科学の進歩とともに教科書で習ったことが変更されることがあります。例えば武将の肖像とされていたものが別人だったりします。今回、話題としたのは445.9「冥王星」です。
実はこの分類記号は9番目の惑星という意味付けなのです。もっとも第3惑星の「地球」は別分類448なので445.3は第4惑星である「火星」の分類記号となり445.4は火星と木星の間にある小惑星帯(分類項目名は「小惑星」)が使用しています。さて、その445.9はようやく今年使用するチャンスがやってきました。『かくして冥王星は降格された』です。
意外と使用していない分類記号というのはあったりします。NDCは学問の体系上必要なものに対して分類記号を割り振っている面があるので必ずしもそれをテーマとした本が一定数刊行された実績があることにはならないのです。話を戻して冥王星ですがタイトルにあるように2006年に惑星から準惑星に降格されてしまったのでした。現在NDCは新訂9版が最新ですが予定されている10版では445.9はどうなりますでしょうか。想像では「準惑星」という分類項目名になるのではないかと思っています。本来なら小惑星は小惑星帯に限られた存在ではないので「木星」から「海王星」までの分類記号を前にそれぞれひとつ移動し445.8を「準惑星」445.9を「小惑星」とすればよさそうにも思いますが影響を考えると変更は難しいでしょう。その点445.9の変更は不幸中の幸いと呼べるケースではないかと思ったりします。
(参考:NDC9版445の展開)