こんにちは。データ部新刊目録 大谷です。
TRCむかし話、3回目は『週刊新刊全点案内』誌面のカラー化についてです。
週刊新刊全点案内が現在のようなカラー印刷になったのは1996年のことでした。
それまで新刊案内の版下は、社内電算室が自前でMARCを新刊案内のかたちに印刷したものを使用していました。
が、本の表紙写真は、カラーだったらいいのに。それに、カラー印刷ならメリハリがついて、選書のための多くの情報を盛り込んでも、うまいこと見やすく収めることができそうです。
カラー化にあたってはもはや社内電算室のプリントアウトでは対応できないので、MARCデータと本の表紙写真を専用のソフトで編集し直す必要がありました。
そこで導入されたのが、Macintoshパソコンです。
日々作成したMARCをMacに落とし込み、編集ソフトで形を整えます。
本番前に準備期間もおいたのですが、パソコン未体験の人も多かった時代。初めて見る「フォルダ」や「マウス」の扱いに、当初はかなり戸惑いました。
(ここで、「MARCを入力するのにコンピュータを使っていたんじゃないの?」という疑問をお持ちになるかもしれません…実は当時MARCを入力するのは汎用機の端末。黒い画面に白や緑の文字という必要最小限なインターフェイスで、現在のパソコンのイメージとは似て非なるものでした)
そしてこの頃から、TRC MARCには「本文が外国語」「漫画で描かれた図書」「ゲーム攻略本」「CDなどの付属資料付き」「文庫オリジナル」など選書のためのポイント情報をだんだん増やしていくようになりました。
現在は、ほかの業務との兼ね合いで、WindowsのInDesignというソフトを使用しています。
しかし、新刊案内の編集というとMacというイメージが残っていて、今でも、新刊案内の校正ゲラをうっかりMacゲラと呼ぶことも。校正中に訂正が見つかると赤字を入れて「まるM OK」とメモします。おそるべし、Macの影響力。データ部のスティーブ・ジョブズ伝説です。
先日若手の社員が「このMって、どうしてMなんでしょうね?」とつぶやいていたし、さすがに、そろそろ印を変えようか…でも、もうしばらくはジョブズ氏の偉業をたたえ、このままにしておこうかな…と、迷っているうちに、今年のリニューアルを迎えそうです。