データ部新刊目録 大谷です。
本日ご紹介するのはこちら。
「誰だ ハックにいちゃもんつけるのは」
大学の図書館学の講座で、先生に「読んでおきなさい」と言われました。
集英社の「コバルトシリーズ」は当時も中高生向けの人気シリーズ。大学生はもう卒業よね、というイメージ。まさか、このような硬派な作品が混じっていようとは。
アメリカの高校を舞台に、「ハックルベリー・フィンの冒険」を図書館に置くべきか?という論争が、さまざまな立場の人たちの間で繰り広げられるお話です。
ちょっと重たそうですが、これが、少女マンガ風のかわいらしい挿絵、魅力的な登場人物、ノリのよい会話。「誰かを傷つけない本なんか、1冊だってないんです」なんて印象的なセリフがポンポン飛び出し、ハックの運命やいかに?ドキドキしながら一気に読んでしまいます。
先生オススメの本なので、司書の必読書なのかと思っていましたが、今はどうなのでしょう? 気がついたらけっこう古いせいか、もし、この本をぜひ読みたい!という気持ちを持った方は、ちょっと気合を入れて探さないといけないようです。当時は、地元のちょっと大きい書店に行けば買えたのですけど。
ヤングアダルト向けといえば、図書館の棚でたまたま見つけて
どこかの書評にのっていたなあと、何気なく手に取りました。
不運の多い人生を、誠実さと向上心で切り開いていく少女ジャミーラ。ステキです。
ヤングアダルト小説の世界、オバサンにも効きます。
コメント (2)
この本は、私も印象深い本でした。
当時、高校の図書館にいたので生徒に読んで欲しくて良く薦めていましたが、コバルトというだけで内容が評価してもらえない時代でもあり、あっという間に手に入らなくなった本でした。
あの頃の影響か今でもコバルト文庫は、古本屋ではあまり流通せず、いい本がたくさん埋もれてしまっているのが残念です。
投稿者: imahara | 2011年6月21日 17:48
日時: 2011年6月21日 17:48
imaharaさん、こんにちは!
プロの方からコメントをいただき恐縮です。
ありがとうございます。
この記事を書くにあたって、都内一部の横断検索をかけてみたのですが、所蔵している図書館が少なかったのが意外でした。なるほど、ご指摘のような、残念な事情があったのだろうと思います。
ところで、コバルト文庫はかわいい挿絵も人気のポイントでしたね。私はこの挿絵を描いてみたい…と、ちょっぴりあこがれていました。
投稿者: 新刊目録 大谷 | 2011年6月22日 13:23
日時: 2011年6月22日 13:23