虫だけど家畜
新刊目録の望月です。
今月の雑記テーマは「虫」。
というわけで、先日横浜にあるシルク博物館を訪れたときの話から。
シルク博物館とは、その名の通り絹をテーマとした博物館で、絹の科学や服飾の歴史などが学べるところです。
草木染めの美しい絹、海外に輸出されていたスカーフ、色とりどりの着物や民族衣装などが展示してある一角に、「カサカサ」というひそやかな音ともにそれはいました。
カイコです。
小学校の時学校で飼っていたので、久しぶりの再会。「カサカサ」というのはカイコがエサを食べるときの音でした。体に似合わないほどの大量のエサを無心に食べている姿がかわいらしくて、ずっと眺めてしまいます。
隣では、少し大きなカイコが今まさに繭を作ろうとして糸を吐きだしているところでした。こちらも無心に行ったり来たりと顔を動かして真っ白い繭を作っていきます。最初は姿が透けて見えていましたが、だんだんと壁が厚くなり見えなくなっていきました。懸命さが愛らしい。
このようにカイコを愛でているわたしですが、この話を友人にした時、「でも生糸にするには蛾になる前に殺しちゃうんだよね?」と言われました。たしかに。それを思うとちょっとかわいそう...。
しかし、先日こちらの本を見かけたとき知りました。カイコは家畜なのだと。人間が手をかけないと育たないならこの運命も仕方がないのだと。
「大研究カイコ図鑑 生態から飼育方法、歴史まで。カイコのひみつがすべてわかる!」
富岡製糸場が世界文化遺産に選ばれた今、近代日本の絹産業を支えた養蚕や、工業化の歴史、産業の発展などカイコ周りでいろいろ調べてみたくなりました。夏休みの宿題ですね。