父の名前は
本日は「週刊新刊全点案内」2035号の発行日です。
掲載件数は1240件でした。
*こんな本がありました*
「スターリンの娘 「クレムリンの皇女」スヴェトラーナの生涯 上」
ローズマリー・サリヴァン(著)
白水社(2017.10)
「スターリンの娘 「クレムリンの皇女」スヴェトラーナの生涯 下」
ローズマリー・サリヴァン(著)
白水社(2017.10)
先日の選挙でも、沢山登場した2世3世。
同じ2世でも、父親があのスターリンだとしたら?
周りの人はどんな風に接するのか?
周囲の偏見をどうやり過ごすのか?
顔や性格は父親に似てるのか?
婿に来る男性の心境は??
下衆な想像も含め、色んなことが浮かんでくるタイトルです。
訳者あとがきによると、母親の抗議の自殺、
数度の結婚と離婚を経て米国に亡命。
回想記の出版により多額の印税を得るものの、
財産をだまし取られ、英国・ソ連・米国に移住を繰り返し、
最後はソ連の崩壊からプーチン政権成立まで目撃し、
85歳の生涯をとじた、とありました。
「東西冷戦の波にもてあそばれ、
徒手空拳の個人として米ソ両国の国家権力に対峙し、
情報機関の陰謀の影に怯え、社会の偏見と差別にさらされ、
それでも息子と娘たちを愛する母親として、
また、恋多き女性として果敢に生き抜きました。」
(訳者あとがき)
父の名前という決して逃れられない運命のもとで生き抜く、
というのに心を動かされます。
本文だけで800p超、という大作です。