思い出の本、というより、ことあるごとに思い出してしまう本といったところでしょうか。
この場合「こと」=「てんぷら」、要するに今でもてんぷらを食べるたびに私の頭をよぎる絵本です。
子どものころ、この絵本でてんぷらの作り方を覚え(たつもりになり)、自分でやってみたくて仕方ありませんでした。
というと、お料理に目覚めた女の子という感じですが、正直に申しますと私の目的はお芋やら人参やらのまっとうなてんぷらを作ることにはなかったのです。
さすがに、おばけのてんぷらは子ども心にも「きっと作れない」と思ってあきらめました。
が、主人公うさこのトレードマークである<アレ>をてんぷらにしてみたくてしてみたくて!
食べ物以外をてんぷらにしてやろうという私の企みを察知していたのか、単に幼い子を高温の油に近づけては危ないと思ったかは知りませんが、母にてんぷら鍋には手出しをさせてもらえず、そのうち私も「<アレ>は揚げちゃだめだろう」と思うくらいには精神的に成長し、結局いまだ実現しておりませんが。
<アレ>って何?食べ物じゃないの?と気になってしまった方は、是非絵本をお読みになってご確認ください。