小学生のころ、友達数人と担任の先生のお宅に遊びに行きました。
お菓子やジュースを出していただいて楽しく過ごし、帰る時間に皆で身支度をしていると、先生が自分の書棚から本を1冊出して、「こういうの読んでみたら。」と私に薦めてくれました。
それは丁度私が親に買ってもらって読んでいた本で、「私いまこれ読んでるんです。」と告げると、「まぁ、やっぱりこういうの好きだと思ったのよ。もう読んでいたのね。」と言ってくれました。
先生は、私の読書を当てたことがとても嬉しそうで、私も、先生が自分のことを見ていてくれたんだと思い、お互いににっこりしました。
それがこの本です。
定番ですが、メアリー・ポピンズが優しいというよりはテキパキと仕事をこなし、王様や動物とも知り合いなセレブ(?)ぶりに当時は畏怖を覚えたものでした。
人に本を薦めるのは難しいですが、喜んでもらえたらとても嬉しい。
いつまでも忘れない宝物のような思い出です。
もうひとつ。
話の中に出てくる、おばあさんの大切なコーヒーひきが欲しくてたまりませんでした。
オルゴールが入っているのか、ハンドルを回すと曲が流れるというもの。
しかも、ホッツェンプロッツに盗まれ取り返した時には、妖精のはからいで曲が二重奏になっているのです。
子どもの頃にはコーヒーミルなどというハイカラなものは家になく、大人になってごく普通のものを買いましたが、オルゴール内臓のものには出会えていません。
作者プロイスラーの国、ドイツに行けばあるのでしょうか。機会があるごとに知り合いに話しますが、そういう代物を知っている人はいませんでした。
今も探しているのですが、見つかってしまうとそれはそれで寂しいのかなあと思います。