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シダ植物のふしぎな魅力

本日は「週刊新刊全点案内」1972号の発行日です。
掲載件数は1135件でした。

*こんな本がありました*

日本産シダ植物標準図鑑

海老原淳・著
学研プラス(2016.7)


つくばにある実家に帰省した時は、近所にある宝篋山(ほうきょうさん)という山に登ります。標高500メートルにも満たない低山ですが、頂上は筑波山や霞ケ浦を見渡せるなかなかの絶景ポイント。さらに、鎌倉時代に建てられた宝篋印塔や、国の史跡である小田城の城郭跡などもあり、意外なほど見どころが満載。四季折々の自然と歴史が楽しめる、何度登っても飽きない山です。

登山道のいたるところに沢や小さな滝があり、その周辺にはシダ植物やコケが群生しています。日ごろ見慣れている植物ですが、山の水辺は彼らにとって最適な環境だからでしょうか、その瑞々しく輝くさまにしばらく足を止めてしまうほど。

しゃがみこんでよく見てみると、シダの葉の繊細で複雑な葉の切れ込みは、まるで切り紙模様のよう。ただ、裏を返してみると、そこには一面びっしりとくっついた胞子嚢群が。一瞬ぞぞっとするのですが、美しい葉の形状とグロテスクな胞子嚢群のギャップが何ともたまりません。


こちらの「日本産シダ植物標準図鑑」によると、世界で現生するシダ植物は1万2000~1万5000種ほどあり、そのうち日本産のものは724種ほど。見たこともない形状のシダも多くあり、その多様性に改めて驚かされます。

そして、シダ植物を見ていると、遠い昔の記憶が呼び起こされるような、どこか懐かしい感情が湧いてくるのは、シダが古生代や中世代に栄えた植物だからでしょうか。

シダ植物のふしぎな魅力に捕らわれてしまいそうです。

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