARC MANIAXは「全集」と「シリーズ」のお話です。

★どれがタイトル?

突然ですがこの本。いろいろな語が情報源にありますが、どれがタイトルでしょう?

松本清張映画化作品集 1 証言 双葉文庫 ま-03-07


TRC MARCではこうしました。

タイトル      251A1 松本清張映画化作品集
巻次        251D1 1
各巻のタイトル 291A1 証言
シリーズ名   281A1 双葉文庫 
シリース番号  281D1 ま-03-07

本タイトルとしては「松本清張映画化作品集」。
「双葉文庫」はシリーズ名。
松本清張映画化作品集という全集がまずあって、「証言」はその1巻目。
それがさらに双葉文庫というもっと大きなグループに属していることをあらわしています。


★グループで活動かソロ活動か

ここでの「全集」とは、同じタイトルで継続して刊行される出版物、
またはセットになっている出版物のこと。
巻数が番号ではなく「東北編」「ふしぎなお話の巻」といった言葉だったり、
上下本や「2008年版」といった年鑑ものなども。
ごく簡単に言ってしまうと本タイトルに番号(巻数)が付いたスタイルのことを、
データ部用語ではシリーズと区別する意味で「全集」と呼んでいます。

対して「シリーズ」とは、「新潮文庫」や「岩波新書」のように、
終期を定めず刊行されて1冊1冊が出版物として独立しているものを指します。

例えば「ケロロ軍曹の16巻読んだ?」(全集)とは言いますが、「河出文庫のわの1の2、面白かったよ」(シリーズ)とは言いません。それはやはり「蹴りたい背中」という本ですよね。

たとえて言うと、グループの一員としての役割を求めるなら全集、
独立した一冊として活動していると見るならシリーズ、となるでしょうか。


★全集にするかシリーズにするか

さて、さきほどの松本清張。
下のような形にするのも可能です。

タイトル       251A1 証言
シリーズ名      281A1 双葉文庫 
シリーズ番号    281D1 ま-03-07
サブシリーズ名   282A1 松本清張映画化作品集 
サブシリーズ番号 282D1 1

ただし、1巻目が全集だったのに2巻目が出たらシリーズと、そのつど形がバラバラになるのはNG! 必ず既刊MARCを確認して形をあわせます。

TRC MARCでは、図書館の書架でまとめて並べられると考えられるものついては、
そのまとめるグループのタイトルを本タイトルとしています。
例えば、個人の著作集や続きものの物語、特定の主題が体系的に編集されているもの、
きわめて限定された主題に関するもの。
「このお話の続きが読みたい」「この研究、中国の巻が参考になったけど韓国の巻もあるかな」と棚を探すとき検索したとき、あっちこっちバラバラになっているよりまとめて見られるほうが親切だと考えております。

そうは言ってももちろん図書の表示がどうなっているかも考慮しなくてはいけません。
「これは続きもののお話だから全集としてまとめたいのだけど、全集タイトルが奥付にしかないよ...」などと悩んでしまうものも数多くあります。


★余談

さて、「ハリー・ポッター」のお話の最終巻がいよいよ7月に刊行されます。ところで今出ているのは何ていうタイトルだっけ? 「ハリー・ポッター」だけで検索するといろいろな関連本が一緒に出てきて...本家本元はどれ? 毎回のタイトルが「ハリーポッターと○○○○」となっているだけで、全体に共通するタイトルが付いていません。巻数もないので、これから読む人は順番を間違えないように気をつけないと。
「ハリー・ポッターシリーズ No.1」とか、図書のどこかにちらっとでも書いてあればなあ...と、華やかなベストセラーの陰で目録は泣いているのであります。

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