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2016年11月15日

8番目は戯曲

本日は週刊新刊全点案内1988号の発行日です。
掲載件数は1235件でした。

*こんな本がありました*
ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 スペシャルリハーサルエディションスクリプト

J.K.ローリングジョン・ティファニー ジャック・ソーン(著)ジャック・ソーン(舞台脚本)
静山社(2016.11)

「ハリー・ポッター」シリーズの最新作、『8番目の物語』にあたる作品!
邦訳発売を首を長くしてお待ちだったシリーズ読者も多いことでしょう。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、この作品、これまでのシリーズ小説7作とは成立過程や作品形式が異なっています。
まず、舞台劇の書籍化で、形式が小説ではなく舞台脚本(戯曲)となっています。
そして、J.K.ローリングの単著ではなく、彼女とジョン・ティファニー、ジャック・ソーンの3人によるオリジナルニューストーリー(原案)から、ジャック・ソーンが舞台脚本にしたものとのこと。

さて、そういった事情の本を手にして目録を作成するにあたり、私どもデータ部員は少々考えこんでしまいました。
「ハリー・ポッター」シリーズの最新作とうたわれているのですから、これまでの7作と並んでいてほしい気持ちは山々。
しかし、前作までの小説に対して今作は戯曲で、そうなると分類記号は...。
著者記号についても様々な意見が出ました。
戯曲を書いたジャック・ソーンから?「ハリー・ポッター」シリーズなのに著者記号がJ.K.ローリングからでないのには違和感が!図書に「著者」として原案の3人が表示されているのだから、3人著者で単一標目指示はタイトルで著者記号は無しでは?...
車座を組んで皆でさんざん頭をひねり(かかえ?)ましたが、最終的に、原作や原案が何であろうと戯曲は戯曲の分類に、戯曲の著者記号は戯曲を執筆した人から、という基本の考え方で目録をとることにしました。

結果、舞台脚本「ハリー・ポッターと呪いの子」については
分類:K932.7<K932> 図書記号1文字目(著者記号):ソ
となり、
7作目までの小説の
分類:K933.7<K933> 図書記号1文字目(著者記号):ロ
とは異なる分類・図書記号となっています。
(図書館独自の配架をお考えの場合は、請求記号指示等をご検討いただければと思います。)

そんなこんなで目録のとり方でもデータ部員の記憶に残る「今週の1冊」ですが、もちろん内容的にも...文学作品ですのでこれは読んでのお楽しみとさせていただきましょう。
個人的には、もしかしてこの作品で初めて「戯曲を読む」という体験をして、小説とはまた違った味わいの戯曲というジャンルに開眼する方もいるのでは、と楽しみです。


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