3回にわたってTRC MARCの改訂についてご紹介させていただく記事も今回が最終回。
本日は分類班から改訂事項をご紹介させて頂きます。
とは言うものの、分類班の担当部分は“鋭意準備中”の改訂【準備】事項なのですが…(トホホ)
『週刊新刊全点案内』での選書の際などに参考にしていただこうと、TRCが独自に付与しているジャンル。
現在は1階層40ジャンルを付与しています。
しかし、40のジャンルでは括りがあまりに大きすぎて、残念ながらあまりお役に立っていませんでした。
例えば分類:913.6となってしまう日本の小説。ジャンルでも全て「小説」となってしまうため、結局分類件名でもジャンルでも、推理小説なのか、それともSFやファンタジーなのかといった事はわかりませんでした。
そこで、今回ジャンルを全面改訂。従来のジャンルのほかにもう1つ、最大4階層、1084ジャンルもある詳細な新ジャンルを付与する予定になっています。
例えば分類:913.6の部分ですと、「文学>小説」の下の第3階層のジャンル、「SF」「ファンタジー」「推理・ミステリー」「ホラー・怪談」「歴史・時代小説」「企業・経済小説」といったジャンルが新たに付与されていくことになります。
また、現在のジャンルは1つだけ付与していますが、新しいジャンルは複数付与していきます。例えば日本のSF小説には「文学>小説>SF」の1つだけではなく、第2ジャンルとして「文学>小説>日本の小説」というジャンルも付与して、ジャンルだけで海外のSFと国内のSFを識別することもできるようになります。
ただし、森鴎外の『舞姫』のように、詳細なジャンルが指定できないような小説には「文学>小説>日本の小説」だけを付与します。妙なジャンルを強引に振るようなことはしません。
例えば、
「宇宙英雄ローダン・シリーズ」の下記の本には「文学>小説>SF」と「文学>小説>外国の小説>欧米」のジャンル、
「外交官黒田康作」の活躍を描いた下記の本には「文学>小説>推理・ミステリー」と「文学>小説>日本の小説」のジャンル
がそれぞれ付与されます。
詳しくはTRC MARCニュース第29号のp14~23をご覧下さい。新しいジャンルの一覧を見ていただけます。
もちろん今までの40ジャンルも変わらずご提供しますので、今まで使ってくださっていた皆様には引き続きご利用いただけます。
我々TRCデータ部分類件名班一同、きっとお役に立てると信じながら準備に励んでいます。
鯉が龍になるかのごとき詳細な新ジャンル。2012年6月提供開始予定です。どうぞご期待下さい。