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東京と神奈川の家族の歴史

最近読んだ本から同じ傾向だなあと思う本を紹介する。「ミドリさんとカラクリ屋敷」(鈴木遥著)「オオカミの護符」(小倉美惠子著)「コンニャク屋漂流記」(星野博美著)「相田家のグッドバイ」(森博嗣著)である。最後の「相田家」は他の3冊とは、はっきり違うのだが。まずは一応フィクションである。書いているのが男性という点も違う。だが一番の違いは「相田家」が核家族つまり近代主義ということだろう。ベストセラー作家の異色作として高く評価するが、結局は前3冊と同じテーマ、家族であり日本の庶民の現代史だとは思うのである。

「ミドリさん」は、高校時代に偶然見つけた近所の不思議な家に通い、家主のルーツまで追った記録である。ミドリさん夫婦は、私の両親の世代である。湘南に住んでいるのだがルーツは新潟と北海道。新潟といえば、私も〈北方文化博物館〉という豪農の館を訪れたことがある。そのなんでもありの収集には驚いた。北海道は、日本離れしたスケールと風土。だが普請道楽が特殊なものでなかったのは確か。

「オオカミ」も著者の生家のある神奈川県の話だ。オオカミ信仰のルポルタージュ。こう書くととんでもない田舎が舞台のように思ってしまうが。東京奥多摩御岳山の武蔵御嶽神社の御嶽講のことである。川崎や横浜の山の方つまり〈たまプラーザ〉に代表される人気住宅地も半世紀前は、のどかな田舎だったのだ。

さて「コンニャク屋」である。名作、川田順造の「母の声、川の匂い」と同様、東京の下町の一家の歴史がテーマである。著者、星野博美の実家は東京五反田の町工場である。しかし祖父の出身は千葉県外房の漁師の家でその屋号が「コンニャク屋」だというのだ。ちなみにその一族は和歌山の出だということでルーツ探しに行くのだが外房という言い方が通じないのに東京出身の私は驚いた。「ミドリさん」「オオカミ」と比べるとノンフィクションとしての価値はあまりあるとは思えない。しかしプロの作家としてのキャリアはやはり上だけのことはある。読んでいて楽しい。外房の濃いい漁師の一族たちの生活がいきいきと描かれている。きっかけは祖父の残した手記である。私の父も結構な量の手記を残している。またこの本の最後のほうで著者が運転免許を取得しその練習で父親と指示する場所をドライブするシーンがあるが私も我が家で最初に免許を取得したとき父の用で運転することがあったがその指示の正確さがなつかしい。昔の人はよく道を覚えていたのだった。小さな家の歴史にも本のテーマはある。私も暇ができたら父の手記を読破してまとめたいとは思っている。何時のことになるだろうかわからないが。

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