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バリアフリー映画会って?

9月も最終週、朝晩の涼しさに秋を感じるようになりました。
今月の木曜テーマは「バリアフリー」です。

TRCでは、全国の図書館で「バリアフリー映画会」を行っています。私も以前から興味はあるものの、まだ参加したことがありません。

そこで、バリアフリー映画会がどのような催しなのか、TRCでバリアフリー映画会の企画を担当している川口泰輝さんに話を聞いてみました。


―――バリアフリー映画会は、図書館で行う他の映画会と何が違うのでしょうか?

(川口さん、以下略)バリアフリー映画会では、視覚や聴覚に不自由のある方も一緒に映画を楽しめるよう、場面展開や登場人物の動きなどを説明した「音声ガイド」と、セリフや音などを説明した「日本語字幕」がつきます。バリアフリー映画にはいつくかの方式があるのですが、TRCのバリアフリー映画会では、住友商事株式会社のご協力のもと、会場全体に音声ガイドが聞こえる「オープン方式」の上映素材を使用しています。


―――どんな方が参加されるのですか?

視覚や聴覚に不自由のある方だけでなく、車椅子をご利用の方や発達に偏りのある方も参加されています。「日本語を勉強したい」という留学生が参加されたこともありました。年配の方は「音声ガイドや日本語字幕があると理解の助けになる」と話される方が多いですね。図書館によっては音訳や点訳のボランティアの方、手話通訳の方、社会福祉協議会の方との交流の場にもなっています。


―――たとえば、どんな作品を上映しているのでしょうか?

今年度は昨年公開された「愛を積むひと」と「くちびるに歌を」の2作品が新たに加わりました。原作本がベストセラーとなった「舟を編む」や「武士の家計簿」、「博士の愛した数式」などのほか、実話をもとにした「天国からのエール」、コメディの「東野圭吾ドラマシリーズ"笑"」など、幅広い作品が上映されています。


―――バリアフリー映画会を開催する上で大変なことや苦労することはありますか?

初めて開催する図書館では、告知と会場設営に苦労することが多いですね。今年度は日本盲人会連合と全日本ろうあ連盟にも告知にお力添えをいただき、大変感謝しています。バリアフリー映画会の開催を通じて地元の社会福祉協議会や当事者団体の方々とご縁をいただけたり、準備をする中で会場の段差に気づき簡易スロープを用意したりするなど、各館の意識向上にも繋がっています。


―――川口さんはTRCの障害者サービスマネージャーですが、バリアフリー映画会のほかに、どんな障害者サービスを担当されていますか?

伊藤忠記念財団がご寄贈くださるマルチメディアDAISY(デイジー)図書『わいわい文庫』を担当しています。賛同してもらえた図書館からは、「特設コーナーを設置した」「タブレット端末を用いたお話会や体験会を開催した」といった活用事例が寄せられています。

他には、「コミュニケーションボード」(コミュニケーションに困難がある人がイラストを指差すことで意思を伝えるツール)の製作を企画し、先月8月に社内公開しました。製作にあたっては社内の協力に加えて、近畿視覚障害者情報サービス研究協議会「LLブック特別研究グループ」からも貴重なご助言をいただきました。幸い今月の始めには「指さしボード」として地方紙にも取り上げてもらえました。

図書館の障害者サービス、情報保障の課題は山積していますが、引き続き一つひとつ解決していけたらと考えています。


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バリアフリー映画会を開催することによって、その図書館の障害者サービスへの意識が高まるというお話にはハッとさせられました。開催する側にとっても多くの学びや発見があるバリアフリー映画会、ますます参加してみたくなりました。

川口さん、ありがとうございました!

※平成28年度のバリアフリー映画会のスケジュールは、TRCのホームページでご覧いただけます。
興味のある方はぜひ一度、足を運んでみてくださいね。

コメント (2)

広報尾園:

川口泰輝さんにインタビューをしていただいてありがとうございます! バリアフリー映画、普通に見ても面白いですよ。言葉で状況を説明してくれるので、映像で見過ごしがちな所も「へえ、ここが見所だったのか」と気付かされたりしました。

データ部 藤村:

尾園さん、コメントありがとうございます。バリアフリー映画には、通常の映画と違う楽しみ方があるんですね。近いうちに行ってみます!

バリアフリーという言葉自体は当たり前のように使っていますが、その具体的な試みについては知らないことばかりだなと改めて感じました。図書館のバリアフリー施策はすべて、知のバリアフリーにつながるので責任重大ですよね。MARCも一度、バリアフリーという視点から考えてみる必要があるかもしれません。

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