本日発行の『週刊新刊全点案内』は巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
この新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
8月は15件の件名を採用しました。
毎年8月が近づくと、戦争についての本が数多く刊行されます。この時期にだけ考えればいいという問題ではもちろんないけれど、やはり区切りとして、ということなのでしょう。戦争を体験した世代の方たちが少なくなるなかで、戦争に関わる遺構にふれることで歴史を学ぼうとする活動もあるようです。
そうした遺構を表す言葉として、「戦争遺跡」という件名を新設しました。
件名を新設するときには、作業者によって見解が違ってしまわないように、定義を明確にします。「戦争遺跡」の場合は、“近代以降の戦争に関する遺跡”に対して使用するものと定義しました。戦争に関する遺跡には、たとえば軍事関係施設の跡や、戦争によって被災した建造物などがあります。
本は記録を伝えるメディアではありますが、本で読んだだけのものと、実際に見たり聞いたりしたものとでは、やはり印象が違います。自分が住んでいる地域の戦争遺跡を見ることで、どこか遠い昔のことと思ってしまう戦争を、もっと身近に、切実に考えられる気がします。