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奥深い「うらみ」

本日は週刊新刊全点案内2076号の発行日です。
掲載件数は1036件でした。
今月の表紙はこちら。

p20180904.jpg

9月といえば、漸く少し涼しくなり、食欲の秋!
スプーンの入っている引き出しを開けて
「あっ、こんなのもあった! あら、これ暫く使ってないな? あーこんなの持ってたっけ~?」
等々、毎日愛用のスプーンも加えて
描き終えてみると、9月の「9」にも見えてきました!!(Juriさん)

*こんな本がありました*

うらめしい絵 日本美術に見る怨恨の競演

田中圭子 (著)
誠文堂新光社 (2018.8)

夏になると必ずテレビで見かけるのが怖い番組。私はホラーが苦手なのでチャンネルを合わせないようにしているのですが、うっかり一度見てしまうと気になって結局目が離せなくなってしまいます。
怖いと分かっていても見てしまう、それはきっと私だけではないと思うのですが、これもおそらくホラーの魅力の1つなのでしょう。

この本も、そんなホラーに通じる「うらみ」をテーマにした日本画を紹介しています。
「うらみ」と聞くと、恐ろしい、悪い感情という印象が一般的だと思います。実際、それを抱いた者が他者を恐怖のどん底に陥れる話はよく見かけますよね。
しかし、この本で紹介されている絵の「うらみ」、それに秘められた感情は単純なものではありません。
紹介されている絵の元となった話を見てみれば、愛情、忠誠、恋慕など、はじめは全く別物だったはずの気持ちが、悲劇的な話を通じて「うらみ」へと転じてしまう様子がわかります。
ここで語られる話はやはり恐ろしいものばかりですが、わかっていてもその変容の過程には興味を惹かれます。

掲載された日本画の作者には、歌川広重や葛飾北斎など有名絵師の名も並んでおり、「うらみ」が元々人気のあるテーマだったことが伺えます。
一度覗き込んでみれば複雑怪奇な「うらみ」の世界、人が怖いものになぜか惹かれてしまう理由を少しだけ知れたような気がしました。

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