先々週、人名典拠ファイルなるものがあると書きました。(「こういうものがあるのです」)
これがどういうものか、簡単に言ってしまうと、「その図書を書いた人」の名前を見出しにしたファイルです。
MARCと同様、現在はコンピュータ上で使います。
...これだけではイメージしづらいですね。
では、先日芥川賞を受賞した青山七恵さんを例にして。
青山七恵さんの初めての本は「窓の灯」でした。
この青山七恵さんが「初めて本を書いた人」だと確認できると、典拠の部署では、まずその名前を見出しにしたファイルを作ります。
そして、「窓の灯」のMARCをファイルの中に収めます。
次に「ひとり日和」の本が出て、MARCができたら、それをまた「青山七恵」ファイルの中に入れます。
つまり、青山七恵さんの著作はすべて「青山七恵」ファイルに収まるというしくみなのです。
ファイルでいう見出しのことを、正式には「統一標目」と呼んでいます。
統一標目は名前の漢字の形だけではなく、ヨミガナの形、そして15桁の固有のID番号で成り立っています。
11000455164‐0000 青山/七恵(アオヤマ,ナナエ)
(ハイフンは便宜的に入れています)
初めて本を書いた人が出るたびに、このファイルは作られます。
その件数がどれだけあるかはTRCのHPを参照してください。
当ブログの目玉企画「日刊新刊全点案内」のコーナーにも、毎日の新規の統一標目件数が「新規著者数」として表示されています。
大変なのは、ほんとに同じ人かどうか見分けること、そして、本を書くのが日本人だけではないこと。典拠の部署では毎日が格闘なのです。
来週につづく。
※「ひとり日和」は、明日発行の「週刊新刊全点案内」1509号に掲載されます!
企画記事:人名典拠